規制改革会議公開ディスカッション 資料2-1

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マンション建替え等円滑化フロー図 管理組合等からの相談 改修 建替耐震診断敷地売却マンション管理 相談先 沖縄県建築設計サポートセンター 耐震支援ポータルサイト 特定行政庁 相談先 ( 公財 ) マンション管理センター ( 管理全般 ) NPO 法人沖縄県マンション管理組合連合会 ( 一社 ) 沖縄

の割合を言う ) 2013 年 ( 平成 25 年 ) には 政令に指定された災害で 大規模な全部又は一部滅失が生じた区分所有建物についても 区分所有者 議決権及び敷地共有者の 4/5 以上の多数で敷地売却決議が 敷地利用者等の 4/5 以上の多数の賛成により 1 建物取壊決議 ( 現存する建物を取

215 参考資料

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

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一団地認定の職権取消し手続きの明確化について < 参考 > 建築基準法第 86 条 ( 一団地認定 ) の実績件数 2,200 ( 件 ) 年度別 ( 住宅系のみ ) S29 年度 ~H26 年度 実績件数合計 16,250 件 用途 合計 ( 件 ) 全体 17,764 住宅系用途 16,250

平成13年度分譲マンションアンケート調査(簡易集計結果)

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

(1980 年代以降でも解消の必要性が強いマンション例 ) 階段室タイプのエレベーターがないマンション ( 近年のマンションは 3F 以上でエレベーターあり ) 空室増加または共益費の滞納等に起因して 管理が適正に行われていないリゾートマンション 完成後の高さ規制や容積率の変更に伴う既存不適格マンシ

耐震性の不足するマンションの解消に向けて

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マンション建替え時における コンテキスト効果について

Microsoft Word - 第58号 二世帯住宅の敷地にかかる小規模宅地等の特例

地域住宅計画 計画の名称千葉市地域 (3 期 ) 都道府県名千葉県作成主体名計画期間平成 27 年度 ~ 31 年度 千葉市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 千葉市は千葉県のほぼ中央部に位置し 人口は約 96 万人 世帯数は約 42 万世帯の地域で地域面積は k m2である 本市では

全棟一括建替えの計画 実施段階は 次の手順で進めていきます 3-1 計画立案に向けた準備 この段階からは 団地の全棟一括建替えの実現を目的とした組織 そのための専門家の協力が必要になります そのための準備を行います 1. 計画組織 ( 建替え計画委員会等 ) の設立 2. 計画 実施段階におけるコン

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日本における不動産取引に関連する法律 日本の民法では 契約関係にある当事者同士が対等 公平であることが原則とされている 一方 土地や建物などの不動産を売買するときや賃貸借するときは 事業者と消費者との間に交渉力や情報量などに差が生じる こうしたことがトラブルにつながることを防ぐために 不動産取引の様

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建替え初動期の組織作りと活動 ~どこから始める?何から始める?誰から始める?

- 2 - 引き起こす可能性がある このような状況の中で 我が国における国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するためには 管理組合によるマンションの適正な管理が行われることが重要である この指針は このような認識の下に 管理組合によるマンションの管理の適正化を推進するため 必要な事項を定め

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病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

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マンション建替えの現状 昭和 5 6 年 6 月を境にして, 建築基準法の改正により耐震構造基準が変更され, 耐震基準が厳しくなりました したがって, 以後に建築確認 1 を受けたマンションは, 一応, 耐震上の大きな問題はないと言えますが, 旧耐震基準のマンションでは, 耐震性の不足が問題となりま

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

要望理由 (1) 政策目的 既存住宅の流通の円滑化を通じ 既存住宅流通 リフォーム市場の拡大 活性化を図る また 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備するとともに 既存住宅の耐震化を促進し 住宅ストックの品質 性能を高め 国民の住生活の向上を目指す (2) 施策の必要性 国民がライフステ

