し, これを評点 1 点当たりの価額に乗じて, 各筆の宅地の価額を求めるものとしている 市街地宅地評価法は,1 状況が相当に相違する地域ごとに, その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定し,2 標準宅地について, 売買実例価額から評定する適正な時価を求め, これに基づいて上記主要な街路の

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達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

11総法不審第120号

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

11総法不審第120号

目 次 1 固定資産税と固定資産税評価 1 1 固定資産税とは 1 2 固定資産税の課税のしくみ 2 (1) 固定資産税を納める人 ( 納税義務者 ) 2 (2) 税額の計算 2 2 固定資産税評価のあらまし 1 固定資産税評価の意義 2 固定資産税評価によって求める価格とは 3 固定資産の価格を求

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11総法不審第120号

平成 27 年 8 月 5 日判決言渡 平成 25 年 ( 行ウ ) 第 239 号固定資産評価審査棄却決定取消請求事件 主 文 1 原告の請求を棄却する 2 訴訟費用は原告の負担とする 事実及び理由 第 1 請求吹田市固定資産評価審査委員会が平成 25 年 5 月 15 日付けで原告に対してした別

11総法不審第120号

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処分済み

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

(2) B 社に係る破産事件等東京地方裁判所は, 平成 21 年 2 月 24 日,B 社を再生債務者として, 再生手続開始の決定をした しかし, 東京地方裁判所は, 同年 3 月 24 日,B 社の事業継続を不可能とする事実が明らかになったとして, 再生手続廃止の決定をするとともに, 再生手続廃止

1 天神 5 丁目本件土地及び状況類似地域 天神 5 丁目 本件土地 1 状況類似地域 標準宅地

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

平成 30 年 ( 受 ) 第 269 号損害賠償請求事件 平成 31 年 3 月 12 日第三小法廷判決 主 文 原判決中, 上告人敗訴部分を破棄する 前項の部分につき, 被上告人らの控訴を棄却する 控訴費用及び上告費用は被上告人らの負担とする 理 由 上告代理人成田茂ほかの上告受理申立て理由第

11総法不審第120号

11総法不審第120号

従業員 Aは, 平成 21 年から平成 22 年にかけて, 発注会社の課長の職にあり, 上記事業場内にある発注会社の事務所等で就労していた (2) 上告人は, 自社とその子会社である発注会社及び勤務先会社等とでグループ会社 ( 以下 本件グループ会社 という ) を構成する株式会社であり, 法令等の

併等の前後を通じて 上告人ら という 同様に, 上告人 X1 銀行についても, 合併等の前後を通じて 上告人 X1 銀行 という ) との間で, 上告人らを債券の管理会社として, また, 本件第 5 回債券から本件第 7 回債券までにつき上告人 X1 銀行との間で, 同上告人を債券の管理会社として,

する 理 由 第 1 事案の概要 1 本件は, 平成 21 年 ( 受 ) 第 602 号被上告人 同第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X1 という ) 及び平成 21 年 ( 受 ) 第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X 2 といい,1 審原告 X 1と1 審原告 X 2を併せ

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

べき標準的な事例における処分の標準例を定めたところ, 公務外非行関係の事由である 痴漢 わいせつ行為 による処分の標準例は, 免職又は停職とされている そして, 本件指針においては, 具体的な処分の量定を決定するに当たり,1 非違行為の動機, 態様及び結果,2 故意又は過失の度合い,3 職員の職務上

平成  年(オ)第  号

固定資産評価審査申出とは

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

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処分済み

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

本件合併時にA 信用組合に在職する職員に係る労働契約上の地位は, 被上告人が承継すること,3 上記の職員に係る退職金は, 本件合併の際には支給せず, 合併後に退職する際に, 合併の前後の勤続年数を通算して被上告人の退職給与規程により支給することなどが合意された また, 本件合併の準備を進めるため,

(4) 抗告人は, 平成 28 年 8 月 26 日, 本件仮登記の抹消登記を経由した (5) 抗告人は, 平成 28 年 9 月 7 日, 東京地方裁判所に対し, 本件再生手続に係る再生手続開始の申立てをし, 同月 20 日, 再生手続開始の決定を受けた 上記申立てに当たり抗告人が提出した債権者一

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

平成  年(あ)第  号

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

11総法不審第120号

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

1. 固定資産税 都市計画税について 固定資産税は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 といいます ) 現在に土地 家屋 償却資産 ( こ れらを総称して 固定資産 といいます ) を所有している人が その固定資産の所在する 市町村に納める税金です 都市計画税は 下水道 街路 公園などの都市計画事業

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

れぞれ求める住民訴訟である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 市は, 鳴門市公営企業の設置等に関する条例 ( 平成 16 年鳴門市条例第 3 8 号 ) により, モーターボート競走法に基づくモーターボート競走の開催及びこれに附帯する業務を行うため, 競艇事業を設置し

平成18年1月13日 最高裁判所は,貸金業者の過払い金の受領は違法と知りつつなされたことを推定するとした判例です

かった その後, 市は, 同年 11 月 14 日, 本件土地につき, 予定価格を非公表とし, 再度一般競争入札に付したが, 申込みをした者はいなかった (3) ア大願寺地区には, 平成 25 年 4 月までに小中学校を移転することとされていたところ, 市議会においては, 防犯や児童生徒の安全のため

裁判所は, 同年 9 月, 被上告人に対し, 米国に被拘束者を返還することを命ずる旨の終局決定 ( 以下 本件返還決定 という ) をし, 本件返還決定は, その後確定した (4) 上告人は, 本件返還決定に基づき, 東京家庭裁判所に子の返還の代替執行の申立て ( 実施法 137 条 ) をし, 子

