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厚い軟弱地盤上における回転圧入鋼管杭の施工管理 1 高橋治 1 中部地方整備局沼津河川国道事務所工務第三課 ( 410-8567 静岡県沼津市下香貫外原 3244-2) 東駿河湾環状道路の三島市付近施工箇所は 軟弱地層が厚く且つ富士山からの伏流水が豊富に湧出する地域であり 道路橋の施工に当たっては基礎杭の施工に伴う周辺地盤の変位や湧水への対策が課題であった 本報告は このような条件下において 回転圧入鋼管杭 ( 以下 回転鋼管杭 という ) を採用した橋梁工事の事例について述べる 本工事の施工管理を通し 杭施工時に地下地盤を乱さないよう 杭内に入り込む土砂の管理 ( 除去 置き換え ) を行う等の配慮事項を整理でき 今後の軟弱地盤上での回転鋼管杭施工の参考となるようまとめた キーワード : 軟弱地盤 高被圧地下水 回転圧入鋼管杭 工法選定 施工管理 1. はじめに東駿河湾環状道路の三島市大場付近の施工箇所は 工事範囲が DID 地区に位置しており 現場と民家が近接している ( 図 -1) また 地質条件として地下 20m 以深まで非常に軟弱であり 且つ地下 40m 付近の支持層には被圧地下水が滞水し 基礎杭の施工に伴い地下地盤を乱すことにより周辺地盤の変位 ( 家屋の沈下等 ) や湧水を生じるおそれがあった このような条件の下 本工事においては 基礎形式に回転鋼管杭を採用した この工法は 杭先端の羽根により鋼管杭を回転させながら地下にねじ込む工法で 施工時の騒音 振動が小さく 他工法と比較して地盤の乱れの少ない工法である ( 図 -2) 1)2) しかしながら 今回施工箇所のように 20m を超える厚い軟弱地層で且つ被圧地下水が存在する地盤における 道路橋での採用は全国でも少ない このため 施工に当たっては周辺地盤の変位や湧水を生じず 確実に支持層に根入れするために回転圧入時の回転トルク等による慎重な施工管理を行った また 先行施工箇所での課題を基に 施工時の問題点及び対応策について事前検討を行った 本報告は 工法選定及び基礎工設計段階での課題に対する検討内容について示すと共に 施工上の問題点について詳細に示し 今後の回転鋼管杭の施工の参考となるよう 配慮事項をまとめたものである 施工箇所 伊豆半島富士山 図 -1 八ツ溝高架橋施工箇所及び完成イメージ 1.2m 1.8m 図 -2 回転圧入鋼管杭 ( 寸法は今回工事で用いた杭の値 ) 東駿河湾環状道路 東駿河湾環状道路 ( 三島市大場付近 ) 回転圧入のイメージ 羽根ピッチ 0.36m 先端羽根 ( エコパイル協会パンフレットより )

2. 工法選定 2-1 橋梁設計東駿河湾環状道路の三島市大場 ~ 函南町塚本区間は市街地区間であり交通の円滑性 アクセス性に配慮し 図 -1 の完成イメージに示すように高架橋及び街路の複合断面として計画された 橋梁設計の基本方針は 震災に強く 市街地の環境保全に配慮 することとし 多径間連続化を図った 橋梁を連続化することは 1 耐震設計上の弱点となる掛け違い部を無くすと共に 2 不静定次数増大による耐震性の向上が期待でき 更には 3 伸縮装置設置箇所を削減でき 走行性の向上や 騒音 振動の解消等も期待できる 設計では可能な限り連続化を図り 橋種及び支間割りについては経済比較を行い決定した これらの検討の結果 本工事区間では連続鋼少数鈑桁橋を基本形式とした 連続化した橋梁は前述のメリットを有するものの 橋梁上部工が道路縦断方向に長く一体であることから特に端部の橋脚ほど温度収縮による上部工からの水平力を大きく受ける このため下部工設計では この温度時水平力を元に橋脚の形状や鉄筋量を決定する場合があった ここで 温度時水平力は橋脚及び基礎の剛性に起因しており 基礎形式により大きく異なる ( 橋脚 基礎の剛性が高いほど ( 硬いほど ) 上部工温度時水平力が大きくなる ) この観点から鋼管杭を用いた基礎は 他の基礎形式と比較して剛性が小さいため 橋脚断面を小さくできる 今回の設計における比較結果では鋼管杭を用いることにより 温度水平力を場所打ち杭の 73% まで小さくでき 一部の橋脚において 橋脚断面の縮小により約 350 万円 / 基 ( 橋脚 1 