別紙 40 東京都市計画高度地区の変更 都市計画高度地区を次のように変更する 面積欄の ( ) 内は変更前を示す 種類面積建築物の高さの最高限度又は最低限度備考 第 1 種 約 ha 建築物の各部分の高さ ( 地盤面からの高さによる 以下同じ ) は 当該部分から前面道路の反対側の境界線 高度地区

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の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

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10. マンション等 への充電設備設置事業の説明と提出書類 マンション等への充電設備設置事業 の特有の申請要件 以下の当該事業に特有の要件を全て満たすことが必要です 分譲 賃貸の共通 (1) 充電設備の受電元は マンション等の共用部の配電盤 分電盤等であること (2) 充電設備の利

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2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

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することが適当であることから 本通達では 特定施設の敷地の用に供される土地等には 土地又は土地の上に存する権利を取得した時において 現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものが該当することを明らかにしている なお 取得の時において特定施設

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- 1 - 参照条文建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令案建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令(平成七年政令第四百二十九号)(抄) (通行障害建築物の要件)第四条法第五条第三項第二号の政令で定める建築物は そのいずれかの部分の高さが 当該部分から前面道路の境界線までの水平

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

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項への対応が重要となる 4) 関係権利者との調整事業実現に不可欠な区分所有者以外の関係権利者との合意状況をいかにつくり上げるかが検討内容となる 建替え決議の効果は区分所有者以外には及ばないことから 建替えを円滑に実施するためには 区分所有者以外の関係権利者との利害関係の調整が重要となる (2) 各段

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

改正法律一覧 (15 法律 ) 2 法律重複 A 地方公共団体への事務 権限の移譲 (3 法律 ) 毒物及び劇物取締法 1 毒物又は劇物の原体の事業者の登録等に係る事務 権限を国から都道府県へ移譲 就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律 子ども 子育て支援法 2 幼保連携

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要望理由 (1) 政策目的我が国の住宅ストックのうち 高齢者が安心し自立して暮らせるバリアフリー化された住宅は極めて限られている状況を踏まえ サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進することにより 高齢者に適した住まいの確保を図る (2) 施策の必要性本特例措置により 1 高度のバリアフリー化 2 安

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相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

厚生年金基金に関する要望.PDF

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目次 ( )

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

< 現行 > 対象者医療区分 Ⅰ(Ⅱ Ⅲ 以外の者 ) 1 * 医療の必要性の低い者医療区分 Ⅱ Ⅲ 1 2 * 医療の必要性の高い者 ( 指定難病患者を除く ) 3 指定難病患者 2 生活療養標準負担額のうちにかかる部分 1 日につき32 1 日につき 1 日につき < 見直し後 > 対象者医療区

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

横浜市のマンション 耐震化補助制度について

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

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2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

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平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

大阪市再開発地区計画にかかる

4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

はじめに 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域は 都市再生特別措置法 ( 平成 14 年 4 月 5 日公布 平成 14 年 6 月 1 日施行 以下 法 という ) に基づき 国が政令で指定するものです 1 都市再生緊急整備地域 趣旨 都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため

504 特定事業等に係る外国人の入国 在留諸申請優先処理事業 1. 特例を設ける趣旨外国人研究者等海外からの頭脳流入の拡大により経済活性化を図る地域において 当該地域における特定事業等に係る外国人の受入れにあたり 当該外国人の入国 在留諸申請を優先的に処理する措置を講じることにより 当該地域における

耐震等級 ( 構造躯体の倒壊等防止 ) について 改正の方向性を検討する 現在の評価方法基準では 1 仕様規定 2 構造計算 3 耐震診断のいずれの基準にも適合することを要件としていること また現況や図書による仕様確認が難しいことから 評価が難しい場合が多い なお 評価方法基準には上記のほか 耐震等

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講演の内容 1. マンションをめぐる状況 2. 豊島区マンション管理推進条例について 3. これからの課題 - 国の法整備 -

表1-表4-2

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

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設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

措置法第 69 条の 4(( 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 )) 関係 ( 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等の範囲 ) 69 の 4-7 措置法第 69 条の 4 第 1 項に規定する被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 ( 以下 69 の 4-8 までにおいて 居

