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第 111 回九州学生心理学会準備委員会 福島レイ ( 長崎大学 ) 西嶋瞳 ( 長崎大学 ) 山口由香 ( 長崎大学 ) 本田美月 ( 長崎県立大学 ) 工藤遥 ( 鹿児島大学 ) 田中渉 ( 西南学院大学 ) 山下真実 ( 久留米大学 ) 岡本陸佑 ( 久留米大学 ) 会場 ( 長崎大学文教キャンパス ) へのアクセス JR 長崎駅からいらっしゃる場合 JR 長崎駅下車路面電車 ( 赤迫行にて長崎大学下車 ) < 所要時間 >JR 長崎駅から約 20 分 JR 長崎駅下車 長崎バス系統番号 1( 溝川, 上床, 上横尾行にて長崎大学下車 ) < 所要時間 >JR 長崎駅から約 15 分 JR 浦上駅からいらっしゃる場合 JR 浦上駅下車路面電車 ( 赤迫行にて長崎大学下車 ) < 所要時間 >JR 浦上駅から約 10 分 JR 浦上駅下車 長崎バス系統番号 1( 溝川, 上床, 上横尾行にて長崎大学下車 ) < 所要時間 >JR 浦上駅から約 10 分

会場 ( 長崎大学文教キャンパス ) 案内図 13 教育学部 3F 13 教育学部 2F 31 番講義室,32 番講義室 教育工学実験教室 (SCS) 口頭発表会場 ポスター発表会場 主催 : 長崎大学教育学部 852-8521 長崎県長崎市文教町 1-14

研究発表のご案内 口頭発表者へ 1. 発表会場口頭発表は教育学部本館 3 階の 31 番講義室,32 番講義室で行います 2. 研究発表研究発表は, 口頭発表と討論に参加することにより正式発表とみなされます 発表者の持ち時間は1 班 20 分です 発表開始後 12 分で1 鈴,15 分で 2 鈴の合図をいたしますので, すみやかに質疑に移り,20 分の3 鈴で次の発表の班と交替してください 討論での発言者は, 必ず最初に所属と氏名を明らかにしてください 3. プレゼンテーション PC の OS は Windows10, アプリケーションソフトは Power Point2016 対応の MS-Office となります プレゼンテーション用のファイルを USB 接続のフラッシュメモリに入れて会場に持参してください 4. 配付資料資料を配布される班は, 必要部数を各自で事前にご用意ください また, 会場での配付は各自でお願いします ポスター発表者へ 1. 発表会場ポスター発表は, 教育学部 2 階の教育工学実験教室 (SCS) で行います 2. 研究発表研究発表班は, 割り当てられたセッション中 (1 時間 30 分 ), 大会プログラムの番号順にポスターを掲示し, かつ, 指定された在席責任時間 (45 分 ) の間, 質疑に応じることで正式発表とみなされます 3. 在席責任時間ポスター掲示場所の番号が奇数の班 15:00-15:45 ポスター掲示場所の番号が偶数の班 15:45-16:30 4. ポスターポスター掲示板のサイズは,A0 サイズ ( 横 84.1cm 縦 118.19 cm ) です このサイズに収まるようにポスターをご用意いただき,14:55 までに貼ってください 虫ピンは会場に準備しています 5. 配付資料資料を配布される班は, 必要部数を各自で事前にご用意ください また, 会場での配付は各自でお願いします

プログラム 12:00 受付 ( 教育工学実験教室 :SCS 前 ) 12:45 13:00 開会のあいさつ SCS 13:20 14:40 口頭発表 31 番講義室 13:20-13:40 西南学院大学 13:40-14:00 鹿児島大学 14:00-14:20 西南学院大学 14:20-14:40 西南学院大学 32 番講義室 13:20-13:40 西南学院大学 13:40-14:00 西南学院大学 14:00-14:20 西南学院大学 14:20-14:40 久留米大学 15:00 16:30 ポスター発表教育工学実験教室 (SCS) 鹿児島大学西南学院大学久留米大学

