工業会ホームページ原案

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第2章 事務処理に関する審査指針

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           御中

ご注意安全上の230 商品の選定施工基準かかる前に標準施工法施工方法納まり納まり位の納まり工法施工方法施工方法維持管理参考資料設計基準 施工に施工部材の木造下地の鉄骨下地のその他各部外張断熱装飾部材の軒天材の工事管理 9. 外張断熱工法 1 設計施工上のポイント 外張断熱工法については 住宅会社 設

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スライド 1

製品紹介 クイック 2 丸穴開口でケーブル 電線管貫通 ( 片面壁 ) 片面壁 ( 強化せっこうボード 21mm 重張壁 ) にも対応しています 共住区画 ( パイプシャフト住戸 ) 丸穴貫通部に! ( パテエース ) 本体を挿入 パテを充填 本体を挿入し パテを充填するだけの簡単施工で

レベル 1 2 石綿届出対象 記入例 レ労働安全衛生法第 88 条第 3 項 労働安全衛生規則第 90 条第 5 号の2 の規定による計画の届出 石綿障害予防規則第 5 条第 1 項の規定による作業の届出 レ大気汚染防止法第 18 条の15 第 1 項の規定による作業実施の届出を行っております 石綿

要領書-表紙

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Microsoft Word - ~01表紙 doc

S28-1C1000Technical Information

3-1 各部の納まり詳細図 鉄骨横張り通気金具施工 1) 基本構成図 組図 2) 主要部材一覧表 3) 基本構成図 組図 1.5 尺 6 尺 4) 主要部材一覧表 1.5 尺 6 尺 5) 土台部 6) 上下接合部 7) 左右接合部 8) 入隅部 9) 出隅部 10) 開口部 11) 軒天部 12)

5.1.2 気密材の種類と特長気密層は 室内と外気の境界部分に連続して設けなくてはならない 一口に気密層といっても 躯体工法 断熱工法の違いにより 必ずしも部材構成として新たに一層増えるわけではなく 従来のほかの目的を持つ部材 例えば防湿層 断熱材 防風層 あるいは構造躯体自体を気密層として考えるこ

ゴム固定用両面接着テープ VR-5311/VR-5321 概要 ポリエステルフィルムを支持体とし 片面にゴム系粘着剤 片面にアクリル系粘着剤を組み合わせた両面接着テープです ゴムと金属 プラスチックとの接着に適しています テープ構成 VR-5311/VR-5321 テープ厚:0.15 mm ( はく

表 1 不燃認定となる下地材一覧 ( 建設省告示第 1400 号 * 1) より抜粋 ) 下地材 * 2) 除く * 3) 鉄鋼 厚さ (mm):0.5~20.0 質量 (kg/m 2 ):1.4~56.0 合金番号 : 以下の通り 1070, 1060, 1050, 1100, 1200, 201

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1. ヨドコウ外壁防耐火認定商品一覧表 認定内容 耐火構造 構造認定準耐火構造 防火構造 材料認定 商品名 1 時間 30 分 45 分 捨て張り工法 旧認定品の読替え仕様等 ( 内装材等必要 ) 不燃材料 準不燃材料 鉄骨下地 鉄骨下地 鉄骨下地 木造下地 鉄骨下地 鉄骨下地 木造下地 ヨド耐火パ

壁紙に直接塗れます 下地の壁紙 ( クロス ) を剥がさずに塗る場合 平坦な壁面であれば, 壁紙を剥がさずにそのまま施工できます 下地に凹凸がある場合は パテ等で下地調整を行ってから塗ってください 壁紙 ( クロス ) 下地の場合 古い壁紙 ( クロス ) 表面の埃やヤニ等は リフレパウダー希釈水を

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表2

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もくじ 1. 表紙 2. もくじ 3. 床施工前 > 透湿防水シート 4. 床施工前 > 断熱材用受け材 5. 床施工前 >ユニットバス人通口 6. 床施工 > 床用透湿防水シートの施工 7. 床施工 >セルローズファイバー吹込み工事 8. 壁施工前 > 横胴縁 気密コンセントカバー 9. 壁施工前

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※最新※パイロンバリアー施工要領書( )

目次 組立 施工の前に P.1 開口部の確認 P.2 同梱一覧 P.3 組立 施工 1. 枠の組立 P.8 2. 埋込敷居の床貼込み寸法 P.9 3. 枠の取付 P 敷居の取付 P ケーシングの取付 P 床付ガイドピン 振止めストッパーの取付上吊りタイプ P.16

