GDP( 国内総生産 ( 支出側 )) については FISIMを除いた計数を参考表章する また FISIMの導入に伴い 国民経済計算における財産所得 ( 利子の受取 支払 ) の概念が変更となる 従前の受取 支払の利子総額には金融仲介サービスの対価が反映されていることから それぞれについてFISIM

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第6章 海外勘定の推計

利用上の注意

1 概 況

2018年4-6月期2次速報値 時系列表1

年金給付 6 社会扶助給付 7 社会保障負担といった表現が使われ 脚注にあるようにそれぞれに定義が定められている したがって その定義を満たさなければ 社会保障費用統計では社会保障として扱われる項目であっても SNA では社会保障として扱われないことになる 一方 社会保障費用統計の財源として社会保障

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時系列表1

第1章 経済動態

第9回資料2

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2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

第4章 一般政府及び対家計民間非営利団体関連項目の推計

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図 4-1 総額 と 純計 の違い ( 平成 30 年度当初予算 ) 総額ベース で見た場合 純計ベース で見た場合 国の財政 兆円兆 国の財政 兆円兆 A 特会 A 特会 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定

一般会計 特別会計を含めた国全体の財政規模 (1) 国全体の財政規模の様々な見方国の会計には 一般会計と特別会計がありますが これらの会計は相互に完全に独立しているわけではなく 一般会計から特別会計へ財源が繰り入れられているなど その歳出と歳入の多くが重複して計上されています また 各特別会計それぞ

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財務の概要 (2012 年度決算の状況 ) 1. 資金収支計算書の概要 資金収支計算書は 当該会計年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入 支出の内容を明らかにし かつ 当該会計年度における支払資金の収入 支出の顛末を明らかにするものです 資金収支計算書 2012 年 4 月 1 日 ~201

<4D F736F F D A6D92E8817A95BD90AC E937895EF8A87944E8E9F8DE096B195F18D908F912E646F63>

産業連関表から見た県経済.xps

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

平成 23 年北海道産業連関表について 北海道開発局 1 北海道産業連関表作成の趣旨 北海道開発局では 北海道の経済 社会動向を的確に把握し 北海道総合開発計画を立案 推進するための基礎資料として 昭和 30 年表からおおむね 5 年ごとに 北海道産業連関表 を作成しています なお 北海道産業連関表

が 93SNAではFISIM( 間接的に計測される金融仲介サービス ) として通常の財貨 サービスの一つに位置づけられました 金融機関の中には 借り手と貸し手に対して異なる利子率を課したり 支払ったりすることにより 明示的には料金を課さずにサービスを提供することができるものがあります このサービスの

平成 30 年 4 月 10 日公表平成 28 年 農業 食料関連産業の経済計算 ( 概算 ) - 農業 食料関連産業の国内生産額は 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 28 年における農業 食料関連産業の国内生産額は 115 兆 9,63

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新しい地方公会計制度 これまで南阿蘇村では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 南阿蘇村がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表など 今までの決算書では把握できなか

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(3) 可処分所得の計算 可処分所得とは 家計で自由に使える手取収入のことである 給与所得者 の可処分所得は 次の計算式から求められる 給与所得者の可処分所得は 年収 ( 勤務先の給料 賞与 ) から 社会保険料と所得税 住民税を差し引いた額である なお 生命保険や火災保険などの民間保険の保険料およ

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計算書類等

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別紙2

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連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

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科目当年度前年度増減 [ 負債の部 ] 流動負債未払金 3,44,15,654 3,486,316,11-46,3,357 給付金未払金 3,137,757,265 3,192,611,196-54,853,931 年金未払金 287,13, ,91,778 7,228,646 その他未

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結果の概要1

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科 目 貸借対照表平成 30 年 3 月 31 日現在 当年度前年度増減 ( 単位 : 円 ) Ⅰ 資産の部 1. 流動資産 現金預金 28,313,776 24,804,212 3,509,564 未 収 金 5,810,958 5,810,958 0 流動資産合計 34,124,734 30,6

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税・社会保障等を通じた受益と負担について

最上町バランスシートを読むにあたって

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別紙 1 FISIM の対象について 1.FISIM 産出機関金融仲介機関を対象とするが EU 基準の推計方式に倣い 中央銀行 ( 日本銀行 ) についてはFISIM 産出機関とはしない なお 中央銀行の産出額はコスト積み上げ方式で別途推計し 参考試算値と同様 配分先は 中央銀行の金融システムの監督

