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耐火遮音カバー IRSP 技術資料 2014 年 04 月 23 日 因幡電機産業株式会社 技術開発センター - 1/41 -

目次ページ 耐火遮音カバー (IRSP) 1. はじめに 3 2. 特長 3 3. 仕様 4 4. 性能 6 4-1. 遮音性 6 4-2. 固体伝播抑制性能 21 4-3. 耐火性 22 4-4. 止水性 24 4-5. 防露性 24 5. 施工性及び経済性 25 5-1 施工性 25 5-2 経済性 28 6. 施工手順 30 6-1. 耐火遮音カバー施工手順 30 6-2. 集合管耐火遮音キット施工手順 35 6-3. 区画貫通処理法 38 集合継手埋設部用耐火遮音材熱膨張シート ( ヒートメールサイレンス HMS) 39 1. はじめに 39 2. 仕様 39 3. 性能 ( 耐火性 ) 40 4. 施工手順 40-2/41 -

耐火遮音カバー IRSP 1. はじめに 耐火遮音カバー IRSP は 多層構造をもった制振遮音材で排水管の表面を被覆し 特に集合住宅や一般戸建住宅で排水管を伝わって聞こえてくる不快な排水音や振動を抑制するものです 直管は塩ビ管一体構造以外に差し込み及び後巻きの 2 方式 継手は塩ビ管継手と一体構造のため 従来の遮音工事よりも大幅に工期の短縮ができ 同時に直接モルタル埋戻し施工及び集合管への接続施工による防火区画貫通も可能です 用途は 屋内に使用する給 排水管及び排水管に付属する通気管です 2. 特長 遮音性能 固体伝播抑制性能 制振遮音材と吸音材の二層構造 遮音上 最も重要な継手部分は 遮音材と塩ビ管部品を一体で成型 直線部はパイプカバーを差し込むだけ で優れた遮音 防振性能を発揮します 優れた施工性 配管 遮音 防振抑制 防火区画貫通処理 を同時におこなえるので スピーディーな施工が可能です また 集合管 ( 鋳鉄製, 耐火二層管製 ) への接続 ( 詳細は 国土交通大臣認定書を参照 ) も可能です 耐火性能モルタルで埋戻すだけで 建築基準法で定められる防火区画及び消防法で定められる共住区画貫通が可能です また 集合管 ( 鋳鉄製, 耐火二層管製 ) への接続 ( 詳細は 国土交通大臣認定書を参照 ) も可能です 防露性能 制振遮音材と吸音材の二層構造 により 排水管としては十分な防露性能を発揮します 豊富なバリエーション直管は 塩ビ管一体形以外にも 先付け施工 ( 直管用パイプカバー ) 後付け施工 ( 後巻き遮音シート ) に対応できます φ50~φ150 の排水管に対応可能です また パイプカバーには高遮音タイプを用意 ( 対応サイズ :φ75 φ100 φ125) しております - 3/41 -

3. 仕様耐火遮音カバー IRSP の直管用及び継手用遮音材の構成を次に示します 無機質フェルト 合成樹脂不織布 無機質フェルト 改質アスファルト合材 合成樹脂不織布 合成樹脂不織布 吸音層 (5.0 mm ) 吸音層 (5.0 mm ) 直管用 制振遮音 (2.5 mm ) 継手用 制振遮音 (2.5 mm ) 先付け施工用 直管用パイプカバー 後付け施工用 後巻き遮音シート の他 各種継手 部品をご用意しています 直管用パイプカバー耐火遮音パイプ後巻き遮音シートジョイントテープ 90 エルボ 90 大曲りエルボ異径エルボ 90 Y 90 異径 Y 90 大曲り Y 90 大曲り異径 Y 45 エルボ 45 Y 45 異径 Y ソケット異径ソケット S ソケット差し込みソケット掃除口掃除口付ソケット (MD 継手 ) 用カバー - 4/41 -

集合管耐火遮音キットの材料構成及び製品形状を次に示します グラスウールフェルト 合成樹脂不織布 改質アスファルト合材 < 排水管側 > 合成樹脂不織布 吸音層 (5.0 mm ) < 外側 > 制振遮音 (2.5 mm ) 上部用キット 型番 IRSP-S-80 IRSP-S-100 L(mm) 570 620 W(mm) 285 300 固定バンド 1 本 ジョイントテープ 3 枚 下部用キット 型番 IRSP-K-80 IRSP-K-100 L(mm) 540 580 W(mm) 360 400 固定バンド 2 本 ジョイントテープ 3 枚 枝管用キット 型番 IRSP-E-80 IRSP-E-100 IRSP-E-F L(mm) 380 400 400 W(mm) 120 120 200 固定バンド 1 本 2 本 枝管サイズ 50 65 用 75 用 フランジタイプ用 ( 積水化学工業製集合管 ) - 5/41 -

残響室法吸音率 RD-IRSP-SPEC-001-04 4. 性能 4-1. 遮音性 排水管から発生する音は 空気音 ( 管内を流れる水流の音 ) と固体音 ( 水流等が管内にぶつかり 管を振動させ発生する音 ) からなります 耐火遮音カバー IRSP は二層構造になっており 管側にある吸音材で空気音を吸収し その外側にある高比重の制振遮音材で空気音は反射 固体音は吸収し 外側に透過する音を大きく減衰させます イメージを次に示します 管からの空気音 管からの固体音 吸音層 透過音 透過音 - 遮音イメージ - 遮音層 4-1-1. 材料 (a) 吸音層耐火遮音カバー IRSP の吸音層には 不燃性の無機質維フェルトを使用しております この無機質繊維フェルトの吸音性能を次に示します 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 - 無機質繊維フェルトの吸音性能 - 0 125 250 500 1000 2000 4000 8000 中心周波数 (Hz) 測定方法は JIS A 1409 残響室法吸音率の測定方法 によります 数値は 残響室法吸音率が 1.0 の場合 100% の音を吸音したことを示します なお この数値は保証値ではありません (b) 制振遮音層継手の制振遮音層には リサイクル材料の高比重フィラー を改質アスファルトに混合したシートを使用しており 環境に配慮しております 音はある物体を通過する時 その物体の密度が高くなるにつれ 音の透過が減少します (= 質量則 ) 高比重フィラーを使用する耐火遮音カバー継手は高い制振遮音効果が得られます - 6/41 -

