( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

Similar documents
問 19. 自由化後に新規参入のガス小売事業者と契約した場合 その後に引っ越しをすると どうなるのですか 海外への転勤などで契約廃止の手続をするにはどうすれば良いですか 問 20. 持ち家 ( 戸建住宅 マンション又は集合住宅 ) に住んでいるのですが 新規参入のガス小売事業者からガスを買うことはで

規制の事前評価の実施に関するガイドライン(素案)

PPTVIEW

p81-96_マンション管理ガイド_1703.indd

PowerPoint プレゼンテーション

高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく容器検査 ( 超低温 30 日 30 日容器以外 )(500リットルを超えるもの) 高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく容器検査 ( 超低温容器以外 )(500 リットル以下のもの ) 高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく指定容器検査機関の

問 19. 自由化後に新規参入のガス小売事業者と契約した場合 その後に引っ越しをすると どうなるのですか 海外への転勤などで契約廃止の手続をするにはどうすれば良いですか 問 20. 持ち家 ( 戸建住宅 マンション又は集合住宅 ) に住んでいるのですが 新規参入のガス小売事業者からガスを買うことはで

個人情報保護規定

既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

Microsoft Word - 【施行②】第50条解釈適用指針Rev4.doc

お願い文書(1P)

<4D F736F F D F B837C838A B AE989E68E52967B82B382F182E682E8816A>

< F2D8EE888F882AB C8CC2906C>

Ⅰ バイタルリンク 利用申込書 ( 様式 1-1)( 様式 ) の手続 バイタルリンク を利用する者 ( 以下 システム利用者 という ) は 小松島市医師会長宛に あらかじ め次の手順による手続きが必要になります 新規登録手続の手順 1 <システム利用者 ( 医療 介護事業者 )>

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

総論 Q1 民間事業者はどのような場面でマイナンバーを扱うのですか A1 民間事業者でも 従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し 給与所得の源泉徴収や社会保険の被保険者資格取得届などに記載し 行政機関などに提出する必要があります 原稿料の支払調書などの税の手続では原稿料を支払う相手などのマイナン

文書管理番号

PowerPoint プレゼンテーション

ょうか 問 19. 自由化後に新規参入のガス小売事業者と契約した場合 その後に引っ越しをすると どうなるのですか 海外への転勤などで契約廃止の手続をするにはどうすれば良いですか 問 20. 持ち家 ( 戸建住宅 マンション又は集合住宅 ) に住んでいるのですが 新規参入のガス小売事業者からガスを買う

項目ご意見等の概要部会の考え方 ( 案 ) 1 操業中及び猶予中の工場等における土壌汚染状況調査 有害物質使用届出施設等の廃止後の土壌汚染状況調査が実施されておらず かつ 調査の猶予を受けていない土地についても 土地の利用履歴等の報告や土壌汚染状況調査の対象とする規定を設けるべきである 有害物質使用

14個人情報の取扱いに関する規程

ガスシステム改 後の保安に係る検討 ( ガスシステム改 保安対策 WG) ガスシステム改 後の望ましい保安について 実務的 専 的な 場から 詳細な制度設計を うため ガス安全 委員会の下にガスシステム改 保安対策 WG を設置 平成 27 年 7 から議論を開始し 平成 28 年 5 までに計 6

1 第 1 章. ガスシステム改革後の保安規制の在り方 1

制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法

1. 口座管理機関 ( 証券会社 ) の意見概要 A 案 ( 部会資料 23: 配当金参考案ベース ) と B 案 ( 部会資料 23: 共通番号参考案ベース ) のいずれが望ましいか 口座管理機 関 ( 証券会社 ) で構成される日証協の WG で意見照会したところ 次頁のとおり各観点において様々

高圧ガス(第576号),P48-53

高圧ガス(第580号),P50-56

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

特定個人情報の取扱いの対応について

目 次 1 林地台帳の公表 情報提供 1-1 公表 情報提供の範囲 1-2 公表の方法 1-3 情報提供の方法 2 林地台帳の修正 更新 2-1 修正申出の方法 2-2 情報の修正 更新手順 3 林地台帳管理システム 3-1 管理システムの機能 3-2 林地台帳情報と森林資源情報の連携 4. 運用マ