トをウェイトとして用い各種の資本サービスを集計化し 単一の数量指数を導出 第 3 章ストックとフローの範囲と分類 (1) 3 つの分類 - 資産別 制度部門別 経済活動別 (2) 純資本と固定資本減耗 制度部門別に分類され 資本は貸借対照表に 固定資本減耗は所得支出勘定と資本調達勘定に計上される (

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平成 23 年 11 月 30 日 内閣府経済社会総合研究所 国民経済計算部 平成 22 年度国民経済計算確報 ( 平成 17 年基準改定値 ) に係る利用上の注意について 平成 22 年度国民経済計算確報 ( 平成 17 年基準改定による計数 ) については 本年 12 月 9 日以降 段階的に公表する予定である これらの計数を利用するに当たっての注意点は以下のとおり 1. 国民経済計算は 毎年 最新年 ( 度 ) の数値を 確報 として公表するとともに 新たに利用可能となった基礎統計を反映させるため 更に 1 年遡って再推計を行い 確々報 として公表している 平成 22 年度国民経済計算 については 平成 22 年 ( 度 ) 計数 ( 確報値 ) 及び平成 21 年 ( 度 ) 計数 ( 確々報値 ) の推計を行う 2. 今回の年次推計においては 平成 17 年産業連関表 平成 17 年国勢調査 等国民経済計算推計上の主要な基礎統計を取り込む平成 17 年基準改定の作業結果を反映させ 平成 13 年以降の計数について遡及改定を行う ( 注 ) なお 基準改定作業においては 毎年の確報 確々報推計時には利用できなかったその他基礎統計や一部基礎統計の遡及改定結果も推計に反映させる ( 注 ) 基準改定に伴い 参照年 ( デフレーター =100 となる年 ) を 現行の平成 12 年から平成 17 年に変更する また 支出系列 (QE 公表系列 ) については 平成 6~12 年も含めて遡及改定を行う 3. 今回の基準改定及び年次推計においては 以下に掲げる概念の変更や推計方法の見直し等を行う (1) 平成 17 年基準改定における概念の変更等に関する事項 1 FISIMの導入金融業の産出額の推計にあたっては 金融仲介に係るサービスの産出を 93S NA 及び08SNAに適合するように 間接的に計測される金融仲介サービス (F ISIM) としてGDP( 国内総生産 ) に計測される活動として取り扱う なお 1

GDP( 国内総生産 ( 支出側 )) については FISIMを除いた計数を参考表章する また FISIMの導入に伴い 国民経済計算における財産所得 ( 利子の受取 支払 ) の概念が変更となる 従前の受取 支払の利子総額には金融仲介サービスの対価が反映されていることから それぞれについてFISIM 分の調整を行う なお 調整を行う前の利子 ( 平成 12 年基準における概念の利子 ) を 支払利子 (F ISIM 調整前 ) 受取利子(FISIM 調整前 ) として参考表章する ( 推計の考え方については 統計委員会第 6 回国民経済計算部会資料 7( 1) 平成 21 年度国民経済計算参考試算値解説編 ( 2) 及び季刊国民経済計算 No.146 間接的に計測される金融仲介サービス(FISIM) の導入による国民経済計算体系への影響について ( 3) を参照されたい ) ( 1)http://www5.cao.go.jp/statistics/sna/sna_6/siryou_7.pdf ( 2)http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/kakuhou/kekka/h21_kaku/fisim.pdf ( 3)http://www.esri.go.jp/jp/archive/snaq/snaq150/snaq146.html 2 経済活動及び財貨 サービスの分類の変更経済活動及び財貨 サービスの分類について 日本標準産業分類 (JSIC)[ 平成 14 年 3 月改訂 ( 第 11 回改訂 )] 及び 平成 17 年産業連関表 の統合分類を踏まえた見直しを行い 従前の分類における 運輸 通信業 を分割して 運輸業 情報通信業 を新設する ( 平成 17 年以降 平成 16 年以前は従前の分類を適用 ) 情報通信業 には 従前の分類における 通信業 に加え 製造業に分類されていた 出版業 対事業所サービス に含まれていた 情報サービス業 対個人サービス に分類されていた 放送業 等が含まれる ( 具体的には 作成基準に基づき公表される参考資料 ( 下記ウェブサイト ) を参照されたい ) http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sokuhou/gaiyou/sakusei17/sakusei_hosok u17-1.pdf 3 政府関係諸機関の分類 ( 格付け ) の見直し政府関係諸機関を各制度部門に分類する際の基準となる 1 市場性の有無 2 政府支配の有無等の考え方について 93SNA 及び08SNAに適合するよう以下のように変更する 市場性の有無 : 売上高が生産費用の 50% を上回っている場合に 市場性を有するとみなす 政府支配の有無: 株式を 50% 以上保有する等の 所有による支配 又は法令等により役員の任免権を有する等の その他の根拠による支配 のいずれかが該当する場合に 政府による支配が存在するとみなす ( 新たな基準による政府関係諸機関の分類については 下記ウェブサイト ( 2