また 関係省庁等においては 今般の措置も踏まえ 本スキームを前提とした以下のような制度を構築する予定である - 政府系金融機関による 災害対応型劣後ローン の供給 ( 三次補正 ) 政府系金融機関が 旧債務の負担等により新規融資を受けることが困難な被災中小企業に対して 資本性借入金 の条件に合致した

宅建試験に出る 区分法の規約 集会 レジュメ 目次 第 1 講区分所有法 ( 全体編 ) 1 第 2 講区分所有法 ( 各論編 ~ 規約と集会 ) 17

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平成 29 年度 過去 20 年 24 年 熊本市分譲マンション実態調査報告書 平成 29 年 11 月熊本市建築政策課 2

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

規制 制度改革に関する閣議決定事項に係るフォローアップ調査の結果 ( 抜粋 ) 規制 制度改革に係る追加方針 ( 抜粋 ) 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 番号 規制 制度改革に係る追加方針 ( 平成 23 年 7 月 22 日閣議決定 ) における決定内容 規制 制度改革事項 規制 制度

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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老朽化マンションの建替え等の促進現状 : 老朽化マンションの建替えは進んでいない 1 全国のマンション戸数 2 旧耐震基準に基づくマンション戸数 3マンション建替え事業実施件数 内閣府規制改革推進室資料 2-1 約 5,900,000 戸約 1,060,000 戸 183 件 1 は平成 24 年末現在 3 は平成 25 年 4 月時点 < 老朽化 > 耐震性への不安 既存不適格 等 建替え検討 建替え等を希望 多数の賛成者がいるのに 老朽化したマンションの建替えができない ( 建替え決議要件の緩和 ) 耐震性に不安 安全性や公共性の観点から建替えてほしい 建替え以外の選択肢のひとつとして 多数決による区分所有関係の解消制度を設けてはどうか 住み続けたい 少数者の権利保護も十分に配慮すべきだ ( 財産権の保護 ) 建替えなくても修繕や改修で老朽化に対応できる 建替えに係る資金面に不安がある ( 引っ越し費用 仮住居の賃貸料等を含む ) < 建替えの合意形成が難航 > 建替え決議要件の厳しさ 資金面の問題等 1

公開ディスカッション 老朽化マンションの建替え等の促進 内閣府規制改革推進室 老朽化マンションの建替え等を促進するため現行の制度を原則維持建替え決議要件などを緩和 < 議論の目的 > 〇老朽化マンションの建替え等を巡り住人の間で意見が対立することも多い 建替え等が必要な老朽化マンションが増加している中で 権利上 費用負担の課題が指摘されていることを踏まえ マンションの老朽化問題に対処するための方策について幅広く議論する < 現状 > 〇全国のマンションストック戸数は約 590 万戸といわれており ( 平成 24 年末現在 ) これらのうち築 32 年以上のマンション ( 昭和 56 年の改正建築基準法施行による新耐震設計に対応していないマンション ) は 106 万戸と推定される その一方で マンションの建替え事業の実施件数は 183 件程度にとどまる ( 平成 25 年 4 月時点 ) マンションの建替えには 区分所有者及び議決権の各 5 分の 4 以上の集会の決議が必要とされ 団地内の区分所有建物を一括建替えする場合には さらに区分所有建物ごとに区分所有者及び議決権の各 3 分の 2 以上の賛成が必要 < 建替えの決議要件 > 〇現行の決議要件が厳しいため 多数の建替え賛成者の意向が満たせなかったり 決議までに何年も要したりする場合がある 区分所有建物の建替えを行う場合 区分所有者及び議決権の各 3 分の2 以上の集会の決議があれば足りるとするなど 建替え決議要件の緩和が必要 < 建替えの決議要件 > 〇少数者の権利保護にも十分配慮すべきである 多数決により所有権の処分を強要することは 財産権の保護の観点から原則として認められない 建替えの公共性が明確である場合に限り例外的に認められる < 団地の一括建替え決議要件 > 〇少数住戸の棟での反対により 団地全体の建替えが止まってしまうことがある 〇団地全体での賛成が要件を満たせば これとは別に建物別の賛成を加重する必要はないのではないか < 団地の一括建替え決議要件 > 〇異なる建物の区分所有者間ではそれぞれ他の建物について何らの権利も持っていないことが原則であり 財産権の保障の観点から要件の緩和は適当ではない 〇棟別の建替え決議により対処することが原則であり 一括建替えは団地の一体性が強いことが明確な場合に認められる 2

