Economic Indicators   定例経済指標レポート

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住宅着工戸数の見通し(2018・19年度)| 第一生命経済研究所 | 小池理人

住宅着工戸数の見通し(2017・18年度)

住宅着工戸数の見通し(2018・19年度) | 第一生命経済研究所

新設住宅着工戸数 ( 全国 ) 23 年 月の新設住宅着工戸数は 67,273 戸 前年同月比 5.8% と 2 か月連続マイナスとなったがマイナス幅は縮小 1,000 ( 戸 ) 新設住宅着工戸数の月別推移 ( 全国 ) 0,000 90,000 80,000 住宅エコホ イント着工期限 (末 )

PowerPoint プレゼンテーション

【別添3】道内住宅ローン市場動向調査結果(概要版)[1]

Microsoft Word 日本語版.docx

Microsoft PowerPoint (確定)【住宅事業者様向け】平成29年度市場動向調査

タイトル

建設経済モデルによる建設投資の見通し

不動産経済 表紙OL

統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

目次 1 調査概要 P2~P4 2 平成 29 年度の販売見込みについて ( 住宅事業者 ) P5~P6 3 平成 29 年度の住宅の買い時感について ( 一般消費者 ) P7 4 住宅で重視するポイントは?( 住宅事業者 一般消費者 ) P8~P9 5 建物の性能で重視する事項は?( 住宅事業者

不動産経済 表紙OL

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

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建設経済モデルによる建設投資の見通し

RTE月次レポート企画

RTE月次レポート企画

RTE月次レポート企画

調査のポイント 1 調査の概要住宅事業者 一般消費者及びファイナンシャルプランナーに対し 今後の住宅市場に関する事項についてアンケート調査を実施し その結果を取りまとめた資料です 2 調査結果の主なポイント 平成 30 年度の住宅取得環境 住宅事業者の平成 30 年度 ( 平成 30 年 4 月 ~

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建設経済モデルによる建設投資の見通し

住宅取得支援政策とその効果

RTE月次レポート企画

月別の売上でみると 百貨店については 夏物衣料が好調だった 7 月と一部店舗で閉店セールを行った 9 月を除いて前年同月を下回っています 一方 スーパーについては 台風の影響があった 8 月を除いて 前年同月を上回っています 1,2 1-3 平成 28 年百貨店 スーパー販売額合計 ( 北海道 :

2014~2016年度 東海経済見通し

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

Microsoft Word - 季報サマリーレポート(2018年04~06月).doc

Microsoft Word - 季報サマリーレポート(2017年07~09月).doc

Newsletterむさしのvol_9.indd

( 公社 ) 近畿圏不動産流通機構市況レポート市況トレンド /1 年 7~9 月期の近畿圏市場 1. 中古マンション市場の動き 成約価格は前年比で 3 期連続上昇 1 年 7~9 月期の近畿レインズへの成約報告件数は,9 件と 前年同期比で 1.% 増加した (P1 図表 1) 新規登録件数は 15

1. 自社の業況判断 DI 6 四半期ぶりに大幅下落 1 全体の動向 ( 図 1-1) 現在 (14 年 4-6 月期 ) の業況判断 DI( かなり良い やや良い と回答した企業の割合から かなり悪い やや悪い と回答した企業の割合を引いた値 ) は前回 ( 月期 ) の +19 から 28 ポイ

01Newsletterむさしの6月.indd

Quarterly Market Watch Summary Report 季報 Market Watch サマリーレポート <1 年 7~9 月期 > 中古マンション 首都圏の動き ( 成約物件 ) 件数 7,588 件 ( -9.%) m単価.3 万円 / m ( +5.5%) 価格

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中期経営計画の見直しについて 2015 年 5 月

2025年の住宅市場 ~新設住宅着工戸数、60万戸台の時代に~

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

スライド 1

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経済・物価情勢の展望(2017年10月)

(Microsoft Word -

Microsoft Word NO0173

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

Microsoft Word - 58_4

目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

October vol

新設住宅着工戸数 年 月の新設住宅着工戸数は, 戸 前年同月比 +.% と前年並み水準で推移 ( 戸 ), 新設住宅着工戸数の月別推移,,,,,, 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 1 月 年,1,,1,,,,1,,1,1,,1 1 年,,,,1,,,, 1,11,1,1, 年,1,,