4) を参照されたい また 考え方については 統計委員会第 6 回国民経済計算部会資料 3( 5) を参照されたい ) ( 4)http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/kakuhou/kekka/riyou/riyou_top.html ( 5)http://www5.cao.go.jp/statistics/sna/sna_6/siryou_3.pdf 4 自社開発ソフトウェアの固定資本形成への計上生産者が 1 年を超えて生産に使用するコンピュータ ソフトウェアについて 9 3SNAに適合するよう新たに自社開発ソフトウェアを固定資本形成の推計対象に含める 自社開発ソフトウェアは 社内において自己使用目的で生産 開発されるソフトウェアであり 市場価格で評価することが出来ないため 開発に従事する労働者の人件費等を基に推計する ( 推計の考え方については 統計委員会第 9 回国民経済計算部会資料 2( 下記ウェブサイト ) を参照されたい ) http://www5.cao.go.jp/statistics/sna/sna_9/siryou_2.pdf 5 固定資本減耗の時価評価の導入従前の推計においては 固定資本減耗について フロー側では簿価評価 ストック側では時価評価による推計値を用いていたが ( 社会資本のみフロー側でも時価評価 ) 国際基準に適合するよう 固定資産の推計( 恒久棚卸法 ) から得られる時価評価による推計値を統一的に用いる なお これに伴い 調整勘定における その他 の勘定を廃止する ( 推計の考え方については 統計委員会第 11 回国民経済計算部会資料 1:http://www5.cao.go.jp/statistics/sna/sna_11/siryou_1.pdf を参照されたい ) 6 国有林等の取扱いの見直し平成 12 年基準においては 国有林等は育成資産として生産資産 ( 仕掛品在庫 ) に含まれているが この取扱いを見直し 有形非生産資産として位置付ける 具体的には 土地 ( その他の土地 ( 林地を含む )) において国有林等のストック額を計上する なお 立木のうち民有林については 引き続き育成資産として生産資産 ( 仕掛品在庫 ) に含む (2) 平成 17 年基準改定における推計方法の見直し等に関する事項 1 有形固定資産の推計における恒久棚卸法の導入及び固定資本マトリックスの整備有形固定資産の推計においては 従前は 社会資本を除いた部分について 昭和 45 年国富調査 に基づくベンチマーク イヤー法による推計を行っていたが 今次基準改定において 恒久棚卸法を統一的に採用する 併せて 資産別かつ制度部門別 ( 一部 経済活動別を含む ) の固定資本マトリックス及び固定資本ストックマトリックスを整備するとともに 民間企業投資 除却調査 等の結果を踏まえ 3

