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2. 診断 どうなったら TTTS か? 以下の基準を満たすと TTTS と診断します (1) 一絨毛膜性双胎であること (2) 羊水過多と羊水過少が同時に存在すること a) 羊水過多 :( 尿が多すぎる ) b) 羊水過少 :( 尿が作られない ) 参考 ; 重症度分類 (Quintero 分類

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タイトル(HGPゴシックM、16pt、文字間隔2pt、太字)

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スライド 1

Transcription:

はじめに 硝子体手術の基本手技 セッティング なべしま眼科クリニック鍋島隆司 眼科手術においてセッティングは手術の成否を左右する非常に需要な要素の 1 つである セッティングが決まらないと硝子体手術に限らず全ての眼科手術において手術操作や手技が困難となり得る セッティングには患者入室前に済ませておくべきもの 入室後に患者に対して行うもの 術野で行うものなどがある セッティングとは手術開始までのプロセスすべてである 顕微鏡のセッティング 患者入室前 手術室内の配置 手術マシーンの設定値 顕微鏡の調整 術者用いすの調整 患者入室後 患者の体位決め 消毒 ドレーピング 麻酔 開瞼など 手術前の点検として固定のねじにゆるみがないか 対物レンズに水滴等による汚れがないか確認する 接眼レンズの視度調整 瞳孔間距離の設定を行い 光量は低めに調整しておく 鏡筒の傾きにも注意する 真横から見て鏡筒が垂直になっていることを確認する 隅角に対する手術 DCR 眼窩底骨折 眼窩腫瘍などの手術では鏡筒を傾けることがあるためである 鏡筒が垂直でないと硝子体手術の際の視野が制限され 広角観察システムの利点がスポイルされる 術者の椅子の調整 患者の位置決め 長時間の硝子体手術による術者の身体的負担を軽減するために最適な位置調整が必要 ひじ掛けの調整は ILM 剥離等の繊細な操作を安定して行うためにも重要 手術台や頭台の高さと術者用いすとの相対的な関係も重要で 術者が正しく座った状態で接眼レンズを正面または軽く見下ろす位置が最適と思われる 接眼レンズを見上げるようなセッティングは首の負担が大きくあまりお勧めできない 患者の頭位を決めるにあたり重要なことは眉毛部の前頭骨と眼窩下縁の上顎骨の高さが同じ水平になることである これにより最適な術野が得られる 前頭骨が張り出しているいわゆる deep set eye の場合は若干の chin up にすることで水平が得られる 背中が曲がっているような患者では頸椎の可動性が悪かったりして chin up のみでは水平にならないので 頭台やベッド全体の可動部を総動員して水平になるよう努める 高齢者等ではクッション 毛布 枕等を適切な位置に挟み込み患者に楽な体位で手術が受けられるよう努める 室温や体温の調節も重要 1

消毒 皮膚は 10% イソジン 眼表面は 8 10 倍希釈の PA ヨード液 で消毒する施設が多いと思われる ヨードアレルギーの患者はベンザルコニウム塩化物 ( ザルコニン液 ) 等を用いて皮膚および眼表面を消毒するが濃度に注意する 手術部位の皮膚消毒は 0.1 ~0.2% 結膜嚢は 0.01~0.025% の濃度を用いる 眼瞼を中心に外に向かうように同心円状に消毒野を広げ穴あきドレープの穴よりも十分に消毒野を広げ広範囲を消毒する ドレーピング 消毒液が十分に乾燥してからドレーピングを行う テガダームは睫毛が外に向くように張り付ける 開瞼器をかけた状態で はみ出した睫毛がポート付近にあり眼内に入れるカッター等が触れそうな場合は切除する ドレープが剥がれると患者の吐息で広角観察システムの前置レンズが曇るので剥がれないようにステリーテープで補強するなどの工夫も必要 ペアンを用いてドレープの剥がれを防止する方法もおすすめ 局所麻酔 テノン嚢下麻酔 球後麻酔等を行う 併施も可能 MIVS による黄斑部の手術であればテノン嚢下麻酔のみで施行可能であるが 網膜剥離や増殖糖尿病網膜症 PVR など強膜圧迫が必要であったり 輪状締結やバックリングが必要な場合は球後麻酔が必要となる 麻酔薬はエピレナミン入りは禁忌 網膜中心動脈閉塞の報告あり 注入薬剤量はトータルで 4~4.5 cc程度とする 多すぎると硝子体圧が上昇し白内障手術を併施する場合は困難となる場合がある いずれの局所麻酔でも眼球穿孔には注意する 注射針を穿刺後にわずかにシリンジを動かして眼球穿孔がないか確認する 穿孔が疑われた場合は薬剤は注入せず 穿刺部位を変更する 球後出血にも注意する 球後出血が疑われた場合は麻酔を中止し眼窩を圧迫し止血に務める 重度の球後出血では手術を中止する場合もある 開瞼 開瞼器は種類が多いが瞼裂幅に応じて適切なサイズの開瞼器を用い 十分に開瞼し術野を確保する 瞼裂幅が狭ければ小さいサイズを用いる Open type と Close type でも開瞼状態が変わるので最適なものを選択する 適切な開瞼器を用いても十分な開瞼が得られない場合は外眥切開を行う 外眥切開の方法 開瞼器をかけた状態で行う 最大の開瞼状態より少し緩める 外眥部に 27G 程度の針でエピレナミン入りの 2% キシロカイン 2 cc程度で局所麻酔 外眥部をペアンではさみ 10 秒程度してからはずす 直剪刀で切開 開瞼器で十分に開瞼し 切開部をバイポーラで止血 手術終了後は 7-0 ナイロン等で縫合 2