口頭発表 (13:20-14:40) 31 番講義室司会 : 山下真実 ( 久留米大学 ) 1. 会話の種類が会話態度と情緒的体験に及ぼす影響井久保舞華 森永桃子 古川陽菜 ( 西南学院大学 ) 本研究では, 親密な同性二者間会話場面において会話の種類の違いが会話中の態度や情緒的な体験にどのように影響を及ぼすのかを実証的に検討した 実験内容は, 雑談と課題達成のための会話を10 分間ずつ行うものであった 会話前後の気分の変化を気分調査票 ( 坂野 福井 熊野 堀江 川原 山本 野村 末松,1994) で測定し, さらに会話後の気分を自由記述で回答してもらった また, 会話中に考えたことや会話相手への意識性 ( 発話の割合 タイミング 沈黙 ) についても尋ねた ただし, この実験は大学生のみを対象とした 2. 人が最も魅力を感じる性格の比率調査石井美遥 柴田阿実 武藤侑城 ( 西南学院大学 ) 人は誰しも性格上, 良い性質 悪い性質の両方を持っているが, 必ずしも良い性質を多く持っている人物の方が相手に好かれるとは限らない むしろ良い性質ばかりが目立つ人物は, 何か裏があるのではないかと怪しまれたりすることもあり, 実際に裏表のない人物の方が好まれる傾向にあることが分かっている つまり欠点があったり, どこか抜けているところのある人物の方が, 人間味があり好かれるのではないか, という疑問を抱いた そこで今回,100% 良い性質を持っている人物よりも多少は悪い性質も持ち合わせている人物の方が, 人は親近感や親密感を感じやすく, より魅力的であると考えるのではないかという仮説の元, ある人物の人柄を表す刺激文 6 種類を作成し, その人柄に含まれるポジティブ要素 : ネガティブ要素 ( 予備調査にて選定 ) の割合を 10:0,8:2,6:4,4:6,2:8,0:10 の間で変化させながら印象評定をしてもらい, 最も魅力的だと感じる比率を質問紙により調査した 3. ワーキングメモリへの負荷が役割取得能力に与える影響高嶋魁人 古川杏 有田実由 古賀隆大 ( 西南学院大学 ) 本研究では, ワーキングメモリへの負荷が役割取得能力に影響を与えるどうかについて検討した 本間 (2017) によると, 役割取得能力とは, 他者の知覚, 感情, 思考を自己の立場からだけでなく, 他者の立場からも理解する能力である これは日常生活における対人コミュニケーションで重要とされる 石澤ら (2014) によると, 役割取得能力は応答的反応 ( 他者への共感的配慮, 哀れみなど ) の構成要素とされている ワーキングメモリへの負荷が応答的反応に影響を与えることは明らかにされているが, その下位メカニズムである役割取得能力に影響を与えるかについては検討されていない そこで, 本研究では, ワーキングメ

モリへの負荷が役割取得能力に及ぼす影響を検討することを目的とした これにより, 先行 研究である, ワーキングメモリへの負荷が応答的反応に及ぼす影響を追試するだけでなく, その詳細について検討することができる 4. ぬいぐるみの心理的な機能亀井直哉 高田葵 山内翔太 分山亮介 西田航希 ( 久留米大学 ) 移行対象は分離不安の防衛として自分で作り出したものであり, 母親からの自立と考えられている ( 信田,2008) そこで本研究では, 幼児期から青年期における移行対象と親の養育態度やアタッチメントスタイルの関係について,(1) 移行対象の長さと親の養育態度には関連がある,(2) 移行対象の有無と愛着機能に関連があるという仮説を立て, 質問紙調査を行った その結果, 親の養育態度に過去群と現在群と無し群において有意な差は見られなかったため, 仮説 (1) は支持されなかった 移行対象がある人は全体の 43% で, その中でも現在も続いている人は全体の約 30% であった 移行対象の種類は, ぬいぐるみが約 51% で最も多かった また, 現在も移行対象がある人 (M=3.04) はない人 (M=2.65) に比べて, 安全基地得点が有意に高く (F(2,83)=3.81,p<.05), 仮説 (2) について, 移行対象があると 普段から安心できる ことがわかった 32 番講義室司会岡本陸佑 ( 久留米大学 ) 1. 