石川県立中央病院整形外科 堀井健志高田宗知島貫景都菅沼省吾虎谷達洋引地俊文安竹秀俊
対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復
骨折型 :Pipkin 分類 Pipkin. JBJS 39-A. 1957 Type 1 Type 2 Type 3 1 例 6 例骨頭骨片に円靭帯付着あり 3 例なし 3 例
手術アプローチ Posterior 3 例 dislocation 3 例 (Trochanteric flip osteotomy) Direct anterior 1 例 骨頭骨折の内固定 : 吸収性材料 後壁骨折を骨接合した 5 例 :Spring plate 経過観察期間 : 平均 29.0 ヶ月 (8~53 ヶ月 )
評価方法 臨床評価 :JOA スコア 後壁骨折骨接合例の整復状態 : Matta の基準に準じて X 線と CT で評価 Matta. JBJS 78-A. 1996 Anatomical( 関節面転位 :0~1 mm ) Imperfect( 関節面転位 :2~3 mm ) Poor( 関節面転位 :>3 mm )
症例 1 2 3 4 5 6 7 年齢性 32 76 女 56 53 30 42 41 Pipkin 分類 合併損傷 手術アプローチ 手術時間 ( 分 ) 出血量 (ml) 術後合併症 最終 JOA スコア 最終 ADL なし Posterior 210 900 異所性骨化 95 走れる 坐骨神経麻痺 Posterior 175 700 異所性骨化 81 杖歩行 なし Posterior 235 560 軽度の OA 100 Type 2 左腓骨骨折 恥骨結合 左仙腸関節離開 なし なし 210 510 なし 100 Direct anterior 115 250 なし 100 210 390 なし 94 120 250 95 ( 営業 ) ( トラック運転手 ) ( 営業 ) ( プログラマー ) ( 建築 ) 平均 47.1 182.1 508.6 95.0
症例 1 2 3 4 5 6 7 年齢性 32 76 女 56 53 30 42 41 Pipkin 分類 合併損傷 手術アプローチ 手術時間 ( 分 ) 出血量 (ml) 術後合併症 最終 JOA スコア 最終 ADL なし Posterior 210 900 異所性骨化 95 走れる 坐骨神経麻痺 Posterior 175 700 異所性骨化 81 杖歩行 なし Posterior 235 560 軽度の OA 100 Type 2 左腓骨骨折 恥骨結合 左仙腸関節離開 なし なし 210 510 なし 100 Direct anterior 115 250 なし 100 210 390 なし 94 120 250 なし 95 ( 営業 ) ( トラック運転手 ) ( 営業 ) ( プログラマー ) ( 建築 ) 平均 47.1 182.1 508.6 95.0
症例 1 2 3 4 5 6 7 年齢性 32 76 女 56 53 30 42 41 Pipkin 分類 合併損傷 手術アプローチ 手術時間 ( 分 ) 出血量 (ml) 術後合併症 最終 JOA スコア 最終 ADL なし Posterior 210 900 異所性骨化 95 走れる 坐骨神経麻痺 Posterior 175 700 異所性骨化 81 杖歩行 なし Posterior 235 560 軽度の OA 100 Type 2 左腓骨骨折 恥骨結合 左仙腸関節離開 なし なし 210 510 なし 100 Direct anterior 115 250 なし 100 210 390 なし 94 120 250 なし 95 ( 営業 ) ( トラック運転手 ) ( 営業 ) ( プログラマー ) ( 建築 ) 平均 47.1 182.1 508.6 95.0 後壁骨折骨接合 5 例の整復 : 全例 Anatomical
症例 1 2 3 4 5 6 7 年齢性 32 76 女 56 53 30 42 41 Pipkin 分類 合併損傷 手術アプローチ 手術時間 ( 分 ) 出血量 (ml) 術後合併症 最終 JOA スコア 最終 ADL なし Posterior 210 900 異所性骨化 95 走れる 坐骨神経麻痺 Posterior 175 700 異所性骨化 81 杖歩行 なし Posterior 235 560 軽度の OA 100 Type 2 左腓骨骨折 恥骨結合 左仙腸関節離開 なし なし 210 510 なし 100 Direct anterior 115 250 なし 100 210 390 なし 94 120 250 骨頭壊死 ( 疑い ) 95 ( 営業 ) ( トラック運転手 ) ( 営業 ) ( プログラマー ) ( 建築 ) 平均 47.1 182.1 508.6 95.0
