平成20年度

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平成20年度

4 チップ化試験結果チップ化試験の結果から販売に向けた 次の 2 つのポイントが明らかになりました 1 現場の数量調査と利用方法が違うため端材と末木枝条は分別した方が良い 2 端材と末木枝条の搬出のために 作業路を修理することはできないので 搬出しやすい箇所に まとめておくことが重要である この結果

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様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 福井県

林業のサプライチェーン 2 IoT により 林業サプライチェーン ( 造林から伐採 搬出 運搬 搬入 利用 ) を見える化を図り 林業の省力化 効率化 安全 持続性を目指す 植林 森林管理 伐採 枝払い 玉切り 森林からの搬出 積み込み 製材 合板 コマツの林業機械ビジネス 公道運搬 バイオマス 木

1 システム販売で購入する材の利用計画 ( 模式図 ) ( 例 1 単独申請の場合 ) 一般材 2cm 上 製材 プレカット 木材店 一般材 18cm 下素材ラミナ 集成材加工低質材 原料材 チップ 製紙 ( 例 2 共同申請の場合その 1) [ ] は申請者 [ 木材 ] [ プレカット ] 工務


オーストリア林業から学ぶ 長野県林業大学校 いとう 2 学年伊藤 ひらさわ平沢 ほりべ堀部 けいすけ圭介 きみひこ公彦 たいせい 泰正 要旨私たち長野県林業大学校では 昨年の 7 月にオーストリアで 8 日間 森林 林業の研修を行なって来ました オーストリアは日本よりも狭い国土面積 低い森林率であり

立木販売のご案内 ~ 多くの森林が主伐期を迎える中で立木販売を進めています ~ 四国森林管理局

ツールへのデータ入力前にすべきこと 一般廃棄物処理に係るフロー図を作成 < 収集 : 直営 > < 直接搬入 > 粗大ごみ **t <A 破砕施設 : 直営 > <D 最終処分場 > 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 燃やすごみ **t アルミ缶 **t スチール缶 **t びん

9 原木の長さ ( 長級 ) は 企画提案事項とします ただし 多様な長級の採材などの提案 には沿えないことがあります 10 特定の径級を対象とした企画提案は 採用出来ません なお 物件毎に示した原木は すべて受け入れていただくことになります

植栽については ヘクタール当たりの植栽本数を標準的な 本から 本や 本に減らす低密度植栽が各地で試行されている 低密度植栽は 苗木や植栽の費用の削減だけでなく 下刈の省力化や保育間伐の省略等 全般的な費用の縮減につながることが見込まれるが 植栽木の生存率や成長 材質への影響等の実績をみながら 取組を

1. 地域活性化に資する固定価格買取制度 再生可能エネルギー特措法では 再生可能エネルギーによる地域の活性化を目的としている 我が国の国土の大宗を占める農山漁村は バイオマス 水 土地などの資源が豊富に存在 特に 国土の約 7 割を森林が占める森林大国である我が国では 森林から発生するバイオマス等を

Microsoft Word - 18_やさしい木質チップ燃料の検収マニュアル.docx

A タイプに関する事項 1 申請書の作成 (1) 1 買受希望物件 の数量は 公告における物件番号別の出材予定数量と一致さ せてください 公告で 一般材 低質材 統合材 原料材別に申請していただくこと も可能とした物件についても A タイプの場合は不可とします (2) 2 安定供給システム販売に係る

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PowerPoint プレゼンテーション

再造林 育林の低コスト化に関する指針 育林の低コスト化に関する指針平成 27 年 3 月高知県林業振興 環境部 1 指針の目的平成 24 年 9 月に策定した 皆伐と更新の指針 では 伐採時期を迎えた人工林を皆伐した後 再造林の適地と判断される伐採跡地では 森林資源の持続的な利用を図るうえでも再造林

平成24年度補正 林野庁補助事業  先進的林業機械緊急実証・普及事業 取組の概要

第 3 章林業編 Ⅰ 基本的な考え方 1 目指す姿県産材 40 万 m 3 が, 社会において有効な資源として継続的に利活用されるとともに, 林業の利益率を改善することで, 産業として自立できる林業経営の確立を目指します 2 目指す姿の実現に向けた取組の方向性 県内に存する民有林のスギ ヒノキ人工林

平成 29 年 7 月 地域別木質チップ市場価格 ( 平成 29 年 4 月時点 ) 北東北 -2.7~ ~1.7 南東北 -0.8~ ~ ~1.0 変動なし 北関東 1.0~ ~ ~1.8 変化なし 中関東 6.5~ ~2.8

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長野県林総セ研報第 25 号 (211) 表 -1 と調査工程一覧 樹種 面積調査工程 (ha) 伐倒木寄集材造材集搬 佐久穂 カラマツ 富士見 カラマツ 28.4 伊那 アカマツ 1.25 天龍 スギ 1.25 開田 カラマツ 塩尻 カラマツ 5.53 白馬 1 スギ 6.