認定防火措置工法 国土交通大臣認定 国土交通大臣認定 PS060FL- PS060FL- PS060FL- 警告 防火措置部の上に乗る等 施工箇所を破壊する恐れのある行為を行わないで下さい 開口部が破壊して転落及び火災時に延焼の恐れがあります 再施工及び除去する場合はご相談下さい 火災時に延焼の恐れ

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設計162 外壁リフォーム事前調査の方法標準施工法外壁リフォームモエンサイディング重ね張り工法モエンサイディング張り替え工法モエンサイディング張り替え工法 外張り断熱センターサイディング重ね張り工法設計屋根リフォームセンタールーフ重ね葺き工法アルマ重ね葺き工法参考資8-1 適用条件 8-2 屋根リフ


壁リフォーム外壁リフォームサイディングサイディングサイディングセンターサイディング屋根リフォームセンタールーフアルマ設計83 外事前調査の方法標準施工法重ね張り工法張り替え工法張り替え工法 外張り断熱重ね張り工法設計重ね葺き工法重ね葺き工法参考資料6-1 標準施工法 1) 適用条件 施工上の条件 建

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標準施工法エン納まり詳細図納まり詳細図外張りウォールアスファルトシングル 4 外張り断熱工法 の安全性と品質を確保するために 外張り断熱工法のニチハ施工基準を設定しております 外張り断熱工法の外壁部分を安全に施工していただくための基準です 対象は ( 横桟 ) 防水紙 胴縁 の施工に関する外壁部分に

事前調査の方法参考資19 外壁リフォームの設計標準施工法標準施工法標準施工法リフォーム工法部分へのリフォーム工法外壁リフォームニチハMARCシステム11 適用条件 3) 適合地域 建築地域条件高さ (m) 13m 超料木胴縁工法RC造タイル外壁への施工高さ13mを超える1 外壁リフォームの設計 1)

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1 作業前の準備 Step 1 宅急便にて W 1230 D 250 H 140 重さ 20 kg程度 1 箱に 1 本入段ボール箱で発注本数が届きます 日射 風雨 埃 油などにさらされない場所に保管してください 箱の状態で平置きしてください 斜めや縦置きはしないでください 箱の状態で 積み重ねは最

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強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着

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P179 P179 P181 P182 P183 P184 P185 P186 P187 P188 P189 P189 P191 P192 P193 P194 P195 P195 P197 P197 P209 P209 P199 P199 P201 P202 P210 P210 P203 P203

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Ver.2.0 ガスコンセントの設置イメージ ガス栓が無くても簡単にガス栓が増設できます ガスファンヒーターで瞬時に暖房 コンセント付で便利です ガス衣類乾燥機が簡単に設置可能です 暖かい畳のお部屋でのびのびくつろいだ気分ですごせます 鍋物や鉄板料理をする時に大変便利です ガス炊飯器やガス高速オーブ

【確定版】石綿含有仕上塗

フ ク ビ

A. 直張用フローリングは次の下地に張込んで下さい イ. 直張下地に張込んで下さい ロ. 根太組下地や乾式二重床下地の上に張込む場合は 曲げ強度を捨張りで補ってから張込んで下さい B. 緩衝材付き直張用フローリングは下地になじむように作られています 重量物を置く部屋への張込みはさけて下さい C. 根

2016_11月版

取付上のご注意 ( 取付作業者の方へ ) 作業を行なう前に必ずお読みになり 安全で確実な取付け作業を行ってください 1708-T /6 警告注意 この内容に従わず 誤った取付け 取扱いを行うと生命の危険またはの内容に従わず 誤った取付け 取扱いを行うと生命の危険または 重大な傷害等を

資料 5-1 防耐火に係る基準 資料の素案 第 1 章総則 ( 設計基準 ) 1.2 用語の定義 主要構造部 : 建築基準法第 2 条第 5 号による 耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 号による 準耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 の 2 号による 防火構造 不燃材料 : 建築基準法

8. 音環境に関すること 住戸グループ分表

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型番記入方法 ご注文の際は 内へ 1~ の選定項目に合った寸法や記号を記入して下さい ケース型番 UCS - - 上下カバー色パネル色コーナー R 放熱穴ゴム足 例 : 幅 140mm 高さ 4mm 奥行き 180mm で上下カバー パネルがブラック コーナー R 放熱穴無し ゴム足 S の場合 U