4-1-2. 遮音性比較試験 4-1-2-1. 耐火遮音カバースタンダードタイプ (IRSP) (a) 要旨 パイプシャフト内に配管された管に生じる音 (= ここでは排水騒音 ) は 壁などで遮られるものの どうしても居室内に伝わります これらの音を低減させるために 従来 遮音シートやグラスウールなどによる配管への遮音処理をおこなってきました 同工法は 実績のある工法であり 文献などで挙げられる室内音環境推奨値よりもややオーバースペックな性能を有しますが 遮音材 シート 金網などを配管に幾度も巻く手間や作業精度などが問題となっていました これに対し 耐火遮音カバーは 直管部では管を遮音材に挿入するだけの素早く安定した工法であり 遮音上 最も重要な箇所である継手については 遮音材と塩ビ管継手をあらかじめ一体成型しており 作業精度にバラつきがすくないものです ここで 同製品と従来からの代表的な材料 工法の遮音性を 実験室レベル 居室内の算出騒音値 実際の建築物での実測 の 3 段階でおこない その値が許容できる範囲内であるかの確認をおこないました 居室 音が発生 聞こえてくる音 壁で音が遮られる (b) 照査の方法 当比較試験は 次の手順で照査をおこないます (1) 実験室内における騒音値測定 ( 管から生じる音を管から 500mm 離れた場所で測定 ) (2) 居室内の算出騒音値 (1) の騒音値がパイプシャフト ( 以後 PS) 内で発生したと仮定し この値より居室内の騒音値を求め 文献に挙げられる値を満足するか否かを確認します (3) 実際のマンションで騒音値を測定建築中のマンションの管路を利用し 棟内の居室内の騒音値を測定 この測定値が文献に挙げられている値を満足するか否かを確認します - 7/41 -

(c) 試験 (1) 実験室内における遮音値測定 (ⅰ) 概要及び試験方法 ( 財 ) 日本建築総合試験所において JIS A 1409( 残響室法吸音率の測定方法 ) に基づく試験室内に (ⅴ) に示す試験体を設置し (ⅳ) に示す試験配管を順次配管し 配管よりそれぞれ 500 mmの箇所にマイクロホンを設置し 上部水槽より 200 L/min で水を流した時の排水音を各配管 3 回測定しました (ⅱ) 測定器 : マイクロホン MI-1233( 小野測器製 ) プリアンプ MI-3110( 小野測器製 ) マルチチャンネルデータステーション ( 小野測器製 ) (ⅲ) 試験流体 : 水道水 200 L/min (ⅳ) 試験配管 1 2 3 硬質塩化ビニル管 VP 耐火二層管ライニング鋼管 外層 = なし外層 = なし外層 = なし 4 5 6 硬質塩化ビニル管 VP 耐火二層管ライニング鋼管 耐火遮音カバー IRSP 遮音処理遮音処理 遮音処理 : グラスウール 24K-25t mm + 遮音シート 3.8kg/ m2 (ⅴ) 試験体図 - 8/41 -

(ⅵ) 試験結果 : 試験結果の一覧およびグラフを下記に示します 各オクターブ帯域中心周波数での値は 3 回測定の平均値であり NC 値 A 特性は 平均値での値を示しています ( 単位 :db) 試験体 No. 配管種類 1 NC 値 2 A 特性 オクターブ帯域中心周波数 (Hz) 63 125 250 500 1000 2000 4000 1 2 硬質塩化ビニル管 (VP) 耐火二層管 (VP) 51 54.8 54.7 46.7 43.6 45.2 47.8 49.4 49.3 42 46.5 51.3 42.8 38.0 36.8 40.6 41.3 39.7 3 ライニング鋼管 42 45.7 51.8 42.5 38.9 37.6 37.9 41.0 39.0 4 耐火遮音カバー付 硬質塩化ビニル管 (VP) 36 42.6 54.8 47.0 42.2 40.8 37.2 32.9 22.9 5 耐火二層管 + 遮音処理 26 34.3 48.8 42.9 38.0 31.1 25.1 22.5-6 ライニング鋼管 + 遮音処理 31 36.5 48.5 42.2 35.2 35.7 28.8 26.6 23.5 1 NC 値 : 定常で広帯域の騒音のうるささを対象とした評価法 2 A 特性 : 騒音計で物理的に測定した各周波数の音圧の和 60 NC-60 NC-55 50 NC-50 NC-45 40 NC-40 音圧レベル (db) 30 20 NC-35 NC-30 NC-25 NC-20 10 硬質塩化ビニル管 (VP) 耐火二層管 (VP) ライニング鋼管 NC-15 耐火遮音カバー付硬質塩化ビニル管 (VP) 耐火二層管 + 遮音処理 0 A 特性 63 125 250 500 1000 2000 4000 オクターブ帯域中心周波数 (Hz) ライニング鋼管 + 遮音処理 ( 注 ) これらのデータは 前述の条件下での試験についての測定値であり 性能を保証するものではありません - 9/41 -

(2) 居室内の算出騒音値 (c) 試験 (1) 実験室内における遮音値測定 (ⅵ) 試験結果を基に イメージ図のようなパイプシャフトから居室側に透過する音を簡易的に算出し その値が許容できる範囲内であるかの確認をおこないました 4 (ⅰ) 居室側への騒音の設定条件パイプシャフト内の排水管より出た排水音が室内へ出る場合 壁面 床面 天井面から反射音 共鳴音 回り込み音 駆体からの伝播音等様々な要因で居室内への騒音となります コンクリートにて打設されたパイプシャフトを通る排水管を仮定し 周囲の壁 3 面 ( 居室側を除く1,2,3) 天井面 (4) 床面 (5) からの反射音と配管からの音を算出します 1 2 3 元の音源 5 この時 悪条件で検討をおこなうため 各反射音は減衰 0とし また 全ての反射音が居室側に戻るものと想定します また それぞれの区画からの乱反射 共鳴 隙間からの回り込み音 駆体からの伝播音 及び 居室側の吸音特性は考慮しません 元の音源 排水音イメージ図 反射音 この条件下のある周波数帯域の排水音がXdB とすると居室方向への騒音は次式で求められます ( 10 10log 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 X X X 1 2 3 4 5 X X X ) 元の音源 さらに この算出した数値が居室側壁に入射した裏面側 ( 居室側 ) の騒音を算出します 居室側壁の材質選定は 悪条件の検討をおこなうため 壁材の中で最も透過損失が小さな (= 音が通過しやすい ) 単一板状構造の材質である石こうボード (9 mm ) を用いました 石こうボード (9 mm ) の透過損失は下表の通りです 壁材 オクターブ帯域中心周波数 (Hz) 63 125 250 500 1000 2000 4000 石こうボード (9 mm ) --- 15 20 25 28 34 25 *63Hz における透過損失値は設定されていません - 10/41 -