様式 1 号 ( 外構部の木質化対策支援事業助成金交付規程第 6 関係 ) 全国木材協同組合連合会会長松原正和殿 外構実証事業申請書 下記のとおり外構実証事業に申請します (1) 申請者情報会社住所 事業担当者連絡先 建設業を生業とすることの証明 ( 右のいずれかについて )( 注 ) 会社名代表者

Taro-01概要1,2頁0613.jtd

いて一市町村当たり2 箇所の計 18 箇所で それぞれ実施してきています これまでの調査の結果 環境放射線量 ( 空間線量率 ) は 調査開始時の平成 26 年度から平成 29 年度までの変化率の平均は 44.5% となっています 計算により求められる物理学的減衰による低減率 35.1% と比較する

平成 30 年度 森林整備事業 ( 造林 ) 標準単価 京都府農林水産部林務課

森林資源の循環利用に向けた再造林の推進伐採と造林の一貫作業システムは 伐採に使用した高性能林業機械を用いて残された末木枝条を整理して地拵えを行ったり 搬出に使用したフォワーダを用いて苗木を運搬して 植栽を行う方法です 従来の人力による方法に比べ 林業機械を活用することにより伐採から地拵え 植栽までの

表紙01

第 1. 基本的事項 1. 都道府県の森林整備及び林業 木材産業の現状と課題 1 森林整備の現状と課題本県の人工林面積の主な樹種別の構成割合は スギ 71% アテ 12% マツ 9% である 齢級構成は 10~11 齢級をピークとした偏った構成となっており 保育や間伐を必要とする 9 齢級以下のもの

Microsoft Word 標準型実施手引.doc

作業時間の短縮等による拘束時間の削減 鳥取県 1. 実施者の概要 発着荷主企業 : 荷主組合 A 社酪農家で組織した専門農協 乳製品の製造販売等を実施 実運送事業者 A 社 B 社 C 社 D 社実運送事業者 A 社 : 鳥取県が本社 荷主組合 A の製品輸送を担当実運送事業者 B 社 : 鳥取県が

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

平成 28 年度 森林整備事業 ( 造林 ) 標準単価 京都府農林水産部林務課

緑の雇用 事業を開始するまでは 林業の新規就業者数は年平均約 2 千人程度でしたが 事業 を開始した以後は約 3 千 4 百人に増加し 平成 22 年度には 4,013 人となっています ( 図 ) 2

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かかり木の処理の作業における労働災害防止のためのガイドライン 第 1 目的等 1 目的 本ガイドラインは 近年の人工林における間伐作業の増加等を背景に かかり木の処理の作業における死亡災害が増加する傾向にあること等を踏まえ 労働安全衛生関係法令と相まって かかり木の処理に係る事前の実地調査の実施 新

B.2 モニタリング実績 (1) 活動量 ( 燃料消費量 生成熱量 生産量等 ) 記号 モニタリング項目 定義 単位 分類 1 モニタリング方法 概要 頻度 実績値 モニタリング実績 計測対象期間 ( 年月日 ~ 年月日 ) 備考 F PJ,biosolid プロジェクト実施後のバイオマス固形燃料使

新間伐システム作業マニュアル(徳島県)/表紙

波及性

(3) 2 万 kw の蒸気タービン発電 2012 年の FIT 改定で 発電出力 5,000kW 以上 2 万 kw までの買取価格は 6 セント /kwh に引き下げられたので 新規建設の場合 事業が成立しうるのは建設廃材 (22 ユーロ / トン ) を燃料とする場合のみ 発電のみの場合 総売

土木工事標準積算基準書1

本事業の意義 実効性 ( 見直しの必要性 ) 医療情報データベース基盤整備事業 ( 平成 23 年度 ~ 10 協力医療機関 ) 日本再興戦略 ( 平成 25 年 6 月 14 日 ) 医療 介護情報の電子化の促進 医薬品の副作用データベースシステムについて データ収集の拠点となる病院の拡充や地域連

