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資料 11 石炭供給安定化調査事業における 石炭産業構造調査 H23 年 4 月 26 日公益 自主事業発表会 JCOAL JAPAC 技術 情報委員会原田道昭

背景 : 分析の必要性 1. 今後 30 年石炭は 世界の 3E 問題の主役 ( エネルギー消費量 CO 2 量 ) である 2. 特にポスト京都議定書交渉の決め手はどうなるか 米 中 印等の国内産石炭の大消費国 ( 非効率 ) 動向 3. 現状認識と分析戦略の必要性日本及び世界を認識し 国として 産業として 企業としての対応 4. ミクロからマクロの情報収集分析 ( ファクツの整理と分析 ) 石炭産業 主要産業 主要国 主要企業の今後の動きとマーケットの形成排出権 (CDM) 市場 ポスト京都交渉を見据えた 今後の主要プレイーヤーの動きグローバルな石炭の動き及びその変化を捉える 5. 上記を踏まえた日本の取るべき戦略の提言 ( 日本は 企業は ) 世界市場で行うべき対応 :CCT エネルギー産業 国内対応

3 ヵ年の取り組み H21 年 H22 年 H23 年 国別情報収集 豪州 中国 インドネシア インド 米国 EU 国別情報更新 深化 拡大 6 カ国 地域 12 カ国 地域に増 グローバルな石炭流通 コールフローの変化 国際的な取り組み 既存情報の解析 中長期的変化 補足課題明確化 足りない情報 収集方法 委員会 委員会 2 回 分科会 3 回 委員会 委員会 3 回 ワークショッフ 1 回 日本の取るべき戦略の提言

平成 22 年度の調査体制 国別担当者 JCOAL JCOAL JAPAC 自主事業資源量調査 IEEJ ワーキンググループワークショップ 委員会

上流から下流まで 情報収集 整理 探査 F/S 開発建設 操業採掘選炭 輸送国内海上 出荷先国内海外 利用 プレーヤー石炭会社トレーダーコンサルタントコントラクター鉄道 港湾船会社 ユーザー電力鉄鋼セメント 製紙その他産業 環境対策 排煙処理石炭灰の処理 CCS メーカー等によるハードウェア供給 資金調達 政府の対応 ( 政策 ) 探査機材建設機械鉱山機械 ( 露天掘り 坑内掘り爆薬 タイヤ ベルト等資材レールローリングストック荷役機材船舶 燃焼 ( ボイラ ) コークス製造 ガス化 液化等の装置公害防止設備 CCS 関連プラント

調査内容 1. 世界の石炭資源量 消費量 価格 2. コールフローの変化 3. グローバル化する石炭産業 国別情報 4. 豪州 10. ロシア 5. 中国 11. 南部アフリカ 6. インドネシア 12. モンゴル 7. インド 13. ベトナム 8. 米国 14. カナダ 9.EU 15. コロンビア ( 下線国 本日発表分 )

1. 世界の石炭資源量 ギリシャブラジルインドネシアポーランドカナダコロンビア南アフリカカザフスタンウクライナドイツインド豪州中国ロシア米国 ( 百万トン ) Anthracite/Bituminous Sub-bituminous lignite 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 6,000,000 5,000,000 4,000,000 3,000,000 2,000,000 1,000,000 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 Others Germany Colombia Poland Kazakhstan South Africa Indonesia Russia Australia India USA China 図世界の石炭埋蔵量出所 :WEC, Survey of Energy Resources 2010 より作成 図 2.2.1 国別石炭生推移 ( 単位 : 千トン ) 出所 :IEA, Coal Information 2010 褐炭を除く

1. 世界の石炭消費量 ( 百万トン ) 6,000 ( 百万トン ) 1,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 500 460 431 411 955 941 954 935 1,886 2,099 2,305 2,454 545 951 2,683 592 856 3,086 その他ポーランド韓国ロシア南アフリカ日本インドアメリカ中国 900 800 700 600 500 400 300 200 100 287 285 307 322 315 51 40 273 137 43 50 59 68 55 55 57 59 58 60 79 77 80 88 100 103 181 177 179 187 184 165 その他ロシアアメリカイギリス中国ドイツインド台湾韓国日本 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 図世界の石炭消費量出所 :IEA, Coal Information 2010 図 国別石炭輸入量 出所 :IEA, Coal Information 2010

1. 石炭価格推移 200.00 180.00 Northwest Europe marker price 160.00 140.00 120.00 US Central Appalachian spot-index Japan coking coal cif price Japan steam coal cif price 100.00 80.00 60.00 40.00 20.00 0.00 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 図石炭消費量出所 : BP Statistical Review of World Energy, June 2010 から JCOAL 作成