公開ディスカッション 老朽化マンションの建替え等の促進 老朽化マンションの建替え等を促進するため現行の制度を原則維持建替え決議要件などを緩和 < 区分所有関係の解消制度 > < 区分所有関係の解消制度 > 〇被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法改正により 被災マ〇どのような客観的要件のもとに多数決による解消制度を認めるかンションについては5 分の4の賛成による建物敷地売却が可能とどうかは 十分な議論が必要 なったが 老朽化マンションについても多数決による区分所有関係の解消制度を設ける < 容積率の緩和 > 〇容積率に余裕のないマンションや 既存不適格であり減床しなければならないマンションの建替えを行う上で 容積率制限が障害となっている マンション建替えが実現した例の大多数は増床している 費用負担の問題を軽減するためにも 容積率の緩和が必要 〇耐震性が不足している等 一定の要件を満たすマンション建替え事業については容積率の緩和を図るべきではないか < 容積率の緩和 > 〇容積率制限は建築物と道路などの公共施設の許容量とのバランスを確保することを目的としている 〇建替えをもって容積率制限に特例措置を設けることは 隣接した敷地の建物との社会的平等性を欠く 3

区分所有法とは 建物の区分所有等に関する法律 ( 区分所有法 ) の概要 一棟の建物を区分してその各部分 ( 専有部分 ) を所有権の目的とした場合について 建物及びその敷地の共同管理などのルールを定めた法律 ( 昭和 37 年制定 ) 区分所有建物の管理 物理的に一体の建物に複数の区分所有者が存在 専有部分のほかにも 共用部分の管理が不可欠 区分所有者相互の権利を調整するため多数決制度を導入 建替え決議制度の概要 建替えとは 建物を取り壊して その敷地の上に新たな建物を建築すること ( 区分所有者は 新たな建物に区分所有権を取得 ) 本来であれば全員の同意が必要 反対者の意思に反してでも建替えを実行することの正当性を担保 決議成立後の円滑な建替え事業の実施 専有部分 共用部分 階段 廊下エレベーターなど 単独で使用 全員で管理 相当厳格な多数決要件が必要 1 区分所有者の頭数 2 議決権 ( 専有部分の床面積割合 ) 各 5 分の4 以上の多数

区分所有法における建替え決議要件について 多数決要件の在り方を検討するに当たっての視点 1 多数決要件は民 民の権利調整の問題 単純な要件の引下げは 反対者の権利の一方的な制限にもなりかねない 様々な立場の者の利害に配慮する必要 2 多数決要件以外の問題の重要性 建替えの費用負担が困難高齢等のため建替えを望まない etc. これらの課題の対処こそが重要 3 建替え事業の円滑な実行を確保 反対者が増えれば増えるほど 建替え実行のコストが増大 多くの例では 5 分の 4 よりも相当高い賛成率 有効な老朽化マンション対策のためには 住宅政策等の視点も含めた総合的な取組みについての検討が必要