基当たりの 5~10% 程度 ) のコストを縮減できる試算となった また コスト縮減を目的に コンパクトな 固定支承 を採用し 多点固定構造とした 2-2 工法選定鋼管杭の施工方法はバイブロハンマ等により打撃や振動により杭を打ち込む 打ち込み工法 と 回転圧入や先端開口部において掘削しながら杭を埋め 込む 埋め込み工法 とに分けられる 一般的に打ち込み工法は 打ち込み時に地盤支持力を直接確認できることや 施工性 経済性の観点から優れるものの 深い基礎の施工が難しいことや 施工時の騒音 振動が大きく 市街地での施工が難しいといった問題がある 今回の工事箇所は地下 20m 以上まで軟弱地盤が存在し 支持層の深さは 深いところで 40m を超える また 途中にある As2 層 ( 砂質土 ) や支持層となる Dg 層 ( 礫質土 ) Tb 層 ( 凝灰角礫岩 ) には被圧地下水が滞水し ( 場所によっては地表面から 5m 高い水頭の地下水が存在 ) 湧水を生じる心配があった これらの条件より今回工事では 現場と民家とが近接していること等から 低騒音 低振動で且つ深い支持層まで貫入でき 更には施工時の地下地盤の乱れの少ない工法として 回転鋼管杭を採用した この工法は 杭の先端の羽根により鋼管を回転させながら地下にねじ込む工法であり 上記以外のメリットとして 排土が無いこと 大きな引き抜き支持力を得られること 短期間で施工できること 等が挙げられる 2-3 設計における課題検討近年 回転鋼管杭の施工実績は多くなっているものの 今回の工事箇所のような深い軟弱地盤で 且つ高い被圧地下水を有する箇所における道路橋での採用は全国でも少ない このため設計に当たり支持層の考え方等について 判断し難い課題が挙げられ それらの検討を行った 3) 1 点目は 杭基礎設計便覧では 回転鋼管杭を適用する場合の支持層について 砂層及び砂礫層を基本としている 今回施工箇所の Dc2 層は 粘性土層ではあるものの N 値 50 以上の強度を有する硬質地盤であり 支持層として考えて良いか 支持層とする場合の杭先端支持力算定式 について課題となった ( 図 -3) 検討の結果 土質試験結果より Dc2 層は N 値 50 以上を有し 圧密された地盤であることから 十分な強度を有すると判断し支持層として取り扱うこととした また 杭先端支持力式は 場

所打ち杭における評価式 (qd( 極限支持力 )=3 qu ( 一軸圧縮強度 ) を代用した 2 点目は 複合的な地層構成である N 値 50 以上の Dg 層 ( 礫質土 ) と Dc2 層 ( 粘性土 ) について これらを 一体の支持層として考えて良いか 課題となった ( 図 -3) これについては Dc2 層 Dg 層共に十分な強度を有することから 相互層の場合も一体の支持層となり得ると考えた また 支持層としての必要層厚については 杭基礎設計便覧において 杭先端の有効層厚が杭径の3 倍以下を薄層支持杭と定義し 先端支持力を低減する補正式が示されている ことから 逆説的ではあるものの 今回の場合も有効層厚が3 倍以上あれば支持層として判断することとした この結果 図 -3 に示す橋脚等においては Dg 層と Dc2 との層厚の合計が杭径の 3 倍である 3.6m を超えるため 支持層を Dg 層として設計した F( 表土 )N 値 1~2 As1( 砂質土 )N 値 30 Ac1( 粘性土 )N 値 1~2 Ac2( 砂質土 )N 値 1~5 As2( 砂質土 )N 値 20 Ac4( 粘性土 )N 値 1~5 P32 橋脚回転鋼管杭 φ1200 L=27.0m N=9 本 (Dg 層を支持層とする場合 ) GL が生じることなく施工できるか確認が必要であった また これらの層には高い被圧地下水が滞水しており 施工に伴い地下地盤を乱さず 被圧地下水の湧出を生じること無く施工できるかについても確認が必要であった ( 図 -4) これらについては 実際に現地にて試験施工を実施して確認した その結果 Dg 層については 回転トルクを鋼管杭の許容トルク内で通常時よりも多く正転逆転を繰り返しながら施工することにより 岩を削孔するように貫通できることが確認できた Tb 層については 約 500mm 貫入できたものの それ以上貫入することができなかった ( 鋼管の許容トルク内で施工した場合 ) しかしながら 貫入量 500mm で羽根ピッチ分 (360mm) の貫入は確実に行うことができ 回転鋼管杭は 通常の鋼管杭と比較し先端羽根により高い支持力が得られること等から 実施工においては 羽根ピッチ以上貫入 することとし 通常の鋼管杭における 杭径程度の支持層への貫入 は不要と判断した 被圧地下水に対しては 被圧地下水を有する Dg 層や Tb 層到達後も杭周面 鋼管内からの地下水の湧出は無く 地下地盤の乱れを最小限に留め 影響なく施工できることが確認できた P33 橋脚回転鋼管杭 φ1200 L=44.5m N=8 本 (Tb 層を支持層とする場合 ) Dg( 礫質土 )N 値 50 超 Dc2( 粘性土 )N 値 50 Dg( 礫質土 )N 値 40 Dc1( 粘性土 )N 値 15 Dg( 砂礫層 )N 値 50 Tb( 凝灰角礫岩 )N 値 50 GL-40m 1Dc2 層を支持層と考えることができるか? Dg 層 Dc2 層の一体層厚が杭径の 3 倍を超えるため 支持層を Dg 層としている 2Dg 層と Dc2 層とを一体の支持層とできるか? F( 表土 )N 値 1~2 As1( 砂質土 )N 値 30 Ac1( 粘性土 )N 値 1~2 Ac2( 砂質土 )N 値 1~5 As2( 砂質土 )N 値 20 Ac4( 粘性土 )N 値 1~5 GL 図 -3 地質条件及び設計における課題 (1 2 点目 ) 3 点目は Tb 層 ( 凝灰角礫岩 ) を支持層とする場合に 途中に存在する Dg 層 ( 礫質土 ) を貫通することができるか また Tb 層に所定の深さ (1.2m( 杭径 ) 以上 ) 貫入することができるかが課題となった これらは非常に硬い岩であり 回転鋼管杭に変形等 Dg( 礫質土 )N 値 50 超 Dc2( 粘性土 )N 値 50 Dg( 礫質土 )N 値 40 Dc1( 粘性土 )N 値 15 Dg( 砂礫層 )N 値 50 Tb( 凝灰角礫岩 )N 値 50 GL-40m 図 -4 地質条件及び設計における課題 (3 点目 ) 3 実施工が可能か? 非常に硬い Dg 層の貫通 非常に硬い Tb 層への貫入 被圧地下水の湧出防止

3. 施工管理 3-1 施工手順回転鋼管杭の施工手順及び施工状況は図 -5 図-6 の通りである まず 杭を施工するための全回転掘削機 ( 以下 掘削機 という ) を施工位置に設置する この際 掘削機自体の傾き 沈み込みを防止するため 敷鉄板等で足場を固める必要がある ( 非常に軟弱な地盤では浅層土質改良を実施して足場を固めることも有効である ) 次にクレーンで鋼管杭を吊り上げ 掘削機にセットし 掘削機により鋼管杭を繰り返し正転逆転させながら地盤に圧入していく 今回の工事箇所のように支持層が深い場所では杭長が長いため 分割した杭を現場で溶接しながら打設する必要がある 現場での溶接は 外観検査 浸透探傷試験 放射線透過試験を行い アンダーカット ブロホール ひび割れ等の有害な欠陥が無いことを確認した 杭は現地盤から打設するため 橋脚フーチング下面の深さまで杭頭が到達するように打設する必要があり 支持層までは ヤットコ と呼ばれる仮設の鋼管を用いて打設し 支持層貫入後 ヤットコを引き抜き 杭孔の埋め戻しを行い 施工を完了した 1 全回転掘削機設置 2 鋼管杭設置 回転圧入 3ヤットコ ( 根入用仮設杭 ) にて支持層まで回転圧入 鋼管杭 全回転掘削機 全回転圧入機 鋼管杭 図 -5 回転鋼管杭の施工手順 図 -6 回転鋼管杭の施工状況 ヤットコ オペレーション室 4 支持層到達後ヤットコ撤去 杭埋め戻し 3-2 施工上の問題点 ( 施工計画にける検討 ) 回転鋼管杭は 回転圧入時のトルクが高すぎると杭の変形 破損等を生じる可能性があり 本工事の施工では 杭の許容トルクである 250kN m を超えないように 回転スピード等を慎重に調整して施工した 図 -7 は 掘削機のオペレーションに用いたモニターである 施工では上載荷重 貫入深度 1 回転当たりの貫入量 回転トルクがモニター上に表示され これらの数値を参考にオペレーターが回転スピード 上載荷重 回転方向を制御しながら施工した 鋼管杭は 他の場所打ち杭と異なり 地下地盤の状態 ( 地中に点在する転石の大きさや分布 支持層の傾斜 被圧地下水の状態 ) を直接目視等で確認しながら打設することができない このため事前に施工の参考となるのはボーリング調査結果のみであるものの 全ての橋脚 全ての杭位置においてボーリ 表示内容 上載荷重 (kn) 深度 (m) 1 回転貫入量 (mm) トルク (kn m) 設計 N 値 図 -7 施工状況モニター 実績トルク ング調査を実施するのは費用的に不可能である この結果 設計と現場との地質条件に差が生じ 設計時に想定していない問題が施工中に生じる可能性がある これに対応するため 施工計画段階において想定される問題を整理し 事前に対応方針を検討しておくことが重要である 杭施工時の問題としては 1. 転石等による貫入

不能 2. 支持層の傾斜 不陸による杭の高止まり及び貫入不足 3. 杭の偏心 4. 杭施工時の地質の乱れ ( ボイリング等 ) が考えられ 今回の工事箇所の近くで先行して回転鋼管杭を施工した事例での問題点等を参考に 以下に述べる対応を検討した ( 図 -8) 1. 転石等による貫入不能に対して 転石の存在は杭の先端羽根に局所的に圧力がかかるため 杭の変形 破損に繋がる 転石に当たった場合は ( トルクが急激に高くなる ) 上載荷重を小さくするなどして 回転トルクが許容値 250kN m 以上にならないよう 慎重に施工することとした また 貫入不能となった場合は 施工を中断し 転石除去等の作業を行い 転石除去に当たっては 径の大きな鋼管 ( 掘削機で施工可能な上限 :2.0m) を使用して掘削を行い 直接転石を取り出す等の対応を行うこととした 2. 支持層の傾斜等により設計時の想定より支持層が高い場合 杭の高止まりが生じる これにより杭長が設計値より短くなることから その状態での支持力計算を行い 設計条件を満足するか再確認を行うこととした また 高止まりとは逆に 支持層の傾斜等により設計時より支持層が低い ( 深い ) 場合 支持層への貫入不足が生じる この対応としては 予め設計より長めの鋼管杭を打ち込むことが考えられるものの 施工費が増大する恐れがある このため できる限り 早い段階で支持層の傾斜等を把握する必要があり 橋脚内での杭の施工順序を工夫して施工することとした 具体的には 1 基の橋脚に複数ある杭の内 隅の杭について先行して施工し 支持層の傾斜等を把握し 施工を進めることとした 3. 杭の偏心は地中の転石や硬質層掘削時に横方向から圧力がかかることにより生じると考えられ 施工中の杭の鉛直性を常に確保することにより防止できる このため鉛直性を確保するための測量を高頻度で行うことや 掘削機の傾き 沈み込みを防止するため 掘削機の足場固めを確実に行う等の配慮を行うこととした 今回施工箇所においては 一部において地表部が非常に軟弱な箇所があったため 浅層土質改良 ( セメント改良 ) を行い 足場固めを行った 4. 杭施工時の地盤の乱れについては 周辺地盤の変位及び湧水を防止するため 杭施工に伴う杭周辺の土砂の動きを最小限に抑える工夫が必要である このため 軟弱層においては回転圧入中に 杭の直下に存在する土砂を杭内へ取り入れ 杭の外側へ土砂を押し出さないように施工することとした 具体的には 回転鋼管杭は先端羽根の形状から1 回転当たり 350mm 貫入するため この 350mm/1 回転のスピードを常に維持するように上載荷重 回転スピードを調整することとした 回転鋼管杭施工時の問題点 1. 貫入困難 ( 不能 ) 2. 杭の貫入不足 高止まり 3. 杭の偏心 4. 地盤の乱れ 問題の原因 転石の存在 支持層の傾斜 不陸 掘削機の傾き 沈み込み 鋼管杭の傾斜 軟弱地盤の乱れ ( 杭周辺の土砂の動き ) 対応 鋼管杭の許容トルク内での低速施工 貫入不能時大口径鋼管等により直接転石除去 高止まりの場合は支持力確認 図 -8 回転鋼管杭施工時の対応フロー 施工順序の工夫による傾斜の早期把握 掘削機の足場固め ( 敷鉄板 土質改良 ) 施工中に複数方向から高頻度での測量 上載荷重と回転スピードの調節による 土砂の杭内への取り入れ 3-3 施工中の杭内土砂管理前項で述べた通り 地下地盤の乱れを最小限に抑えて施工するためには 杭内に確実に土砂を取り込む必要がある ( 図 -9) 今回の工事箇所では 軟弱層や高圧被圧地下水が耐水している層など地質構成が多様であり 各層の特性に応じた杭内土砂の管理が必要であった まず 土砂により管内が閉塞され 土砂の取り込みができなくなるのを防止するため 硬質の土砂や単位重量の高い土砂については 杭内から取り除き 普通土に置き換える等の対応を行った 特に 掘削機の足場固めとして土質改良を行った表層部分については 改良土が硬く その下に軟弱な層が存在するため 改良土掘削後 改良土の塊が栓のようになり管内を閉塞させ 軟弱土を杭内に取り込むことができなかった このため 杭内に入った改良土の除