(ⅱ) 居室側の騒音値 (c) 試験 (1) 実験室内における遮音値測定 (ⅵ) 試験結果 及び (ⅰ) 居室側の騒音の設定条件より求まる居室側の騒音値は次の通りです ( 単位 :db) 配管種類 オクターブ帯域中心周波数 (Hz) 配管 外装処理 項目 63 125 250 500 1000 2000 4000 試験値 54.7 46.7 43.6 45.2 47.8 49.4 49.3 硬質塩化ビニル管 (VP) 耐火二層管 (VP) 耐火遮音カバー付硬質塩化ビニル管 (VP) 耐火二層管 (VP) + 遮音処理ライニング鋼管 + 遮音処理 なしモルタル被覆耐火遮音カバー GW 24K-25tmm + 遮音シート GW 24K-25tmm + 遮音シート 騒音値 61.7 53.7 50.5 52.2 54.8 56.4 56.3 石こうボード透過損失 - 15.0 20.0 25.0 28.0 34.0 25.0 居室側騒音値 - 38.7 30.5 27.2 26.8 22.4 31.3 試験値 51.3 42.8 38.0 36.8 40.6 41.3 39.7 騒音値 58.3 49.8 45.0 43.8 47.6 48.3 46.7 石こうボード 透過損失 - 15.0 20.0 25.0 28.0 34.0 25.0 居室側騒音値 - 34.8 25.0 18.8 19.6 14.3 21.7 試験値 54.8 47.0 42.2 40.8 37.2 32.9 22.9 騒音値 61.8 54.0 49.2 47.8 44.2 39.9 29.9 石こうボード 透過損失 - 15.0 20.0 25.0 28.0 34.0 25.0 居室側騒音値 - 39.0 29.2 22.8 16.2 5.9 4.9 試験値 48.8 42.9 38.0 31.1 25.1 22.5 - 騒音値 55.8 49.9 45.0 38.1 32.1 29.5 - 石こうボード 透過損失 - 15.0 20.0 25.0 28.0 34.0 25.0 居室側騒音値 - 34.9 25.0 13.1 4.1 0.0 - 試験値 48.5 42.2 35.2 35.7 28.8 26.6 23.5 騒音値 55.5 49.2 42.2 42.7 35.8 33.6 30.5 石こうボード 透過損失 - 15.0 20.0 25.0 28.0 34.0 25.0 居室側騒音値 - 34.2 22.2 17.7 7.8 0.0 5.5 ( 注 ) このデータは 前述の試験結果を基に算出した理論値であり 性能を保証するものではありません - 11/41 -

60 NC-60 NC-55 50 NC-50 NC-45 40 音圧レベル ( d B ) 30 20 塩ビ管 VP NC-40 NC-35 NC-30 NC-25 耐火二層管 NC-20 10 ライニンク 鋼管 + 遮音シート NC-15 耐火遮音カハ ー付塩ビ管 VP 耐火二層管 + 遮音シート 0 A 特性 63 125 250 500 1000 2000 4000 オクターブ帯域中心周波数 (Hz) 上記結果から 各管路の NC 値は次の通りとなります 管路 工法 NC 値 硬質塩化ビニル管 VP 33 耐火二層管 (VP) 25 耐火遮音カバー付硬質塩化ビニル管 (VP) 19 耐火二層管 (VP) + 遮音処理 15 以下 ライニング鋼管 + 遮音処理 15 以下 ( 注 ) これらのデータは 前述の試験結果を基に算出した理論値であり 性能を保証するものではありま せん - 12/41 -

(3) 実際の建築物における騒音測定 (ⅰ) 概要及び試験方法マンション棟で 流体 ( 水道水 200L/ 回 ) を実際の浴槽を用いて排水した時の流水の騒音値を 3 回測定し 耐火遮音カバー IRSP 付塩ビ管 および 耐火二層管 + 遮音処理 の遮音性能比較をおこないました (ⅱ) 建築構造 :RC 造 15 階建 (ⅲ) 測定機器 : 精密騒音計 NA-27 リオン株式会社 (F 特性ピーク値測定 ) (ⅳ) 試験流体 : 水道水 100 リットル (ⅴ) 測定測定は 6 階から試験流体を流し 2 階にて測定 3 回の測定値を平均して評価をおこないました 1 測定排水管系統測定排水管系統図を下図に示します - 13/41 -

2 測定位置図各系統における 2 階の騒音測定位置を下図に示します <2 階騒音測定位置 > 遮音壁 ( 石こうボード 12.5t + グラスウール 24K-25tmm) の壁面より 500 mm 高さ 1000 mmの位置にて測定 3 測定管仕様詳細 系統 トイレ排水管 硬質塩化ビニル管 VP 100A 管の仕様 + 耐火遮音カバー (IRSP 因幡製 ) 付 耐火二層管 (VP) 100A ユーティリティー排水管 + 遮音処理 ( グラスウール 24K-25t mm ) + 遮音処理 ( 遮音シート 2.1kg/m 2 ) + 亀甲金網巻き - 14/41 -

(ⅵ) 測定結果 耐火遮音カバー IRSP 付塩ビ管 および 耐火二層管 + 遮音処理 の遮音壁外 ( 居室内 ) での騒音比較を以下に示します ( 単位 :db) 排水管 オクターブ帯域中心周波数 (Hz):F 特性 63 125 250 500 1000 2000 4000 暗騒音 40.1 25.6 21.2 19.0 14.2 13.8 11.1 15 NC 値 トイレ排水管 ( 塩ビ管 +IRSP) ユーティリティー排水管 ( 耐火二層管 + 遮音処理 ) 36.5 30.4 21.1 17.8 12.8 14.8 16.3 19 40.1 37.0 24.9 19.4 18.2 17.2 15.8 18 80 70 60 暗騒音 トイレ排水管 ( 塩ビ管 +IRSP) ユーティティー排水管耐火二層管 + 遮音処理 NC-65 NC-60 音圧レベル 50 40 (db) 30 NC-55 NC-50 NC-45 NC-40 NC-35 NC-30 20 NC-25 NC-20 10 NC-15 (ⅶ) まとめ 0 63 125 250 500 1000 2000 4000 オクターブ帯域中心周波数 (Hz) 居室内 (2 階遮音壁外 ) では 耐火遮音カバー IRSP(19dB) 耐火二層管 + 遮音処理 (18dB) であり いずれも 30dB 以下であり 騒音値は 下表に示す NC 推奨値 (( 社 ) 日本騒音制御工学会編 配管系の騒音対策 ) を共に満足することが確認できました NC 推奨値 室の種類 NC 値 大劇場 20-25 音楽室 教室 テレビ収録スタジオ 25 アパート ホテル 大会議室 寝室 20-30 映画館 病院 教会 裁判所 図書室 30 ( 注 ) これらのデータは 前述の条件下での試験についての測定値であり 性能を保証するものではありません - 15/41 -

4-1-2-2. 集合管耐火遮音キット (IRSP-S K E) (a) 要旨パイプシャフト (PS) 内に配管された集合管に生じる音 (= ここでは排水騒音 ) は 壁などで遮られるものの どうしても居室内に伝わります これらの音を低減させるために 従来 遮音シートやグラスウールなどによる遮音処理をおこなってきました 同工法は 実績のある工法であり 管路に遮音材 グラスウール 金網などを幾度も巻く手間や作業精度などが問題となっていました これに対し 集合管耐火遮音キットは 集合管に被覆するだけの素早く安定した工法を可能としています 硬質塩化ビニル管 (VP 管 ) を使用し下記条件にて 集合管耐火遮音キットと従来からの代表的な材料 工法と未処理の性能比較を実施しました (b) 試験 (1) 実験室内における遮音値測定 (ⅰ) 概要及び試験方法自社試験室内に (ⅴ) に示す実際の排水管経路を試験体に設置し (ⅳ) に示す試験配管を順次配管し 配管よりそれぞれ 100 mmの箇所にマイクロホンを設置し 上部水槽より 200 L/min で水を流した時の排水音を各配管 3 回測定しました (ⅱ) 測定器 : 精密騒音計 NA-27 リオン株式会社 (F 特性ピーク値測定 ) (ⅲ) 試験流体 : 水道水 200L / min (ⅳ) 試験条件試験体 No. 遮音処理 遮音処理仕様 1 上部用キット+ 枝管用キット 2 上部 未処理 3 遮音処理 ( 従来からの材料 工法 ) 4 下部用キット 5 下部 未処理 6 遮音処理 ( 従来からの材料 工法 ) 遮音処理 : グラスウール 24K-25t mm+ 遮音シート 3.8kg/ m2-16/41 -