職場における帰宅のしやすさと雰囲気の関連川添紗季 小松絵里 笹隈真裕 後藤亜美 ( 西南学院大学 ) 近年, 労働問題として長時間労働が度々取り上げられている 経済産業省が行った意識調査によると, 長時間労働の原因は人手不足や管理職の意識マネジメント不足の他に, 長時間労働を是とする人事制度 職場の風土が 3 割近くを占めていた 職場の雰囲気は, 長時間労働が生じる要因の一つと考えられる Fiedler(1968) によると, 成員とリーダーの仲の良さが集団内行動に影響する重要な要因とされており, リーダーが職場の雰囲気に及ぼす影響は大きいと思われる そこで, 本研究では, リーダーが成員に団結を促す 団結グループ, リーダーが高圧的な態度をとる 圧力グループ, リーダーが率先して帰る サクラ帰宅グループ の 3 つの条件を設定し, これらの条件間でメンバーの帰宅のしやすさに差異が見られるかどうかを検討した 2. キャラに対する満足感とアイデンティティが自尊感情に及ぼす影響 自己愛の防衛的側面に着目して 梶原日菜 川畑優美 工藤遥 霜重美貴 田淵千尋 ( 鹿児島大学 ) 瀬沼 (2007) は, 現代の友人関係において, キャラ を用いた友人関係が存在することを指摘している キャラ は対人関係のインターフェイスであり ( 斎藤,2011), 所属する集

団ごとに, その集団がより円滑に保持されるように形作られるという他者依存的な成立過程をもつ 集団に対する適応の度合いは, 一般に自尊感情として表れるとされる アイデンティティが未確立で, 自尊感情の変動が顕著な時期である青年期では, その不安定な自己を守るための自己防衛機能としての自己愛 ( 中山,2008) が, 他の時期と比較して高まるとされている 本研究では, 自尊感情を適応の指標としてとらえ, 既存の対人関係における役割的なキャラに対する満足感とアイデンティティの関係また, キャラに対する満足感とアイデンティティがそれぞれ自尊感情の高さに影響を与え, キャラに対する満足感が自己愛を媒介して自尊感情を高めようとしているという仮説を立て, 質問紙を用いた調査でこれらの検討を行った 3. だてマスクと対人不安の関係今村咲月 柴田まりあ 渋谷由香理 平川莉菜 ( 西南学院大学 ) 本来の健康上の理由から着用するのではなく, それ以外の目的で着用されるマスクを だてマスク と呼ぶが, 近年, 若者の健康上の理由以外でのマスクの使用を頻繁に見かける マスクを着用すると相手に対する口元表情による非言語的メッセージを隠蔽することが可能となっており, だてマスクの心理には, 話したくない, 交流したくない, 自己開示しない, 知られたくないといった心理的要素が潜んでいると示唆される ( 吉川, 2017) そのため, だてマスクをする人は対人不安が大きいのではないかと考えた そこで本研究では, 女子大学生がだてマスクをする要因を美容と対人不安の 2 つに分け, だてマスクをする女子大学生と対人不安について質問紙調査を行い, 検討する 4. ラベンダーの匂いが作業に及ぼす影響稲冨飛鳥 中山葵衣 樋口由花梨 福永優花 ( 西南学院大学 ) ラベンダーの匂いが人の作業効率に影響を及ぼすか検討した 先行研究から, ラベンダーの香りは単純作業の情報処理に影響する可能性が示唆されており, このことからラベンダーの匂いが作業効率を向上させると仮定した 手続きは質問紙による気分調査と作業課題を 2 回ずつ行い,1 回目と 2 回目の作業の間でコットンにしみこませた匂いを嗅がせた 質問紙は回答時の気分を評定させるもので,2 回目に行った質問紙には群ごとに嗅いでもらった匂いについての評定を加えた 作業課題は計算課題とし, 時間制限内で正答した問題数を分析の対象とした

