はじめに 本県は首都圏に位置する地の利を活かした多彩な農業を展開しています 平成 25 年度の農産物産出額は2,012 億円で全国順位 18 位です 品物別産出額の順位は ネギ サトイモ 小松菜が1 位 2 位は ホウレンソウ ブロッコリ - カブ キュウリ 花きで 1 位はパンジー 2 位は ゆり

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農業指導情報 第 1 号能代市農業総合指導センター環境産業部農業振興課 発行平成 26 年 4 月 25 日二ツ井地域局環境産業課 確かな農産物で もうかる 農業!! 農家の皆さんを支援します!! 農家支援チームにご相談ください! 今年度 農業技術センター内に農家支援

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

Microsoft Word - (HP用)H31年度企画書記載例doc

ニュースリリース 農業景況調査 : 設備投資 平成 2 9 年 3 月 24 日 株式会社日本政策金融公庫 農業者の設備投資意欲が過去最高 ~ 生産効率関連の農業機械投資が最多 後継者確保に課題も ~ < 平成 28 年下半期農業景況調査関連 > ( 注 1) 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公

( 問 2) 担い手確保 経営強化支援事業は 補助率が 2 分の 1 以内となっていますが 融資額と補助金はどのような関係となっていますか 本事業では 農業者の融資を活用した主体的な経営発展の取組を支援することから 融資の活用を要件としており 融資を主体とするいわゆる融資主体型補助事業としていること

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唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

流拠点としての那覇空港を備えており 沖縄県への物流を確立することにより本市農産物の輸出の可能性が広がることが期待できること さらには年間 790 万人の観光入込客数があり そのうち 160 万人が外国人であることから 今後のインバウンドの増加を見込んだPRを実施する場所として効果的であると考えている

岡山県農業研報 8:13-17(2017) 13 稲作経営の規模拡大過程とその対応 岡山県の事例から 河田員宏 Scale Expansion Process of Rice Farm Management and Its Response :A Case Study in Okayama Pref

【千葉県事業計画】別記様式第3号別添

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問 2. 現在 該当区域内に居住していますか 1. 居住している % 2. 居住していない % 無回答 % % 単位 : 人 1.9% 32.7% 65.4% 1. 居住している 2. 居住していない無回答 回答者のうち 居住者が約 65

平成 26 年度補正予算 :200 億円 1

田原市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 3 月 23 日 田原市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等の利

宮城県 競争力のある大規模土地利用型経営体の育成 活動期間 : 平成 27~29 年度 ( 継続中 ) 1. 取組の背景震災により多くの生産基盤が失われ, それに起因する離農や全体的な担い手の減少, 高齢化の進行による生産力の低下が懸念されており, 持続可能な農業生産の展開を可能にする 地域営農シス

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Microsoft Word _研修機関等認定要領

4 農林業 経営耕地面積割合 ( 農家数 ) ( 平成 27 年 ) 畑 63.4% (171 戸 ) 田 11.3% (53 戸 ) 樹園地 25.3% (102 戸 )

1. 取組の背景射水市大門地域は 10a 区画の未整備な湿田が多く 営農上の大きな障害となっていた 昭和 62 年に下条地区で県内初の大区画圃場整備が実施されたのを皮切りに 順次圃場整備が進んでいる 大区画圃場整備事業が現在の 経営体育成基盤整備事業 になってからは 農地集積に加えて法人化等の担い手


5. 農機具等の被害状況申出書 5 台以上お持ちの方は,2 枚,3 枚と使用してください No. ( ア ) 被災機種名 ( イ ) 被災機種能力等 ( ウ ) 買替 ( 更新 ) 機種能力等 ( エ ) 添付資料 ( オ ) 規模拡大 ( カ ) 見積額 ( 必須 ) ( 必須 ) ( 必須 )

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29 宇農委第 227 号 平成 29 年 12 月 5 日 宇治市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 宇治市農業委員会 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) 第 7 条第 1 項の規定に基づき 宇治市農業委員会にかかる標記指針を下記のと

