昭和 43 年 8 月 16 日第三種郵便物認可 月刊 (1 日発行 ) 平成 29 年 11 月 1 日発行 建設の安全 号外 平成 29 年度 建設の安全 号外 建設業年末年始労働災害防止強調期間実施要領 本期間 : 平成 29 年 12 月 1 日 ~ 平成 30 年 1 月 15 日 後援 : 厚生労働省 国土交通省 ー建設業年末年始労働災害防止強調期間スローガンー 無事故の歳末明るい正月 会長メッセージ 建設業における労働災害は 会員各位をはじめ関係者の労働災害防止に寄せる熱意と長年にわたる地道な安全衛生活動により 平成 28 年の死亡災害は 294 人 休業 4 日以上の死傷災害も 15,058 人と過去最少となりました しかしながら 本年は死亡災害が夏場に急増し 8 月末現在 全産業では前年に比べて 49 人 (9.6%) の増加 建設業では 31 人 (20%) の増加となり 極めて憂慮すべき状況となっております このため 厚生労働省より 9 月 22 日 労働災害防止団体等に対し 職場における死亡災害撲滅に向けた緊急要請 が出される事態となりました 緊急要請の中で 基本的な安全管理の不徹底や安全衛生管理体制の不備が指摘されており 建設業に対しては 墜落 転落防止対策 車両系建設機械などとの接触防止対策 交通労働災害防止対策 の実施が取組のポイントとして挙げられています 建設業においては 現在 全国各地での自然災害からの復旧 復興工事や 防災 減災のためのインフラ整備等工事 2020 年東京オリンピック パラリンピック関連工事 リニア中央新幹線工事等による工事量の増加が見られます さらに技術者 技能労働者の不足や高齢化 作業に不慣れな新規参入者等の就労などの問題を抱えており これから迎える年末年始には工事の輻輳化が予想されることから 労働災害の多発が懸念されるところです 本年度は第 7 次建設業労働災害防止 5 ヵ年計画の最終年度となり 目標達成は難しい状況にありますが 今後一層のリスクアセスメントの確実な実施とコスモスの積極的な運用を図る等により 実効性のある労働災害防止活動にする必要があります このため 当協会では 12 月 1 日から来年 1 月 15 日までを 建設業年末年始労働災害防止強調期間 と定め 会員各位が取り組む事項を盛り込んだ実施要領を作成致しました 会員各位におかれましては 本実施要領を踏まえ 経営トップのリーダーシップの下 関係者が一丸となって本実施要領と緊急要請における対策に加え 建設現場においてキーマンとなる職長等に対する 職長 安全衛生責任者能力向上教育の受講 や 建設現場のメンタルヘルス対策 の積極的な推進をお願い致します 年末年始を無事故無災害とするために さらなる安全衛生管理活動の充実を図り 新しい年を明るい気持ちで始められるよう 心より祈念申し上げます 平成 29 年 11 月 建設業労働災害防止協会会長錢高一善 建設業年末年始労働災害防止強調期間ポスター 1 谷まりあ JCOSHA 建設業労働災害防止協会
Ⅰ 趣旨 目的 年末年始は 建設工事が輻輳化し さらに寒冷下での作業等により 労働災害防止に特別の配慮が必要である 当協会は 会員とともに 年末年始の労働災害を防止することを目的に 本年度も 12 月 1 日から平成 30 年 1 月 15 日までの間を建設業年末年始労働災害防止強調期間として 無事故の歳末 明るい正月 のスローガンのもとに展開する 経営トップ 建設現場の管理者等の関係者は 一層の安全衛生水準の向上を目指し 店社と作業所との緊密な連携のもとに労働災害防止活動の強化に努めるものとする Ⅱ 会員が実施する重点事項 会員は 本強調期間の趣旨 目的を踏まえ 次の事項を参考として 企業の実態に即した実施計画を作成し 積極的に労働災害防止活動を実施する また 労働災害防止の実効を図るため リスクアセスメントや定めたリスク低減措置を確実に実施し 建設業労働安全衛生マネジメントシステム ( コスモス ) の導入を行う 実施にあたっては 建設業労働災害防止規程 および 平成 29 年度建設業労働災害防止対策実施事項 に定める 建設現場における主要災害防止の具体的対策 等を活用する ( 上記の 防止規程 および 実施事項 は 当協会ホームページにてご覧いただけます ) 1 経営トップ等による特別安全パトロールの実施 (1) 労働安全衛生法令 建設業労働災害防止規程 社内の安全衛生基準 等の順守の確認 (2) 安全衛生管理体制の確認 安全意識の高揚および安全衛生教育等の実施の確認 (3) 年末年始における適切な作業工程への見直し ならびに労働時間の管理と勤務体制の確認 2 墜落 転落災害の防止 (1) 足場等の より安全な措置 として 法定の措置に加え 上さん 幅木等の設置 (2) 足場の組立て等においては 手すり先行工法 十分な安全対策を盛り込んだ 大組 大払工法 等の採用 ならびに作業主任者による作業手順の周知徹底および作業状況の確認 (3) 足場点検実務者研修の受講者等による足場等の組立て 変更時等における点検の実施 および足場の組立て等作業従事者への特別教育の受講徹底 (4) 開口部 作業床の端には 手すり 中さん等の設置および注意喚起の表示等の 見える化 の徹底 (5) 高所作業においては作業床を設置し 設置が困難で墜落のおそれがある場合は 安全帯取付設備の設置および安全帯の使用徹底 (6) 墜落時の身体への衝撃が少ないハーネス型安全帯の普及促進 3 建設機械 クレーン等災害の防止 (1) 車両系建設機械 クレーン等の転倒または転落災害防止対策の徹底 ならびに稼働範囲内の立入禁止措置等 はさまれ 巻き込まれ災害防止対策の徹底 (2) 荷のつり上げ作業時は 吊荷の下への立入禁止措置の徹底 (3) 車両系建設機械 クレーン等の運転および玉掛け作業については 法令で定める有資格者の配置の徹底 作業工程の確認 ハーネス型安全帯の例 立入禁止措置 2 建設の安全 号外
4 倒壊 崩壊災害の防止 (1) 建築物等の解体工事は 構造物の状況等の調査に基づき 作業順序 切断方法 控え等の設置方法など 危険防止措置を盛り込んだ施工計画および作業手順の作成と実施 (2) 足場については 壁つなぎ 控え 筋かい 水平つなぎ等を十分に設ける等の倒壊防止対策の徹底 (3) 上下水道等の工事における溝掘削等は 土止め先行工法 による作業の実施 (4) 斜面掘削作業は 地山の状態や変化に関する情報を発注者 調査 設計者 施工者の三者共通の点検表で実施した点検結果を共有し 安全性検討関係者会議等での斜面崩壊災害防止対策の徹底 (5)(4) の点検を実施する者に対する 斜面の点検者に対する安全教育 の実施 5 STOP! 転倒災害プロジェクト の推進 (1) 作業通路の凍結あるいは段差等の解消による転倒防止対策の徹底 (2)4S 活動 ( 整理 整頓 清掃 清潔 ) 等の徹底による 通路等の安全確保 (3) 危険箇所の表示等 危険の 見える化 の推進 (4) 周囲が暗くなる前の早めの点灯による 作業床や安全通路の照度確保 6 交通労働災害の防止 (1) 運転者に対する交通安全教育 長時間継続した運転の禁止等の交通安全管理の実施 (2) 事業所と現場の車両移動時および作業終了後の運転者の休養等 疲労軽減への配慮や交通危険マップ等による危険情報の共有 (3) 工事用車両等の運行について 事前の運行経路の選定 現場内での速度制限 安全標識設置 誘導者の配置等の計画的な実施 (4) 路面の凍結等によるスリップ事故の防止 ( 急な運転操作の禁止 冬用タイヤの早めの履替え等 ) (5) 運転者への定期健康診断実施状況および運転前の健康状態の把握 土止め支保工組立て 安全通路の照度確保 交通危険マップ ( 例 ) 7 不安全行動による災害の防止 (1) 危険予知活動 ヒヤリハット運動 ひと声かけあい運動 等の積極的な実施 (2) 近道 省略行為 防止の徹底 (3) 新規参入者教育 建設従事者教育 送り出し教育 等の安全衛生教育の徹底 (4) あんぜんプロジェクトサイト の事例を参考に 見える化 に取組むなど 効果的な不安全行動防止活動の推進 危険予知活動 3
8 火災 爆発等災害の防止 (1) 火元責任者の選任と事前の 火気使用届 の提出 使用中および使用後の点検と残火の確認の励行 (2) 火気を使用する作業に際しての消火器等の適切な配置 引火物 爆発物等の保管場所の指定 SDS( 安全データシート ) を活用した危険物の表示およびその付近での火気使用の厳禁 (3) 溶接 溶断作業等における周囲の可燃物の整理 防炎シート等による火災防止対策の徹底 (4) 現場における喫煙場所 採暖のためのストーブ使用場所の指定と消火の確認 (5) 警報 消火 避難設備等の点検 整備 火気管理の徹底および現場の消火 避難訓練の実施 (6) 火気を使用しない工法 ( 無火気工法や火無し工法等 ) の選定と積極的な採用 