た減価償却法の見直しを行う ( 推計の考え方については 統計委員会第 11 回国民経済計算部会資料 1( 下記ウェブサイト ) を参照されたい ) http://www5.cao.go.jp/statistics/sna/sna_11/siryou_1.pdf 2 支出系列 ( 年次計数 ) における四半期分割方法の変更 (a) 出荷系列等への比例デントン法の導入年次の基礎統計から得られる年次計数を 四半期又は月次の基礎統計による補助系列に基づき四半期分割する際の方法を変更する 具体的には 四半期基礎統計の短期変動をできる限り保存するために 出荷系列 国内家計最終消費支出及び民間企業設備について 比例デントン法 と呼ばれる四半期分割方法を過去に遡及して採用する ( 国内家計最終消費支出 民間企業設備については 平成 21 年度確報公表時に一部導入済み ) ( 比例デントン法については GDP 統計の在り方の検討結果 ( 短期的課題 ) について ( 平成 22 年 7 月 ) ( 下記ウェブサイト ) を参照されたい ) http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sankou/kouhou/ icsfiles/afieldfil e/2011/05/12/announce.pdf (b) 民間在庫品増加推計における補正方法 ( 回帰式 ) の見直し民間在庫品増加の四半期別推計においては 仕掛品在庫 流通在庫及び原材料在庫に関して 利用する基礎統計の伸び率に対して回帰式を用いた補正を行っている 今次基準改定においては 基礎統計の動きがより直接的に反映されるよう回帰式の見直しを行い 定数項及び季節ダミー等を用いずに推定するよう変更する これにより 民間在庫品増加における四半期分割比率が過去に遡及して変更される ( 参考 ) 仕掛品在庫及び原材料在庫については 四半期別法人企業統計調査 における資本金 10 億円以上の階層の棚卸資産の伸び率を説明変数とし 同 1,000 万円以上の階層の棚卸資産の伸び率を被説明変数として回帰式を推定している 流通在庫については 商業販売統計 における商品手持額の伸び率を説明変数とし 四半期別法人企業統計調査 における資本金 1,000 万円以上の階層の棚卸資産の伸び率を被説明変数として回帰式を推定している (c) 公的固定資本形成の四半期分割における建設総合統計の断層調整平成 21 年度における 建設総合統計 の冬季修正率の変更に合わせ 公的固定資本形成の四半期分割比率を変更する 具体的には 平成 21 年度と前回冬季修正率が変更された平成 12 年度との間で 冬季修正率が徐々に変化していると仮定し 両年度間の四半期分割比率の変化を直線的に補間した係数を用いて公的固定資本形成の四半期分割を行う ( 平成 12 年基準においては 平成 21 年度以降についても 平成 12 年度に変更された冬季修正率に基づく四半期分割比率を再現して用いていた ) なお 本見直しは 総固定資本形成から公的固定資本形成を控除して求める 4

民間企業設備の四半期分割にも影響する 3 デフレーター推計に関する見直し (a) 国民経済計算推計における 基本単位デフレーター の計算に用いている価格データの取扱いについて見直しを行う (ⅰ) 鉄骨 橋梁等の建設用金属製品の価格指数については 当該財の多くがオーダーメイド財であるという特徴を考慮し 従来使用していた 企業物価指数 における該当品目の価格指数に加え 人件費等も加味する投入コスト型の価格指数に変更する (ⅱ) サービス品目の一部 ( 移動電気通信 宿泊業等 ) に関する生産及び輸出デフレーターの計算に当たっては 当該品目における需要先 ( 企業向け 家計向け ) を考慮し 従前の 企業向けサービス価格指数 に加えて 消費者物価指数 における該当品目の価格指数を対応付ける (b) 家計最終消費支出の実質化に用いる対家計民間非営利団体からの商品 非商品販売のデフレーターを 従前の 消費者物価指数 から対家計民間非営利サービスの生産デフレーターに変更する 4 育成資産の仕掛品在庫の推計方法見直し国民経済計算においては 育成資産の自然成長分は仕掛品在庫として計上されるが その推計方法を従来の 産業連関表 から算出した在庫変動率 ( 固定比率 ) を用いる方法から 実現在庫法 (RIM:Realized Inventory Method) へと変更する 実現在庫法は 平均育成期間 ( 成長率 ) 廃棄率等からなる成長モデルを設定し 観測可能な毎期の出荷量 ( 額 ) から生産量 ( 額 ) 及び在庫量 ( 額 ) を求める手法である ( 推計の考え方については 統計委員会第 7 回国民経済計算部会資料 2:http://www5.cao.go.jp/statistics/sna/sna_7/siryou_2.pdf を参照されたい ) 5 フロー編付表 6 一般政府の部門別勘定 における計上方法の見直し今般の推計作業の中で 取扱いを適正化すべき点が判明した以下の項目等について 平成 13 年度に遡って修正を行う ( 関連する計数表も合わせて修正する ) (a) 地方税還付金の計上方法の適正化 ( 平成 17 年度以降の地方税の還付金の把握が可能となったため 平成 17 年度まで遡及して反映 ) (b) 後期高齢者医療給付費支出金 ( 平成 19 年度までは老人保健への支出金 ) の計上方法の適正化 ( 平成 16 年度以降 地方政府の その他の経常移転 ( 支払 ) を修正 ) 6 在日米軍日本人職員給与在日米軍基地における日本人職員の給与については 平成 15 年度以降 海外か 5