【H 制定】災害高機能型推進事業実施要領

国営農地再編整備事業 ニセコ地区 事業の概要あぶたぐん本事業は 北海道南西部に位置する虻田郡ニセコ町の畑地帯において 区画整理を行い 生産性の高い基盤の形成を通じて農業の振興と耕作放棄地の解消 発生防止を図るものである 事業の目的 必要性本地区の農地は 基盤整備が遅れているため 小区画や急傾斜であり

H24/08/00

農業経営改善計画認定申請書_記入要領・記載例

国産粗飼料増産対策事業実施要綱 16 生畜第 4388 号平成 17 年 4 月 1 日農林水産事務次官依命通知 改正 平成 18 年 4 月 5 日 17 生畜第 3156 号 改正 平成 20 年 4 月 1 日 19 生畜第 2447 号 改正 平成 21 年 4 月 1 日 20 生畜第 1

01 ï¼‹æ§Ÿå¼‘ï¼Łï¼›æŒ°è¦‘å°±è¾²è•–ã†®è‡²æ‹’ã…»å®ıçš•ã†¨çµ„åŒ¶çŽºå±Łå‘−ㆳä¸�怸çı—組匶ä½fiㆸㆮæfl¯æ‘´2.xdw

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

表紙(確).xlsx

東部地域の農業 農地の復旧 復興スケジュール 平成 23 年度平成 24 年度平成 25 年度平成 26 年度平成 27 年度 市復興ビジョン 復旧 再生期 発展 創出期 仙台の復興 仮設ポンプ設置 基盤整備対策 がれき撤去 排水機能復旧 ( 排水ポンプ場 排水路の改修等 ) 堆積土砂の除去 除塩事

( 産地パワーアップ計画の重要な変更 ) 第 7 条産地パワーアップ計画ごとに 次に定める変更を行う場合は 第 4 条及び第 5 条の手続きに準じて行うものとする (1) 成果目標の変更 (2) 事業内容の変更 (3) 取組主体事業計画の変更 (4) 取組主体の補助事業費の3 割を超える変更 2 前

三ケ島工業団地周辺地区 第一回勉強会

Microsoft Word - 01 変更計画書

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公益目的支出計画実施報告

新規前年度継続 ( 変更あり ) 前年度継続 加工用米助成 ( 基幹作物 ) 豊郷町農業再生協議会整理番号 2 加工用米 ( 基幹作物 ) 1,079 円 /10a 参考となる 3 1,300 円 /10a 豊郷町では加工用米を地域振興作物に位置付けている 一定品質を確保するために 種子更新を行って

以上かつ5ヘクタール以上の変動が生じた場合には 変更後の高収益作物転換計画を計画主体に提出するものとする 第 6 事業達成状況の報告 1 事業実施主体は 別記様式第 1 号により 高収益作物転換促進計画の目標年度 ( 事業完了予定年度の3 年後までのいずれかの年度とすることを原則とし 対象事業の進捗

石川県水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状 地域が抱える課題 水稲作付面積については 昭和 60 年の 37,700ha から 平成 25 年では 26,900ha と作付 面積で約 10,000ha 作付率で約 30% と大きく減少したものの 本県の耕地面積に占める水稲作 付面積の割合は

H30年産そば方針

( 参考様式 1) ( 新 ) 事業計画書 1 事業名 : 2 補助事業者名 : 3 事業実施主体名 : Ⅰ 事業計画 1 事業計画期間 : 年 月 ~ 年 月 記載要領 事業計画期間とは 補助事業の開始から事業計画で掲げる目標を達成するまでに要する期間とし その期限は事業実施年 度の翌年度から 3

長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ

農業における豪雨被害に対する総合的な産地再生対策について 豪雨被害鳥獣害防止施設復旧事業 鳥獣被害防止総合対策事業 (43,379 千円 ) 予定 被災した侵入防止柵の再整備に要する経費 [ 補助率 : 国定額 ( 資材費相当 ) 又は国 1/2 県 1/4 ( 市町 1/4)] 鳥獣害防止施設復旧

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第 1 章市内の農作物の生産状況 1. 村山市内アンケート調査について 市内の米作農家 2,485 件を対象に 農作物の生産状況と直売所に関するアンケート調査を実施しました ( 平成 27 年 7 月 ) (1) 調査対象件数と回答数 対象件数 2,485 件 回答件数 550 件 農業形態 有効回