去を行った後に 軟弱層への貫入を行った ( 図 -10) また 火山灰質細砂層については 地下水と掘削に伴う熱により化学反応が生じ 杭内でセメントのように固結する状態が確認された このため 火山灰質細砂の層についても掘削 除去することとした 尚 これらの管内土砂の掘削 除去作業においては 掘削中に杭内でボイリング ( 地下水及び土砂の噴出 ) が生じないようにするため 杭の先端が不透水層 ( 粘性土層 ) にある状態で行った また 施工に当たり高圧被圧地下水層による杭内でのボイリングを防止するため 被圧地下水の高い地層を貫入する際は 上載土として杭内に土砂を投入して回転圧入した 施工中は常に杭内に土砂が取り込まれるように施工する 図 -9 施工中の鋼管杭内部の様子 改良層 軟弱層 土砂 鋼管杭 改良土 除去 改良土が栓となり 杭下端の土砂を周辺に押し出してしまう 図 -10 改良土による杭内の閉塞のイメージ 表 -1 回転鋼管杭の施工における配慮事項及び対応例 配慮事項対応例上載荷重を低減させ 鋼管杭の許容トルク内で施工転石による貫入困難 ( 不能 ) 転石除去 ( 直接掘削 ) 高止まりした位置での支持力照査支持層の傾斜 不陸による杭の高止まり 支持層の傾斜 不陸による支持層への貫入不足 杭の偏心 地盤の乱れによる湧水 地盤変位 施工順序の工夫により支持層の傾斜 不陸状況を把握し 杭長等を事前調整 複数方向からの慎重な測量により鉛直性を確保全回転掘削機の足場整備 ( 敷鉄板 地盤改良 ) 上載荷重 回転スピードの調整による軟弱土の管内への取り込み鋼管内の土砂管理による管内閉塞の防止 ボイリングの防止 4. 回転鋼管杭施工上の配慮事項今回の施工においては 一部において杭の高止まりが生じたものの 施工計画での事前検討を踏まえ対応し 問題なく施工できた 今回の施工により 回転鋼管杭は深い基礎にも十分対応できるものであり 厚い軟弱地層においても 杭内土砂の管理を適切に行うことで地下地盤の乱れを防止し 周辺地盤の変位や湧水を生じることなく施工できることが分かった 今回の施工における検討を踏まえ 回転鋼管杭の施工における配慮事項及びその対応例を表 -1 の通りまとめた 5. おわりに回転鋼管杭の施工に当たっては 施工前及び施工中に直接地下地盤の状態を詳細に確認できないことから 想定していない問題が施工中に生じる恐れがある これに対応するため 先行施工事例での問題点とその対応例を参考に 各々の施工箇所で生じる可能性のある問題点について対応方針を事前に検討しておくことが重要である 本報告では 東駿河湾環状道路三島市大場付近での施工に関わるこれらの事前検討 施工中に新たに配慮した事項について述べ 回転鋼管杭の施工における配慮事項をまとめた 東駿河湾環状道路では 今後 より軟弱な地盤で且つ高い被圧地下水を有する箇所での橋梁工事を予定しており 今回の検討結果を踏まえ施工を進める また 今後も回転鋼管杭の確実な施工を目指し 多様な地盤条件における多くの施工実績を踏まえて 施工時の課題とその解決策を整理することが重要であると考えられる 参考文献 1) NETIS 新技術情報提供システム ( 技術名称 :NS エコパイル工法 ), 国土交通省,http://www.netis.mlit.go.jp/Renew Netis/Search/Nt/NtDetail1.asp?REG_NO=KT-000049 2) 回転圧入鋼管杭, エコパイル協会,2009.10, http://www.nsc.co.jp/product/construction/pdf/kc324.pdf 3) 杭基礎設計便覧,( 社 ) 日本道路協会,2007.1