1200 100 1944 1500 1267 RD-IRSP-SPEC-001-04 (ⅴ) 試験体図 1000 (ⅵ) 試験結果 : 試験結果の一覧およびグラフを下記に示します 3 回測定の平均値であり NC 値 A 特性は 250Hz 以下を含むと数値に差が表れない為 500Hz 以上の平均値を示しています ( 単位 :db) 試験体 No. 遮音 処理 遮音処理仕様 *1 NC 値 *2 A 特性 オクターブ帯域中心周波数 (Hz) 63 125 250 500 1000 2000 4000 1 上部用キット + 枝管用キット 38.0 43.6 70.7 69.3 56.0 43.7 37.0 33.8 32.8 2 上部 未処理 45.0 49.3 70.5 69.5 56.5 48.4 38.6 40.1 43.2 3 遮音処理 ( 従来からの材料 工法 ) 42.0 45.4 68.8 68.7 56.9 46.9 36.7 33.2 32.7 4 下部用キット 36.0 42.8 72.7 63.4 54.1 40.9 38.0 34.4 32.8 5 下部 未処理 40.0 50.8 71.9 63.3 53.6 45.5 44.2 44.2 44.3 6 遮音処理 ( 従来からの材料 工法 ) 38.0 43.4 72.0 63.5 54.3 42.5 39.3 32.7 30.6 1 NC 値 (500Hz 以上 ): 定常で広帯域の騒音のうるささを対象とした評価法 2 A 特性 (500Hz 以上 ): 騒音計で物理的に測定した各周波数の音圧の和 ( 注 ) このデータは 前述の条件下での試験についての測定値であり 性能を保証するものではありません - 17/41 -

< 上部 ( 遮音処理 ) での比較 > 80 70 NC-65 60 遮音処理 ( 従来からの材料 工法 ) NC-60 NC-55 音圧レベル ( d B ) 50 40 30 未処理 NC-50 NC-45 NC-40 NC-35 20 上部用キット (IRSP-S) + 枝管用キット (IRSP-E) NC-30 NC-25 NC-20 10 上部用キット + 枝管用キット 未処理 NC-15 0 遮音処理 ( 従来からの材料 工法 ) 63 125 250 500 1000 2000 4000 A 特オクターブ帯域中心周波数 (Hz) ( 注 ) このデータは 前述の条件下での試験についての測定値であり 性能を保証するものではありません - 18/41 -

< 下部 ( 遮音処理 ) での比較 > 80 70 NC-65 60 NC-60 未処理 NC-55 音圧レベル ( d B ) 50 40 30 NC-50 NC-45 NC-40 NC-35 20 下部用キット IRSP-K 遮音処理 ( 従来からの材料 工法 ) NC-30 NC-25 NC-20 10 下部用キット 未処理 NC-15 遮音処理 ( 従来からの材料 工法 ) 0 63 125 250 500 1000 2000 4000 A 特オクターブ帯域中心周波数 (Hz) グラフが示す数値が低い程高い遮音性能を持っております 集合管耐火遮音キットは 従来からの代表的な材料 工法 ( グラスウール + 遮音シート処理 ) と比べ 遮音処理層厚が薄くても同等の遮音性能が確認出来ました ( 注 ) このデータは 前述の条件下での試験についての測定値であり 性能を保証するものではありません - 19/41 -

4-1-3. 遮音性能における留意事項 耐火遮音カバーは 排水騒音を低減しますが 排水方式によって大きい排水騒音が発生している場合 NC 推奨値 (( 社 ) 日本騒音制御工学会編 配管系の騒音対策 ) を満足できない場合があります 配管経路 ( オフセット 便器から立て配管までが短い場合など ) によって大きい排水騒音が発生している場合 NC 推奨値を満足できない場合があります 建築構造によっては 躯体伝播音等により NC 推奨値を満足できない場合があります 特に単管式排水継手 ( 集合管 ) の床貫通部は躯体伝播音が発生しやすいため十分な対策が必要です - 20/41 -

振動応答加速度 (m/s 2 ) RD-IRSP-SPEC-001-04 4-2. 固体伝播抑制性能 (ⅰ) 概要排水等により管が揺れ 壁や床を通して伝わる音や振動 ( 駆体伝播音 ) を φ100 の裸排水管 (VU) 耐火二層管 (VU) および因幡耐火遮音配管 ( 耐火遮音カバー付 VU) について 下記モデルに基づき大阪府立産業技術総合研究所にて比較測定した結果を示します (ⅱ) 試験方法次に示す簡易試験体にて試験をおこないました 配管の内側に打撃 ( スプリングハンマ ) を加えた際のコンクリートに伝わる振動を測定し比較をおこないました これを 25 回測定し 平均値を測定値としました 500 mm 管 φ100 振動ピックアップ 100 mm 500 mm 打撃 コンクリート 厚さ t=100 mm < 立面図 > (ⅲ) 測定器振動ピックアップ Miniature Cubic Accelerometer Type 4501 ( ブリュエル ケアー製 ) チャージアンプ CH-1100( 小野測器製 ) FFT アナライザ SOUND AND VIBRATION SIGNAL ANALYZER SA-74( リオン製 ) (ⅳ) 試験結果 配管種類 振動応答加速度 (m/s 2 ) 因幡耐火遮音配管 0.163 耐火二層管 1.175 硬質塩化ビニル管 (VU 管 ) 1.643 1.8 1.5 1.2 0.9 伝わりやすい 因幡遮音配管は 他の配管に比べ駆体に伝わる振動を軽減する事が確認できました 0.6 0.3 伝わりにくい ( 注 ) このデータは 上記の条件下での試験 についての測定値であり 性能を保証 するものではありません 0 因幡耐火遮音配管 耐火二層管 硬質塩化ビニル管 (VU 管 ) - 21/41 -

4-3. 耐火性 耐火遮音カバー IRSP を被せた管路材は モルタルで埋戻すだけで 建築基準法で定められる防火区画及び消防法で定められる共住区画貫通が可能です 国土交通大臣認定 ( 以下 認定と言う ) 番号及び ( 財 ) 日本消防設備安全センター評定 ( 以下 評定と言う ) 番号並びに貫通可能配管種 サイズを下記に示します < 認定 評定番号一覧表 > *1 JIS 規格品は 50A(IHT の直管は 63A) までです それ以上のサイズは認定書の外径 肉厚等で判断してください 注 ) 施工方法については 各認定書並びに評定書をご熟読の上 施工していただきますようお願いいたします - 22/41 -