2 作物ごとの取組方針 (1) 主食用米本県産米は 県産 ヒノヒカリ が 平成 22 年から平成 27 年まで 米の食味ランキングで6 年連続特 Aの評価を獲得するなど 高品質米をアピールするブランド化を図りながら 生産数量目標に沿った作付けの推進を図る また 平成 30 年からの米政策改革の着実な

1 課題 目標 山陽小野田市のうち 山陽地区においては 5 つの集落営農法人が設立されている 小麦については新たに栽培開始する法人と作付面積を拡大させる法人があり これらの経営体質強化や収量向上等のため 既存資源の活用のシステム化を図る 山陽地区 水稲 大豆 小麦 野菜 農業生産法人 A 新規 農業

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

目 次 Ⅰ 集落営農数 Ⅱ 集落営農数 ( 詳細 ) 1 組織形態別集落営農数 2 農業経営を営む法人となる画の策定状況別集落営農数 3 設立年次別集落営農数 4 経営所得安定対策への加入状況別集落営農数 5 人 農地プランにおける位置づけ状況別集落営農数 (1) 中心経営体として位置づけの有無別

農林水産省より 2015 年農林業センサス結果の概要 ( 確定値 ) が公表されましたので 富山県の概要について 次のとおりお知らせいたします 2015 年農林業センサス結果の概要 ( 確定値 ) について ( 農林業経営体調査 富山県分 ) - 農業経営体数が減少する一方 法人化や経営規模の拡大が

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江府町地域協議会活用明細

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

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渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

証料を保証当初 5 年間免除 (3) このほか 被災農林漁業者が意欲を持って経営を再開できるように 以下のとおり要請済み 1 新規融資に際しては 円滑な融通が図られるように 関係金融機関に要請 2 既往融資に関して 償還猶予などの措置を適切に講じるように 関係金融機関に要請 3 災害救助法の適用地域

様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 福井県

ウ WCS 用稲本市は県内最大の酪農地帯であるため 需要に応じた生産確保に努め 多収品種の推進 病害虫防除や雑草管理など適切な圃場管理を行う また についても実施する エ加工用米実需者の要望に対応できるよう 産地交付金を活用して複数年契約を進めることにより安 定的な供給を目指し 担い手の作付維持 (

みずき Vol.249

区分地目所在地 現状目標 ( 平成 年 ) a a 所有地 田 出雲市 2000a 250a 借入地 農業経営規模の拡大に関する目標 作 物 作 業 現 状 目 標 ( 平成 年 ) 作業受託面積 生産量 作業受託面積 生産量 特定作業受託 作 物 作 業 現 状 目 標 ( 平成 年 ) 水稲 耕

重点戦略事業土地改良事業補助事業 土地改良区が行う土地改良事業 ( 用排水施設の整備等 ) について 農家負担の軽減を図るため 事業費の一部を補助した 土地改良区が行う土地改良事業 ( 用排水施設の整備等 ) について 農家負担の軽減を図るため 事業費の一部を補助する 重点戦略事業基盤整備促進事業

インドネシア・ジャワ島西部 地震・津波災害に緊急援助物資供与 ~約1300万円の物資を19日に空輸~

農業経営基盤強化準備金~農業者向けQ&A~

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今号の目次 特集 こんなに豊富な水産物が身近に手に入る浜松 うなぎいも のコスモグリーン庭好さんが全国表彰を受けました 食卓に幸せを届けたい ハピフルとまと 県温室メロン品評会 浜松市のメロン農家さんが 1 位 2 位を独占 新規就農者インタビュー 三方原馬鈴薯農家 磯貝将太さん 8 月 11 日

Taro-【済】85頁-91頁_07主要事業の概要(農地整備課)

花き産業の概要 1. 花きの動向 (1) 生産の動向 1 花き産業は 生産から中間流通 加工 小売まで広がりを持って展開しており うち花き農業の生産額は 順調に推移してきたものの 平成 10 年の6,345 億円をピークに減少傾向に推移しており 平成 20 年には4,012 億円となっている なお