欄の記載方法について 原則として 都道府県毎の天然更新完了基準に定められた更新調査 ( 標準地調査 ) の結果を元に造林本数欄に更新本数を記載する ただし 調査せずとも天然更新完了基準を明らかに満たしていると判断できる場合 ( 例えば 小面積の伐採等 ) には 造林地の写真その他の更新状況のわかる資

林業活性化の課題 ~ 路網整備と木の徹底的な利用の促進 ~ 農林水産委員会調査室 いなぐま稲熊 としかず利和 1. はじめに我が国の森林における樹木の蓄積量は 高度成長期の大規模な植林活動等もあって 量的には充実しつつある しかし 現在の林業は 木材価格の低下により 立木を伐採して販売しても 伐出コ

資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

森林育成学特論Ⅰ

機械化林業平成 29 年 6 月号掲載 大型機械による地拵の効果について 下刈の省力化による低コスト造林の可能性を探るー 北海道森林管理局森林技術 支援センター山嵜孝一 1. はじめに北海道の林床を特徴づけるササ類は 旺盛な繁殖力と強い適応性を持っています そのため 人工造林の主要樹種であるトドマツ

会社概要 (2017 年 3 月期 ) 社名 住友林業株式会社 創業 設立創業 1691 年設立 1948 年 資本金 27,672 百万円 従業員数連結 :17,802 名単体 :4,485 名 関係会社子会社 103 社 ( 海外 74 社 ) 関連会社 29 社 ( 海外 25 社 ) 売上高

最後の東北総体を終えて、悔しさがとても残る結果でした

見積整理

目次 1. 指定引取場所の適正配置原則について 2.A B 両グループの指定引取場所の現状について 3. 指定引取場所の A B 共有化のメリットについて 4. 指定引取場所の A B 共有化に伴う統合のメリットについて 5. 指定引取場所の A B 共有化 統合について留意すべき点 6. 離島にお

兵木C事後評価調書1式

6. 高速道路 SA PA 等 への充電設備設置事業の説明と提出書類 高速道路 SA PA 等 への充電設備設置事業の 説明と提出書類 事業名 事業内容 申請できる方 高速道路 SA PA 及び道の駅等への充電設備設置事業 ( 経路充電 ) 高速道路 SA PA 等 ( 注 1) におけ

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1 プロジェクト実施者の情報 1.1 プロジェクト実施者 ( 複数のプロジェクト実施者がいる場合は代表実施者 ) 実施者名 住所 イッハ ンサ イタ ンホウシ ンフ ナノサトシラカミコウシャ一般財団法人ブナの里白神公社 青森県中津軽郡西目屋村大字田代字神田 プロジェク

1 プロジェクト実施者の情報 1.1 プロジェクト実施者 ( 複数のプロジェクト実施者がいる場合は代表実施者 ) ( フリガナ ) エンジニアウッドミヤザキジギョウ実施者名キョウドウクミアイエンジニアウッド宮崎事業協同組合住所 宮崎県都城市吉尾町 プロジェクト代

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業種地質調査業務 (H29) 改正現行備考 第 1 章地質調査積算基準第 1 章地質調査積算基準 第 1 節地質調査積算基準 第 1 節地質調査積算基準 別表第 1 別表第 1 (1) 諸経費率標準値 (1) 諸経費率標準値 対象額 100 万円以下 100 万円を超え 3000 万円以下 3000

3 再生資材等の利用 (1) 再生骨材等の利用工事現場から 40km の範囲内に再資源化施設がある場合は 工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで 原則として 再生骨材を利用する (2) 再生加熱アスファルト混合物の利用工事現場から 40km 及び運搬時間 1.5 時間の範囲内に再生加熱アスファ

利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

(Microsoft Word - \216\226\213\306\214v\211\346\( \201j\225\\\216\206)

福島県木質バイオマス安定供給の手引き 平成 25 年 3 月 福島県林業振興課

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PDF変換用(報告書)帯広市新エネルギービジョ

申請書の作成 1 1 買受希望数量等 の数量は 公告における物件番号別の出材予定数量と一致さ せてください 2 2 添付書類 の (1) 直近の事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書 (2) 納税証明書の写し (3) 社会保険の加入を証する書類及び (4) 保有する資格を証する書類について 共同申請

Chapter 3 3 章森林経営信託制度と木造化 木質化 ~ 岐阜県御嵩町の取り組み ~ P 岐阜県御嵩町における森林経営信託方式の紹介 P 森林経営信託方式と木造化 木質化 030



