東京都特別支援教育推進計画 ( 第二期 ) 第一次計画について 教育庁指導部特別支援教育指導課長 伏見明 第 1 部第 1 章東京都特別支援教育推進計画 ( 第二期 ) 策定の背景 P.11 3 障害者や東京都を取り巻く状況の変化障害者権利条約の批准と関連する国内法の整備や インクルーシブ教育システムに関する国の動向 障害者差別解消法の施行など 障害者を取り巻く環境が大きく変化学校教育法の改正 ( 平成 25 年 9 月 ) 障害のある児童生徒の就学先決定について 一定の障害のある児童生徒は原則として特別支援学校に就学するというこれまでの学校教育法施行令における基本的な考え方を改め 市町村の教育委員会が 個々の児童生徒について障害の状態等を踏まえた十分な検討を行った上で 小中学校又は特別支援学校のいずれかを判断 決定する仕組みに改める 障害のある児童生徒の教育に関する基本的な方向性としては 障害のある子供と障害のない子供が できるだけ同じ場で共に学ぶことを目指すべきであり その場合には それぞれの子供が 授業内容が分かり学習活動に参加している実感 達成感をもちながら 充実した時間を過ごしつつ 生きる力を身に付けていけるかどうか これが最も本質的な視点である ( 教育支援資料 平成 25 年 10 月 文部科学省 ) また 主権者教育の推進 オリンピック パラリンピックの開催 都民 ファーストでつくる 新しい東京 ~ 2020 年に向けた実行プラン ~ の策定 等により 東京の状況も今後大きく変化 第 1 部第 2 章東京都特別支援教育推進計画 ( 第二期 ) の必要性と性格 3 特別支援学校及び特別支援学級の在籍者 利用者数の将来推計 P.20 将来推計では 知的障害のある児童 生徒を中心に 今後も在籍者数の増 加が見込まれる 特別支援学校の在籍者数の推計 ( 人 ) 項目 28 年度 ( 実数 ) 32 年度 35 年度 38 年度 ( 対 28 年度増減 ) 全障害種 12 372 13 267 14 150 14 986 2 614 うち知的障害 9 060 9 836 10 643 11 425 2 365 1
第 1 部第 3 章特別支援教育推進計画 ( 第二期 ) の基本理念と施策の方向性 1 東京都特別支援教育推進計画 ( 第二期 ) の基本理念東京都特別支援教育推進計画 ( 前計画 ) の基本理念発達障害を含む障害のある幼児 児童 生徒の一人一人の能力を最大限に伸長するため 乳幼児期から学校卒業後までを見通した多様な教育を展開し 社会的自立を図ることのできる力や地域の一員として生きていける力を培い 共生社会の実現に寄与します 東京都特別支援教育推進計画 ( 第二期 ) の基本理念 P.27 共生社会の実現に向け 障害のある幼児 児童 生徒の自立を目指し 一 人一人の能力を最大限に伸長して 社会に参加 貢献できる人間を育成 障害のある人々が生きる姿は 家族や医療 福祉関係者 教職員 地域住民等をはじめとする周囲の者にとって 生きがいや励みとなり お互いを尊重し 支え合う心を育むなど 誰もが生き生きと生活できる社会を創造する活力となっています 第 1 部第 4 章特別支援教育推進計画 ( 第二期 ) の目指す将来像と目標 施策の方向性 Ⅰ 特別支援学校における特別支援教育の充実 政策目標 事項目標値 現状 特別支援学校高等部において準ずる教育課程を履修した卒業生の進学率 53% 以上 38 年度卒 42.9% 27 年度卒 ( 特別支援学校高等部専攻科への進学者を除く ) 特別支援学校高等部卒業生の企業就労率 50% 以上 38 年度卒 41.2% 27 年度卒 知的障害特別支援学校高等部卒業生の企業就労率 55% 以上 38 年度卒 46.4% 27 年度卒 自立活動を主とする教育課程を履修する児童 生徒の個別指導計画を 複数の分野の専門家が関与して作成している特別支援学校数 対象となる児 童 生徒が在籍する全都立 特別支援学校 38 年度 26 校 28 年度 知的障害特別支援学校高等部就業技術科 職能開発科の設置校数 13 校 38 年度 7 校 28 年度 知的障害特別支援学校における普通教室数 副籍制度の利用率 ( 直接交流又は間接交流実施率 ) 学級数分の普 通教室を確保 小 80% 以上 中 50% 以上 38 年度 1 239 教室 28 年度 38 年度 小 52.1% 中 29.2% P.30 27 年度 施策の方向性 Ⅱ 小学校 中学校及び都立高校等における特別支援教育の充実 施策の方向性 Ⅲ 変化 進展する社会に対応した特別支援教育の推進 施策の方向性 Ⅳ 特別支援教育を推進する体制の整備 充実 2 P.32 P.34 P.36