第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

資料 4 平成 29 年 1 月 27 日記者会見 土地区画整理事業に関する土地利活用意向調査の実施結果について 復興推進本部都市整備推進室 1 土地利活用意向調査の目的 市内 4 地区の土地区画整理事業は 平成 29 年度末を目標に全ての宅地引渡しが完了できるよう鋭意工事を進めております 地権者へ


大分県農業共済組合 大分県農業共済組合作成 収入保険と既存制度の掛金及び補てん金の比較 ( 大分県 ) 品目 : 米 平均収入 100 万円作付面積 83a 単収 504kg/10a シナリオ 1 販売価格が 地域平均で シナリオ 2 販売価格が 個人のみで シナリオ 3 自然災害により 地域全体が

収入保険制度と既存の類似制度と の比較のポイント 平成 30 年 6 月

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めに必要な情報を提供するとともに 2 関係者一体となった契約栽培等の需要と直結した生産を推進していく また 生産者の収益性向上につながる地域の気候風土を活かした特色ある野菜等園芸作物への作付を促進し 産地づくりを進めていくため 生産者への作付誘導のインセンティブとなる産地交付金を戦略的に活用していく

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1 秋田県の農地中間管理事業の実績及び利用権設定にかかる支障事例 2. 利用権の存続期間延長手続きの緩和について ( その 1) H26~H29 実績 H26 H27 H28 H29 計 借受面積 (ha) 1,730 3,629 2,619 2,044 10,022 借受 ( 契約 ) 件数 1,

Microsoft PowerPoint 農業経営の未来戦略

様式 1 農業経営改善計画認定申請書 平成年月日 札幌市長 様 申請者 住所氏名 名称 代表者 電話 < 法人設立年月日 印 年月日生 ( 歳 ) 年月日設立 > 農業経営基盤強化促進法 ( 昭和 55 年法律第 65 号 ) 第 12 条第 1 項の規定に基づき 次の農業経営改善計画の認定を申請し

農山性化1 農山漁村の 6 次産業化の考え方 雇用と所得を確保し 若者や子供も集落に定住できる社会を構築するため 農林漁業生産と加工 販売の一体化や 地域資源を活用した新たな産業の創出を促進するなど 農山漁村の 6 次産業化を推進 現 状 農山漁村に由来する様々な地域資源 マーケットの拡大を図りつつ

新たな食と緑の基本計画○○地域推進プラン(様式案)

特別融資制度推進会議設置要綱 平成 13 年 9 月 12 日 13 経営第 2931 号農林水産事務次官依命通知改正平成 14 年 7 月 1 日 14 経営第 1739 号平成 16 年 10 月 1 日 16 経営第 3086 号平成 17 年 4 月 20 日 16 経営第 8952 号平成

1 表紙(背表紙ぬき)

担い手経営発展支援金融対策事業実施要綱 平成 28 年 1 月 20 日 27 経営第 2598 号農林水産事務次官依命通知最終改正平成 31 年 2 月 7 日 30 経営第 2277 号 第 1 目的我が国の農業においては 環太平洋パートナーシップ協定及び日 E U 経済連携協定 ( 以下 TP

広報たかす

沖縄県 生食用パインアップル産地の育成とブランド化 活動期間 : 平成 23 年度 ~ 継続中 1. 取組の背景国産パインアップルは 沖縄県の本島北部地域及び石垣島で生産が行われており 土壌酸度が低い酸性土壌の地域で栽培が行われてきた 生産された大部分は缶詰に加工されており 昭和 60 年には生産量

調査の仕様

保 無保証人での貸付け 4 集出荷施設が被災し 出荷が出来ないなど間接的に被害を受けた農林漁業者に対する農林漁業セーフティネット資金等の貸付利子を貸付当初 5 年間実質無利子化 (2) 被災した農林漁業用施設等を復旧するための施設資金の調達を支援するため 以下のとおり対応 1 スーパー L 資金 農