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資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

条件不利地や気象害の被害森林では 我が国の人工林が利用期を迎える中 森林施業の集約化や路網整備を通じて施業の 低コスト化を図りつつ 森林所有者による適切な森林整備を進めることにより 森林の 有する多面的機能の発揮を図りつつ 林業の成長産業化を実現していくことが重要です 一方 奥地の条件不利地や 気象

森林整備事業では 国土の保全 水源の涵養 自然環境の保全 林産物の供給の森林の有する多面的機能の維持 増進を目的に 対象森林に応じた 以下の2つの方針に基づき 造林や間伐の森林整備への支援を行っています 条件不利地や気象害の被害森林では 森林所有者との協定に基づき市町村が行う森林整備を支援 森林の多

Microsoft Word - 機械化林業 No.489.doc

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ビッグデータ分析を高速化する 分散処理技術を開発 日本電気株式会社

表 3-1 木質バイオマスエネルギーの主な利用用途 利用形態 利用用途 温浴施設 施設園芸 熱利用 きのこ栽培 養鰻場 木材加工施設 工場用蒸気 発電利用 木質バイオマス発電所 石炭火力発電所 ( 混焼 ) チップボイラー 木質バイオマス発電所 40

バイオ燃料

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1. 事業の概要 事業の目的郡上市明宝地域では 平成 25 年度に 明宝地域木質バイオマスエネルギー循環システム構築業務 を実施 木質ボイラー導入に伴う 需要側のコストシミュレーション及び木質燃料となるチップや原木 ( 薪 ) の地域内調達の可能性 さらに供給体制の構築などについて調査を行った この

強度に優れた カラマツ 北海道の木 エゾマツ 99%を供給 トドマツ 北限のスギ 道南スギ 北海道の林業 2018 木材供給基地としての 持続的発展に向けて 北海道遺産 森林鉄道蒸気機関車 雨宮21号 <遠軽町> 北海道遺産 根釧台地の格子状防風林<中標津町など> 林業遺産 蒸気機関車 雨宮21号

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Microsoft PowerPoint - 熊崎氏発表資料

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スライド 1

モバイルマッパー 6 の測位方法は 各頂点において GPS が安定するまで 30 秒待ち そ の後 30 秒間データの記録を行うという操作説明書で推奨されている方法で行いました ガ ーミン GPS についても GPS が安定するまで 30 秒待ち測点を行いました 面積測量結果は以下の表のとおりです

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用 語 の 解 説 か 温室効果ガスの排出源対策 森林整備等の吸収 源対策 京都メカニズムの活用など 目標達成のた めの対策 施策などを明らかにしている 高性能林業機械 : 従来のチェーンソーや集材機等に比べて 作業の効率化や労働強度の軽減等の面 で優れた性能をもつ林業機械 主な高性能林業機械 は

Ⅲ 林業

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Microsoft PowerPoint - 06+H29住懇資料_宮城北部署(提出)修正(局)再修正+(2)

立木公売公告 令和元年 7 月 19 日 分任契約担当官空知森林管理署北空知支署長佐藤泰弘 次により立木の一般競争入札を行いますので 買受希望者は 売買契約書 ( 案 ) 国有林野事業林産物売買契約約款 北海道森林管理局競争契約入札心得 及び現場を熟覧のうえ入札して下さい 1 入札物件の種類及び数量

LED 道路 トンネル照明の設置に関する補完資料 Ⅰ LED 道路照明 ( 連続照明 ) の設置について 道路照明のうち連続照明の設計については 道路照明施設設置基準 同解説に基づき 性能指標 ( 規定値 ) 及び推奨値 ( 以下 性能指標等 という ) から所定の計算方法により設置間隔等を算出し

日独バイオマスデー

Microsoft Word  18年度海外調査報告書.doc

Transcription:

第 3 章効率的な林地残材集荷システムモデルの提案 2 年間の事業を通して 伐採現場での集材方法 ( 全木 全幹集材など ) による違いから 現地チップ化 工場チップ化の違い 積み込み運搬方法のバリエーションまで様々な作業の実証を行うことができた これを踏まえて 効率的な林地残材集荷システムモデルを提案する ただし 報告書冒頭で記載したとおり ここで提示したモデルは 北海道におけるスタンダードシステムを示すには至っておらず 本事業で実施した事例をベースにして 林業機械や作業の組み合わせをモデル的に示し 生産性の実証例と効率化のポイントを示すことで 林業や木質バイオマスの活用に携わる事業者の方々が実際に林地残材の活用に取り組む際の参考にしていただくことを想定して作成したものである 構成としては 最初に 基本システム として 現地チップ化システムと工場チップ化システムの長所 短所を解説している 次にそれぞれのシステムについて 集材方法別に林業機械の組み合わせの作業モデルと効率化のポイント コスト及び生産性の実証参考値を示し 併せて 本事業で実証した様々なバリエーションも記載した 林地残材の集荷作業は 現場によって森林の立地条件や投入可能な林業機械が異なり このとおり作業を実施すれば必ず効率的に実施できるという性格のものではないことから ここに示すシステムを基本に 実際の現場や事業体の条件に応じて 各事業主体が効率的な方法を検討 選択できるようフロー図を記載した 27

概要所短林地残材 ( 林地未利用材 ) の集荷作業システムの提案 林地残材の集荷作業は 現場によって森林の立地条件や投入可能な林業機械が異なることから このとおり作業を実施すれば必ず効率的に実施できるという性格のものではありませんが ここに示すシステムを基本に 実際の現場や事業体の条件に応じて 効率的な方法を選択しましょう 基本システム 林地残材の利用に際しては 多くの場合 チップ化して利用することから チップ化作業をどこで行うかによって 基本システムを考えてみます 所道路条件 ( 林道幅員や曲線半径 傾斜など ) によっ込み効率が悪いては搬入できない 3ストックヤードの広さや破砕機を所有している 現地チップ化システム 工場チップ化システム 現地 ( 山土場や作業道上など ) でチップ化してから加工地 需要地 (= 工場 ) に運ぶシステム 現地で生じた林地残材をそのまま もしくは圧縮して工場に運んだのちチップ化するシステム チップ運搬 直運搬 小型 ~ 中型の 山 ( 現地 ) でチップ化 移動式チッパー 直接需要地へ 1 現地で破砕して運ぶため 枝条などのかさばる部 1 工場で破砕するため チッパー機の重機運搬費 位を 容積を小さくした状態で効率的に運搬できる需要地でチップ化長がかからない 2 林地残材が多量にある場合 または需要地まで遠距離の場合に有利 2 天候や現地の作業条件 ( 土場スペースなど ) に左右されない 3 端材の割合が高い場合 または需要地まで近距 離の場合に有利 4 固定式チッパーを使用する場合は一般的にラン ニングコストは安い 1チッパー機の重機運搬費がかかる 2 大型のチッパー機には向かない 3 小型 ~ 中型のチッパー機であっても 現地までの 1 現地で破砕しないため 枝条など容積密度の小さい残材は運搬効率が悪い 2 端材の長さが短い場合 ( 短尺材 ) は 運搬車への積 4 天候や現地の作業条件 ( 土場スペースなど ) に左 かどうかなど工場の受入れ体勢に左右されやすい 右されやすい 注意 各システムの作業モデルと実証例 効率化のポイントを次ページからご紹介します 各システムのコストと生産性実証参考値を掲載しておりますが これらの数値は 本事業で実施した一つの事例であり 標準的なコストや生産性 機械の性能を示したものではありません また コストは生産性を元に人件費や燃料費 減価償却費等を一定の仮定で試算した値であり あくまで参考値として掲載しておりますので ご注意ください 試算条件についての詳細は 事業報告書本編をご覧下さい 28