小水力発電に係る電気事業法の規制について

< F2D D8791CC817995D28F578CE B38CEB94BD8966>

基金通信

平成20年度における物品調達等制限付一般競争入札試行の概要

報主体の権利利益及びプライバシーの侵害の防止に関し 必要な措置を講じるよう勤める 2 本センターの職員等は 業務上知り得た個人情報を漏えいし または不当な目的に使用してはならない 第 2 章 管理体制及び責任 ( 管理体制 ) 第 6 条本センターは 個人情報の適切な管理を効果的に実施するため 役割

PowerPoint プレゼンテーション

劇場演出空間技術協会 個人情報保護規程

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)


立入検査の結果について

504 特定事業等に係る外国人の入国 在留諸申請優先処理事業 1. 特例を設ける趣旨外国人研究者等海外からの頭脳流入の拡大により経済活性化を図る地域において 当該地域における特定事業等に係る外国人の受入れにあたり 当該外国人の入国 在留諸申請を優先的に処理する措置を講じることにより 当該地域における

PowerPoint プレゼンテーション

個人情報の取り扱いに関する規程

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

Microsoft Word - ○指針改正版(101111).doc

特定個人情報の取扱いの対応について

共同事業体協定書ひな形 ( 名称 ) 第 1 条この機関は 共同事業体 ( 以下 機関 という ) と称する ここでいう 機関 は 応募要領の参加資格に示した共同事業体のことであるが 協定書等において必ず 共同事業体 という名称を用いなければならない ということはない ( 目的 ) 第 2 条機関は

お知らせ 柔道整復師の資格を取得される皆さま 関係の皆さまへ 平成 30 年 4 月から 柔道整復療養費の受領委任を取り扱う 施術管理者 になる場合は 実務経験と研修の受講が必要となる方向で 以下のとおり検討しています 柔道整復療養費の受領委任の取扱いを管理する 施術管理者 になるための要件について

第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

Q 切り替えする手続きが面倒じゃないの? A 新しく契約する電力会社へ申し込みをするだけで 今の電力会社へ連絡はせずに切り替えができます また Web でも簡単に申し込み手続きができるようになります Q 停電が増えたり 電気が不安定になったりしないの? A 新電力と契約した場合でも 電気を送る電線や

PowerPoint プレゼンテーション

機関 調査を行った建築士又は建築基準適合判定資格者検定合格者 登録年月日及び登録番号登録をした者 氏建築士の場合 一級建築士 二級建築士又は木造建築士の別 建築基準適合判定資格者検定合格者の場合 4. 証明者が宅瑕疵担保責任保険法人の場合 証明を行った宅瑕疵担保責任保険法人 調査を行った建築士又は建

ネットワーク保守サービス 契約約款 2016 年 4 月 関西国際空港情報通信ネットワーク株式会社

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

3. 証明者が登録宅性能評価機関の場合 証明を行った登録宅性能評価機関 調査を行った建築士又は建築基準適合判定資格者検定合格者 称印 登録年月日及び登録をした者 建築基準適合判定資格者検定合格者の場合 登録を受けた都道府県 ( 二級建築士又は木造 ) 合格通知日付又は合格証書日付 合格通知番号又は合

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程


ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

個人データの安全管理に係る基本方針

別  紙

財団法人日本体育協会個人情報保護規程

Microsoft Word - (溶け込み)【HP公表】マイナンバーQ&A (2)

1. 調査の目的 物価モニター調査の概要 原油価格や為替レートなどの動向が生活関連物資等の価格に及ぼす影響 物価動向についての意識等を正確 迅速に把握し 消費者等へタイムリーな情報提供を行う ( 参考 )URL:

<4D F736F F F696E74202D E81798E9197BF A914F89F182CC8CE48E E968D8082C982C282A282C42E >

規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

過去 3 年の間に請求した介護給付費について にチェックをしてください 下線は 平成 30 年度改正 (4) 当該計画で定めた指定介護予防通所リハビリテーションの実施期間中に指定介護予防通所リハビリテーションの提供を終了した日前 1 月以内にリハビリテーション会議を開催し リハビリテーションの目標の

< F31332D A91E FC CC90A B>

PowerPoint プレゼンテーション

汚染の除去が行われた場合には 指定を解除その他 区域の指定等 1 要措置区域 ( 法第 6 条 ) 土壌汚染の摂取経路があり 健康被害が生ずるおそれがあるため 汚染の除去等の措置が必要な区域 汚染の除去等の措置を都道府県知事等が指示 ( 法第 7 条 ) 土地の形質の変更の原則禁止 ( 法第 9 条

 

業務委託契約書

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

スライド 1

個人情報保護規程

H28秋_24地方税財源

別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

個人情報の保護に関する規程(案)

個人情報保護宣言


一団地認定の職権取消し手続きの明確化について < 参考 > 建築基準法第 86 条 ( 一団地認定 ) の実績件数 2,200 ( 件 ) 年度別 ( 住宅系のみ ) S29 年度 ~H26 年度 実績件数合計 16,250 件 用途 合計 ( 件 ) 全体 17,764 住宅系用途 16,250

3. 証明者が登録宅性能評価機関の場合 証明を行った登録宅性能評価機関 調査を行った建築士又は建築基準適合判定資格者検定合格者 登録年月日及び 登録番号 登録をした者 氏建築士の場合 一級建築士 二級建築士又は木造建築士の別 建築基準適合判定資格者検定合格者の場合 4. 証明者が宅瑕疵担保責任保険法

観観産第 号 平成 29 年 12 月 28 日 一般社団法人全国旅行業協会会長 殿 観光庁参事官 ( 産業政策担当 ) 旅行業法の改正に伴う経過措置について 通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律 ( 平成 29 年法律第 50 号 ) により旅行業法 ( 昭和 27 年法律第

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

個人情報保護に関する規定 ( 規定第 98 号 ) 第 1 章 総則 ( 目的 ) 第 1 条学校法人トヨタ学園および豊田工業大学 ( 以下, 総称して本学という ) は, 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 57 号, 以下, 法律という ) に定める個人情報取り扱い事業者 (

< F2D322E89FC90B38FC897DF8FF095B62E6A746463>

- 1 - 参照条文建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令案建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令(平成七年政令第四百二十九号)(抄) (通行障害建築物の要件)第四条法第五条第三項第二号の政令で定める建築物は そのいずれかの部分の高さが 当該部分から前面道路の境界線までの水平

和泉市の宅地開発における制度


<4D F736F F D208B8F91EE89EE8CEC93998C5F96F18F912E646F63>

07体制届留意事項(就労継続支援A型)

資料 4 一括受ガスに関する検討 2019 年 1 月 29 日 資源エネルギー庁

1

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

Microsoft Word - 所有者周知用(全体).doc

提案評価基準

<4D F736F F F696E74202D208DE096B18FC893648E71905C90BF C982C282A282C428835A C5292E707074>

1. 元職員による働きかけの規制 ( 第 38 条の 2 関係 )1 1 離職後に営利企業等 1に再就職した元職員(= 再就職者 ) は 離職前 5 年間に在職していた地方公共団体の執行機関の組織等 2の職員に対して 当該営利企業等又はその子法人と在職していた地方公共団体との間の契約等事務 3につい

Transcription:

各論点について 参考資料 1-1 論点 1 技術基準適合維持義務について 論点 1-1 現在 需要家資産である内管の技術基準適合維持義務をガス事業者に課しているが 大口供給及び小口供給のそれぞれ (A から D まで ) につき 資産所有区分と保安責任区分の整合についてどう考えるか ( 自己が所有している内管は 所有者自らが保安責任を負うべきとし 内管の保安責任をガス事業者から需要家に移管するのが適切か ) 移管することで需要家の理解は得られるのか また 保安は確保されるのか 小口大口 10 万m3以上保安義務灯外内管灯内内管灯外内管灯内内管技術基準適合維持義務等 A B C D 論点 1-2 仮に内管の保安責任をガス事業者から需要家に移管する場合には 技術基準適合維持義務を需要家に課すことになる 需要家が当該管を自ら検査する能力を有する又は有しない場合にかかわらず 安全上の観点から引き続きガス事業者に漏えい検査の義務を課すことについてどう考えるか また 需要家が当該管を自ら検査する能力を有しない場合には 引き続きガス事業者による漏えい検査を実施する仕組みが必要と考えるが 需要家の自己責任で事業者を選択できる仕組みについてどう考えるか 論点 1-3 仮に A から D までの中から移管しない部分がある場合には どのような場合には移管が可能かも含めて 移管可能の方向性や見直し時期等を検討する必要はないか ( 部分的に移管することの問題はないか ) また 需要家に対しても対応を求めるべき点はないか ( 例 : ガス事業者が内管の漏えい検査を実施し その際に漏えいが発見された際や このまま放置すると漏えいするおそれがある場合などにおいて ガス事業者が内管の所有者又は占有者に取替え等をお願いしたにもかかわらず 対応に応じない場合における措置など ) 小口大口 10 万m3以上保安義務灯外内管灯内内管灯外内管灯内内管技術基準適合維持義務等 A B C D 1

( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境に資産区分と保安責任が一致している マイコンメータの設置率は ほぼ 100% 近い状況となっており 灯内内管については マイコンメータの遮断機能や警報機能により 安全上のリスクは低下している 平成 21 年から平成 25 年までの 5 年間で 灯外内管におけるガス事故件数は 374 件あり 灯外内管におけるガス死傷事故件数は 46 件となっている また 灯内内管におけるガス事故件数は 42 件あり 灯内内管におけるガス死傷事故件数は 7 件となっている 平成 25 年 3 月末における腐食劣化対策管 ( 白ガス管など ) の残存数は 個人宅のものも含めて約 324 万本 ( うち 保安上重要な建物の残存数は約 10 万本 ) となっている 敷地内に設置されるガス管の工事 ( 内管工事 ) は ガス工作物としてガス事業法に定める技術上の基準に適合し維持するため ガス事業者又はその指定工事店が施工を実施している 一般社団法人日本ガス協会では 2007 年より 内管工事資格制度 の運用を開始し 現在の資格保有者は約 3 万人となっている 平成 16 年から平成 25 年までの 10 年間で 大口ガス事業者による事故件数は 0 件であり 現状では これまでの自由化範囲の拡大に関する需要家の保安管理状況について特段の問題は発生していない 現在 都市ガスの成分にCO( 一酸化炭素 ) は含まれていない 2

論点 2 需要家保安に係る保安責任について 論点 2-1 都市ガスの小売全面自由化により 多様な事業者の参入が想定されるところ 需要家の選択が自由に行えるようにする中で 保安の水準を維持 向上させていくためには 大口供給及び小口供給において 技術基準適合維持義務 内管の漏えい検査 ガス消費機器の周知 調査義務 緊急時の対応義務の保安責任 (A から M まで ) はどう課されるべきか また 上記以外で検討すべき保安業務はないか (ⅰ) 新ガス導管事業者が一義的に保安責任を担う (ⅱ) 新ガス小売事業者が一義的に保安責任を担うが 要望すれば他の事業者に委託が確実にできる (ⅲ) 新ガス小売事業者が一義的に保安責任を担い委託は受託事業者と合意すれば可能 (ⅳ) その他の方法 ((ⅰ) から (ⅲ) 以外の方法 ) 小口大口 10 万m3以上保安義務灯外内管灯内内管灯外内管灯内内管技術基準適合維持義務等 A B C D 大口保安措置小口 10 万m3以上 50 万m3以上内管の漏えい検査 E F G 工業用建物 H ガス消費機器の周知 調査義務工業用建物以外 I J 緊急時の対応義務 K L M 論点 2-2 その他の留意事項保安レベルの維持 向上及び安全高度化目標の達成 需要家の選択肢拡大と保安確保のインセンティブ 保安業務における実施者間の連携などの観点から 留意すべき点はないか また 今回のシステム改革において法令上明確に実施すべき保安業務はあるか 3