用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

Microsoft Word - 担い手計画 2月議会 決定版

Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

(六次化班)参考資料3(1)●0819営農再開グループ活動( )r2-1

農業だより

社会・環境報告書2014 ハイライト

平成10年度

平成12年度 第8回農業委員会総会

表 30m の長さの簡易ハウス ( 約 1a) の設置に要する経費 資材名 規格 単価 数量 金額 キュウリ用支柱 アーチパイプ ,690 直管 5.5m 19mm ,700 クロスワン 19mm 19mm ,525 天ビニル 農 PO 0.1mm

第 6 節農業の高付加価値化等の推進 表 農業生産関連事業の年間総販売金額の推移 平成 22 年度 (2010) 23 (2011) 年間総販売金額 計 農産物の加工 農業経営体 農協等 計 農産物直売所 農業経営体 農協等 観光農園 ( 単位 : 億円 %) 農家レストラン等 16,5

Transcription:

経営体育成条件整備事業事例集 ~ 農業経営の発展 改善への取組を支援します ~ 越谷いちごタウン 平成 28 年 1 月 埼玉県経営構造対策推進会議

はじめに 本県は首都圏に位置する地の利を活かした多彩な農業を展開しています 平成 25 年度の農産物産出額は2,012 億円で全国順位 18 位です 品物別産出額の順位は ネギ サトイモ 小松菜が1 位 2 位は ホウレンソウ ブロッコリ - カブ キュウリ 花きで 1 位はパンジー 2 位は ゆり チューリップ 洋ランと続き 他には米 麦 果実 畜産など多彩な農産物が生産され 県民はもとより首都圏の皆様に 安全 安心で新鮮な農産物を安定的に供給しています このような中 新規就農者も平成 25 年度 273 人 26 年度では 284 人と少しずつではありますが増加傾向にあります また農業生産法人では 平成 26 年度 722 法人で 10 年前と比較して約 3 倍の増加となっています 経営体育成条件整備事業は 新規就農者や経営発展を目指す農業者など多様な経営体の育成 確保を図る上で必要となる農業用機械や施設の導入 土地基盤の整備などを支援する事業です この実績報告書は 平成 26 年度に当該事業を導入して整備した29 経営体のうちから8 経営体のご協力を頂き 経営の安定 拡大に取り組んだ事例を取りまとめました この冊子をご高覧いただき 更なる農業経営の拡大 安定化に取り組んでいただければ幸いです 平成 28 年 1 月埼玉県経営構造対策推進会議会長渡辺義邦 1

~ 法人化で地域を守り雇用を生み出す ~ 経営体名 : 株式会社彩野グリーンファーム 事業実施主体 : 蓮田市 営農類型 : 主穀単一 内 容 : コンバイン 乾燥機 籾摺機 選別計量機 事 業 費 :8,910 千円 ( 国費 :2,673 千円 ) 成果目標 :1 経営面積の拡大 2 雇用の増加 1 経緯等導入した機械と山本社長この地域には区画整理された約 150 ヘクタールの水田地帯が広がる のどかな田園風景からは想像し難いが 当地域でも日本国内の多くの地域同様に 兼業化や高齢化による農業者の減少が進行している そんな地域の農業維持のため彩野グリーンファームは地域農業維持のため地元農家 7 戸が集まり法人化した 引退農家の農地や耕作放棄地を借り受け 規模拡大を続けている 2 取組の概要法人の作業面積拡大に伴い 個々の農家が所有する小型機械では作業が軽快に稲を刈るコンバイン追いつかず 当事業による法人での大型機械の導入を決めた 機械導入により作業効率は格段に上がったが 作業依頼はそれ以上に増加しており 新メンバーを 1 名増やした 3 今後の営農方向さらに従業員を 1 名増やす予定である 市内唯一の稲作法人として 栽培面積を拡大させるとともに 都市近郊という地理的条件を生かした稲作体験及び直売 通信販売等を検討している 一方 経営規模拡大には面積拡大と同時に機械化投資による効率化は欠かせないため 行政の制度事業や農地中間管理機構を有効に活用し 農地集約化と規模拡大に取り組んでいきたい また 法人経営を軌道に乗せ 新規就農者が希望の持てる地域農業を維持していきたい ~ 若手農業者と目指す地域ブランド形成 ~ 経営体名 : 木村友和 事業実施主体 : 越谷市 営農類型 : イチゴ観光農園経営 内 容 : パイプハウス5 棟 育苗ベンチ一式 事 業 費 :16,588 千円 ( 国費 :3,000 千円 ) 成果目標 :1 経営面の積拡大 2 雇用の増加 1 経緯等 50 歳で脱サラし 全く畑違いの農業を始めた 現在は自身の農園に加え 越谷市のいちごタウン 2 棟で 観光農園を営んでいる 都心からのアクセスは良く 客足は順調に伸びている 多くは家族連れやカップルだが 海外から外国人観光客の予約が入ることもある 2 取組の概要当事業でハウス 5 棟と育苗ベンチ一式を導入し 観光農園用の苗を育てている また 隣接する越谷市農業技術センターとも連携し イ育苗ベンチに並ぶ苗チゴの新品種の試験栽培に取り組んでいる 3 今後の営農方向 1 年目は自身の農園用の育苗のみとなったが 今後は苗の販売を計画している また 数年前から農業研修生の受け入れを行ない 後継者の育成にも力を入れている さらに 地域の若手農家との勉強会や 観光協会と連携した越谷ブランドのイチゴ形成等 アイデアは尽きない 2 導入したパイプハウス

