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津波情報に活用する観測地点の追加について 別紙 津波情報への活用を開始する海底津波計の分布図 活用を開始する海底津波計沿岸の津波観測点 GPS 波浪計海底津波計 活用を開始する海底津波計の地点名称は 沖 を省略して記載しています ( 宮城牡鹿沖 及び 茨城神栖沖 を除く)

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国政評第 6 6 号平成 22 年 3 月 31 日 気象庁長官 殿 国土交通大臣前原誠司 平成 20 年度に気象庁が達成すべき目標についての評価 中央省庁等改革基本法 ( 平成 10 年法律第 103 号 ) 第 16 条第 6 項第 2 号の規定に基づき 平成 20 年度に気象庁が達成すべき目標についての評価を次のとおり実施したので 通知する Ⅰ. 気象庁が達成すべき目標についての評価にあたってこの評価は 実施庁が目標を達成したかどうかを判断するとともに 目標を達成するために必要な措置等が講じられたかどうか等を視点として評価するものであり 評価結果は 実施庁の効率的な業務執行に活かされるべきものである Ⅱ. 気象庁が達成すべき目標についての評価 1. 的確な観測 監視及び気象情報の充実等について 具体的な目標の内容地震観測点の増設により 伊豆諸島及び南西諸島の周辺海域で発生する地震に対する緊急地震速報について 震度の予想精度の向上及び数秒から 10 秒程度の発表の迅速化を図るとともに 観測点補正の導入により全国の地震に対する震度の予想精度の向上を図る 評価 評定 目標は達成されておらず一層の努力が必要である 所見 平成 20 年度末までに観測網としてやや脆弱な伊豆諸島及び南西諸島に観測点を増設した 観測点補正については 震源決定精度を向上するための補正手法を開発した 平成 20 年度に伊豆諸島及び南西諸島に増設した観測点の緊急地震速報への活用に向けて試験運用中であり 平成 21 年度中には本運用を開始する予定である また 開発した補正手法を用いた観測点補正を平成 21 年度中に導入するための準備を進めている 今後も 伊豆諸島及び南西諸島の周辺海域で発生する地震に対する緊急地震速報について

震度の予想精度の向上及び発表の迅速化を図るとともに 観測点補正の導入により全国の地震に対する震度の予想精度の向上を図ることが期待される 具体的な目標の内容突風等による災害の軽減に資するため 必要な技術開発を進め 平成 22 年度までに突風等短時間予測情報の発表を開始する 平成 20 年度は利用者を交えた検討会で格子点形式の情報の利活用について検討する 評価 評定 目標は達成されたものと認められる 所見 事業者等への聞き取り調査の結果等を踏まえ 予測情報の利活用方法について 3 回の検討会を開催して検討し その結果を 竜巻などの激しい突風に関する気象情報の利活用について に取りまとめ平成 21 年 3 月に公開した 平成 19 年度に引き続き 学識経験者 地方公共団体 報道機関等による 突風等短時間予測情報利活用検討会 を 3 回開催し 突風や雷の危険度を格子点形式として表す 突風等短時間予測情報 ( 仮称 ) を平成 22 年度から提供開始することについて 利用方法や留意点の基本的な考え方を整理し 竜巻注意情報 と組み合わせた利用や特定目的の事業者による利用例 一般向け解説 周知 広報の方法等について検討を行った この検討に当たっては 交通機関 建設業者 屋外イベント業者など想定される利用者に対する聞き取り調査も行った 検討会での検討結果を受け 竜巻などの激しい突風に関する気象情報について 効果的な利用法や利用上の留意点等を示した解説書である 竜巻などの激しい突風に関する気象情報の利活用について を平成 21 年 3 月に公表した 今後も 引き続き 突風等短時間予測情報の発表を開始するための取組が期待される 具体的な目標の内容観光振興等を推進するため 国際チャーター便が多く離着陸する地方空港に対して飛行場予報を発表する 平成 20 年度には 5 空港 ( 釧路 帯広 女満別 出雲 石垣 ) で発表を開始する 評価 評定 目標は達成されたものと認められる 所見 作業端末などの機器類や各種予想資料の整備等を行い 担当職員の作業慣熟を経て 平成 20 年 7 月 3 日から 5 空港 ( 釧路 帯広 女満別 出雲 石垣 ) での飛行場予報の発表を開始した 今後も 必要に応じて飛行場予報発表対象空港を拡充していく必要がある 具体的な目標の内容

日本をはじめ世界での異常気象発生の見通しをこれまでより的確に予測するため これまでのエルニーニョ監視海域での海洋変動の監視 予測情報に加えて 新たに太平洋西部 インド洋の熱帯域も対象とした海洋変動監視 予測情報の提供を平成 21 年度から開始する 平成 20 年度は 新たな監視海域を決定するための調査及び海面水温予測手法の改善などを行う 評価 評定 目標は達成されたものと認められる 所見 インド洋及び西太平洋熱帯域の海面水温が エルニーニョ / ラニーニャ現象の影響を受けて変動し 日本の天候に大きな影響を与えることを確認した この結果を基に 新たな監視海域を定義し エルニーニョ監視速報の拡充案を作成した またエルニーニョ予測モデルによるアンサンブルメンバー ( ) の増強を行い 各監視海域の海面水温の予測精度を約 10 % 向上させた 平成 21 年 7 月から これまでのエルニーニョ監視海域での海洋変動の監視 予測情報に加えて 新たに太平洋西部 インド洋の熱帯域も対象とした海洋変動監視 予測情報 ( 新しいエルニーニョ監視速報 ) の提供を開始する また 新しいエルニーニョ監視速報作成のための作業手順の設定 プログラムの修正等 所要の準備を進める 今後は 海洋変動監視 予測情報の適切な運用が期待される ( ) アンサンブルメンバーとは 数値予測の不確実性を見積もるために複数の数値予測 ( アンサンブル予測 ) を行うときに用いる個々の数値予測のこと 具体的な目標の内容東海地震の監視能力向上及び東南海域の地震活動の把握のため 新たにケーブル式海底地震計を平成 20 年度までに整備する 平成 20 年度は海底ケーブルの敷設 接続および陸上機器の設置 調整を行い ケーブル式海底地震計システムの運用を開始する 評価 評定 目標は達成されたものと認められる 所見 海底ケーブルの敷設 接続及び陸上機器の設置 調整を行い 平成 20 年 7 月末に整備が完了し 8 月 1 日から気象庁本庁へのデータ伝送を開始した その後 観測データの点検を終え 震源決定精度向上や検知能力向上の見通しが得られたことから 10 月 1 日からケーブル式海底地震計システムの地震活動監視業務への運用を開始した 今後は ケーブル式海底地震計システムの適切な運用が期待される 具体的な目標の内容