らの雇用者報酬 ( 受取 ) 海外への経常移転( 支払 ) として計上しているが この取扱いを平成 6 年まで遡及する 7 過払い金返還の計上利息制限法で定めた利息を超えて返済された部分 ( 過払い金 ) の返還を民間金融機関からの資本移転として記録する ( 平成 17 年度以降 ) なお 返還先についての推計は困難であるため 資本移転の受取は家計のみとする 8 金融勘定における推計方法の見直し等 (a) 金融資産 負債の 政府預金 及び その他 の推計方法及び表章の変更金融資産 負債における 政府預金 及び その他 について 基礎資料となっている 資金循環統計 の取扱いを踏まえた推計及び表章を行う 資金循環統計 においては 政府預金 の資産は中央政府に一括計上し その他 の資産 負債で特別会計 ( 公的非金融 公的金融 ) の持ち分を調整しており 国民経済計算においても 同様の表章を採用する その他 については 資金循環統計 の その他 の項目に基づき推計する (b) 企業の退職給付の未計上部分の取扱いの変更基礎資料となっている 資金循環統計 ( 平成 23 年 3 月遡及改定 ) における企業の退職給付債務の未計上部分の計上を金融資産 負債の残高における 年金準備金 及び 未収金 未払金等 の推計に反映させる なお 資金循環統計 と部門分類の異なる一部企業 ( 公的非金融法人 ) については財務諸表を用いて調整を行う (3) 平成 17 年基準改定における表章の変更等に関する事項 1 財政統計に関する付表の追加及び付表 7 8の細分化 (a) 政府財政統計の整備我が国の一般政府及びその内訳 ( 中央政府 地方政府 社会保障基金 ) の実物フロー取引について 新たに国際通貨基金 (IMF) 政府財政統計(GF S) マニュアル 2001 に従った勘定表を作成 公表する ( 表の様式の概要については 統計委員会第 11 回国民経済計算部会資料 3( 下記ウェブサイト ) を参照されたい ) http://www5.cao.go.jp/statistics/sna/sna_11/siryou_3.pdf (b) 付表 7( 一般政府の目的別支出 ) 及び付表 8( 一般政府の目的別最終消費支出 ( 名目 )) における表章項目の細分化一般政府部門の支出についてCOFOG( 政府支出の機能別分類 ) の2 桁分類により表章項目を細分化した付表を作成 公表する ( 平成 17 年度以降 ) 6

2 固定資本マトリックス及び固定資本ストックマトリックスに係る表の公表固定資産の推計において整備される固定資本マトリックス及び固定資本ストックマトリックスに関する表を新たに公表する ( 平成 17 年以降 ) (4) 年次推計における推計方法の見直し等に関する事項 1 東日本大震災に起因する特殊要因への対応 (a) 義援金の記録方法対家計民間非営利団体 ( 日本赤十字社 中央共同募金会等 ) 及び一般政府 ( 被災自治体等 ) を経由して被災者に配分される義援金については 募金者 ( 各制度部門 ) から被災者 ( 家計 ) へ直接経常移転が行われるものとして記録する なお 記録時点は被災者が受け取った時点とする ( 平成 22 年度の段階においては 支払いが実施されていないとみなし 金融勘定における 預り金 として記録する ) (b) 非生命保険における地震保険金の記録方法東日本大震災による地震保険金 ( 各種特約等も含む ) の支払い等については その額が保険収支均衡期間における支払保険金の期待値 ( 期待保険金 ) を大きく上回っており 各保険者では 再保険及び自己資本 ( 異常危険準備金等 ) の取崩し等により 保険金の支払いを賄っている このため 今般の地震保険金については 08SNAにおける考え方を取り入れ 期待保険金を上回るものとみなし その額を支払保険金 ( 支払備金等を含む ) から控除し 同額を金融機関から各制度部門への資本移転として記録する ( 以上 ) 本件問い合わせ先 国民経済計算部企画調査課 TEL 03-3581-0631( 直通 ) 7