~ 研修生を育て地域農業を育くむ ~ 経営体名 : 福島政治 事業実施主体 : 深谷市 営農類型 : 施設野菜経営 ( 露地野菜準単一 ) 内 容 : 枝豆自動脱狹機 事 業 費 :1,609 千円 ( 国費 :447 千円 ) 成果目標 :1 農業経営の法人化 2 雇用の増加 1 経緯等これまで多くの研修生を受け入れてきた 従業員 8 名 パート 10 名 と雇用者も数多く抱える 枝豆 トマト ネギ ブロッコリーなど畑作の多品目栽培を行うが 従業員から新品目の栽培希望があれば可能な限り採用し 共に四苦八苦しながら挑戦する 従業員一人一人に積極的に農作業を割り振ることで 一人前の農業者に育てていく 研修生のうち既に 2 人は農家として自立した 2 取組の概要機械導入で作業時間が短縮された研修性の提案で始めた枝豆栽培の規模がある程度拡大したが 軌道にのせるためにはさらなる面積拡大が必要だった 機械業者との話しの中で当事業を知り 機械導入を決めた 導入により作業効率が上がり 現在の枝豆栽培面積は 3ヘクタール程度に拡大している 3 今後の営農方向営農規模を拡大させるにつれ 従業員や常時雇用パート数が増えており 就労環境整備のためにも法人化を検討している 先進的な研修農家として県内だけでなく全国から研修の問合せがあり また 県内外から視察希望も絶えない 目の前の研修生を熱心に育てることで 地域農業 ひいては日本農業を育成していく ~ 高性能機械導入で面積拡大に挑戦 ~ 経営体名 : 岡村圭吾 事業実施主体 : 熊谷市 営農類型 : 露地野菜 内 容 : トンネルマルチ支柱打込機 事 業 費 :1,250 千円 ( 国費 :375 千円 ) 成果目標 :1 高付加価値化 2 経営コストの縮減 1 経緯等導入した特殊機械と岡村氏母親と妻とともに畑作を中心とした家族営農を行う 20 年程前 先代が地元農家 10 数軒で出荷グループを組織し 野菜宅配業者と年間契約を結んだ 以後 現在まで消費者ニーズに合わせて 人参 ネギ ブロッコリー カブ等の多品目の野菜を栽培出荷してきた 2 取組の概要トンネルマルチ作りは 2 人作業のため 出荷休みの日など作業可能な日が限られていた また 支柱の打ち込みは 2 人の力加減を揃えねばならず 男女では力の差があるため一苦労であった 機械を導入したことで1 人作業が可能となり 支柱打ちの身体的な負担も軽減された さらに短縮された作業時間を活用して 新品種の栽培も可能となった 3 今後の営農方向宅配契約は市場出荷以上に 消費者ニーズの変化をハッキリと感じられる 例えば 少し前までは泥付き野菜の新鮮さが好まれていたが 現在は泥の処理に困るマンション住民が増えたためか 洗った野菜のほうが好まれる 他にも栽培品目を増やすなど 経営面積を拡大させながら時代の変化に柔軟に対応していきたい 3 枝豆自動脱粒機と福島氏