火山防災マップ等に基づいた避難等の防災対応の判断をより行いやすくするため 噴火警戒レベルを付加した分かりやすい噴火警報を発表する火山数を平成 20 年度までに 25 とする 評価 評定 目標は達成されたものと認められる 所見 平成 20 年度は 有珠山 十勝岳 雌阿寒岳 安達太良山 磐梯山 那須岳及び箱根山の7 火山に噴火警戒レベルを導入し 全体で 25 火山に導入した 平成 20 年度は 調査研究や観測データの蓄積により 技術的に噴火警戒レベル設定の見込みが立った7 火山について 火山山麓の自治体等防災関係機関との協議を進め 噴火警戒レベルを付加した分かりやすい噴火警報の発表を開始し 全体で 25 火山とした 今後も 火山防災マップ等に基づいた避難等の防災対応の判断をより行いやすい噴火警戒レベルの導入に努めていくことが期待される 具体的な目標の内容最大瞬間風速などの観測内容の充実 観測データの安定的な提供を実現するため 新型アメダス気象計等の整備をする 平成 20 年度は 平成 19 年度に既に最大瞬間風速を提供しているアメダス観測所に加え 全国で 800 箇所以上のアメダス観測所において 最大瞬間風速を提供する 評価 評定 目標は達成されたものと認められる 所見 平成 20 年度に従来型アメダス気象計の改修及びアメダスデータ等統合処理システムへの接続を実施した 400 箇所以上で新たに最大瞬間風速の提供を開始し 平成 19 年度に開始した 384 箇所とあわせて 800 箇所以上の観測所で最大瞬間風速の提供を開始した 平成 21 年度は 32 地点を更新 接続して これらの地点での最大瞬間風速の提供を開始する 今後は システムの安定運用が期待される 2. 気象業務に関する技術に関する研究開発の推進について 具体的な目標の内容地球全体の大気を対象とした数値予報モデルの2 日後の予測誤差 ( 数値予報モデルが予測した気圧が 500hPa となる高度の実際との誤差 北半球を対象 ) を 平成 22 年末までに平成 17 年 ( 実績値 18.3 m) に比べ約 20% 改善する ( 目標値 15 m) 平成 20 年度は新たな衛星データの取り込みを進めるとともに 物理過程の改良による精度向上を図る

評価 評定 目標達成に向けて概ね順調に推移している 所見 平成 20 年 ( 年間平均 ) における 2 日後の予測精度は 北半球では 15.8 mであった 平成 20 年は新たな衛星データとして静止気象衛星の晴天輝度温度の利用を開始したほか 観測データの利用方法について見直し 改良を行って 数値予報モデルの初期値解析の精度を高め 予報精度を改善した また モデルの物理過程の改良のための開発を進めた その結果 予測誤差が平成 17 年に比べ約 14 % 改善した 今後も 目標年度の平成 22 年度に向けて 予測精度の向上に努めていくことが期待される 3. 気象業務に関する国際協力の推進について 具体的な目標の内容アジア太平洋気候センターとして アジア関係国の季節予報に利活用できるプロダクトの拡充を図るなど センターのウェブサイトの改修を行うとともに アジア関係国に対して気候モデルの利用向上に資する技術指導を行うことにより ウェブサイトへのアクセス数について前年度と比較して 10%( 約 6 万件 ) 以上の増加を図る 評価 評定 目標は達成されたものと認められる 所見 平成 20 年 4 月 - 平成 21 年 3 月のアクセス件数は前年同時期と比較して 123 % となり 23 % の増加となった (12 万件増 ) 個別に技術指導を行ったマレーシア タイ フィリピン モンゴルからの利用は順調に増加している また インドネシア バングラデシュ ベトナムなどのアクセスが急速に伸びており アジア域の支援に関して進展している 今後も 引き続き気象業務に関する国際協力を推進していくことが期待される 4. 気象情報の利用促進等について 具体的な目標の内容民間の気象事業者等が利用可能な1 日当たりの気象情報の量を 9GB( 新聞紙にして約 36 万ヘ ーシ に相当 ) 以上にする また 気象情報の適切な利用を支援するため 新たに 20 種類以上の技術資料を提供する 評価 評定 目標は達成されておらず一層の努力が必要である

所見 平成 20 年度の 1 日当たりの平均提供量は 8.7GB / 日となった また 新たに 15 種類の技術資料を提供した 目標値には届かなかったものの 平成 20 年度は 気象衛星の JPEG 画像等の提供を新たに開始し情報量は増加した 今後も 気象情報の利用促進等を図っていくことが期待される