関西の景気動向 2013 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース )

平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

1. 総論 総括判断 都内経済は 回復している 項目前回 ( 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断回復している 回復している ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 1 月判断以降 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している ( 判断の要点 ) 個人消費

熊本商工会議所 製本第四四半期(HP・報道機関用)

PowerPoint プレゼンテーション

経済情報:日銀短観(2011年6月)の結果について.doc

木造住宅の価格(理論値)と建築数

みずほインサイト 日本経済 2013 年 8 月 27 日 消費増税時の住宅購入補助の効果年収別にみた負担変化の試算 経済調査部エコノミスト 大和香織 住宅ローン減税拡充と すまい給付金 の効果により 消費税率 8%

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

不動産流通動向月次概況

211 年 2 月 25 日発行 TVI( タス空室インデックス )( 過去 2 年推移 ) ポイント 全域 23 区市部神奈川県埼玉県千葉県 年月 東京都全域 23 区市部 神奈川県 埼玉県 千葉県 29 年 1 月

29 歳以下 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 2 万円未満 2 万円以 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 21 年度 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度

国土交通省総合政策局情報管理部建設統計室平成 20 年 2 月 29 日 ( 金 ) 公表 建築着工統計調査報告 平成 20 年 1 月分 平成 20 年 2 月分は 3 月 31 日 ( 月 ) 公表予定 問い合わせ先 国土交通省総合政策局情報管理部建設統計室 電話 担当

○ユーロ

Microsoft Word NO0057

Newsletterむさしの11.indd

半年ごとの地価動向について 地価公示(1 月 1 日時点 ) と都道府県地価調査 (7 月 1 日時点 ) との共通の調査地点で見ると 三大都市圏の住宅地は平成 25 年の前半と後半がほぼ同率の上昇となり 商業地は平成 25 年後半に上昇率が拡大している また 地方圏の住宅地 商業地はともに下落した

別紙2

月初の消費点検(3/4)~消費税増税の判断を控えて~

平成10年7月8日

1. 山陰地域の住宅投資動向の概要 山陰地域の新設住宅着工戸数の動きをみると 振れを伴いつつも 持家 貸家ともに持ち直しの動きが続いている また 分譲マンションも持ち直し傾向にあるが 市内中心部の一部地域に限られているとの声が聞かれている ( 図表 1 2) 持ち直しの背景としては 1 総人口が減少

日本経済見通し:2017 年の消費増税に向けた

不動産経済 表紙OL

2 / 6 不安が生じたため 景気は腰折れをしてしまった 確かに 97 年度は消費増税以外の負担増もあったため 消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない しかし 前回 2014 年の消費税率 3% の引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった

経済・物価情勢の展望(2016年10月)

図表 1 消費税率引上げに伴う住宅着工の影響 ( 平成 9 年 ) 1995( 平成 7) 年度 1996( 平成 8) 年度 1997( 平成 9) 年度 (4 月 1 日に消費税 (5%) 導入 ) 1998( 平成 10) 年度 住宅着工戸数 前年からの増減 1,485 万戸 - 1,630

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

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Microsoft Word NO0257

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Ⅰ.市場の総括 (1) 首都圏マンション市場 新規供給 数 2,260 件 35,898 前年 (35,772 ) 比 0.4% 増 4 年ぶりに前年を上回る 総販売 数 35,952 前年 (35,043 ) 比 2.6% 増 新規物件の平均初 販売率 68.1% 前年 (68.8%) より0.7

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

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社団法人日本生産技能労務協会

関西の景気動向 2013 年 5 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直している 輸出は 円安が進み 米国経済も回復基調をたどるなど 環境が

1. はじめに 5 年 7 月の住宅着工戸数は 季調済年率換算値で 万戸 前年同月比 +.3% と 97 年以来の高水準 かつ ヶ月連続の着工増加となった 利用関係別に見ると 持家は 年後半以降 住宅ローン減税の規模縮小に伴う駆け込み需要の剥落により 季調済年率換算値で 35.2 万戸