第 2 部第 1 章特別支援学校における特別支援教育の充実 1 主体的 積極的な社会参画に向けた指導 支援の充実 (1) 障害の種類と程度に応じた指導 支援の充実 1 準ずる教育課程の教育内容 方法の充実 2 特別支援学校における国際教育の充実 3 言語活動及び読書活動の充実 P.45 (2) 自ら望む将来を実現するためのキャリア教育の充実 1 キャリア教育の充実 2 職業教育の充実知的障害特別支援学校高等部における職業教育の充実 重層的な職業教育の展開 P.51 知的障害 ( 軽度 ) 専門的職業教育 自ら判断し 職務を遂行する能力を育成 就業技術科 職能開発科 普通科 知的障害 ( 軽度から中度 ) 基礎的職業教育 任された職務を正確に遂行する能力を育成 知的障害 ( 中度から重度 ) 職業準備教育 より個別的な指導が必要な生徒を対象に 働く意欲や態度を育成し 企業就労を目指すとともに 中度から重度の生徒は 作業所等の利用に向け日常生活技能を育成 職能開発科の設置校と設置年度 P.73 江東特別支援学校 ( 平成 30 年度 ) 久留米特別支援学校 ( 仮称 )( 平成 33 年度 ) 青鳥特別支援学校 ( 平成 35 年度 ) 練馬特別支援学校 ( 平成 36 年度 ) 南多摩地区特別支援学校 ( 仮称 ) ( 平成 36 年度 ) 北多摩地区特別支援学校 ( 仮称 )( 設置年度調整中 ) 3 進学指導の充実 P.56 視覚障害 聴覚障害 病弱特別支援学校における進学指導の充実 肢体不自由特別支援学校高等部の教育課程の改善 充実 2 多様な教育的ニーズに応える特色ある学校づくりの推進 (1) 都立特別支援学校の規模と配置の適正化 P.69 3
3 肢体不自由特別支援学校及び病弱特別支援学校の適正な規模と配置 光明学園の開設 病院内教育の充実に向けた病弱教育部門の再編 肢体不自由特別支援学校のうち 病院内分教室を有し かつ 病院訪 問教育の実績を有する 4 校 ( 光明学園 北特別支援学校 墨東特別支援 学校 小平特別支援学校 ) に 病弱教育部門を設置 病弱教育部門の設置イメージ 既存の肢体不自由教育部門 ( 本校 病院内分教室 在宅訪問 病院訪問 ) 併置化 P.65 肢体不自由教育部門 ( 本校 在宅訪問 ) 病弱教育部門 ( 病院内分教室 病院訪問 ) 病院内訪問教育における指導時数の充実 P.50 病院等へ出向き 担当教員と連携して学習支援を行う 病弱教育支援員 と I CT 機器を活用し 病院内訪問教育の指導時数を週 5 日 1 回 2 時間まで充実 病院内訪問教育における支援のイメージ 4
(2) 多様なニーズに即した特色ある教育活動の推進 (3) 様々な分野の専門家を活用した指導 支援体制の充実 2 専門家を活用した自立活動の充実 3 教員と学校介護職員の協働による指導体制の確立 4 将来の自立と社会参加を見据えた専門性の高い指導の実施 P.75 3 質の高い教育を支える教育環境の整備 充実 (2) 特別支援教育を推進する教育諸条件の整備 2 医療的ケアを必要とする幼児 児童 生徒への支援の充実 全ての特別支援学校における医療的ケアの提供体制の構築 P.84 第 2 部第 2 章小学校 中学校及び都立高校等における特別支援教育の充実 1 小学校 中学校における特別支援教育の充実 P.93 (1) 小学校 中学校における個に応じた指導 支援の充実を教育環境の整備 1 小学校 中学校の知的障害特別支援学級から特別支援学校高等部までの一貫した教育課程の研究 4 特別支援学級の専門性向上に向けた支援区市町村教育委員会が各特別支援学級の課題を十分に把握した上で 特別支援学級の専門性向上の方針を定め 特別支援学校はその方針に沿って 計画的 継続的に授業実践を支援 特別支援学級の専門性向上に向けた支援のイメージ 5
第 2 部第 3 章変化 進展する社会に対応した特別支援教育の推進 1 変化する社会において自立して生きるための力の育成 P.119 (1) 幼児 児童 生徒の安全確保に向けた防災教育等の推進 2 特別支援学校における宿泊防災訓練の充実 3 特別支援学校における位置検索システム機器を活用した児童 生徒の安全確保 3 豊かな心と健やかな体を育むためのスポーツ 芸術教育等の推進 (1) 障害者スポーツを通じた教育活動の推進 P.133 4 障害者スポーツの競技機会の拡充障害者スポーツを振興し 障害のある者とない者がスポーツを通じて相互に理解を深めていく取組を強化 東京都公立学校ボッチャ交流大会 の開催 (2) 芸術教育の充実 1 芸術系大学等と連携した芸術教育の推進 2 ユニークな美術活動の機会の創出 P.134 第 2 部第 4 章特別支援教育を推進する体制の整備 充実 2 学校や区市町村に対する総合的な支援体制の充実 (3) 特別支援教育に関する就学相談及び教育相談等の機能の充実 P.166 区市町村教育委員会の就学相談を補完するため 要請に応じて 都教育委員会として 専門的な知見に基づく助言を行うことができる体制を整備 専門家チームによる支援の流れ 6