2. コールフローの変化 (1) 石炭輸出国 北米 31.1 欧州 199.6 2.0 18.8 21.5 3.0 9.0 31.6 42.7 22.8 7.1 22.3 中国 55.0 インドネシアインドネシア 56.8 豪州 186.8 南アフリカ 69.9 65.8 日本 145.4 韓国 61.6 台湾 45.4 米国 1.2 53.0 1.9 中国 2.1 コロンビア 34.5 ロシア 30.5 4.1 13.1 4.1 9.4 1.9 2.9 23.0 3.6 1.4 15.2 14.4 87.5 22.7 2.5 16.5 5.5 2.6 12.4 5.0 13.4 5.7 1.9 1.3 インド 24.5 7.2 カナダ 31.7 ( 単位 :100 万トン ) 図 2000 年のコールフロー出所 :IEA, Coal Information 2001 総貿易量 :5.7 億トン

2. コールフローの変化 (2) 石炭輸出国 北米 45.7 2.0 2.2 12.6 3.3 2.2 14.3 28.2 53.2 中国 71.8 インドネシアインドネシア 108.0 豪州 231.3 南アフリカ 73.0 65.8 13.4 19.6 16.7 2.4 20.8 15.4 29.9 19.3 102.9 31.1 22.1 3.5 19.7 7.6 4.2 日本 177.7 韓国 76.8 台湾 61.4 欧州 282.0 18.4 19.5 26.8 71.1 1.4 1.2 米国 2.4 45.1 5.9 中国 1.1 25.3 コロンビア 55.5 1.2 3.3 ロシア 78.7 10.5 インド 37.1 7.8 カナダ 27.7 図 2005 年のコールフロー出所 :IEA, Coal Information 2006 ( 単位 :100 万トン ) 総貿易量 :7.8 億トン

2. コールフローの変化 (3) 石炭輸出国 北米 34.6 欧州 254.4 1.2 2.0 7.7 3.8 72.6 2.5 1.8 13.3 16.0 32.0 27.7 18.1 34.4 中国 22.8 インドネシアインドネシア 229.6 豪州 259.0 南アフリカ 66.9 65.8 米国 53.4 コロンビア 69.5 ロシア 116.2 21.9 4.6 9.7 2.3 1.8 1.5 33.2 42.9 11.7 4.1 27.0 109.7 24.3 6.9 10.0 4.7 7.7 25.9 2.0 39.7 44.6 17.1 7.7 25.2 日本 164.8 韓国 103.0 台湾 60.3 中国 137.0 インド 67.7 カナダ 28.3 ( 単位 :100 万トン ) 図 2009 年のコールフロー出所 :IEA, Coal Information 2010 総貿易量 :9.4 億トン

3. グローバル化する石炭産業 (1) 石炭生産量 ( 百万トン ) 売上高 ( 億 USD) 150 125 100 75 50 25 生産量 売上高 0 BHP Billiton Rio Tinto Xstrata Anglo American 図 4 大石炭サプライヤー石炭生産と石炭関連売上高 注 : BHP Billitonは 2008/09 年度 (7 月 ~6 月 ) 他の3 社は2009 年データ 出所 : 各社のAnnual Reportより

3. グローバル化する石炭産業 (2) Peabody Energy Corporation 豪州 ベネズエラに炭鉱保有 中国 モンゴルでも事業展開検討 インド CIL との共同協議 中國神華能源股份有限公司豪州 NSW 州 インドネシアにおいて権益 インドネシアで発電事業 中国中煤能源集団有限公司子会社が豪州 QLD 州で JV 契約 ロシアで大手金属資源会社と相互協力関係構築 兖州煤業股份有限公司豪州炭鉱買収 Gujarat NRE Coking Coal Limited 豪州 NSW 州の権益 Tata Steel Limited 豪州 QLD 州 モザンビーク Tete 州の新規炭鉱開発プロジェクト Vale 豪州に炭鉱権益を保有 モザンビーク Tete 州の新規炭鉱開発プロジェクト 中国で無煙炭の権益

国別情報 4. 豪州 10. ロシア 5. 中国 11. 南部アフリカ 6. インドネシア 12. モンゴル 7. インド 13. ベトナム 8. 米国 14. カナダ 9.EU 15. コロンビア ( 下線国 本日発表分 )

図豪州の石炭需給推移出典 :IEA, Coal Information 2010 4. 豪州

5. 中国 3,500 200 3,000 150 石炭生産量 消費量 ( 百万トン ) 2,500 2,000 1,500 1,000 100 50 0-50 石炭輸入 輸出量 ( 百万トン ) 生産量消費量輸入量輸出量純輸出量 500-100 0 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09-150 図中国の石炭需給推移出典 :IEA Coal information 2010

6. インドネシア 図インドネシアの石炭生産量 国内需要 輸出量の推移出典 :2010 年 APEC セミナー福岡大会インドネシア発表資料

図インドの石炭需給推移出典 :IEA Coal information 2010 7. インド

8. 米国 石炭消費 (Million tonnes) 2009 2010 2011 2012 消費量 904.93 950.47 960.11 988.36 電力 846.97 884.98 897.23 920.90 一般 44.05 45.99 41.72 43.06 コークス 13.90 19.06 21.15 24.40 図米国の石炭生産短期見通し出典 :Short-Term Energy Outlook, March 2011 表米国の分野別石炭消費の短期見通し出典 :Short-Term Energy Outlook, March 2011