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Microsoft Word - 49_2

中古マンション概況 首都圏における 214 年 1~3 月の中古マンション成約は 9,993 件 ( 前年同期比 3.4% 増 ) で 1 期連続で前年同期を上回っています 都県 地域別に見ると埼玉県および横浜川崎地域を除く各都県 地域で前年同期を上回っています の 1 m2当たり単価は首都圏平均で

○ユーロ

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Transcription:

Economic Trends マクロ経済分析レポート ~ 年度住宅着工戸数の見通し発表日 : 年 月 日 ( 月 ) ~ 年 - 月期は反動減が顕在化 しかし 大崩れは避けられよう ~ ( 要旨 ) 第一生命経済研究所経済調査部担当エコノミスト高橋大輝 TEL:-- 先行きの住宅着工戸数は 年度 98.7 万戸 年度 89. 万戸 年度 86.7 万戸を予測する - 月期の住宅着工が予想対比で上振れたことを反映して 年度を上方修正した もっとも 先行き の見方に大きな変更はない 年度は消費税率引き上げ前の駆け込み需要に伴い 高い伸びになるものと見込まれる 一方 年度 はその反動減により落ち込みが避けられない もっとも 住宅ローン減税の拡充や住まい給付金といっ た負担軽減策などを背景に 997 年増税時のように大きく崩れるとまではみていない 年度も 8% か ら % への消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減によって 減少が見込まれる ただし 国内 景気の回復に伴う雇用 所得の改善や金利 地価の先高観などが住宅取得マインドを後押しすること で 年度終盤には持ち直しへ向かうと予想している 97 年増税時と今回の住宅着工の推移を比較すると 持家は住宅ローン減税制度の延長 拡充やすまい給 付金によって幾分駆け込みが抑制されていることが窺える 同制度が適用されない貸家では前回と同程 度のペースで駆け込みが発生している 分譲は マンション販売の好調や在庫が過剰水準を下回る推移 となっていることなどから 強めの推移となっている 先行きの住宅着工戸数は 年度 98.7 万戸 年度 89. 万戸 年度 86.7 万戸を予想 先行きの住宅着工戸数を 年度 98.7 万戸 年度 89. 万戸 年度 86.7 万戸と予測する ( 資料 ) - 月期の住宅着工が予想対比で上振れたことを反映して 年度を上方修正したが 先行きの見方に大 きな変更はない なお 本見通しでは 年 月に 8% から % への消費税率引き上げが行われることを想 定している 年 - 月期の着工は 消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減に伴い減少するとみている 年度は 駆け込み需要の反動減が続くことや実質可 処分所得の減少などを背景に 落ち込みが避けられ ないだろう もっとも 住宅ローン減税の拡充や住 まい給付金といった負担軽減策などを背景に 997 年増税時のように大きく崩れるとまではみていない また 年度後半は 年 月の消費税率引き上 げを睨んだ駆け込み需要が見込まれることなどから 増加基調に転じるものとみている 年度は 8% から % への消費税率引き上げに伴 う駆け込み需要の反動減が予想されることから 減 少を見込んでいる もっとも 年度終盤は国内景気 の回復に伴う雇用 所得環境の改善や金利 地価の 9 9 8 8 7 7 6 6 万戸 資料. 住宅着工戸数の推移 6 ( 出所 ) 国土交通省 年 - 月期以降の見通しは第一生命経済研究所作成 ( 注 ) 季節調整済年率換算値