第 41 回日本眼科手術学会総会シラバス 教育セミナー 硝子体手術の基本手技 硝子体切除 日本医科大学千葉北総病院眼科 亀谷修平 近年 小切開硝子体手術 (MIVS) は急速に普及し現在では硝子体手術の主流となっている 硝子体カッターの進化 および補助薬剤や眼底観察システムの開発で 黄斑前膜や黄斑円孔などの比較的早期から MIVS にて行われていた手術のみでなく 広範な増殖性変化を伴う増殖性糖尿病網膜症などの難易度の高い症例も MIVS にて全ての操作が完了可能となってきている 難易度の高低にかかわらず 個々の症例において必要十分な硝子体切除を低侵襲かつ合併症を起こさずに行うためには硝子体の解剖をよく理解し合理的な硝子体手術を行う必要がある このため硝子体手術に共通する手技 および各疾患ごとの注意点に分けて解説する 硝子体手術に共通する手技眼内で硝子体が強く接着している部分である毛様体扁平部 水晶体後面の周辺側と前部硝子体の結合部分である Wieger s ligament 視神経乳頭から黄斑部にかけての部分を意識して硝子体切除を進める必要がある また硝子体カニューラの倒れこみによる潅流不全を防ぐ工夫 リサイトなど非接触型広角観察システムのレンズの曇りを防ぐための吸引開瞼器の使用などの工夫について説明する 黄斑円孔 黄斑前膜の硝子体手術 黄斑前膜などの膜剥離のための生体染色や黄斑円孔手術に対する ILM flap technique など について解説する

糖尿病網膜症手術の硝子体切除増殖糖尿病網膜症手術では手術早期に安易に PVD を作成しようとすると硝子体癒着の強い部分で網膜裂孔が形成されその後の手術が困難となる これを防ぐための硝子体切除の手順について解説する 裂孔原性網膜剥離の硝子体切除裂孔原性網膜剥離ではいかに裂孔から周辺側への硝子体を切除するかが網膜復位を得るためのポイントとなる 強膜圧迫のコツや Anterior PCR を形成しないための十分な周辺硝子体切除の方法などについて解説する