現地チップ化システムの作業モデル 実証例と効率化のポイント 1 全木集材方式 伐倒 ハーベスタ 全木集材 トラクタ等 枝払い玉切りハーベスタ伐倒と兼ね 巻立て 用材生産 チップ生産 TAO KA 移動式チッパー 枝条 + 端材 土場に堆積 または 積込みバケットローダー 吹き出し口 ベルトコンベア等によるトラック直積み 運搬 バイオマス利用 全木集材の利点を活かし 土場で発生する枝条や端材を大量に収集チップ化 樹種によって枝条の量が大きく異なることに注意 ( カラマツは少なく トドマツ アカエゾマツは相対的に多い ) コスト及び生産性実証参考値 チップ化 備考 コスト及び生産性 3,400 円 /t 14.5t/h ササ混入残材を含む平均値 計算条件 移動式チッパー機 ( 出力 228kw) カラマツ主伐面積 4.60ha チップかさ密度 0.24t/m3 2 全幹集材方式 伐倒 枝払いハーベスタ 全幹集材トラクタ等 玉切りハーベスタ伐倒と兼ね 巻立て 用材生産 チップ生産 移動式チッパー 端材 チップヤードに堆積 または 積込みバケットローダー 吹き出し口 ベルトコンベア等によるトラック直積み 運搬 バイオマス利用 全幹集材の利点を活かし 土場に集まる端材 (= 樹皮の割合が小さい ) のみをチップ化 端材の形状が不定で短尺材が多いなど積荷に時間がかかる場合に推奨 端材の形状がパルプ材に近い場合 ( 長めで方向が揃っている ) は工場チップ化方式が効率的となるので注意が必要 積み込み方法の選択がポイント! 1 チップヤード方式 ( チッパーを連続運転させチップをヤードにため込む方式 ) チッパーの休み時間が少なくなる利点はあるが ヤードからトラックに移す重機 ( バケット等 ) が必要 2 直積み方式 ( チッパーから直接トラックにチップを投入する方法 ) バケット等の重機は不要だが トラックの台数が少ないとチッパー機が遊ぶことになり不効率 スペースをとらず チップに土砂が混ざりにくい利点も チップヤード方式が有利なケースが多いと考えられます ( 特に運搬距離が長い場合 破砕量が多い場合 ) が トラックの台数 運搬距離 破砕量を勘案して最も効率的な方法をシミュレーションしてみるのも良いでしょう コスト及び生産性実証参考値 集中土場 ( 次ページ参照 ) での実証 チップ化運搬備考 コスト及び生産性 8,700 円 /t 36.6t/ 日 (4.94t/h) 1,800~2,900 円 /t(5~3 往復 ) 鉄板ヤード設置 + バケットローダー 9,200 円 /t 48.8t/ 日 (4.94t/h) 2,200~2,900 円 /t(4~3 往復 ) ベルトコンベア方式直積み 計算条件 移動式チッパー機 ( 出力 115kw) 11tチップ専用運搬車 2 台 片道 50km 最大往復数はシミュレーションによる 29 カラマツ主伐面積 7.22ha チップかさ密度 0.26t/m3

TAOKA 林地残材を造林地拵えと一体的に収集する 伐倒 ハーベスタ 全幹集材 トラクタ等 枝払い 玉切り ハーベスタ伐倒と兼ね 用材生産 バイオマス利用 地拵え植栽を一体化させた皆伐現場限定のシステム植栽前に伐採跡地の枝条 ササ類を集め 土場残材とともにチップ化 巻立て 用材生産 集材後 端材 枝条収集兼地拵え レーキ等 土場に運搬 移動式チッパー チップ生産 運搬 TAOKA 燃料用のチップが大量に生産可能 ただし樹皮やササ 土砂の混入割合は高いので需要先の条件を良く確認することが必要 土場までの枝条 ササ運搬は土そりやキャリアダンプの利用により効率アップ 枝条 ササ類を集めておくことで後の地拵え費用が低減し ネズミの食害を減らす効果も期待 ~ 集材方法について ~ 林地残材を集荷するためには 土場に残材を集める必要があることから 全木集材又は全幹集材の作業モデルを示していますが 北海道高性能林業機械化基本方針 (H21 年改定版 ) では 効率的な用材生産を行いうるハーベスタ + フォワーダによる短幹集材を推奨しています 上記のように集材後に改めて残材を集める場合は 短幹集材を前提としたシステムも可能でしょう コスト及び生産性実証参考値 枝条収集チップ化備考 コスト及び生産性 1,800 円 /t 12.8t/h 2,900 円 /t 14.5t/h ha 当たり収集量 170t 計算条件 レーキ+ 土ソリ使用 移動式チッパー機 ( 出力 228kw) カラマツ主伐面積 4.60ha チップかさ密度 :0.24t/m3 集中土場でチップ化する 複数の小規模な現場 作業スペースが狭い 道幅が狭いなど 小規模な土場が複数あり チッパー機が搬入できない場合や一つ一つの現場の残材量が少ない場合等にキャリアダンプやトラックで残材を一カ所の大きな土場に集めてチップ化する方法 広い集中土場に集める : : : : 道幅が広い 曲線半径が大きい ( チッパーを搬入しやすい ) 直接需要地へ 残材を一カ所の土場に集めてチップ化することで チッパーの稼働時間を長くすることが可能 各土場に十分な広さがある場合は チッパーが移動した方が効率的となる場合があるので注意 コスト及び生産性実証参考値は 前ページをご覧下さい ( 前ページの事例では 集中土場に集める経費が約 10 万円かかっています ) 30