先高観などが住宅取得マインドを後押しすることで 持ち直しヘ向かうだろう なお 消費税率 % 引き上 げ前の駆け込み需要は 8% 引き上げ時に前倒しで住宅を購入している世帯も多いとみられることから比較 的小規模なものに留まると予想している 年 月住宅着工は駆け込み需要の反動減が顕在化 前回との違いは? 年 月の住宅着工戸数は季節調整済年率換算 値で 98.7 万戸となった ( 資料 ) 消費税率引き上 げ前の駆け込み需要の反動減が顕在化している 前回 (997 年 ) 増税時と比較すると 持家の駆け 込み需要は 住宅ローン減税の拡充やすまい給付金 によって抑制されているものとみられる ( 資料 ) 貸家は 住宅ローン減税やすまい給付金による負 担軽減策が適用されないため 駆け込みのペースは 前回増税時と似た推移となっている 分譲は 前回 増税時よりも強めの推移となっている 前回増税 時と今回の在庫過剰感の違い マンション需要の 高まりなどが背景にあるものとみられる マンショ ン販売をみると 前回 今回ともに駆け込みが発生している様子が窺える しかし 前回増税時は販売の好 調に対して 在庫の取り崩しで対応していたとみられる ( 資料 ) 今回は在庫が過剰水準を下回る推移と なっていることから 分譲着工は前回よりも明確に駆け込みが発生したと推察される また 消費税率引き 上げの影響がほとんどない 中古マンションの成約実績も堅調な推移を続けており 首都圏のマンション需要 が高まっている可能性がある ( 資料 6) 総じてみれば 持家の駆け込み需要が抑制されている一方 分譲が堅調に推移することで住宅着工は前回 増税時に近い動きとなっている 9 9 8 8 7 7 6 資料. 住宅着工戸数の推移 ( 季節調整済年率換算値 万戸 ) 着工戸数計 ( 左軸 ) 持家 ( 右軸 ) 貸家 ( 右軸 ) 分譲 ( 右軸 ) 6 ( 出所 ) 国土交通省 新設住宅着工統計 資料. 前回増税時と今回の着工の推移 全体 持家 9 前回 (99=) 9 前回 (99=) 8 今回 (=) 8 今回 (=) 7 - - - - -9-8 -7-6 - - - - - 6 7 - - - - -9-8 -7-6 - - - - - 6 住宅ローン減税やすまい給付金の要件として 自ら居住している必要がある 不動産会社が直接売主となる場合は消費税がかかるが 不動産会社が仲介する場合など 個人が売主の場合は消費税がかからない ただし 仲介手数料には消費税がかかる

貸家 分譲 9 8 前回 (99=) 今回 (=) 9 8 前回 (99=) 今回 (=) 7 - - - - -9-8 -7-6 - - - - - 6 ( 出所 ) 国土交通省 住宅着工統計 7 - - - - -9-8 -7-6 - - - - - 6 資料. 首都圏マンション全残戸数と販売戸数 97 年増税時 今回 8 ( 千戸 ) ( 前年比 %) ( 千戸 ) ( 前年比 %) 8 8 6 8 6 全残戸数 販売戸数 ( 右軸 ) 8-8 全残戸数 販売戸数 ( 右軸 ) - - - 9 96 97 98 ( 出所 ) 不動産経済研究所 首都圏マンション市場動向 -6-6 資料. 首都圏中古マンション 中古戸建成約件数 資料 6. 首都圏中古マンション価格,7 ( 万円 ) ( 年 月 =) 中古マンション 中古戸建,6,6,, - -,,,, 首都圏中古マンション価格 首都圏中古マンション価格指数 ( 右軸 ) -, 9 ( 出所 ) 東日本不動産流通機構 ( 出所 ) 東日本不動産流通機構 リクルート住まい研究所