~ 大雪被害に負けず規模拡大を目指す ~ 経営体名 : 馬場信吾 事業実施主体 : 上里町 営農類型 : 施設野菜 + 主穀 内 容 : トラクター 事 業 費 :3,600 千円 ( 国費 :1,000 千円 ) 成果目標 :1 経営面積の拡大 2 経営コストの縮減 1 経緯等上里町でイチゴ栽培を続けて 50 年になる 平成 26 年 2 月 長い農業人生で経験したことのない大雪に見舞われ 農業用ハウスが倒壊してしまった 復興にむけた再建を検討する中で 当時農大に通っていた息子が卒業後に就農することが決まったこともあり 今後の作業効率を考慮して連棟ハウスの再建を決めた 2 取組の概要ハウス内でのイチゴ栽培を効率的に進めるために ハウス内でも耕トラクターのまま耕耘可能なハウス耘可能なトラクターの導入を検討していた折 参加した人 農地プランの地域座談会で当事業について知った 町役場に相談し 自らの営農計画とも合致する 経営面積の拡大 と 経営コストの縮減 の目標を設定して事業を実施した 3 今後の営農方向トラクターの導入によりハウス内の耕耘時間は大幅に短縮され その空き時間を活用して耕作面積拡大にも取り組めるようになった 今後は他の産地に負けない 上里イチゴ のブランド化を目指す ~ 地域の農地を繋いでいく若手農業者 ~ 経営体名 : 間々田英治 事業実施主体 : 行田市 営農類型 : 主穀単一 内 容 : 乗用管理機 事 業 費 :5,184 千円 ( 国費 :1,522 千円 ) 成果目標 :1 経営面の積拡大 新規就農者は 1つ 導入したトラクターと馬場氏 1 経緯等導入した乗用管理機と間々田氏農家の家系に生まれ 自身も数年前に新規就農した 自ら育苗した苗を植え 現在 12ヘクタールの水田で米麦作を行う 丹精込めて育てた米は 農協や米屋に出荷している また 周囲の引退する農家等から農地の貸し出し要望があれば可能な限り借り受け 少しずつ耕作面積を増やしている 2 取組の概要農協や市役所の説明会に参加した際 当事業について知り 新規就農者の要件とも合致したため 事業活用に踏み切った それまで手作業で行っていた消毒作業は 機械導入により作業時間が大幅に短縮され 身体的負担もとても軽くなった 3 今後の営農方向規模拡大を続けたい意向は強いいが 点在農地などの耕作条件の悪い農地では作業効率が上がらないため 借り受けは難しい 農地中間管理機構による農地の集約化に期待している また 安定した米作りが出来るようになったら 加工など新たな一手を考えていきたい 地域農業を担う若き就農者は 汗をかきながら将来を見据えている 4