工場チップ化システムの作業モデル 実証例と効率化のポイント 全幹集材方式 伐倒 枝払い ハーベスタ 全幹集材 トラクタ等 玉切り ハーベスタ伐倒と兼ね 巻立て 用材生産 積込み 端材 運搬 チップ生産 チッパー 土場に集まる端材を需要地近くに運搬してからチップ化 伐採量の少ない間伐では量が集まらない可能性があるので注意が必要 積み込み効率をいかに上げるかがポイント 端材の形状がパルプ材に近い ( 長めで方向が揃っている ) と積み込みしやすく効率的 コスト及び生産性実証参考値 バイオマス利用 積込み 運搬チップ化備考 コスト及び生産性 1,600 円 /t 積込み生産性 32.3t/h 工場にある固定式チッパーを用いることにより比較的低コストに生産可能 計算条件 片道 50km 11tチップ専用運搬車 2 台使用 カラマツ主伐 7.22ha チップかさ密度 0.26t/m3 コンテナを活用した残材の運搬 土場ごとに脱着式のコンテナを設置し 残材を随時投入する 満杯になった段階で工場に運搬しチップ化する方法 直運搬 そのまま積込み コンテナを土場に設置 コンテナ方式の特徴と効率化のポイント 重機の空き時間を使って残材をコンテナに投入できること トラック本体の待機時間がほとんどないことから集荷運搬効率のアップを期待 一方で脱着式コンテナ車は高価であり リースではかえってコスト高となることから 稼働率を上げるための事業量確保が課題 長材で搬出 里土場で採材し 端材をチップ化 運材車の長さに合わせ末木を切り落とし長材のまま運搬 現地で玉切りせず 工場もしくは工場に近い場所に設けた 里土場 で玉切りし そのまま残材を工場で使用する 広い里土場に集める リーチの長いを用いる 用材と一緒に ( 切り離されずに ) 残材を運べるため 残材利用の面から見ると非常に効率的 一方で 末木を山で落とすことから 採材時に長さが足りない もしくは余るという短所があり パルプ率は通常より高くなる傾向 確実に用材に利用できる部分は 用途に合わせて山土場で造材し 残りを長材で運搬するなどの工夫も必要 需要地で採材のち残材を工場内でチップ化 コスト及び生産性実証参考値 コスト及び生産性 積込み 運搬 ( 参考 ) チップ化備考 1,900 円 /m3 32m3/ ( 長材運搬 ) 7,000 円 /t 8.7t/h( 実測 ) 計算条件片道 17km 11t 運材車 3 台 2 往復移動式チッパー機 ( 出力 260kw) カラマツ間伐 8.7ha 31 チップかさ密度 0.3t/m3