標準施工図 < 床貫通 > 直貫通 継手貫通 (PC ALC 貫通 ) 集合管貫通 耐火遮音カバー付硬質塩化ビニル管 集合管耐火遮音キット上部用 耐火遮音カバー付硬質塩化ビニル管 集合管耐火遮音キット枝管用 ジョイントテープ 横枝管の施工 耐火二層管 集合管耐火遮音キット上部用 排水用硬質塩化ビニルライニング銅管 硬質塩化ビニル管 排水用鋳鉄製集合管 集合管耐火遮音キット下部用 ジョイントテープ 耐火遮音カバー ジョイントテープ 耐火遮音カバー 硬質ポリ塩化ビニル管 < 壁貫通 > 直貫通 継手貫通 (PC ALC 貫通 ) 両面石膏ボード ( 厚 12.5) 重張り ( 中空壁貫通 ) シリコンシーリング材 ( 壁両側より 25 ずつ ) 耐火遮音カバー付硬質塩化ビニル管 - 23/41 -

4-4. 止水性 (ⅰ) 概要 耐火遮音カバー IRSP 付き塩ビ管をモルタル埋め戻しを行い 上部に水を入れ 下部か らしみ出し等がないか 止水性の確認をおこないました (ⅱ) 試験体 配管 :φ100 耐火遮音管埋戻し : モルタル ( 充填高さ 100 mm ) (ⅲ) 試験方法モルタル埋め戻しの上部に水を 100 mm貯め 24 時間放置し 下部へのしみ出し等を確認します (ⅲ) 結果 24 時間経過後 下部へのしみ出しは見られませんでした φ100 耐火遮音管水上面図 φ100 耐火遮音管水 (h=100 mm ) 厚 100 mm 4-5. 防露性 排水管は 常時満水状態でないため 管内温度と外気温度の差が小さく 給水管に比べ結露は起こりにくいと考えられます また 塩ビ管は外気と直接触れている状態 耐火二層管はモルタル層が湿度を吸放出しているため 周りの外気状況に大きく左右され 配管及び内管である塩ビ管表面に結露する状況が考えられます しかし 耐火遮音カバー IRSP を被せた管路材は 表面がアスファルト系シートで覆われており内管の塩ビ管が外部湿度と隔離されるため 安定した結露性能を発揮します (a) 防露性能 100 耐火遮音カバー防露性能 80 相対 60 湿度 ( 40 % ) 20 管内温度 :0 管内温度 :10 管内温度 :20 管内温度 :30 0 10 20 30 40 50 外気温 ( ) 上記グラフは 理論値であり 保証値ではありません (b) 防露性比較 ~ 耐火遮音管と塩ビ管との防露性比較 ( 管内温度 :10 )~ 100 耐火遮音管と塩ビ管の防露性能比較 80 相対 60 湿度 ( 40 % ) 20 塩ビ管 遮音管 0 10 20 30 40 50 外気温 ( ) 上記グラフは 理論値であり 保証値ではありません - 24/41 -

5. 施工性及び経済性 5-1. 施工性 耐火遮音カバー IRSP と既存の代表的な配管の施工性を実機試験により評価し 同製品の歩掛りを算出します (a) 施工性評価モデル 次の施工モデル ( 住戸内の横引排水管モデル ) における施工性を評価します ただし 室内引き込みから手洗い器 洗面器 洗濯機 ユニットバス接続を想定し 機器接続はおこなわないものとします 配管サイズ :50A 配管サイズ :50A 配管サイズ :100A 配管サイズ :50A 配管サイズ :75A 試験状況 耐火遮音カバー ( 直管は塩ビ管 VP) - 25/41 -

時間 [min] 質量 [kg] RD-IRSP-SPEC-001-04 (b) 材料耐火遮音カバーの歩掛りを求めるため 自身の施工をおこなうとともに 一般的な配管方法と比較するため 2~5 の材料を用いておこないました 1 耐火遮音カバー ( 直管は塩ビ管 VP を使用 ) 2 耐火二層管 3 耐火二層管 + 遮音処理 4 ライニング鋼管 DVLP(MD 継手 ) 5 ライニング鋼管 DVLP(MD 継手 )+ 遮音処理 グラスウール (24K-25tmm)+ 遮音シート (S10 厚さ 1.1mm 面密度 3.8kg/m 2 ) (c) 測定方法配管切断時間 配管接続工事 配管固定工事 遮音工事にかかる時間をそれぞれ測定しました (d) 試験結果 試験体 配管切断 接続 配管工事 配管接続 目地及びテープ処理 配管固定 1 耐火遮音カバー IRSP 11 29 14 39 グラスウール 0 ( 配管工事に含む ) 遮音工事 遮音シート 0 ( 配管工事に含む ) 合計時間 重量 (kg) 93 42 2 耐火二層管 14 19 37 39 - - 109 50 3 耐火二層管 + 遮音処理 14 19 37 39 25 45 179 67 4 ライニング鋼管 DVLP(MD 継手 ) 20 42-41 - - 103 92 5 ライニング鋼管 DVLP(MD 継手 ) + 遮音処理 20 42-41 25 45 173 109 200 施工比較表 120 質量比較表 180 160 179 173 100 140 80 120 100 93 109 103 60 109 80 60 40 67 92 40 20 42 50 20 0 1 2 3 4 5 試験体 ( 注 ) 上記測定データは参考値であり 保証値ではありません 0 1 2 3 4 5 試験体 - 26/41 -

(e) 歩掛前項の結果より 耐火遮音カバー IRSP の歩掛りは 耐火二層管の歩掛り値に今回の作業時間比 (93 分 /109 分 ) を乗じ算出しました ただし 下記値は施工モデルからの実測値から算出したものであり 保証値ではありません 単位 : 人工 呼び径 耐火遮音カバー IRSP 硬質硬質塩化ビニル管 (VP) 1 参考 耐火二層管 2 排水用硬質塩化ビニル ライニング鋼管 3 40A 0.110 0.101 0.129 0.145 50A 0.141 0.128 0.165 0.172 65A 0.188 0.163 0.220 0.214 75A 0.200 0.190 0.234 0.239 (80A) 100A 0.271 0.245 0.318 0.306 125A 0.317 0.301 0.371 0.361 150A 0.404 0.356 0.473 0.457 1 ( 財 ) 経済調査会発行改訂 14 版工事歩掛要覧 < 建築 設備編 > より抜粋 2 耐火二層管協会ニュース より抜粋 3 ( 財 ) 経済調査会発行改訂 14 版工事歩掛要覧 < 建築 設備編 > より抜粋 尚 上記数値には 墨出し インサート取付け 小運搬 支持金物取り付け 吊込み及び満水 通気及び通水試験を含んでいます - 27/41 -