~ 地域の雇用を生み出す大規模法人 ~ 経営体名 : 有限会社境野養鶏 事業実施主体 : 本庄市 営農類型 : 養鶏単一 内 容 : 自動ラック洗浄機 事 業 費 :27,324 千円 ( 国費 :3,000 千円 ) 成果目標 :1 経営コストの縮減 2 雇用の増加 1 経緯等 昭和 24 年に開業し 昭和 42 年に法人化した 雛を育てて出荷する養鶏業を営むなかで 大規模設備の導入や生産方式の見直しを行う等 大型化や合理化を追求してきた 2 取組の概要健康な育雛や病気対策には運搬中の雛が長時間過ごすラックの衛生管理は欠かせないため 毎日 6 人程の従業員が動力噴射機を用いて 300 棚の養鶏ラックを手洗い洗浄していたが 事業規模をより拡大導入した自動ラック洗浄機させるには従業員の作業効率を高める必要があり 手洗い洗浄に変わる自動ラック洗浄機を当事業で導入した 機械化により 2~3 人で作業可能となり また 洗浄作業時間が短縮されたことで 同一時間内に棚の保守点検まで可能となった 3 今後の営農方向養鶏場の拡張とともに新たな雇用者を雇うことができた TPP 等による環境変化や消費者ニーズの多様化など 厳しい時代の変化にも敏感に対応して 今後も優れた雛を育成していきたい ~ 若者が就農しやすい農業の仕組みを作る ~ 境野養鶏の自動洗浄施設 経営体名 : 熱田耕作 事業実施主体 : 熊谷市 営農類型 : 主穀 + 露地野菜 内 容 : コンバイン 事 業 費 :11,000 千円 ( 国費 :3,000 千円 ) 成果目標 :1 農業の6 次産業化 2 雇用の増加 導入したコンバインと熱田氏 1 経緯等米麦と畑作を中心に 妻と二人三脚の家族営農を行ってきた 繁忙期にはパートを雇うなど 営農方法を柔軟に変化させながら 長年農作物と向き合っている 春に後継者となる息子が就農した その存在が嬉しい反面 米価下落や競争力の弱い農業の未来には不安も抱く 2 取組の概要収穫した米は市場に卸す他 直売でも販売している 客は近隣住民の他に 噂を聞きつけて遠方から注文が入ることもある 経営規模を拡大させるには生産量を増やす必要があり 当事業でのコンバイン導入は渡りに船であった 新たなコンバインにより作業効率は高まり さらなる規模拡大を検討している 3 今後の営農方向 新規就農者がいても育つ前に潰れてしまう そんな今の農業環境では長続きしない 若い担い手が安心して農業従事出来るような環境 仕組みを作らないといけない と語る 今後は後継者の育成とともに 農業の新たな仕組み作りに取り組んでいく 5

平成 27 年度経営体育成条件整備事業 ( 融資主体補助型 ) について 1 概要適切な人 農地プランに位置づけられた中心経営体等が 農業経営の発展 改善を目的として 金融機関からの融資を活用して農業用機械等を取得等する場合に 取得に要する経費から融資等の額を除いた自己負担について助成する 2 対象者 (1) 適切な人 農地プランを作成した地域の中心経営体等 (2) 適正な人 農地プランの 今後の農業経営のあり方 に明記された内容を実現する上で必要であると事業実施主体が認める農業者又は当該農業者の組織する団体 (3) 農地中間管理機構から貸借権の設定を受けた方 3 事業内容 (1) 農産物の生産 加工 流通 農業経営の開始 改善に必要な農業機械等の改良 取得 (2) 農地等の改良 造成又は復旧 導入事例 農業用機械 ( コンバイン 田植機等 ) 施設 ( ビニールハウス 乾燥調製施設 農畜産物加工施設 ) 農地等の改良 ( 畦畔除去 明渠 暗渠排水の整備 ) 4 助成金額以下の算定額うち 1 番低い額 ( 各経営体の上限は 300 万円 ) 1= 事業費 3/10 2= 融資額 3= 事業費 - 融資額 - 地方公共団体等による助成額例 )1,000 万円のトラクターを 200 万円の融資 400 万円の A 市からの助成を受けて導入する場合 1300 万円 (1000 万円 3/10) 2200 万円 ( 融資額 ) 3400 万円 (1000 万円 -200 万円 -400 万円 ) となり 一番低い 2の 200 万円の助成を受けることができる 5 成果目標 中心経営体等は事業実施の翌々年度の姿である成果目標を 下記から 2 項目設定する ( 新規就農者は 1 項目 ) 経営面積の拡大 農業の 6 次産業化 農産物の高付加価値化 経営コストの縮減 耕作放棄地の解消 農業経営の複合化 輸出 農業経営の法人化 雇用の増加 事業年度により成果目標は変更することがあります この事例集は 平成 26 年度の国の経営体育成支援事業実施要綱を元に作成したものです 本事業の詳細及び最新情報は 市町村農政課担当課 もしくはお近くの農林振興センターまでお問い合わせください 事業問合せ先各市町村農政課担当 各農林振興センター 埼玉県農業ビジネス支援課作成 : 埼玉県経営構造対策推進会議 6