インド特許情報検索ミニガイド 目次 1. データベースへのアクセス... 2 2. 特許の検索方法... 3 2.1. 検索例 1 番号検索と公報表示... 3 2.2. 検索例 2 キーワード検索... 9 2.3. 検索例 3 分類 (IPC) 検索... 13 2.4. 検索例 4 リーガルステータスの確認と経過情報... 15 1
1. データベースへのアクセス インド特許を収録したデータベース (DB) は複数存在するものの 日本から容易にアクセスでき かつ データ収録年数や収録率の点で満足のいくDBは見当たらないのが現状 といえよう その原因として インド特許庁が4 庁に分かれており 公報の発行体制 管理体制が複雑である点や インド特許庁でのデータ整備自体が発展途上である点などが考えられる このミニガイドでは インド特許庁 DB を中心に アクセス方法や利用方法を概説する インド特許庁が運用する DB 1.1. IPAIRS ( 英語 ) 1.1.1. 運営母体インド特許庁 http://www.ipindia.nic.in/ ( 英語 ) 1.1.2. URL IPAIRS (Version 2) http://ipindiaservices.gov.in/patentsearch/search/index.aspx 1.1.3. 特徴インドの特許公報類を検索 閲覧できるデータベースである 2012 年にバージョンアップが行なわれ 検索項目等の増強が図られた 1.1.4. 収録範囲公開系データは概ね2007 年公報発行分以降を収録 これ以前のデータ収録も確認されているものの その収録率は低いとされる 登録系データは1900 年代初頭から収録されるが 部分欠落があり 収録状況の全貌は不明である (IPAIRS 内にも記載はない ) その他のデータベース 1.2. Espacenet 1.2.1. 運営母体欧州特許庁 (EPO) 1.2.2. URL http://worldwide.espacenet.com/?locale=jp_ep ( 日本語画面 データ内容は英語 ) http://worldwide.espacenet.com/ ( 英語 ) 2
http://ep.espacenet.com/help?topic=coverageww&method=handlehelptopic&l ocale=en_ep ( 収録範囲 :coverage) 1.2.3. 特徴各国公報をパテントファミリー単位で収録するDBである 1.2.4. 収録範囲インド特許の収録範囲概況は下図の通り 1970 年代後半 ~2000 年代前半の書誌事項 発明の名称を収録するが 収録率は低いのが現状である また 要約や公報イメージ 全文データ等は収録されていない 出典 : 欧州特許庁 (http://documents.epo.org/projects/babylon/eponet.nsf/0/c1517a91dd65e3d2c12572eb0 04 C4321/$File/india.pdf) この他 冒頭でも述べた通り インド特許を収録したDBは商用 / 無料ともに複数存在するが 一般的に収録年数が限られていたり 収録率が低いDBが多い インド特許庁でのデータ整備自体が発展途上である事に起因するのではないか と考えられる 2. 特許の検索方法 2.1. 検索例 1 番号検索と公報表示 3
インド特許庁 DBである IPairsにおいては 公開系公報の抄録と 登録系公報のPDFファイルが入手可能である 公開公報全文は IPairsでは入手できない また Espacenetはインド特許の公報イメージを収録対象としていない インド特許に付与される公報番号のフォーマットは下記の通りである 出願番号 連続番号 / 受理官庁 / 西暦年 例 3498/KOLNP/2006 Journal No. 連続番号 / 西暦年 例 )30/2008 登録系番号 連続番号のみ 例 )244100 続いて インド特許に付与される番号の特徴と注意点について概説する 1) 出願番号と出願受理官庁インドには地域別に4つの特許庁がある 出願番号にも出願受理官庁を示す略号が含まれる点が特徴である 4 庁の名称と略号は下記の通り 所在地略号出願番号の例 Dehli デリー DEL または DELNP 172/DEL/2001 172/DELNP/2005 Kolkata コルカタ ( 旧 : カルカッタ ) KOL または KOLNP CAL 172/KOL/2001 172/KOLNP/2005 172/CAL/1995 Mumbai ムンバイ ( 旧 : ボンベイ ) MUM または MUMNP BOM 172/MUM/2001 172/MUMNP/2005 172/BOM/1995 Chennai チェンナイ ( 旧 : マドラス ) CHE または CHENP MAS 172/CHE/2001 172/CHENP/2005 172/MAS/1995 表中の番号例は例示のためである 実際の官庁 / 出願年の組み合わせとは一致させていない 4