新たな老朽化マンションの再生促進策について ( 平成 25 年 10 月 24 日規制改革会議国土交通省作成資料 ) 背景 現状 現在のマンションストック総数は約 590 万戸 (H24 年末時点 ) そのうち 旧耐震基準に基づき建設されたものは 現在約 106 万戸 マンション建替えの実績は累計で 183 件 約 14,000 戸 (H25 年 4 月時点 ) 生命 身体の保護の観点から 構造耐力が不足 ( 耐震性等 ) している老朽化マンションの再生が喫緊の課題 老朽化マンション再生に必要な措置 建築規制の特例 権利調整ルールの特例 容積率等 決議要件等 支援措置の整備 予算 税制等による支援 相談体制の整備 技術的な相談 紛争処理 新たな老朽化マンションの再生促進策について 一般のマンション ( 万戸 ) ( 万戸 ) 40 全国のマンションストック戸数 700 新規供給戸数 35 30 25 20 15 10 5 0 新規供給戸数 ストック戸数 旧耐震基準ストック ( 昭和 56 年以前 ) 約 106 万戸H24 年43 年44 年S45 年S46 年S47 年S48 年S49 年S50 年S51 年S52 年S53 年S54 年S55 年S56 年S57 年S58 年S59 年S60 年S61 年S62 年S63 年S年S規制改革の内容 規制改革実施計画 ( 平成 25 年 6 月 14 日閣議決定 )( 抄 ) 老朽化マンションについて 建替えを含めた再生事業が円滑に進むよう 区分所有建物に係る権利調整の在り方や建築規制等の在り方 専門家による相談体制等を含め 多角的な観点から総合的な検討を行い 結論を得る < 平成 25 年度検討 結論 > 構造耐力不足のマンション H25 改正で措置 H元H2 年H3 年H4 年H5 年H6 年H7 年H8 年H9 年H10 年H11 年H12 年H13 年H14 年H15 年H16 年H17 年H18 年H19 年H20 年H21 年H22 年H23 年600 500 400 300 200 100 0 ストック戸数 改修 建替え 取り壊して住替え 区分所有法による改修 3/4 の賛成 区分所有法による建替え ( 個別売却 ) 4/5 の賛成 マンション建替法による建替え ( 権利変換 ) 4/5 の賛成 全員同意が必要 耐震改修促進法による改修 過半数の賛成 容積率等の緩和特例 今回見直し案新制度による建物敷地売却 多数の賛成により売却決議 組合を設立して建物 敷地を売却 デベロッパーが新たなマンション等を建設 危険居住を解消 区分所有者は 1 建替マンションへの再入居 2 他の住宅への住替えを選択 従来の建替えより権利調整が容易 被災マンションについては 4/5 の賛成による建物敷地売却が可能 (H25 被災マンション法改正で措置 ) 老朽化マンションの建替えについて 容積率規制の緩和を検討 6

建替え制度 現行 : マンション建替え法と区分所有法 ( 平成 25 年 10 月 24 日規制改革会議国土交通省作成資料 ) マンション建替法の建替え 区分所有法の建替え 下記の建替え方式以外に 全員同意による建替事業もある 建替え決議 ( 区分所有法 62 条 ) 区分所有者及び議決権の各 4/5 以上の多数で決議 再建建物の設計 費用の概算額 費用の分担 再建建物の区分所有権の帰属を決議 マンション建替組合の設立認可 ( マン建法 9 条 ) 決議合意者の 3/4 以上の同意で認可申請 デベロッパーも組合に参加 ( 参加組合員 ) 反対区分所有者への売渡し請求 ( マン建法 15 条 ) 反対者から 組合が時価で買取り 反対区分所有者への売渡し請求 ( 区分所有法 63 条 ) 反対者から 賛成区分所有者が時価で買取り 権利変換 ( マン建法 55 条 ~) 権利変換計画の決定 認可 権利変換期日において 施行マンションの区分所有権は原則として施行再建マンションに移行 建替事業 ( 都道府県知事等の監督 ( マン建法 97 条 ~)) 以下 建替え実施の具体的一例 区分所有権の売却 個々の区分所有権を通常の売買契約で事業者 ( デベロッパー ) に売却 事業者が建替えを実施後 改めて従前区分所有者が新築のマンションの区分所有権を取得 ( 従前区分所有権と等価でない場合 区分所有者による費用負担あり ) 建替事業 7