消火の確認 9 作業所閉所中の保安対策 (1) 年末年始休暇中の緊急連絡体制の確立 (2) ガードマン等による現場巡回の実施 (3) 仮囲い 保安柵 保安灯および工事標識等の保安施設の充実 (4) 第三者の立入禁止措置の徹底 第三者の立入禁止措置 10 公衆災害の防止 (1) 現場付近に適切な誘導者等の配置 養生シート 仮囲い 防護棚等の設置および通路面の清掃等の励行 (2) 道路工事等で 地下埋設物の破損や架空線の切断損傷による事故防止のため 発注者 埋設物管理者等との十分な連絡 調整と安全対策の実施 (3) 解体工事における飛来落下 倒壊等の事故防止対策の徹底 (4) 突風や強風による資材等の飛散防止対策の徹底 11 積雪 雪崩災害の防止 (1) 積雪 凍結等により足場等が滑りやすい高所作業では 安全帯を使用した除雪の徹底 (2) 積雪地での雪崩 崩壊等による危険を防止するための立入禁止措置 監視人等の配置の実施 (3) 雪崩発生時等の連絡 避難方法等について関係者への周知徹底と避難 救護訓練の実施 12 職業性疾病の防止 (1) 建築物等の解体工事における石綿使用の有無の事前調査および石綿ばく露防止対策の確実な実施 (2) 酸素欠乏危険場所では 作業開始前等の酸素濃度 (18% 以上 ) 硫化水素濃度 (10ppm 以下 ) の測定と換気の徹底 (3) 一酸化炭素中毒防止のため 換気が不十分な場所における内燃機関を有する機械の使用禁止の徹底 (4) 保護メガネや防じんマスク等 作業環境に応じた適切な保護具使用の徹底 (5) 腰痛予防対策 振動障害予防対策の徹底 ( 特に適正な作業時間管理の設定とその実施 ) 道路工事の例 除雪作業 腰痛体操 4
13 化学物質に関するリスクアセスメントの実施 (1) ラベル ( 絵表示 ) SDS( 安全データシート ) 等により把握した危険 有害性に関する情報から化学物質 ( 表示 通知義務 672 物質 [ 平成 29 年 8 月現在 ]) 取扱い作業のリスクアセスメントの実施 (2) リスクアセスメントの結果に基づく低減措置の実践 ( ラベルでアクション の取組の推進 ) 14 健康管理とメンタルヘルス対策の実施 (1) 現場におけるメンタルヘルス対策ならびに ストレスチェックおよび面接指導の結果に基づき事業主が講ずるべき適切な措置の実施 (2) 作業員の健康状態の把握と適正な配置 ならびに心身両面にわたる健康づくりの実施 (3) 過重労働等による健康障害防止のため 医師による面接指導等の実施 トルエンの絵表示と危険有害性情報 医師による面接指導 職長 安全衛生責任者能力向上教育の推進 厚生労働省より 建設業における職長等及び安全衛生責任者の能力向上教育に準じた教育について ( 平成 29 年 2 月 20 付け基発 0220 第 3 号 ) が発出され 当該教育のカリキュラム及び講師の要件等が示されました 建設現場におけるキーマンとなる職長等の能力向上教育に向けて 教育カリキュラムに沿って開発された各種教材類を使い 全国の支部にてこの能力向上教育をさらに推進していきます 現場におけるメンタルヘルス対策の推進 1 建設現場における安全施工サイクル ( 安全朝礼 KYミーティングおよび巡視等 ) を活用した 心身の健康状態や体調についての確実な把握 2 建災防方式健康 KYと無記名ストレスチェックに基づいた 職場環境改善の促進 3 建災防に設置されたメンタルヘルス対策の相談窓口の活用 祝日を除く毎週月曜日 13:00 16:00 専用ダイヤル 03 3453 0974 4 産業保健総合支援センターにおけるメンタルヘルス対策に関する中小規模事業所支援の活用 終業時の確認 報告 持ち場後片付け 安全工程打合せ 安全朝礼 毎 日 の 活 動 安全ミーティング KYK 職長の作業中の指導 監督 現地 KY 作業開始前点検 作業所長の巡視 安全施工サイクルを活用したメンタルヘルス対策 Ⅲ 協会が実施する事項 本部および支部は その地域の実情に応じて次の事項を実施する 1. メンタルヘルス対策の普及促進 (1) 労働安全衛生法に基づく職場におけるストレスチェック制度への取組の促進 (2) 建災防方式健康 KY と無記名ストレスチェックの周知啓発 (3) 建設業におけるメンタルヘルス対策についての相談窓口の設置 運用 2. 建設業労働安全衛生マネジメントシステム ( コスモス ) の普及促進 (1) コスモス普及促進のための地域研修会の開催 (2) コスモス導入企業への支援 (3) コスモスに関する情報収集 3. 会員企業および分会の要請に対応した安全パトロール等へ安全管理士等の積極的な参画による支援 4. 建設業労働災害防止規程の周知 5. 安全衛生に関する広報資料および最新情報等の作成 提供 6. 三大災害絶滅運動 および 安全施工サイクル運動 の促進 7. のぼり ポスター 安全衛生教材等の作成と頒布 8. そのほか本強調期間にふさわしい事項の実施 建災防キャラクターホピーくん 建設の安全 号外 5