ポスター発表 (15:00-16:30) 教育工学実験教室 (SCS) 進行工藤遥 ( 鹿児島大学 ) 田中渉 ( 西南学院大学 ) 1. フォントの違いが記憶に及ぼす影響大場晴菜 川端奈央 笹峰涼子 ( 西南学院大学 ) 図形の形状情報は, 一時的な保持システムである視覚短期記憶に保持されるが, 視覚短期記憶には容量制限があり, 複雑な図形の再認はより困難である 酒井 乾 (2000) によると, 凹凸の数が心理的複雑さに影響し, 凹凸構造が視覚短期記憶の忘却に関与していることが示された そこで今回は, フォントの形状の差に着目し, フォントの違いによる記憶のされやすさへの影響について検討した 先行研究では, 複雑さの定義を凹凸の数としていたが, 本研究の場合, フォントでは凹凸の数について判断するのが困難であるため, フォントの複雑さについて予備調査を行った 予備調査の結果, 今回使用した 4 種類のフォントについて,(HG ゴシック M<HG 明朝 B< 切絵字 <ピグモ 00) の順でより複雑であると評価された 以上のことから, フォントの形状において, より単純なフォント ( 本研究の場合, ゴシック体 ) のほうが記憶保持されやすいと仮説をたて, 実験を行った 2. 情報処理スタイル ( 合理性 直観性 ) による 2 種類刺激 ( 色 形 ) の認知の違いについて安藤利紗 池田千莉 鬼塚加奈子 長谷川沙羅 ( 西南学院大学 ) 二つの情報が干渉しあう現象をストループ効果といい, この効果は 1935 年にストループが行った実験によって証明されている (Stroop,1935) この実験で人は色よりも文字を認識しやすいことが分かっている そこで, 私たちは形と色の相互関係に着目した 人によって形と色のどちらを優先的に認識するかは違う可能性があるため, 情報処理スタイルが合理的な人ほど色よりも形に注目し, 直観的な人ほど形よりも色に注目しやすいと仮説を立てた どのような情報処理スタイルの人が形 ( または色 ) の情報を優先的に認識しやすいのか, 実験と質問紙によって検討した 情報処理スタイルは内藤 鈴木 坂元 (2004) の情報処理スタイル ( 合理性 直観性 ) 尺度を元に質問紙によって測った 実験は色のついた形をランダムに表示し記憶の差を調べた 3. 飲料の選択時の要因についての探索的実験岩根榛花 坂田悠 橋本涼 相良和音 ( 西南学院大学 ) 飲料選択時の飲料の種類と飲料の配置の影響に関する実験を行った 並べられた飲料を選ぶ時, 選ばれる飲料は飲料の種類と配置が関係すると考えた だが実際に選ばれやすい飲料, 選ばれにくい飲料に違いはあるのかを問題として調査を行った 実験計画は配置 ( 統制 ランダム ) の違いによる 1 要因計画であり, 飲料 ( お茶三種類 ) の種類とその理由について調

査した 実験参加者はお茶を一本選び, その後質問紙に回答した 質問紙の内容は選んだ理 由, 選ばなかった理由などについてである 4. オリンピック競技のユニフォームカラーにおける優位性の知覚について肥田祐希 清水将海 江頭巧人 ( 西南学院大学 ) スポーツとユニフォームの色がもたらす見た目の影響についての研究を行った スポーツにおいて赤色は闘争心やアドレナリンなどの効果があり, 青色は集中力や落ち着きなどに効果があることが分かっている 今回はこの赤色と青色のユニフォームが使われている競技を,2020 年東京オリンピック種目の中から選び研究を行った 実験手続きは, 参加者にさまざまな競技から赤色と青色のユニフォームの写真を見てどちらが優れていると思うか判断をさせ, 協議によって色の効果が異なるかどうかを検討した 5. クリームの塗布による皮膚温度感覚の変容と社会的知覚の関連桑原七海 田中彩子 久保太聖 中村俊貴 ( 鹿児島大学 ) 皮膚感覚系の身体化認知に関する先行研究から, 身体的温かさ感覚は, 他者認知において, 他者を肯定的に捉えさせたり, 他者と自己との心理的距離を近く感じさせたりすることが示されている これらは, 実際の皮膚温を変容させた上で参加者の社会的知覚や判断への影響を調査したものであるが, その影響を及ぼす要因は 温かさ 冷たさ といった感覚そのものであるのか, あるいは実際に温度が変化することにあるのであろうか 皮膚温を変容させないが, 温度感覚を操作することができる刺激を与えれば, この要因を突き止めることができると考える 本研究では, 温感の刺激としてカプサイシンを, 冷感の刺激としてメントールを用い, 皮膚温の上昇または低下を伴わない温度感覚刺激を与えた場合でも, 皮膚温を操作した先行研究と同じ結果が得られるのかを検討する 6. 