2)Journal No. インド特許庁 DBでは公開番号は使用されない 公開番号に類似するものとして Journal No. が使用されている Journal No. は 公示号 1 冊分の番号 にあたるもので 1 回の公示で100 件の出願公開があれば 100 件に同じJournal No. が付与される ( 実際にJournal No. 検索をすると 1000 件前後の公開がヒットするケースがある ) 従ってJournal No. のみでの検索は実用的ではなく 出願番号や出願人 キーワードなどによる特定 / 絞り込みが推奨される 3) 登録番号 登録番号は連続番号部のみからなる IPAIRを利用する場合 検索にあたっての 桁合わせ は不要である [ 検索例 ] インドの登録番号 244100 を検索し 内容を確認する 2.1.1. IPAIRS へのアクセスから番号検索の手順 IPAIRS http://ipindiaservices.gov.in/patentsearch/search/index.aspx へアクセス 番号から検索するには Published Applicationsのタブをクリックする 現在選択中のメニューがわかりにくい場合は 図中 選択中メニュー の箇所を確認するとよい 公開系検索の場合 5
登録系検索の場合 登録番号で検索する場合は Granted Patentsのメニューを選択 検索項目のプルダウンから PATENT NUMBER を選択し 番号を入力 Submitで検索実行する 検索実行後 ヒット公報の一覧が表示される 表示件数の上限は 1000 件である 公報情報の欄を確認 目的の公報がヒットしていれば Patent Number をクリック 詳細表示画面に遷移し 内容を確認する 6
詳細表示画面の例である 詳細表示では 主要書誌 出願人 発明者 要約が表示される 7
2.1.2. 公報表示公報表示は詳細表示画面の下部 View Documents( イメージ表示 ) 又は View As HTML( テキスト表示 ) から行う View Documentsは公報イメージ表示にあたるが 非収録の場合もある View As HTMLは テキスト表示にあたり 収録率は公報イメージより高めである クレーム ( 特許請求の範囲 ) も収録されている 公報そのものが入手できない場合は テキストデータを利用するとよい View As HTML( テキスト表示 ) の表示例を示す テキスト表示の例 2.1.3. 公報表示のTIPS ( 一言メモ ) View Document ( 公報イメージ表示 ) が全くできない場合 ブラウザでポップアップブロック ( 表示制限 ) がかかっている場合がある [View Document] を何度クリックしても何も起こらない場合は ブラウザ上部 ( 通常はURL 表示やツールバー付近 ) を観察してみるとよい ポップアップブロックが出ていれば 解除してから公報表示をおこなう 8
2.2. 検索例 2 キーワード検索 例 ) キーワード car と brake に該当するインド特許を検索する IPAIRSでは 英文キーワードによる検索が可能である 検索可能項目は 公開系 / 登録系ともに発明の名称 (TITLE OF INVENTION) 並びに要約 (ABSTRACT TEXT) である なお インドの特許出願に使用可能な言語は英語とヒンディー語である ヒンディー語による出願比率は不明であり 留意されたい 2.2.1. IPAIRS によるキーワード検索例 2.2.1.1. データベースへのアクセス IPAIRS http://ipindiaservices.gov.in/patentsearch/search/index.aspx にアクセス この例では 公開系公報を対象に検索を行う Published Applications のタブを選択する 2.2.1.2. 検索キーワードの入力 IPAIRSにおける英文キーワード検索の対象範囲は 発明の名称 (TITLE OF INVENTION) または 要約(ABSTRACT TEXT) である ここでは ABSTRACT TEXT を対象に検索を行う 9
2 行分の検索欄を使用 検索項目はいずれもABSTRACT TEXTを選択 キーワード入力欄に car brake をそれぞれ入力 検索語上部の青いボタン [Submit] で検索実行する なお 検索語の指定には下記の機能 ( プルダウンメニュー ) がある 上から Equal To/ 完全一致 Containing / 部分一致 Having Phrase As/ フレーズ検索 (2 語以上を入力 ) Not Containing/ 指定文字列を含まない Not Equal To / 指定の単語を含まないとなっている 上記検索条件では Containing / 部分一致を指定しており 正確には Carbon のような語もヒットしてしまうのだが Equal Toで検索するとゼロ件となった (2012 年 11 月現在 ) Containing/ 部分一致を指定すると ノイズが混入する可能性はあるものの 該当公報がヒットする可能性が高まる 検索状況に合わせて 臨機応変に使い分けると良い 10