林地残材集荷作業システムの選択のためのフロー 林地残材を効率的に集荷して利用するためには バイオマス利用者のニーズ及び森林の現況や伐採 集荷作業を担当する事業体の状況などを細かく把握し これまでに示した作業モデルを基本に各々の状況に適した林地残材の集荷システムを検討 選択する必要があります 林地残材集荷の事業化を計画する際の参考となるよう システムの検討 選択のためのフローを整理してみました 1 需要先の条件を確認する バイオマスの形態 ( チップ 原木 ) 品質 ( チップ形状 含水率 葉や土砂の混入など ) 納入条件 ( 量 時期 頻度など ) コストや作業体制等の面から 需要先の条件に応えられない場合もあるでしょう 供給側が可能なことと需要側が求めるものを明確にし お互いがどこまで歩み寄れるか協議を重ねて合意を図ります 2 森林の現況と施業方法を確認する 樹種 ( トドマツ カラマツ その他 ) カラマツは 集材中に枝が落ちやすいことから 枝の収集量は少なくなる傾向にあります 伐採方法 ( 主伐 間伐 ) 一般的に 間伐では ha あたりの伐採量が少なく 林地残材の集荷量も主伐に比べて少なくなります ( 林地残材集荷量 : 主伐 =40t~80t/ha 間伐 =1t~20t/ha) 3 伐採現場の作業条件を確認する 路網 ( 通行可能なトラックの大きさ チッパー機がどこまで搬入可能かなど ) 土場 ( 残材の堆積場所 チッピング作業の場所の確保など ) 作業システム ( 投入可能な機械の種類と台数 チッパー機の性能 ) 4 基本システムを決定する 樹種 伐採方法 集材方法 需要先の条件 ( 用途 ) 等を考慮し 集荷対象を決め それに応じて基本システムを選択します 基本システムの決定プロセスの一つの例示として 下表のようなパターンが考えられます 考慮すべき条件 ( 例 ) 樹種伐採方法集材方法需要先の条件 5 システムの詳細設計を検討する 基本システム 集荷対象 カラマツ間伐全幹原木工場チップ化端材 ( 追上げ材等 ) のみ その他主伐全木チップ現地チップ化端材 + 枝条 例えば カラマツ間伐 全幹集材 原木納入という条件であれば 枝条を集めるのは不効率ですから 土場で発生する端材のみを集荷対象とし 工場チップ化システムを基本とします 基本システムを決めたら システムの詳細設計を検討します 特に検討が必要な項目は次のとおりです 検討項目 林地残材収集量の見積もり 林地残材集積場所 作業日数 時間 積載 運搬方法 検討内容 林地残材収集量は 各現場で異なりますが 他の収集事例を参考にして おおよその検討をつけます 他の収集事例については 事業報告書本編を参照ください http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/rrm/torikumi/biomass_energy/e-rinchizanzai.htm 土場での残材の集積場所を決めます 現地でチップ化する場合には チッピング作業の場所も考える必要があります 残材の集荷量と作業効率から作業日数 時間の見当を付け 機材や作業員を確保します 現地チップ化システムの場合は それぞれのメリット デメリットを勘案し 直積み方法かヤード方式を選択します 工場チップ化システムの場合も メリット デメリットを勘案し コンテナ方式かダンプ運搬かを選択します 32

おわりに 本事業は この報告書をもって終了する 報告書冒頭などに記載したとおり 林地残材集荷システムのスタンダードを示すには至らなかったが 林地残材の本格的な活用を目指す一つのステップとしては 大きな成果が得られたものと考えている 第一に 用途に合わせた集荷方法を検討できたこと ほとんどの事例で実際にバイオマスとしての利用を伴ったため工場搬入までの調査ができたこと があげられる これまでの他の調査事例では 残材量がどれくらい集まるのかを主体に調査したものが多いと思われるが この事業では供給者側の事業の効率化を目指す内容でありながら ある程度需要に対応した集荷システムモデルを検討できたものと考えている 第二に 土そりによる残材運搬や脱着式コンテナ車による残材運搬などこれまでの報告事例には見られないユニークなシステムが試行できたこと があげられる これらは事業体からの創意工夫に基づく提案で実施できたことであるが 事業体に全てをまかせた事業ではなく 行政 試験研究機関による調査 コスト試算 課題等の検討を加えて これからの実践の際の参考となる実証 試算データの提供 システムの提案ができたものと考えている 一方で問題点としては 一つ一つが応募に基づいた独立した事例であり それぞれの用途に応じた集荷モデルを作成したため 事例間の厳密な比較が困難であったこと があげられる ある方法の生産性の検証については 同じ条件下で使用機械を変えてみるとか 運搬方法を変えてみるなどの試験が必要であるが 事業体の自発的な応募に基づいた補助事業の中で厳密な検証を行い さらに掘り下げた検討を行うには限界があった 今後 生産性の厳密な検証も必要であろうが 林地残材のバイオマス利用は既に一部で実践的に行われていることであり 調査 検証ではなく 事業化に向けた新たなステップに進む必要がある このため 道では 平成 22 年度から広域のモデル地区を設定し 本事業の成果も活用しながら 林地残材の安定供給体制の検討及び供給と利用の双方の関係者による合意形成を図り 木質バイオマスの大規模エネルギー利用の事業化を目指す取組を促進することとしている 最後になりましたが 本事業は 林地残材集荷システム検討会議の委員長及び委員の皆様 現地実証をしていただいた士別地区林業協同組合 千歳林業 ( 株 ) ( 株 ) イワクラ 津別町ほか関係事業体の皆様 北海道立林業試験場 ( 現北海道総合研究機構森林研究本部 ) 及び関係支庁林務課 ( 現総合振興局林務課 ) の皆様 その他関係者の皆様の多大な協力の下に実施したものです 特に林業試験場の酒井明香さんには現地調査及び分析 コスト試算に係る殆どの業務を行っていただきました お忙しい中 多大なご協力をいただいたことに対しまして 篤く御礼申し上げる次第です 33

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