大学生を対象とした叱責に対して生じる気分 感情変化の研究前田拓哉 吉村玲奈 渡邊満星 中村優希 ( 西南学院大学 ) 本研究では, 大学生を対象に自尊感情の程度 ( 高 / 低 ) と叱責された理由 ( 正当な理由 / 理不尽な理由 ) の違いが, 叱責された後の気分 感情変化や叱責者との関係修復の促進や抑制などの反応の違いにつながるのかを質問紙で調査した 先行研究では, 自分が叱責者をどのように認識しているかによって屈辱感 羞恥感 罪悪感などといった感情の違いがみられたり, 関係修復の促進や抑制などの反応の違いにつながったりすることがわかった ( 薊, 2010) それに加えて, 自尊感情や叱責された理由とも関連があるのではないかと考え, そこに着目した 質問紙には, 先行研究で使われていた尺度 ( 薊,2010), 一般感情尺度 ( 小川 門地 菊谷 鈴木,2000), 2 項目自尊感情尺度 ( 箕浦 成田,2013) の三つの尺度を使用し, 事前調査で収集した叱責されたエピソードをもとに, 日常に沿った叱責場面のエピソードを作成し, 提示し, 関係修復反応を見るために自由記述欄も設けた

7. 自己効力感が競技意欲に及ぼす影響佐藤晃一 松田裕一 桂千尋 ( 西南学院大学 ) 競技スポーツは, 個人によって競技意欲が異なることは稀ではない 練習は競技意欲が高い状態で行われることが, チームパフォーマンスや個人の技術の向上に影響を与えることが考えられる 藤田 末松 (2009) の目標志向性と自我志向性との関連をみた研究は, 競技意欲の向上を考えた場合に示唆を与えてくれる そこでは, 課題志向性が高い人は努力意図が高く諦め意図が低い傾向にあり, 一方で自我志向性が高いと努力意図が低く諦め意図が高い傾向であることが, 明らかにされている また,Bandura.A(2012) は, 自ら設定した目標, 結果期待, 成功または失敗に対する原因帰属を通じてどれほど自分を動機づけられるか, 困難な状況に直面した際にどれだけ我慢強く耐えられるかに自己効力感が影響していると説明している そこで本研究では, 自己効力感が競技意欲にどのような影響を及ぼすかについて検討することを目的とした 8. ライバルとの関係が競争観と学習動機付けに与える影響について木村沙由美 角田みのり 中西希歩 吉田朱理 渡邊楊介 ( 鹿児島大学 ) 競争場面でよく使われる言葉として ライバル という言葉がある この言葉は共通の課題目標のために共に競い合う競争者同士を指して用いられることが多い これまで対人関係と学習動機づけを関連づけた研究は数多く行われている一方, ライバルとの関係性のみに焦点を当てた研究は行われていない 本研究ではライバルとの関係性に着目し, ライバル関係を 課題中心関係, 宿敵関係, 友達関係, 親友関係 の4つに分類し, どのようなライバル関係をもつことが, 学習に対してポジティブな影響をもたらすのかについて検討を行った その指標として, 心身の消耗や学習意欲の低下, 友人関係の悪化を表す 消耗型競争観 と, 自己調整能力や学習意欲の向上, 友人関係の親密関係を表す 成長型競争観 の 2 種類の競争観と, 学習における動機づけ尺度を使用した 9. 