2.2.1.3. 一覧情報表示 (Result List) 検索実施後 直ちに該当件数と出願番号 Journal No. 及び発明の名称 (Title) 等の主要書誌リストが表示される 表示件数の上限は1000 件 1ページ内の表示は15 件である 出願番号をクリックすると ヒットした公報の詳細が表示される 一覧表示上部 Date Of Filing Priority Country 等の各見出しはクリック可能であり 昇順 / 降順を切り替える事ができる なお正常動作せずエラー表示が出た場合は ブラウザの 戻る 機能で 元の一覧表示に戻ればよい 2.2.1.4. 詳細表示 ( 公開系データベース ) 公開系データベースでは 詳細情報としてJournal が表示される Jourlalは主要書誌と要約が掲載されたもので 出願の公示にあたるものではあるが 個別の公開番号などは付与されて 11
いない 2.2.1.5. 詳細表示 ( 登録系データベース ) 補足として 登録系データベースでの詳細表示について説明する なお キーワード入力 ~ 検索 一覧表示の操作は 公開系データベースと同様である 一覧表示から Patent Number をクリックして詳細表示をおこなう 12
結果一覧表示以降の 詳細表示や公報入手方法は 2.1. 検索例 1 番号検索と公報表示 の項目を参照されたい 2.3. 検索例 3 分類 (IPC) 検索 インドの特許公報類にはIPC( 国際特許分類 ) が付与される なお IPCは1つしか付与されないケースも多い 公開段階 (Journal) での分類記載例 13
登録データの分類記載例 この検索例では 分類表の参照方法と検索時の入力例を示す 2.3.1. 分類表の参照 IPC( 国際特許分類 ) は日本語版を参照するとよい IPDL( 特許電子図書館 /( 独 ) 工業所有権情報 研修館 ) のパテントマップガイダンスを利用する (URL:http://www5.ipdl.inpit.go.jp/pmgs1/pmgs1/pmgs) IPC 照会にて分類コード 意味を確認できる 適宜 キーワード検索等も利用する 2.3.2. 入力例例 )IPC( 国際特許分類 ) にて G06F19/00 を検索する場合で説明する Granted Patents( 登録系 ) Published Application( 公開系 ) の入力 検索方法は共通である ここではPublished Application( 公開系 ) の画面例で説明する プルダウンメニューは INTER.CLASS.CODE(IPC) を選択 続いて G06F19/00 と入力し 検索を行う 14
結果一覧表示以降の 詳細表示や公報入手方法は 検索例 1 番号検索と公報表示 の項目を参照されたい 2.3.3. 注意点インド公報 (Journal) では IPCの途中に不規則にスペースが入っていたり 数字とアルファベットが取り違えられているケースも報告されている 例えばG06Fとすべきところ GO( オー )6F と入力されている といった具合である 網羅性を要する調査の場合は 考慮しておくと良い IPC コードが誤っている例 2.4. 検索例 4 リーガルステータスの確認と経過情報 インド特許のリーガルステータス確認は IPAIRSのApplication Statusから行う なお 検索項目は出願番号のみである あらかじめ出願番号を確認しておく 本資料では インドの出願番号 838/MUMNP/2007 を例に リーガルステータスの確認手順を説明する 15
2.4.1. データベースへのアクセス IPAIRS にアクセスする http://ipindiaservices.gov.in/patentsearch/search/index.aspx 検索項目は Application Status を選択する 2.4.2. 入力 検索の方法 番号検索を行う 検索項目は出願番号のみである 2.4.3. 検索結果の確認 検索後 直ちに結果が表示される Application Statusの欄に 現在の状況が記載されている 16
続いて 詳細情報や包袋 ( 経過情報書類 ) の入手を説明する 2.4.4. 詳細表示 Application Statusの検索結果では ステータス情報の下に詳細表示用のメニュー ( ボタン ) が表示される 17
また 登録系特許 (Granted Patent) の詳細表示画面 最下部にも同様のメニュー ( ボタン ) があ る どちらから入っても 表示内容は同一の情報となる ここでは ステータス / 経過情報に関連する項目のみを説明する 2.4.4.1. View E-register ( 年金情報 ) 年金の支払い状況が確認できる 2.4.4.2. View Examination Report(s) ( サーチレポート ) サーチレポート ( 拒絶理由通知書 ) の閲覧であるが 取得に時間がかかるのが難点 ( タイムアウトする場合もある ) 18
次項の View Documents ( 経過書類 / 包袋 ) を併用するとよい 2.4.4.3. View Documents ( 経過書類 / 包袋 ) 出願書類や経過情報書類一式が閲覧できる 19
経過書類の例 ( 出願人 インド特許庁 / 拒絶理由への応答書類 ) 20