第 41 回日本眼科手術学会総会教育セミナー 3 網膜硝子体 2018.1.26 光源の種類 硝子体手術の基本手技 照明 観察系 ハロゲンメタルライド ( ドルク ボシュロム ) キセノン (Synergetics, ドルク アルコン ニデック ) 水銀蒸気灯 mercury-vapor (Synergetics ボシュロム ) LED( ドルク ) 高崎佐藤眼科佐藤拓 眼内照明比較 先端の形状スポットファイバー照明広角ファイバー照明 シャンデリア照明 23~29G 25ga Vivid シャンデリア ファイバーストッパーはカニューレに押し込むタイプで シャンデリアを固定 < カニューレ付挿入ガイド > ストッパーをカニューレに押し込むための補助器 ライトパイプ 固定式シャンデリア トロッカール用シャンデリア 自己閉鎖 黄斑疾患 周辺部処理 ~ 双手法 ~ < シャンデリアファイバー先端部 > < コードマネジメント ( 固定用 ) バンド > Developed in cooperation with Carl Awh, M.D. and Yusuke Oshima, M.D., Ph.D. 医療機器届出番号 :13B1X00229000032 広角観察システム接触型と非接触型比較 レンズ 接触型レンズ (CWFL) の種類 接触型 非接触型 観察範囲 固定 変化可能 観察野位置 移動可能 固定 レンズ角度 依存 非依存 解像度 低い 低い 立体感 低い 低い インバーター 必要 必要 角膜保護 不要 必要 顕微鏡 不問 選ぶ必要 価格 安価 高価 名称 ミニクアド /Volk 社 HRX/Volk 社 クラリビットワイドアングル /Volk 社 セントラルレチナル /Volk 社 ミニクアド XL/Volk 社 視野角 106 /127 130 /150 106 /127 73 /88 112 /134 倍率 0.39 0.43 0.39 0.71 0.39 特徴 標準的なレンズ 助手が持ちやすい 広角タイプのレンズ 幅が広いため後極操作には不向き ある程度自立するため使いよかったが販売中止となった 赤道部までの大きいため操作に向くが 器具がレンズ慣れが必要に接触するがバックル手術には向いている 1

非接触型 Tips1 より広角に! 前置レンズ近づける YAYOI Ohji M et al. Retina 2011 Peyman-Wessels-Landers 132D lens Ocular 社 前置レンズが濡れてオペ中断 + HHV レンズメニスカス HOYA ( 非接触 + 接触型 ) 広角観察システム BIOM 4 Resight VSL-K ring YAYOI 通常法 Resight(+128D) 接触レンズはどれがいい? 周辺部観察 Zd レンズ 0D メニスカス HHVType5 メニスカス 拡大レンズ Ohji 法非接触 + 接触レンズ Kusaka リング 7mm IOL(HOYA VSL-Kリング VA70AD) メニスカス 接触レンズはどれがいい? 後極部観察 Resight (+60D) メニスカス + Resight(+60D) 非接触型 Tips2 より広角に! 前房虚脱 2

硝子体手術の基本手技 合併症対策 緒言 技術の進歩により 術中 術後合併症は減少傾向にあるが なかには発生率が低くても致命的な状態へと進行する場合があるため 尚十分な注意と認識が必要である 栗原眼科病院 鈴木茂揮 目的 硝子体手術 ( 未熟児や小児を除く ) に関連して予想される合併症を以下に挙げ 現状にて考えられる対策を予防も含めて考察する 1) 局所麻酔 鋭針を使用した球後麻酔で 球後出血や強膜穿孔 視神経穿刺症例の報告がある 1) 局所麻酔 2) トロッカーカニューレ 3) 後部硝子体剥離 4) 駆逐性出血 5) 眼内炎 6) フィブリン 1) 局所麻酔合併症対策 鈍針である古賀氏経結膜下球後針 TM を使用した局所麻酔はより安全に必要な麻酔効果を得られる キシロカイン TM 約 4cc の薬液を球後の筋円錐内に注入すると約 40 分程は麻酔効果を得られる 経静脈的に鎮痛薬を併用する 2) トロッカーカニューレ 迷入例えば 長期間経過した網膜剥離症例では 脈絡膜剥離を伴い 結膜上より挿入したカニューレが眼内に到達していない場合がある その状態のまま 眼内還流を開始すると脈絡膜剥離を増悪させる 固着新鮮で多量の硝子体出血症例でカニューレとカッター ライトガイドの固着が起きることがある 1