症例 1 2 3 4 5 6 7 年齢性 32 76 女 56 53 30 42 41 Pipkin 分類 合併損傷 手術アプローチ 手術時間 ( 分 ) 出血量 (ml) 術後合併症 最終 JOA スコア 最終 ADL なし Posterior 210 900 異所性骨化 95 走れる 坐骨神経麻痺 Posterior 175 700 異所性骨化 81 杖歩行 なし Posterior 235 560 軽度の OA 100 Type 2 左腓骨骨折 恥骨結合 左仙腸関節離開 なし なし 210 510 なし 100 Direct anterior 115 250 なし 100 210 390 なし 94 120 250 骨頭壊死 ( 疑い ) 95 ( 営業 ) ( トラック運転手 ) ( 営業 ) ( プログラマー ) ( 建築 ) 平均 47.1 182.1 508.6 95.0
症例 1 2 3 4 5 6 7 年齢性 32 76 女 56 53 30 42 41 Pipkin 分類 合併損傷 手術アプローチ 手術時間 ( 分 ) 出血量 (ml) 術後合併症 最終 JOA スコア 最終 ADL なし Posterior 210 900 異所性骨化 95 走れる 坐骨神経麻痺 Posterior 175 700 異所性骨化 81 杖歩行 なし Posterior 235 560 軽度の OA 100 Type 2 左腓骨骨折 恥骨結合 左仙腸関節離開 なし なし 210 510 なし 100 Direct anterior 115 250 なし 100 210 390 なし 94 120 250 骨頭壊死 ( 疑い ) 95 ( 営業 ) ( トラック運転手 ) ( 営業 ) ( プログラマー ) ( 建築 ) 平均 47.1 182.1 508.6 95.0
症例 1 2 3 4 5 6 7 年齢性 32 76 女 56 53 30 42 41 Pipkin 分類 合併損傷 手術アプローチ 手術時間 ( 分 ) 出血量 (ml) 術後合併症 最終 JOA スコア 最終 ADL なし Posterior 210 900 異所性骨化 95 走れる 坐骨神経麻痺 Posterior 175 700 異所性骨化 81 杖歩行 なし Posterior 235 560 軽度の OA 100 Type 2 左腓骨骨折 恥骨結合 左仙腸関節離開 なし なし 210 510 なし 100 Direct anterior 115 250 なし 100 210 390 なし 94 120 250 骨頭壊死 ( 疑い ) 95 ( 営業 ) ( トラック運転手 ) ( 営業 ) ( プログラマー ) ( 建築 ) 平均 47.1 182.1 508.6 95.0
走行中 不自然な格好で転倒して受傷受傷時徒手整復後 後壁骨片後壁骨片 骨頭骨片 骨頭骨片
右大腿骨頭骨折 (Pipkin) 右寛骨臼後壁骨折
術中 : アプローチ :Posterior 十分な強内旋位がとれず スクリュー刺入困難 術後 3D-CT
術中 : アプローチ :Posterior 十分な強内旋位がとれず スクリュー刺入 術後 3D-CT
術中 : アプローチ :Posterior 十分な強内旋位がとれず 吸収性スクリュー 3 本 術後 3D-CT
術直後 6 週部分荷重 10 週全荷重
術後 2 週
術直後 術後 8 ヶ月 術後 48 ヶ月
JOA スコア :100 点 術後 48 ヶ月
高速道路運転中 停止車両に追突して受傷 受傷時 徒手整復後 後壁骨片 後壁骨片 骨頭骨片 骨頭骨片
右大腿骨頭骨折 (Pipkin) 右寛骨臼後壁骨折
術中 : アプローチ : dislocation (Trochanteric flip osteotomy) 整復 仮固定
術直後 7 週部分荷重 10 週全荷重
術後 2 週
JOA スコア :100 点 術後 30 ヶ月
考察 骨頭骨片の円靭帯付着の有無 骨片の大小 骨片の整復状態 明確な基準はない 保存的 骨片摘出 骨接合 Pipkin Type1 であっても骨接合を行うべき であり その方が成績良好 Park et al. J Orthop Sci 20. 2015
考察 骨片摘出に伴う関節不安定性が生じる 関節包内骨折は骨癒合が得られにくい 関節内骨折の治療原則は内固定術 骨片にわずかでも転位があり 骨接合可能な大きさであれば 内固定術の適応 固定不可能な小さい骨片は摘出 ある程度の骨軟骨欠損は残存 手術成績は良好
整復固定を必要とする後壁骨折を伴う場合 Posterior を選択 下肢を強内旋させて骨頭骨折の骨接合 考察 川崎ら. Hip Joint 25. 1999 門ら. 骨折 17. 1995 山田ら. 骨折 17. 1995 骨頭骨片は前方 骨接合が困難 下肢強内旋位でのスクリュー固定
整復固定を必要とする後壁骨折を伴う場合 Posterior を選択 dislocation で骨頭骨折の骨接合 (Trochanteric flip osteotomy) 考察 中村ら. 骨折 38. 2016 織田ら. 骨折 36. 2014 Tannast et al. JBJS 92-B. 2010 Solberg et al. CORS 467. 2009 骨頭全体を展開できる 最近は主にこの方法を選択
整復固定を必要とする後壁骨折が無い場合 Direct anterior などの前方系アプローチ 考察 術前 術後 後壁骨折なし 適切な手術アプローチの選択が重要
大腿骨頭骨折に対する手術療法の成績は良好 dislocationは有用な方法 骨接合可能な大きさであれば 内固定術の適応