5-2. 経済性 (a) 施工性評価モデル 5-1 施工性 (a) の施工モデル ( 住戸内の横引排水管モデル ) における材工コストを評価します (b) 評価対象 ( 比較材料 ) No. 配管遮音処理 1 2 3 4 5 耐火遮音カバー IRSP ( 直管は塩ビ管 VP を使用 ) 耐火二層管 ( 湿式目地 : パテ ) 耐火二層管 ( 乾式目地 : セラミックリング ) 耐火二層管 ( 湿式目地 : パテ ) 耐火二層管 ( 乾式目地 : セラミックリング ) * 配管に含む なし なし グラスウール 24K-25tmm 遮音シート (S10) 厚さ 1.1mm 面密度 3.8kg/m 2 グラスウール 24K-25tmm 遮音シート (S10) 厚さ 1.1mm 面密度 3.8kg/m 2 6 ライニング鋼管 DVLP なし 7 ライニング鋼管 DVLP グラスウール 24K-25tmm 遮音シート (S10) 厚さ 1.1mm 面密度 3.8kg/m 2 (c) 積算方法 (1) 材料費は下記に基づき算出しました ( 財 ) 経済調査会発行積算資料 (2010.08) ( 財 ) 経済調査会発行改訂 14 版工事歩掛要覧 < 建築 設備編 > 注 ) 耐火遮音カバーについては 上記資料に未掲載のため 工事店価格を用いました (2) 工事費は下記に基づき算出しました ( 財 ) 経済調査会発行積算資料 (2010.08) ( 財 ) 経済調査会発行改訂 14 版工事歩掛要覧 < 建築 設備編 > 全日出版社発行機械設備工事積算実務マニュアル 耐火二層管協会ニュース 配管工の労務単価 =@18,500 円 / 人工保温工の労務単価 =@17,700 円 / 人工 - 28/41 -

(d) 検討結果 1 耐火遮音カバー IRSP 2 耐火二層管 ( 湿式目地 : パテ ) 3 耐火二層管 ( 乾式目地 : セラミックリング ) 4 耐火二層管 ( 湿式目地 : パテ )+ 遮音処理 5 耐火二層管 ( 乾式目地 : セラミックリング )+ 遮音処理 6 ライニング鋼管 DVLP(MD 継手 ) 7 ライニング鋼管 DVLP(MD 継手 )+ 遮音処理 87 94 90 142 144 106 157 ( 注 ) このデータは 前述の条件下での算出値であり 保証値ではありません - 29/41 -

6. 施工手順 耐火遮音カバー IRSP の遮音性能は 施工方法によって大きく損なわれる場合がございますので 下記の留意事項を十分ご理解頂いた上で施工願います 施工における遮音処理の留意事項 配管の支持 固定は 立て管においては各階毎に 1 か所を固定してください また 横枝管については 1m 以内の場合はその中心部 1m 以上の場合は 2 か所以上かつ支持間隔が 1.5m 前後となるよう固定してください その際には 配管からの振動の延を切るために防振処理等を施すことをお勧めします 躯体伝搬音の抑制のため躯体構造等から延を切ってください また 単管式排水継手からの発生放射音より躯体伝搬音が発生することがあります 別途遮音処理を施してください 石こうボードで作製されているパイプシャフトの壁などに支持 固定しますと防振処理を施しても排水時の配管の振動等が石こうボードに伝わり躯体伝搬音を発生する原因となりますので コンクリートや ALC などの躯体から支持してください 伸縮継ぎ手の支持は本体または本体近傍下流側を支持してください 横枝管の場合は 本体近傍下流側を必ずアングルで固定してください 単管式排水継手を接続する場合 防振処理の有無 施工方法 躯体構造により躯体伝搬音が発生する場合があります 躯体伝搬音抑制のため躯体との延を切る ( 防振材巻埋め戻しや防振機能付集合管支持バンドなどを使用 ) ことをお勧めします ジョイントテープは テンションをかけて隙間が無いように確実に貼り 良く馴染ませてください 6-1. 耐火遮音カバー施工手順 6-1-1. 準備 耐火遮音カバー IRSP 直管用パイプカバー 耐火遮音カバー継手部材 ジョイントテープ 固定バンド 後巻き遮音シート 別途ご用意が必要なもの 塩ビ管 < 注 > 直管用塩ビ管は 別途ご用意ください ( 耐火遮音パイプ IRSP-P を除く ) 継手は 塩ビ管と耐火遮音カバーが一体成型されています 支持金具は 同サイズの耐火二層管用をご準備ください 施工具 配管支持金具 ( 耐火二層管用 ) 施工具 仕様用途 塩ビ管用切断機 塩ビ管の切断 ハサミ又はカッターナイフメジャー ウエス マジックインキ塩ビ管用接着剤 耐火遮音カバーの切断 寸法測定 塩ビ管 耐火遮音カバーのほこり除去 切断線記入塩ビ管接着 - 30/41 -

6-1-2. 直管用パイプカバー施工手順 1 塩ビ管を規定の寸法に切断し 挿入シロ確認の標線を記入します ただし 継手の 45 Y および異径 45 Y に接続する場合は 継手の流入側遮音カバーが 20 mm長くなっていますので 挿入シロ +20 mmに標線を記入してください 2 切断した塩ビ管の長さ寸法から継手の挿入シロ (2 ヶ所分 ) を引いた寸法に直線用遮音カバーを切断します ただし 継手の 45 Y および異径 45 Y について 流入側遮音カバーが 20 mm長くなっていますので 挿入シロ +20 mm切断してください ( 注 : 流出側遮音カバーは 他の継手と同様に塩ビ管と面一です ) 継手の挿入シロ (2 ヶ所分 ) φ40:44mm φ50:50mm φ65:70mm φ75:80mm φ100:100mm φ125:130mm φ150:160mm( 中空壁の場合は φ100 以下 ) 注意 塩ビ管切断部のバリや付着物をよく取り除いてくだ さい バリなどがあると接続時に 継手ソケット部の 奥まで挿入されず 漏水の原因となりますのでご注意 ください ( 図 1 2 参照 ) 継手の 45 Y および異径 45 Y と差し込みソケット (ES) 掃除口 (CO) などの継手を接続する場合は 長くなっている部分を切断してご使用ください 3 直管用パイプカバーを円筒形にならし 塩ビ管を差し込みます ( 図 3 参照 ) 4 直管が 1m 以上ある場合は 直管用パイプカバーを繋ぎ合わせて 繋ぎ目に同梱のジョイントテープを巻き付けてよくなじませてください ( 図 4 参照 ) 5 塩ビ管外面の継手挿入シロおよび継手部材のソケット部に塩ビ管用接着剤を塗布し 塩ビ管にあらかじめ記入した標線まで継手を挿入してください ( 図 5 6 7 参照 ) 注意 直管部の遮音材だけを移動させて挿入すると塩ビ 管が十分に継手ソケット部の奥まで挿入されない 場合があり漏水の原因となりますのでご注意くだ さい - 31/41 -