2) トロッカーカニューレの迷入対策 眼内還流を開始する前に必ずカニューレの先端を確認する 脈絡膜の浮腫や 脈絡膜剥離にてカニューレの先端が確認できない もしくは確認が不十分なときは対側から挿入した器具を使い先端を露出する 眼内にカニューレが一本も到達できず 原因が定かでない場合は 手術を中止することも考える 2) トロッカーカニューレの固着対策 手術開始直後に水晶体後嚢周辺の硝子体出血を切除し 眼内の視認性が確保できたら まずカニューレ先端周辺の硝子体を切除する 固着してしまった場合 眼外にカニューレごと引き出してはずし 新しいカニューレを挿入する 3) 後部硝子体剥離 格子状網膜変性部では硝子体膜と網膜の癒着が強く 無理に後部硝子体剥離を拡大すると網膜裂孔や網膜剥離の原因となる しかし 後部硝子体剥離が不完全な状態で手術を終了した場合 状況によっては増殖硝子体網膜症へと増悪することがある 3) 後部硝子体剥離に伴う合併症対策 硝子体膜と網膜の癒着が強固な部分で後部硝子体剥離の拡大を強引に作成しようとすると網膜裂孔を形成したり 網膜剥離を起こすため 癒着の強固な部分は最後にして まずは可能な部分にて後部硝子体剥離を進める 周辺網膜側にて網膜と硝子体膜の分離が困難な場合はなるべく硝子体をシェービングした後に眼内レーザーの使用も検討する 4) 上脈絡膜腔出血 駆逐性出血 硝子体手術中の上脈絡膜腔出血 駆逐性出血は稀な病態ではあるが 発生した場合大きな不利益を被るため 対策のシュミレーションをすることは重要である 発症早期では眼痛の訴えが多く 通常よりも血圧が高めであることが多い その他に高齢である事や 強度近視眼 動脈硬化 全身の脈管系異常の既往歴などを有する事もある 脈絡膜剥離 浅前房化 眼圧の上昇を認めた場合 上脈絡膜腔出血を疑う そのまま手術を続行すると駆逐性出血へと進行する可能性が高い 4) 駆逐性出血対策 1 眼内還流液の残量の確認 カニューレの先端の確認を行い 眼内還流の途絶がない事を確認したら 還流圧を上げ 還流液の漏れている創口があれば塞ぐ 脈絡膜隆起の強い部分の外側強膜に開窓を行い血液のドレナージを行う その後可能であれば硝子体の処理をしてシリコンオイルタンポナーデを施行する 強膜開窓部に関しては 術後の血液のドレナージ効果を期待して 強膜は無縫合でも良いと考える 感染予防の観点から結膜縫合は行う シリコンオイルタンポナーデを行うことは眼球内容積の確保を可能として さらには術後の眼底の視認性の向上 2 次手術のタイミングの決定に有益である 2

4) 駆逐性出血対策 2 緑内障手術後や外傷眼の上脈絡膜腔出血 駆逐性出血の処理をする場合は発症後 1 2 週間程待ってから硝子体手術を行う 眼内還流トロッカーカニューレが硝子体腔に出ている事を必ず確認してから還流を開始する 確認できない場合は角膜固定用のインフュージョンを挿入しても良い 眼圧をコントロールできる状態にしてから術前の超音波画像より予測される脈絡膜剥離の高度な場所の外側強膜側より強膜開窓を行い 血腫をドレナージする このときの血液は黒色の特徴的な色調を示す 対策 1 と同様に 強膜開窓部に関しては術後の血液のドレナージを目的として強膜を無縫合でも良いと考える 感染予防の観点から結膜縫合は行う 5) 眼内炎 マイボーム腺からの分泌物 凝血塊等の眼内への混入は術後眼内炎の発症リスクとなり得る 5) 眼内炎予防 イソジンを使用した消毒 眼内還流液に抗生剤の追加 洗浄と吸引による眼球表面の清浄化 5) 眼内炎対策 起因菌の同定のため前房水 硝子体液 眼内レンズ等を培養に提出する 感染源として疑われる物をなるべく除去する ( 眼内レンズ 水晶体カプセル 硝子体 ブレブ内のフィブリン ) 硝子体を徹底的に切除する ( 毛様体突起が視認できるまで 虹彩の裏面も ) 虹彩表面と裏面のフィブリンもなるべく除去する 眼内還流液に抗生剤を少量混ぜる バンコマイシンの投与は出血性閉塞性静脈炎 (HORV) を起こす既報もあるため 慎重であるべきと考える 周辺の網膜血管は白色に変化している事が多く 循環不全を疑った場合は術中に眼内光凝固を行い 術後にワーファリン等の抗凝固剤を投与する 抗生剤の点滴を術後数日行う 6) フィブリンの析出 術中操作や眼内光凝固に起因する多量のフィブリンは眼底の視認性を妨げたり 虹彩後癒着による瞳孔ブロックの原因となる 6) フィブリンの析出対策 フィブリンの析出を抑制するため 術直後にステロイドを投与する ( 前房内 点滴 ) 虹彩後癒着による瞳孔ブロックが危惧される場合 組織プラスミノーゲンアクチベーター (tpa) を前房内に注入することによってフィブリンを溶解する事が可能であり 虹彩後癒着を解除できる 適応外使用なので患者の同意を得ること 網膜剥離術後では tpa を使用すると再剥離の確率が上昇する印象である 3