女子大生における理想と現実との体重のギャップ及び自意識が被服選択に与える影響山下ひかり 中園瑞希 中西加奈 松藤佳苗 ( 西南学院大学 ) 近年, 外見や自らの体形について関心が高い人が多く, 特に女性は 痩せたい という願望が男性よりも高い傾向にある 例えば, 自分が着ていく被服を選ぶ際も体形を気にして体のラインが出ないようなものを選ぶ人は少なくないだろう 本研究では, 女子大生における被服選択には自意識が関連しているのではないかと考え, 検討した 質問紙では, 体のラインがでるような細身の被服と体のラインがあまり出ないシルエットがゆるい被服を2つ呈示し大学に普段着として着ていきたいものをどちらか選んでもらった 自意識についての調査は, 自意識尺度 ( 菅野 1984) を使用した また, 現実の体重と理想の体重の差 ( ギャップ ) も被服選択において関連があるのではないかと考え, 被験者自らの現実の体重と理想の体重の差をプラスとマイナスで数値化し記入してもらい調査を行った

10. 部活動での経験がパワーハラスメントの認知判断基準に及ぼす影響についての検討重永佳乃 椎葉みのり 森山聡士 ( 西南学院大学 ) 厚生労働省は, 平成 24 年 3 月に 職場のパワーハラスメントの予防 解決に向けた定言 を取りまとめ, 職場におけるパワーハラスメント ( 以下パワハラ ) について 同じ職場で働く者に対して, 職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に, 業務の適正な範囲を超えて, 精神的 身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為 と定義したが, 実際にはパワハラの判断基準には個人差があり, 個人の価値観の違いがその判断に影響していると思われる 価値観は様々な要因によって形成されるが, 本研究では個人が所属する準拠集団の要因に注目した そして中学生や高校生の時の部活動の厳しさとその経験の有用性の認知の個人差は, 上司が部下に対するパワハラの判断基準に違いをもたらすかどうかについて検討した 11. 大学生の無力感と理想の上司像との関係牛島咲 柴野実今 権藤由莉香 村山かのん ( 西南学院大学 ) これまでの上司のリーダーシップ研究は, 理想的な上司像について検討することが多かった しかし, どのような社員にとっても理想的な上司像が同一というわけではなく, 異なる特性をもつ部下の間では, 重視する上司の特徴は違う可能性が考えられる 本研究では, 個人の無力感に着目し, 無力感の程度の違いが, 上司に対して重視する特徴の差異を生み出すかどうかを調べることを目的とした 新入社員と年齢が近い大学生を対象に, バイト先の店長など管理職の立場の人を思い浮かべてもらい, そのような立場の人について重視する特徴について回答してもらった また無力感尺度 ( 失敗に対する過敏性, 自尊心の欠如 劣等感, 持続性の欠如, 消極性 ) についても回答してもらった 重回帰分析の結果, 消極性が低い大学生は適切な評価を行う上司の特徴を有意に重視することが示された 12. 格差のある集団間においてメタステレオタイプ的情報が外集団に対する反応に及ぼす影響岡元綾香 黒木あゆみ 永野萌夢 福山こころ ( 鹿児島大学 ) 集団間状況下において, メタステレオタイプ的情報が集団間関係を左右しうる重要な要因の1つになることが示されている しかし, 先行研究では, 政治, 経済, 文化等さまざまな分野において日本と深い交流があり, 韓国に対する人々の関心は高いとされていることから, 日本と韓国 のような, 対等な関係にある集団間状況を想定したものが多い しかし, 現実の社会では, 社会的地位や社会的勢力において格差が認められるような非対称な集団間関係も多く存在する このような格差のある集団間関係において, メタステレオタイプやメタステレオタイプ的情報が果たす役割についても検討される必要がある そこで, 本研究では, 内集団に 日本 外集団に フアーナ国 ( 架空 ) を設定して, 格差のある集団間でメタステレオタイプ的情報が及ぼす影響について検討した