第 1 章木造軸組工法を用いた住宅の省令準耐火構造の基準 第 1 対象となる住宅 1 本仕様は 木造軸組工法を用いた住宅に適用する 2 本仕様は すべての構造耐力上主要な部分の軸組材に 製材 集成材又は単板積層材の材料を用いた住宅を対象とする ただし 第 12 の 6 に定める鉄筋コンクリート造とし

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1 1. ケイカルエース スーパーシリカの一般的な用途 ケイカルエース スーパーシリカは軽量性にもかかわらず 機械的強度が大きく 断熱性 能に優れ 経年変化が少ないことから 製品の安定性などに優れているため 常温から高 温度域 (1000 以下 ) までの主力保温材として広く以下の分野で使用されてい

スライド 1

目 次 1 ナルファルト塗膜防水露出 ( 遮熱仕様 ) 工法 NWW-M01-SP 工法 1.1 防水仕様 2 施工フローチャート 2.1 施工フローチャート 3 事前確認 準備工事 3.1 表面洗浄 3.2 前処理 3.3 下地調整 4 防水施工 4.1 増し張り補強 4.2 ナルファルト WP-

( ハ ) 金属板横段葺 固定吊り子は (4φ 20mm 以上 ) でに直接留め付けてください ( 固定間隔は 300~400mm) 金属板横段葺 固定吊子 金属板横段葺 金属板横段葺 607 以下固定吊子 607 以下 留付金具 ( ニ ) 金属板瓦棒葺 通し吊り子 飛び吊り子は (4φ 20mm

コンクリート下地仕上材の種類一般的な使用ボード類乾燥状態Ⅲ 2 石工事 タイル工事 建築接着工法編 2.1 陶磁器質タイル 石材用接着剤建築現場で手張り方式により陶磁器質タイル及び石材を張り付ける工事に用いられる接着剤は J IS A 5548 陶磁器質タイル用接着剤 に品質 性能が規定されており

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タイル外壁に 廃材処理を減らし 建物を守り 資産価値を高めます 家庭はもちろん オフィスの 笑顔も守ります タイルフィックス タイルフィックス工法はステンレス製特殊アンカー ( タイルフィックス ) と専用エポキシ樹脂による浮きタイルの下地躯体への直接固定工法です 浮きタイルの撤去や廃棄の必要はあり

ヨドルーフハゼシリーズ標準部品設計価格 192ハセ 166ハセ 140ハセ 108ハセ 90ハセ 66ハセ 棟用フレーム 妻用フレーム 妻用金具 単独フレーム 断熱金具 音鳴り低減仕様用断熱金具 軒下面戸 換気面戸 エプロン 化粧フレーム 3,700 円 /m 2,300 円 /m 2,700 円

ダイアボンド DE1108

1 サイズ選定 2 板厚選定 50~00mm 3 4 隅取付穴指定 コーナー R 指定 納 期 50~00mm 50~00 00~ 記号 金額 5 記号 板厚 N 記号 サイズ 金額

P79 P79 P81 P8 P84 P84 P85 P85 P87 P87 P87 P89

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環境にやさしいオール水性仕様

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

非歩行露出ナルファルト塗膜シート絶縁工法 NWW 非歩行露出 ( 遮熱 ) ナルファルト塗膜シート絶縁工法 NWW 軽歩行露出 ( 遮熱 ) ナルファルト塗膜シート絶縁工法 NWW 高耐久露出ナルファルト塗膜シート絶縁工法 NWW 軽歩行露出

3. 硬質木片セメントの特徴 鉄骨造の下地として広く認知されています硬質木片セメント板は 日本建築学会 建築工事標準仕様書 JASS12 屋根工事において種々の屋根葺き材の特殊工法 ( 鉄骨下地 ) の野地板として例示されています 優れた耐火性能を備えています所定の材料との組合せによる構造で 屋根や

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1708-T /7 MS K001 0K001 フロントグリル この度は TRD フロントグリルをお買い上げいただきありがとうございます 本書には本商品の取付け 取扱いについての要領と注意事項を記載してあります 取付け前に必ずお読みのうえ 正しい取付け 取扱いを実施して

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ポリカーボネート板に関する建築物の屋根への適用状況

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Transcription:

スラグせっこう板 全国木質セメント板工業会 CFB 部会 1 スラグせっこう板とは 昭和 40 年代の深刻な大気汚染対策として排煙脱硫装置の設置が義務化され 石膏が多量に副産されるようになりました この石膏の有効利用が叫ばれる中 スラグせっこう板が開発されました 製鉄所から産出する高炉水砕スラグと 火力発電所の排煙脱硫装置等から副生される二水石膏を主原料として 常圧で反応硬化させた不燃材です 通常石膏を利用したボードとしてせっこうボードが一般的ですが 石膏自体は自硬性がないため硬化体の原料として利用するには熱処理をして半水や無水の形にしなければなりません しかしスラグせっこう板は 二水石膏のままスラグとの混合体とし 特殊な薬剤を用いて建材として十分な強度を発現させています スラグせっこう板は 日本工業規格で JIS A 5430 繊維強化セメント板に分類されます 2 スラグせっこう板の製造方法 スラグせっこう板はスラグ 石膏の他に 新聞古紙を主体とした補強繊維と 軽量骨材などを混合して 丸網抄造機による抄造法で成形します この成型法は製紙の技術 ( 紙抄き ) を応用したもので 繊維に粉体を吸着させて 円形の金網で連続的に抄き上げ それを規定の厚さまで円形のドラムに巻き取り その後平面に展開して板状とするものです ちなみにスレートやケイカル板 パーライト板等も全く同じ抄造法で成形されるのが一般的です

3 スラグせっこう板の特徴と性能 スラグは高炉で鉄鉱石を溶融 還元する過程で生成されますが スラグせっこう板に使用するスラグは溶融スラグに多量の圧力水を噴射することにより急冷した砂状の水砕鉱滓を微粉砕したものです 石膏は化学組成上硫酸カルシウム (CaSO 4 ) ですが スラグせっこう板に使用する石膏は 主に火力発電所から排出される排煙脱硫石膏等を二水石膏 (CaSO 4 2H 2 O) の状態で利用しています その他に新聞古紙を主体とした繊維や 軽量骨材などを使用します 1) 特徴石膏の持つ耐火性能 鋸や錐でそのまま加工できる加工性 スラグとの硬化体による耐水性 又 常圧硬化体のためのコストメリット 等があります * 防火性能が高い石膏はもともと多量の結晶水を持っています 火災の際は その結晶水が気化熱を奪い雰囲気の温度上昇を遅らせます それが防火性能の高い理由です * 環境負荷が少ないせっこうは火力発電所の排煙脱硫装置等から産出される副産物です 又スラグも鉄の生成過程から産出される副産物です その他 新聞古紙などの繊維も再利用しています * 加工がしやすい木に近い柔らかい材質で 木材同様に丸鋸や錐 カッターなどを使用できます * 経済性硬化反応の過程でもオートクレーブなどの多量のエネルギーを使いませんので 価格的な優位が保たれています

2) 性能種類 厚さ (mm) かさ密度 (g/ cm3 ) 曲げ強さ (N/mm 2 ) 発熱性又は難燃性 含水率 (%) 乾燥収縮率 (%) 1.0 5±0.3 0.90 以上 10.5 以上 発熱性 12 以下 0.10 スラグ 6±0.4 1.20 未満 1 級 以下 せっこう板 8±0.4 9.5 以上 又は 10±0.5 難燃性 11±0.5 8.5 以上 1 級 12±0.5 試験方法 JIS A 5430 工業会規格 * この他の品種については 工業会加盟各社にお問い合わせください 湿潤膨張率 (%) 0.10 以下 4 スラグせっこう板の用途スラグせっこう板は一般住宅の軒天及び内装 又 病院 ホテル オフィスビル等の内装 間仕切壁などに使用されています 特に防火性能が高いため 軒天やベランダ下地などの建築現場に積極的に採用されています

技術資料 スラグせっこう板の施工方法と注意点 1 下地組み 木製下地の材質は 構造用木材で良く乾燥したものを使用し 胴縁及び間柱は 303~ 455mmの間隔で平滑に組上げて下さい 又 腐朽しやすく割れ易い材質のものを使用すると製品の剥落事故を招く恐れがあるので使用しないで下さい 軽量鉄骨下地の間隔は 303mm 以下とし 平滑に組んでください 下地は不陸が出ないように調整してください ボードの継手には必ず下地を入れてください 天井施工の場合の下地は ボードの繊維方向と直行させてください 2 加工 ボードの切断には チップソーを使用してください 穴あけは錐 ドリルを用いてください 切断後は切断面をヤスリ カンナ等で仕上げてください 切断作業の際に多量の切断粉塵を吸入すると 健康を害する恐れがありますので 保護具を着用し健康管理に十分注意してください カラー軒天ボードは 切断時に生じる切断粉が化粧表面に付着した場合は 直ちにエア又はハケで除去してください 3 ボードの留め付け a) 釘打ち工法 ステンレススクリュー ステンレスリング釘等をご使用ください 材端部に釘打ちすると端割れ等の破損の原因になりますので 留め付け位置は板端から 15mm 以上離れた箇所に行ってください 木製下地の場合の留め付けピッチは 壁 天井は 303~455mm 軒天は 150~303 mm 以下にしてください 但し 壁 軒天は構造認定の仕様に応じて留め付してください 自動釘打ち機を使用する場合は 事前にコンプレッサーを調整して圧力の強すぎによる釘頭陥没の発生を避けてください 自動釘打ち機での一発打ちは出来るだけ行わず 圧力を調整し 最後の一締めを手打ちで行うようにしてください 有孔板に釘打ちを行う場合は 打ち位置が穴に片寄らないようにしてください フィニッシュ釘及びステープルは保持力の低下が起こる可能性がありますので使用しないでください カラー軒天ボードを釘留めする際は 金槌等で製品表面を叩くと傷跡が目立ちますので 仕上げはポンチなどで打ち込みを行ってください