資料は平成 29 年 9 月 20 日現在の速達値を基に作成しています また割合 (%) の合計は端数処理上 100% にならない場合があります 死亡災害の推移 ( 昭和 36 年 平成 28 年 確定値 ) 注 平成 2 3 年は 東日本大震災を直接の原因とする死亡災害 1,314 人 ( うち 建設業 168 人 ) を除く 昭和 47 年以前は休業 8 日以上の死傷者による 昭和 48 年 ~ 平成 22 年の死傷災害は 労災給付データ による また 平成 23 年以降の死傷災害は 労働者死傷病報告 による 死亡災害発生状況 (1 月 8 月 ) 休業 4 日以上の死傷災害発生状況 ( 1 月 8 月 ) 死亡災害は 前年同期と比較して全産業で 49 人増 建設業では 31 人増加した また 全産業の中で建設業の占める割合は 33.4%( 前年同期 30. 5%) となっている 休業 4 日以上の死傷災害は 前年と比較して 全産業で 600 人増加 建設業では 10 人減少している また 全産業の中で建設業の占める割合は 12.9%( 前年同期 13.0%) となっている 6
建設業における死亡災害業種別 ( 三大災害 ) 発生状況 (1 月 8 月 ) クレーン等 7 人 3.8% 倒壊 崩壊 19 人 10.2% 建設機械等 22 人 11.8% その他 33 人 17.7% 死亡者数 186 人 交通災害 ( 道路 ) 24 人 12.9% 墜落 転落 81 人 43.5% 墜落 転落災害は 昨年より 5 人増加して 81 人となり 全体に占める割合は 43.5%( 前年同期 49.0%) と 割合は減少したが依然として高い比率を占めている 三大災害 ( 墜落 転落災害 建設機械 クレーン等災害 倒壊 崩壊災害 ) は 129 人となって全体の 69.4%( 前年同期 74.2%) を占めている 建設機械 クレーン等災害 ( 1 月 8 月 ) 倒壊 崩壊災害 ( 1 月 8 月 ) 締固め用機械 1 人 3.4% 基礎工事用機械 1 人 3.4% 解体用機械 1 人 3.4% 整地 運搬 積込み用機械 2 人 6.8% その他の建設機械等 1 人 3.4% 高所作業車 3 人 10.3% 死亡者数 29 人 移動式クレーン 7 人 24.1% 掘削用機械 13 人 44.8% 立木等 1 人 6.2% その他 3 人 18.8% 地山 岩石 4 人 25.0% 死亡者数 16 人 建築物 構築物 8 人 50.0% その他の建築物等 3 人を含む 平成 29 年の建設機械 クレーン等災害は 29 人となっていて 全体の 15.6% を占めている 平成 29 年の倒壊 崩壊災害は 16 人となっていて 全体の 10.2% を占めている 建設業における月別死亡災害 ( 平成 27 ~ 29 年 ) 27 年 28 年 29 年 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 30 27 28 23 21 22 32 25 23 24 25 25 23 20 20 19 16 16 26 22 35 40 26 20 36 34 35 28 25 21 ( 単位 : 件 ) 15 25 ( 平成 27 28 年は確定値 平成 29 年 1 月 ~8 月は速報値 ) 建設の安全 号外 7
建設の安全 号外昭和 43 年 8 月 16 日第三種郵便物認可 月刊 (1 日発行 )/ 平成 29 年 11 月 1 日発行 / 定価 21 円 送料 62 円発行所建設業労働災害防止協会東京都港区芝 5-35 - 2( 郵便番号 108-0014) 電話 03(3453)8201 発行責任者松村幹彦 建設業の安全衛生についてともに考え学ぶ 2 日間 皆様多数のご参加を心からお待ちしております!! NEW 8