13. 広告のコンテンツ情報が大学生の持つ商品の印象評価に及ぼす影響についての検討木村優花 石本果鈴 高尾実希 ( 西南学院大学 ) 牧野 (2007) による, 広告効果に及ぼすコンテンツ情報の影響に関する研究において, 既存のテレビ広告を使用して, 広告メッセージの中のコンテンツ情報が受け手の購買行動に与える影響と, 広告の出演タレントの好感度, 広告自体の好感度と広告商品への関心度, 広告商品の購入意図との関連が検討されていた しかし, この研究では, それらの各要因間の相関のみに着目し関連性があることは明らかになったが, その要因がどのように関連しながら影響しているのかについては明らかになっていない そのため, 統計的な分析を行い, どのような影響があるのかについて検討する また, これらに加え, 広告メッセージのコンテンツ情報において, 情緒的アピールつまり,CM のストーリー性という要素が, 商品の印象評価に及ぼす広告効果についても検討する 本研究では広告のコンテンツ情報の好感度や評価が高いほど, 商品の印象評価は上がるという仮説を立てた 14. 居場所が疎外感に与える影響 居場所感を媒介して 今出健太 坂井奏瑠 永瀬怜菜 ( 久留米大学 ) 疎外感は問題行動を発起させ ( 宮下 小林,1981), 居場所感が疎外感に影響を与える ( 益川,2018) など, 疎外感は日常生活において負の要因となり, 居場所感は疎外感に影響を与えている そこで, 居場所が疎外感に与える影響は居場所感を媒介しているという仮説を立てた 調査協力者は, 大学生 149 名 ( 分析対象者 141 名 ) であった 媒介分析の結果, 居場所感を成す 自己有用感 と 本来感 の2 因子において, どちらも間接効果が有意であった しかし, 居場所から疎外感への効果は非有意ではなく, 居場所感は部分的に媒介していた これらの結果は, 心理的幸福感を得るためには集団に所属し, 他者に対して自分が役に立っていると実感することが大切であり, また, 問題行動を避けるためには, 自分自身に自信を持ち, 疎外感を低下させることが大切であることを示唆している 15. 大学生における座席選択と相互独立 協調的自己観尺度の関連性の検討石井奈緒 田中渉 江川萌 野中理愛 ( 西南学院大学 ) 人々が他者との間にとる距離 ( 対人距離 ) は相手や状況により変化する その表れのひとつに着席行動があり, 先行研究では視線 距離 動機づけが着席行動の要因となることが分かっている また性格特性と座席選択との関連から, 長方形の机の座席において, 短辺の席と, 長辺の中央の席はリーダーシップがとりやすい座席であることが示されている 今回の研究では, 大学生の座席選択と相互独立 協調的自己観との関連性を検討した 仮想場面を設定して長方形 8 席に番号をつけ, どの座席に一番座りたいか回答を求めた 相互独立的自己観が高いほど長辺の中央の座席や短辺の座席を選択し, 相互協調的自己観が高いほど長辺の両端の座席を選択するのではないかという仮説のもと, 調査を実施した

16. 対話時における相槌の種類が対人魅力に及ぼす影響辻一馬 井手七子 利光志織 中島麻緒 ( 西南学院大学 ) 対話状況において話し手は相槌のある聞き手の方を, 相槌のない聞き手より好意的に評定したことや, 相槌の有無の違いによって変化する対人魅力特性は, 感情的 社会的魅力であり, 知的 道徳的魅力ではなかったなどということが先行研究から分かっている しかし, これらの実験では, 相槌の回数を統制しておらず, また, 首を縦に振る うなずき や, うなずきながら はい いいえ なるほど などの言葉を発することを, すべて相槌としており明確な種類に分けていない そこで私たちは, 一つ目に, 相槌の回数は多すぎるのもよくないのではないか, 二つ目に, 相槌が はい と うん とでは対人魅力も変化するのではないのか, と考えた よって, 本研究では相槌の種類と回数を統制しながら, 対人魅力に及ぼす影響を調べることを目的とする 17. 