表ロシアの石炭生産推移出典 : IEA World Energy Outlook 2010 10. ロシア 単位 : 千トン 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 瀝青炭 152,538 164,767 163,546 177,435 189,758 209,213 210,418 217,878 222,432 228,602 原料炭 (51,035) (53,819) (52,257) (56,551) (61,143) (55,505) (54,027) (57,441) (54,402) (55,911) 一般炭 (101,503) (110,948) (111,289) (120,884) (128,615) (153,708) (156,391) (160,437) (168,030) (172,691) 褐炭 87,800 83,300 74,000 79,500 69,200 73,668 74,148 71,143 82,530 68,158 合計 240,338 248,067 237,546 256,935 258,958 282,881 284,566 289,021 304,962 296,760 2009 年の石炭輸出は 1 億 1,620 万トン この他 68 万トンの褐炭輸出 原料炭輸出は 1,125 万トン 輸出先はウクライナ 日本 中国 オランダ フィンランド 韓国等 一般炭輸出は 1 億 497 万トンで 中国 ドイツ 日本 トルコ ウクライナ等 日本向け輸出は原料炭 110.9 万トン 一般炭 910.4 万トン 石炭輸入はカザフスタンから

12. モンゴル 図モンゴルの石炭生産量 輸出量 国内消費量 2010 年の生産見込みは 1,930 万トン 2020 年に 9,400 万トンまで拡大見込み 2009 年の石炭生産は 1,113 万トン 2008 年では 940 万トン うち瀝青炭 原料炭生産が 400 万トン ( すべてタバン トルゴイ近郊 ) 輸出が 500 万トン 国内消費が 440 万トン

まとめ (1) 近年の中国 インドをはじめアジアを中心としたエネルギー需要拡大に伴い 発電用や鉄鋼原燃料用として石炭生産 消費が急増 世界生産量は約 70 億トン うち褐炭が 10 億トン 固体燃料としてはハンドリング上の問題もあり 従来は地産 地消型資源で石炭の貿易量は 10 億トン未満と割合的に少ない 最近では世界石炭消費の半分を占める中国の石炭自給体制が崩れて石炭純輸入国となる 世界の石炭輸出量の 4 分の 1 を占める豪州における異常気象 洪水などは現地の石炭産業に多大の影響を及ぼしている 石炭産業は国 地域で特徴的であるが 世界的な石炭需給構造の変化に伴い 石炭産業は先進国ではグローバル化していく一方 発展途上国の地域エネルギーとしての利用に二極化していくものと推定される

まとめ (2) 世界の石炭産業における中国の存在が大きくなる 石炭市場が従来の長期的見地からの関係を重視する固定的な関係から変化 中国とインドという新興経済の需要拡大は供給側に与える影響は大きい 供給側の構造 プレーヤーも変化している 流動性が大きくなった国際市場ではトレーディングとインフラ整備への投資が重要 日本がリードしてきたアジア太平洋地域の石炭市場において 中国 インドの動向が不透明であり 迅速な情報収集と多面的な分析が求められる 技術 人のみならず投資の視点も重要

今年度調査のポイント H22 年度調査情報の整理 分析石炭関連産業における潮流及び対応を主要国毎 ビジネス項目毎に 整理分析し その中から日本企業が活躍できそうな項目を委員会で整理する 追加が必要な情報の調査 収集を行う 主要国 : 豪州 中国 インドネシア インド 米国 EU ロシア 南部アフリカ モンゴルベトナム カナダ コロンビア マルチ (GCCSI APEC 等 ) 項目 : 石炭資源 ( 探査 操業 輸送 ) 利用 ( 電力 鉄鋼 化学 ) 開発 環境 ECT 等 纏め方 :1) 国別に A4 一枚に上記項目での分析結果を纏める 2) 総括表として 縦軸 = 国 横軸 = 分析項目で俯瞰できる表を作成する 3) 各項目ごとに日本活躍出来そうなビジネスチャンスを評価する ( ) 今後日本企業が活躍できそうな分野 地域を明示

調査総括表のイメージ 石炭資源 探査操業輸送電力鉄鋼化学 利用 豪州 潮流 ( 具体的な内容 ) 可能性大 中 小 中国 インドネシア の多い箇所 = 地域 ビジネス分野を俯瞰して 今後日本企業にとってのビジネスチャンスであることを示している

年間スケジュール概要 上期 下期 情報整理 分析 追加情報整理 分析 調査 一回目纏め 二回目纏め 委員会 4/25 第一回 6 月第二回 8 月第三回 10 月第四回 12 月第五回 1 月第六回 行事 9 月初 CCD 国際会議 1 月末事業報告会 9 月 :CCD 国際会議で中間纏め 1 月 : 事業報告会で最終纏めとして 会員企業に対し 日本がこれから活躍できそうな分野を示す