b) ビス留め工法 平滑に仕上げた軽量鉄骨下地にボードの端部より 15mm 以上内側へ ワンタッチリブ付きビスを 300mm 以内の間隔でビス留めしてください 6mm 品には下穴は不要ですが スクリュードライバーのパワーが大きい場合 特に角部に割れが生じる事がありますので 埋め込み過ぎに注意し 8mm 品以上の場合は下穴を開けてください ボードの張り付けは 下地とボード繊維方向(6 尺長手 ) を直交に配置してください c) 接着工法 ( 壁のみ ) 合成ゴム 酢ビ系等の接着剤と両面テープを併用し ハケ又はヘラで下地ボードの両面に接着剤を点付し 接着剤が硬化するまで仮留めして圧着養生してしてください d) 接着 釘打ち併用工法 ( 壁のみ ) 合成ゴム 酢ビ系等の接着剤をハケ又はヘラで下地 ボードの両面に点塗布後圧着し 更に板端より 15mm 以上内側に 150mm 以下の間隔で釘打ちしてください 4 補修 釘頭が著しく目立つ部分等 やむを得ず補修が必要な場合は 専用の補修塗料を使用してください 切断小口の面取り部は 必ず補修塗料を十分に塗布してください 補修塗料は十分に撹拌し 残材で試し塗りを行ってから使用してください 補修の当日が降雨 降雪の場合 塗装しないでください 又前日が降雨 降雪で化粧面が濡れている場合も避けてください 外気温が 5 以上の時に塗装を行ってください 長期間保管していた補修塗料は変色等の恐れがあるので 使用しないでください 外壁を現場塗装する場合等で 軒天ボードを保護するときに使用する養生テープは ガムテープのように高粘着力タイプの物は使用しないでください 養生テープを張る面にホコリ 油分 水分が付着していないか確認し 付着がある場合はよく拭き取ってからご使用ください 必要以上に長期養生はしないでください 養生テープを放置して熱が加わると テープの接着剤が軟化して塗膜を侵し テープを剥がす際に塗膜剥離し易くなりますのでご注意ください 塗装完了後は 直ちに養生テープを剥がしてください 又テープを剥がす際にテープが破れる恐れがありますので ゆっくりと引き剥がすようにしてください

ディテール

スラグせっこう板 スラグせっこう板 スラグせっこう板 スラグせっこう板

施工に関する禁止事項 常時水のかかる部位 あるいは高温にさらされる部位等 特殊な環境下での使用はできません ボードを軒天に使用する際は 軒先部から氷雪 ツララ等が軒天ボードまで廻りこむ恐れがある箇所へは施工しないでください 有孔品は 施工後に雨や雪が吹き込む箇所には施工しないでください 5mm 品は 軽量鉄骨下地には使用しないでください 外壁をモルタル仕上げする時に 軒天ボードとモルタルが接触しないようにして下さい 8mm 以上のボードをビスで留め付する場合は 必ず下穴を開けてください

認定一覧 概要認定番号品目名商品名 基板 アスノン NM-8314 スラグ せっこう板 フジクリーンボード ヘルシーボード NS ボード 塗装板 アスノンコート エンボスカラー 軒天エンボス調カラー タイル下地材 NM-8315 化粧スラグ せっこう板 ヘルシー軒天カラー タイルボード タイルメイト シート張り板 アスノンエース ヘルシーハードライト * 尚 これらの認定以外に工業会加盟各社の個別認定もあります リンク先の加盟各社のホー ムページをご確認ください

施工例 ( 軒天 )

施工例 ( 公共ホール等 )