同調行動尺度の作成とシャイネスとの関連大六野紗希 前園奈々帆 三角洸太 山口詩織 ( 鹿児島大学 ) 本研究では同調行動尺度の作成及び, 大学生の顕在的 潜在的シャイネスと同調行動との関連の検討を行った 同調行動尺度を作成した経緯としては, 従来の研究における同調行動尺度は同調行動と同調志向の項目が混在したものであったため, 本研究では, 態度や志向, 性格から行動を見るために, 行動の原因として性格があると考え, 同調行動のみを測る項目のみを抽出し, 同調行動尺度を作成した また, 同調とシャイネスの研究では, シャイネスが高い人は同調行動を取りやすいことがわかっており, 顕在的シャイネスを測定していた 近年では, 潜在的測度を用いた測定が注目されているが, 潜在的シャイネスと同調行動の関連に焦点を当てた研究は行われていないため, 本研究では, 大学生の顕在的 潜在的シャイネスと同調行動の関連を探索的に検討した 18. 大学生におけるバーナム効果と自己愛的脆弱性との関連松本真來 樋口舞香 ( 久留米大学 ) バーナム効果に関する研究は, 血液型ステレオタイプ ( 杉山,2005) や非合理現象信奉 ( 丹治 佐藤,2002) などで多くみられるが, 性格特性との関連を検討した研究はあまりない そこで, 本研究では, 丹治 佐藤 (2002) のバーナム効果と非合理現象信奉の関連を追試するとともに, バーナム効果と現代の青年期に多く見られる性格特性である自己愛的脆弱性との関連を検討した 大学生 117 名を対象にバーナム効果項目, 非合理現象信奉尺度, 自己愛的脆弱性尺度を用いて質問紙調査を実施した その結果, 生活慣習 9~11 点群と 14 点群の間のみにしか有意差が見られなかった このことは, 尺度の内容が現代の若者にとって身近でなかったため 非合理現象に対する知識の差が非合理現象信奉得点に影響を与えたことが考えられる また, 自己愛脆弱性との関連では承認 賞賛過敏性においてバーナム効果得点 9~11 点群と 12 点群の間にしか有意差がみられなかったことから, 他者からの評

価に影響する要因が関連していることが考えられる 19. 一人称の違いと独自性欲求及び承認欲求の関連についての検討井上涼子 首藤愛佳 岩崎華凛 ( 西南学院大学 ) 名前とは個人のアイデンティティを形成するにあたり重要なものであり, 個人を周囲と区別するための標識のような役割を持っている 名前はただ一つであるが, 時として人は自分を表す呼び名として様々な一人称を用いる では, 用いる一人称の違いはどこからくるのだろうか そこで, その中でも用いる一人称が自分の名前もしくは, それに関するものである人に着目した 本研究では, 一人称の違いと独自性欲求及び承認欲求に関連があるかを明らかにすることを目的とする 仮説は, 用いる一人称が自分の名前の人は, そうでない人 ( 例 : 私, 僕 ) よりも, 他者との区別を図るために, 独自性が強く, アイデンティティを形成するために, 承認欲求が強くなると考えた 研究には, 賞賛獲得 拒否回避欲求尺度と, 独自性欲求はユニークネス尺度と独自性欲求の2つの尺度を組み合わせて作成したオリジナル尺度を用いて検討した 20. スポーツへの執着的情熱が及ぼすセカンドキャリアへの影響明石康汰 宅嶋佑季 池内遼太 ( 西南学院大学 ) 最近アスリートのセカンドキャリアが問題視されている 長年続けてきたスポーツを引退し, セカンドキャリアで失敗し自己破産してしまうアスリートがいる アスリートは一般企業と比べ自己破産してしまう可能性が高い なぜ挫折 引退した後のアスリートはセカンドキャリアで失敗してしまうのか 仮説として, 引退をし, 挫折してしまった時にアスリートが持つアスレティック アイデンティティ ( 自分にはスポーツしかない ) という認知がアスリートの自己有用感に影響をもたらし, 自尊心が傷つくことでセカンドキャリアに支障が出るのではないかと考えた そこで本研究では,1スポーツに対する執着的情熱尺度の質問項目と2 自己有用感尺度を用いて,1の独立変数が2の従属変数にどのように影響するかを検討した