6 直管部材と継手部材の接続部は 遮音材の上からジョイントテープを巻き付けて強く押し付けよくなじませてください また 施工中などに水ぬれの恐れがある場合 遮音材表面部は吸水性はありませんが 直管継手のグラスウールフェルト ロックウールフェルト部の端部から水の浸水が無いよう テープなどで処理してください 再び接続する際は テープを外し付属のジョイントテープをご使用ください ( 図 8 9 参照 ) 注意 ジョイントテープは 配管に対して一周以上巻き 必ずオーバーラップさせてください 接続 部にすき間があると音漏れの原因となりますのでご注意ください また 付属のジョイントテ ープは幅や長さをカットしないでください ジョイントテープを巻き付ける際は 遮音材やテープ自体の汚れやほこりをよく取り除いてか ら巻きつけてください また きれいな手袋で作業してください テープがはがれる原因とな ります 7 配管は同じ呼び径の耐火二層管用の支持金具でしっかりと固定して下さい 注意 耐火遮音カバーを一体配管でなく認定書上の処理長さ( 集合管接続の場合 :500mm 以上 直接貫通部 300mm 以上 ) でご使用になる際には ジョイントテープのみで施工されるとずれたり脱落したりする場合があります ( 特に集合管の下部や直線貫通時に接続して埋め戻した場合 ) 別途 脱落防止のために立て管バンドなどで固定してください 8 遮音材のすき間がないこと ジョイントテープの剥がれがないことを確認して完成です 6-1-3. 後巻き遮音シート施工手順 (1) 直線部の施工 1 配管のほこりや汚れをウエスなどでふき取ります 2 配管の長さに合わせ後巻き遮音シートを切断します 3 白い面 ( グラスウール ) を内側にくるようにして配管に仮合わせます この時 配管と直角になるようにしてください 継手の受け口や壁面に沿って巻き付けると容易に巻くことが可能です 4 両面テープの離型紙を剥がしはりつけます この時 内面のグラスウール同士がつき合わさるように留めてください 5 同梱の固定バンドで固定します 目安として 1m 当たり 4 ヶ所 固定してください 6 シートの合わせ目に別売りのジョイントテープを貼り付けてよくなじませてください 3 仮合わせ 4 テープ留め 5 固定バンドで固定 6 ジョイントテープ留め - 32/41 -

7 支持金具がある場合は その位置に下図のような切り目を入れてください 支持金具を奥 ( 下図 (a)) まで差し込んで巻き着けてください 固定バンドの使用方法固定バンドは 数のように先端 (b) を本体 (c) に差し込みます 位置変更などで緩める時は (d) のレバーを矢印方向に引くとゆるめることができます 注意 区画貫通部分は 後巻き遮音シートの合わせ部( 長手方向 ) にもジョイントテープで確実に張り合わせ てください (2) 継手部の施工 注意 継手の後巻き施工は エルボ継手のみ可能です 後巻き遮音シートは 必ずオーバーラップさせてすき間が無いように施工し 後巻き遮音シートの切断面が見えないようにジョイントテープで確実に貼り合わせてください すき間があると十分な遮音 防火性能を得られません ジョイントテープの貼り忘れや固定バンドの留め忘れは 遮音 防火性能を得られません 防火区画貫通内部での継手の後巻きは 施工が非常に困難なため 行わないでください 防火性能が保障できません 継手が連続するような場所では施工が困難になりますので 直線部分を 300mm 以上設けてください 1 継手の型紙に合わせて後巻き遮音シートを切断します < 型紙は別途ご用意しております > 2 継手を包み込むようにして折り込みます 3 中央部の 1 ヶ所を固定バンド ( 別途ご用意ください ) でしっかりと固定します 4 切り込み部が重なるように折り込み 切り込みが見えなくなるようにジョイントテープを巻いてください 5 4 で折り込んだジョイントテープの上を固定バンドでしっかりと固定します 1 1 大曲エルボ (LL) への巻き付け大曲エルボ (LL) に施工するときは 6 のように切り込みをハサミなどで入れてから 施工してください なお 切れ込みを入れた側が後から被さるように施工します 3 2 4 4 6 5 3 2 5 6-33/41 -

(3) 施工のポイント 1 まず直管を施工してください 2 巻き始めは 継手の受け口や壁面に沿って巻き付けると 塩ビ管に対して垂直に巻けます 3 固定バンドは 1 枚あたり 4 ヶ所 固定して下さい 余分に出ている固定バンドは 5 cm程度を残し切断しても結構です 4 直管と直管のジョイントは 突きつけてすき間の無いように施工してください 5 固定バンドはジョイント部から 5cm 程度の箇所で固定してください 6 支持金物の部分は先に寸法を測り T 字の切れ込みを入れて施工してください 固定バンドは 支持金物から 5 cm程度の箇所で固定してください 7 継手部の遮音シートはすき間が無いように合わせ 切れ目が見えないようにジョイントテープを巻いてください 8 大曲エルボ (LL) は 切れ込みを入れて施工してください 9 後巻き遮音シートの合わせ目 直管と直管並びに直管と継手の隙間 ジョイントテープ 固定バンドの固定を忘れてないか 確認して作業を終了してください 7 3 6 4,5-34/41 -

6-2. 集合管耐火遮音キット施工手順 (1) 準備 集合管耐火遮音キット 上部用キット 下部用キット 枝管用キット < 注 > 排水用集合管 集合管支持金具は 別途ご用意ください 施工具カッターナイフまたはハサミ ( 切り取り用 ) ウエスなどをご使用ください (2) 上部用キット施工手順集合管サイズに合わせて上部用キットを選定してください 枝管部の設定 1 グラスウールに付着している両面テープの離型紙を剥がし 上部用耐火遮音シートの抜き取り部を横枝管に合うように上から差し込み 巻き付けて仮合わせしてください 2 シートの合わせ目に 同梱のジョイントテープ (S サイズ ) を伸ばしながら貼り付け 強く押し付けてなじませてください 3 上部の切り込みを合わせながら梱包のジョイントテープ (M サイズ ) を一周以上巻き付けてください ジョイントテープの上から重なり部を固定バンドでしっかりと固定してください - 35/41 -

4 同梱されている残りのジョイントテープ (L サイズ ) を横枝部にかからないように中心にテンションをかけながら巻き付けてください (3) 下部用キット施工手順集合管サイズに合わせて下部用キットを選定してください 1 グラスウールに付着している両面テープの離型紙を剥がし 床下側 ( 製品の半抜き切れ目がある側 ) から下部用耐火遮音シートをなじむようにしっかりと押さえながら隙間がないことを確認して巻き付けます 注意 集合管の床下部が < 図 1> のように細くなっている場合は 下部用耐火遮音シートの切り取り線に沿って切り取り < 図 2> 切り欠き部を合わせるように寄せて仮合わせしてください 2 シートの合わせ目に 同梱のジョイントテープ (S サイズ ) を伸ばしながら貼り付け 強く押し付けてなじませてください 3 1 で貼り合わせた両面テープ部分を 同梱の固定バンドでしっかりと固定してください 4 立て配管側の切り欠き部を合わせながら 同梱のジョイントテープ (M サイズ ) を一周以上巻き付けてください ジョイントテープの上から重なり部を固定バンドでしっかりと固定してください 5 同梱されている残りのジョイントテープ (L サイズ ) にテンションをかけながら巻き付けてください - 36/41 -