( 考慮すべき視点 ) 保安責任は 新ガス小売事業者が担うべきか 新ガス導管事業者が担うべきか ( その上で ) 保安業務の委託 受託のあり方はどうあるべきか 公道の導管と一般需要家の敷地内の灯外内管はつながっており 導管ネットワークの一体性について考慮すべきか それぞれの保安業務は分離できるのか 一体としてみるべきか 保安業務とサービス業務を一体として見るべきか 分離してみるべきか 地震等の災害時にも機能するか LP ガスでは 販売事業者に保安責任を課し 保安機関に保安業務を委託する制度を設けているが そのような仕組みを適用すべきか 電力システム改革に伴う電力の保安規制のあり方では 小売電気事業者とする選択肢もあるが 一般需要家等が契約する小売事業者が頻繁に変わることにより 調査の実施の管理が困難となる可能性が有り 制度的安定性を欠くことから 電線路維持運用者 ( ガスでいう新ガス導管事業者に相当 ) に保安責任を課すのが適当としているが そのような仕組みを適用すべきか 4

論点 3 簡易ガス事業に係る保安のあり方について 平成 26 年 6 月 5 日に開催されたガスシステム改革検討会において 簡易ガス事業に係る規制について検討され 審議の結果 安全性の確保を大前提とした上で 保安規制の整合化が図られるのであれば簡易ガス事業制度を廃止し LP ガスを導管で供給する事業に係る保安規制は供給先の戸数に関わらず液化石油ガス法で整理した方がよいのではないかという意見が多かった 簡易ガス事業 (70 戸以上 ) に係る保安規制を液化石油ガス法へ移行することについて 安全性の確保を大前提とした上で 保安規制の整合化が図られるのであれば移行は可能か 移行を検討する上で 保安の観点から留意すべき点はあるか ( 考慮すべき視点 ) 行政機関申請等の手続の窓口として 簡易ガス事業 ( ガス事業法 ) では経済産業省 ( 産業保安監督部 ) 液化石油ガス販売事業 ( 液化石油ガス法 ) ( ) では 経済産業省本省 産業保安監督部又は都道府県に申請する必要がある ( ) 一の都道府県のみに販売所を設置する場合は都道府県 二以上の都道府県で一の産業保安監督部内の場合は産業保安監督部 産業保安監督部をまたがる場合は経済産業省本省 手続き簡易ガス事業 ( ガス事業法 ) は許可制 ( 保安規制を含む ) であり 液化石油ガス販売事業 ( 液化石油ガス法 ) は事業開始時の登録 契約締結時の書面交付義務等や保安規制が課されている 資格者保安業務を監督する者として 簡易ガス事業 ( ガス事業法 ) ではガス主任技術者 液化石油ガス販売事業 ( 液化石油ガス法 ) では業務主任者と 異なった資格を持つ者を任命する必要がある 5

論点 4 消費段階におけるガス事業法と液化石油ガス法の保安規制のあり方 消費機器の周知 調査頻度につき 可能な限りガス事業法と液化石油ガス法との整合化を図るべきではないか 仮に整合化を図る場合は 安全確保を前提に 内容に応じて整合化を検討し 規制合理化できるところはしていくことでよいか ( 考慮すべき視点 ) 消費機器等の周知頻度ガス事業法における周知頻度が3 年度毎に 1 回以上であるのに対し 液化石油ガス法では2 年に1 回以上となっている 消費機器等の調査頻度ガス事業法における点検頻度が 40 月に1 回以上であるのに対し 液化石油ガス法では4 年に1 回以上となっている 消費機器等調査時の不在の取り扱いガス事業法では 省令の様式の備考により 調査又は再調査のために3 回以上訪問したが 不在で調査又は再調査ができない場合は報告上 不在 として扱うこととしているが 液化石油ガス法では当該規定がない 6