年 - 月期以降は減少傾向での推移に - 月期まで駆け込み需要が発生したことで 当面は反動による減少が避けられないだろう 住宅着工に先行する住宅メーカーの受注をみると 経過措置 の締め切りであった 年 9 月末に駆け込み契約が集中し 月以降の受注は反動減が発生している様子が窺える ( 資料 7) 受注から着工までのタイムラグを勘案すると 今後の住宅着工は減少する可能性が高い 好調であったマンション販売においても 首都圏の前年比伸び幅は大きく縮小し 近畿圏では前年比マイナスに転じている ( 資料 8) こうした動きに鑑みると 駆け込み需要の反動減は避けられず 年 - 月期以降の住宅着工は減少傾向での推移となろう もっとも 住宅ローン減税の拡充やすまい給付金などの負担緩和策が下支えとなることなどを背景に 住宅着工が前回増税時のように大崩れすることは避けられるとみている 資料 7. 住宅メーカーの受注速報 ( 前年比 %) 資料 8. 首都圏 近畿圏マンション販売 ( 前年比 %) 8 6 A 社 B 社 C 社 D 社 E 社 F 社 8 6 首都圏 近畿圏 - - - - 6 7 8 9 6 7 8 9-6 ( 注 ) 住宅分類や数値に含んでいる項目 ( 戸建 分譲など ) についてはメーカー間で差異がある ( 注 ) 金額ベース ( 出所 ) 住宅メーカーホームページより第一生命経済研究所作成 ( 出所 ) 不動産経済研究所 首都圏 近畿圏マンション市場動向 年 月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要 国内景気の改善などが追い風に 年度後半は 消費税率 % 引き上げに伴う駆け込み需要 国内景気の回復を背景とした雇用 所得環境の改善 金利 地価の先高感 東北 県の着工増加などを背景に増加基調に転じていくことが見込まれる については % への消費税率引き上げ時も経過措置 の実施が予定されており 年 月までに駆け込み契約が集中すると考えられる 契約から着工までのタイムラグを考慮すれば 住宅着工は 年度初めまで駆け込み需要が発生するだろう なお 消費税率 % 引き上げ時の駆け込み需要およびその反動は 8% 引き上げ時に前倒しで住宅を購入している世帯も多いとみられることなどから 比較的小規模なものに留まる見込みだ また については 規模は大きくはないものの長期に亘って住宅着工を押し上げよう ( 資料 ) 年度は の反動によって落ち込みが避けられない しかし 雇用の改善や所得の持ち直し 金利や地価の先高感が引き続き住宅取得マインドの後押しとなろう こうした要因を背景に 年度終盤には住宅着工は持ち直しへ向かうとみている 年 9 月末までに契約した住宅は 引き渡しが 年 月以降となる場合でも引き上げ前税率が適用された 年 月末までに契約した住宅は 引き渡しが 年 月以降となる場合でも引き上げ前税率が適用される

資料 9. 完全失業率と住宅着工資料. 東北 県の住宅着工戸数 ( 季節調整済年率換算値 ). 7 ( 万戸 ) ( 万戸 ) ( 逆目盛 %). 6 東北 県合計 岩手. 宮城 福島... 住宅着工戸数 ( 季調値 ) 完全失業率 ( 右軸 ) 6. 7. 8. 9 6 7 8 9 ( 出所 ) 総務省 国土交通省 ( 注 ) 季節調整は当社 ( 出所 ) 国土交通省 住宅取得コストの上昇 労働力のボトルネックに注意見通しにおける下振れリスクとしては 長期金利の動向 建築費の動向 労働力のボトルネックなどが挙げられる 長期金利や建築費の急上昇は 住宅取得コストの上昇に繋がり 消費者マインドへ悪影響を与える 足元で金利は低位安定しているものの 建築費は円安や需要拡大に伴う建設資材価格の上昇などを背景に上昇が続いている ( 資料 ) 建築費の上昇は 住宅着工の減少に伴い徐々に落ち着いてくるとみているが動向に注意が必要だ また 建設技能労働者の不足感も強含んでいる ( 資料 ) 不足感は住宅着工の減少に伴い弱まっていくものとみられるが 年 月に成立し補正予算などによって公共事業は今後も高水準での推移が見込まれており 労働力のボトルネックが住宅着工を抑制する可能性がある 資料. 建築費指数 ( 東京 =) 資料. 建設技能労働者過不足率 9 住宅 ( 木造 ) 集合住宅 ( 鉄骨鉄筋コンクリート造 ) 集合住宅 ( 鉄筋コンクリート造 ) 集合住宅 ( 鉄骨造 ) ( 出所 ) 建設物価調査会 建築費指数 ( 出所 ) 国土交通省 建設労働需給調査 - - - 不足 過剰 8 職種計 6 職種計 - 8 9 ( 注 ) 過不足率は {( 確保したかったができなかった労働者数 - 確保したが過剰となった労働者数 )/( 確保している労働者数 + 確保したかったができなかった労働者数 )} ( 注 )6 職種は型枠工 ( 土木 建築 ) 左官 とび工 鉄筋工( 土木 建築 ) 8 職種は電工 配管工を加えたもの