(4) 枝管用キット施工手順枝管サイズ 形状に合わせて枝管用キットを選定してください 1 枝管用耐火遮音シートの印字側を上にし枝管の上から巻き付け 合わせ目が枝管下部にくるようにしてください 2 ズレが生じないよう集合管枝部にかかるよう固定バンドで固定してください フランジタイプの場合は さらに枝管にもかかるようにもう一端も固定バンドで固定してください 注意 すき間が生じないように集合管側に寄せてください (5) 施工終了確認集合管耐火遮音シートの合わせ目に ジョイントテープ 固定バンドの止め忘れはないか 確認して作業を終了してください 注意 ジョイントテープは一周以上巻き 必ずオーバーラップさせてください 接続部に隙間があると音漏れの原因となりますのでご注意ください 付属のジョイントテープは幅や長さをカットしないでください ジョイントテープを巻き付ける際は 耐熱遮音シート表面やテープ自体の汚れやほこりをウエスなどでよく取り除いてから巻き付けてください テープがはがれる原因となります 一度使用したテープは 再利用できませんのでご注意ください 別売りのジョイントテープをご使用ください 耐火遮音シートは必ずオーバーラップさせて隙間がないように施工し 耐火遮音シートの切断面が見えないようにジョイントテープで確実に貼り合わせてください 隙間があると十分な遮音 耐火性能を得られません ジョイントテープの貼り忘れや固定バンドの止め忘れは 遮音 耐火性能を得られません - 37/41 -

6-3. 区画貫通処理法 本製品は 直管 継手 ( 呼び径 50~150) を 100 mm以上のコンクリート壁 床 ( 開口面積 0.0491 m2以下 φ0.250 m 以下 ) 占積率 ( 直管 :53.6% 以下 継手 59.0% 以下 ) にモルタルにて埋め戻すことにより区画貫通の国土交通大臣認定及び消防評定を取得しています ( 集合継手については 上記の条件と異なりますので 後述をご参照ください ) 床貫通イメージ 壁貫通イメージ (1) カバータイプ 1 認定 評定書をご熟読願います 2 貫通開口部を設けます 3 前途施工手順どおりに配管を施工します 4 貫通穴をモルタルにて 100 mm以上埋め戻します 5 埋め戻し部に隙間が無い事を確認して完成です (2) シートタイプ 注意 防火区画貫通内部での継手の後巻きは 施工が非常に困難なため おこなわないでください 防火性能が保証できません 集合継手を埋め戻す場合は ヒートメルサイレンス( 熱膨張性シート ) 同梱の取扱説明書をご覧ください 配管施工中には 紫外線や雤水などが当たらない様ご使用ください 耐火遮音カバー内部が濡れると 遮音 耐火性能が低下することがあります 1 認定 評定書をご熟読ください 2 貫通開口部を設けます 3 前記施工手順どおりに配管を施工します 4 防火区画貫通部は 壁及び床面から前後 300 mm以上のシートの合せ目及びジョイント部に 別売のジョイントテープで隙間が無い様に施工してください 5 貫通部を モルタルにて 100 mm以上埋め戻します 6 埋め戻し部に隙間が無い事を確認して完成です - 38/41 -

集合継手埋設部用耐火遮音材熱膨張シート ( ヒートメルサイレンス ) 1. はじめに 熱膨張性シート ( ヒートメールサイレンス ) は 耐火遮音カバー IRSP で被覆された排水管システムにおいて 集合管継手を床埋設する場合 の躯体に伝わる流水音を防ぎ 且つ 防火区画貫通部の耐火処理も同時に行えるものです 2. 仕様 耐火遮音カバー IRSP で被覆された排水管システムにおいて 集合管継手を床埋設する場合 当該部分において 熱膨張性シート ( ヒートメールサイレンス ) で配管の貫通部外周を覆い 周囲をモルタルで埋め戻して固定する構造で 十分な遮音性能及び 防火区画貫通部処理が行える工法です 配管 モルタル 集合管継手 熱膨張シート ( ヒートメールサイレンス ) <キット内容 > 熱膨張性シート ( ヒートメールサイレンス ) 品番 A タイプ B タイプ ビニルテープ W:38mm L:20m 施工箇所 ( 目安 ) 集合管継手 100A 用 床厚 200mm の場合 HMS20-S 20 本 35 本 2 個 10 箇所 HMS20-L 40 本 70 本 4 個 20 箇所 < 寸法 > 長さ :960 A タイプ 幅 :20 厚さ :6 長さ :960 B タイプ 幅 :20 厚さ :6-39/41 -

3. 性能 ( 耐火性 ) 熱膨張性シート ( ヒートメールサイレンス ) を集合管継手に巻き付けてモルタルで埋戻すだけで 建築基準法に定める防火区画及び消防法に定める共住区画貫通が可能です < 認定評定番号 > 国土交通大臣認定番号 :PS060FL-0333 消防評定番号 :KK19-110 号 条件 配管種類 配管呼び径 開口径 床厚 集合管継手 ( 鋳鉄製 ) 125A 対応以下 φ260 以下 鋳鉄管 125A 以下 φ210 以下 硬質塩化ビニルライニング鋼管 125A 以下 φ210 以下 140mm 以上 ステンレス鋼管 80A 以下 φ160 以下 耐火二層管 125A 以下 φ210 以下 ただし 耐火遮音カバー IRSP を接続する場合は 認定 評定番号一覧 (P.23) を参照してください 4. 施工手順 施工にあたっては 防火区画 令 8 共住区画において給排水管が貫通する部分にあらかじめ開口部を設置しておく必要があります 開口部の設置に際して事前に現場管理者と十分な打合せをおこない 必要に応じた開口部の設置や 躯体強度を考慮した上での鉄筋補強の必要性等 協議の上調整してください 1 開口部の寸法開口部は管の外径に合わせ 集合管継手については直径 260mm 鋳鉄管及び硬質塩化ビニルライニング鋼管については直径 210mm ステンレス鋼管については直径 160mm 以下で 後工程のモルタル埋め戻し作業がおこないやすい寸法とします 令 8 区画では 隣接する開口部との離隔距離は 200mm 以上とします 2 熱膨張性シート ( ヒートメールサイレンス ) の取付け配管組立をおこなう前に 貫通部に使用する配管材の表面を布等できれいに清掃します 刀形の熱膨張性シート先端の離型紙を剥がし 配管の床上面の位置から熱膨張性シートを隙間なく巻き付ける 熱膨張性シートの突合せ部分も隙間が出ない様に押し付けながら巻き付けます 床厚より 10~20mm 長くなるように巻き付け 最下部が水平でない場合は カッター等で水平にカットします 隙間なき事 3 ビニルテープの巻き付け熱膨張性シート巻き付け完了後 隙間がない様にビニルテープを全面に巻き付けます - 40/41 -

4 集合管継手の枝管が床面に接する場合集合管継手の枝管が床面に接する場合は 熱膨張性シートを枝管部の下に取り付けます 熱膨張性シート 長さ約 50mm 5 モルタルの埋め戻し所定の位置に配管を組み立てた後 モルタル受け板を取り付け モルタルで開口部の埋め戻しを行い 硬化後モルタル受けを取り外します 注意 モルタルの埋め戻しは丁寧におこない, 十分密に充填してください. 結露防止機能はありませんので 結露対策の必要な場合は別途行ってください 防水処理についいては 別途確実に行ってください - 41/41 -