宅地 雑種地 田に土盛りをして畑とした土地牧草栽培地 農業用施設の内部で用水を利用しないで耕作する土地 家屋建築用地として造成され 道路 上下水道 公共施設等を備えている土地建物に付随する広場 庭園 通路等に過ぎないと認められる土地 工場又は営業場に接続する物干場又はさらし場用地 家屋の敷地内にある

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11総法不審第120号

11総法不審第120号

(イ係)

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

審決取消判決の拘束力

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である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

審 査 請 求 事 務 取 扱 要 領

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

とは適正な時価をいう旨, 6 号で 基準年度 とは昭和 3 1 年度及び昭和 3 3 年度並びに昭和 3 3 年度から起算して 3 年度又は 3 の倍数の年度を経過したごとの年度をいう旨, 7 号で 第二年度 とは基準年度の翌年度をいう旨, 8 号で 第三年度 とは第二年度の翌年度 ( 中略 ) を

た本件諸手当との差額の支払を求め ( 以下, この請求を 本件差額賃金請求 という ),2 予備的に, 不法行為に基づき, 上記差額に相当する額の損害賠償を求める ( 以下, この請求を 本件損害賠償請求 という ) などの請求をする事案である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりであ

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

む ), 倉庫その他の建物をいう ( 同条 3 号 ) 固定資産課税台帳 とは, 土地課税台帳, 土地補充課税台帳, 家屋課税台帳, 家屋補充課税台帳及び償却資産課税台帳を総称するものである ( 同条 9 号 ) 家屋課税台帳 とは, 登記簿に登記されている家屋 ( 建物の区分所有等に関する法律 (

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

(3) 坂戸市の担当者は, 平成 21 年 12 月 18 日, 現地調査により本件家屋の完成を確認した ( 乙 9) (4) 平成 22 年 1 月 1 日の時点においては, 本件家屋の登記記録及び家屋補充課税台帳は, いずれも作成されていなかった ( 争いのない事実 ) (5) 本件家屋について

第 6 回令和元年度固定資産評価実務者勉強会 第 3 部 税理士による最近の各種課税評価に関するお話 講師 : 税理士 不動産鑑定士 赤川明彦 ( 株式会社土地評価センター取締役 ) copyright 2019 KOTOBUKI PROPERTY ASSESSMENT all rights res

歩道状空地は宅地か私道か 東京地裁平成 27 年 7 月 16 日判決 TAINS Z 東京高裁平成 28 年 1 月 13 日判決 TAINS Z 最高裁平成 29 年 2 月 28 日判決 TAINS Z はじめに本件は 相続人が 相続財産で

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

<4D F736F F D2094DB944690BF8B818C8892E BC96BC8F88979D8DCF82DD816A2E646F63>

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

11総法不審第120号

市税のしおり2016表紙再3

平成  年(行ツ)第  号

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は, 亡 AとBとの間の子である 原告は, 所得税法 16 条 2 項の規定により, その営む事業に係る事業場の所在地である渋谷区を納税地としている イ亡 Aは, 平成 年 月 日に死亡し, 原告は, 渋谷区 α 番地 1ほか所在の区分所有建物及

 

す ) 5 地区 地域内の各筆の評価 ( 一画地の宅地ごとに評価額を算出します < 土地に対する課税 > (1) 評価のしくみ固定資産評価基準によって 地目別に定められた評価方法により評価します 平成 6 年度の評価替えから 宅地の評価は 地価公示価格の 7 割を目途に均衡化 適正化が図られています

Taro-婚姻によらないで懐妊した児

3-3 新旧対照表(条例の審査基準).rtf

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第 1 基本的事項 1 業務内容についての順守事項本業務を行う不動産鑑定士又は不動産鑑定士補 ( 以下 不動産鑑定士等 という ) は 本業務が単に個別地点について行う鑑定評価と異なり 同一価格時点で大量に行う鑑定評価であり 特に面的な価格の均衡が求められる固定資産税評価のための基礎資料を作成するも

2(1) 所得税法 34 条 2 項は, 一時所得の金額は, その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額 ( その収入を生じた行為をするため, 又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る ) の合計額を控除し, その残額から所定の特別控除額を控除した金額とす

7 固定資産税に関する事務 基礎項目評価書

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

目次 1. 敷地と道路等との関係について ( 接道 ) P1 2. 法第 42 条第 1 項第 1 号道路について P1~2 3. 法第 42 条第 1 項第 4 号道路 ( 事業計画のある道路 ) について P2 4. 法第 42 条第 1 項第 5 号道路 ( 位置指定道路 ) について P2

では理解できず 顕微鏡を使用しても目でみることが原理的に不可能な原子 分子又はそれらの配列 集合状態に関する概念 情報を使用しなければ理解することができないので 化学式やその化学物質固有の化学的特性を使用して 何とか当業者が理解できたつもりになれるように文章表現するしかありません しかし 発明者が世

旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

はじめに 1 第 1 章土砂災害警戒区域の概要と現状分析 1 近年の土砂災害状況 2 2 土砂災害警戒区域 土砂災害特別警戒区域について 4 3 大阪府内の指定状況等について 6 4 土砂災害警戒区域等指定に伴う不動産価格への影響 8 第 2 章固定資産税評価について 1 固定資産税の概要 10 ⑴

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

9( 以下, 併せて 上告人 X1ら という ) は, 平成 19 年 9 月 30 日まで, 旧公社の非常勤職員であったが, 同年 10 月 1 日, 被上告人との間で有期労働契約を締結して, これを7 回から9 回更新し, 上告人 X1, 同 X2, 同 X3, 同 X5, 同 X6 及び同 X

税理士法人チェスター【紹介】

11総法不審第120号

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

裁判年月日 平成 20 年 4 月 16 日 裁判所名 大阪高裁 裁判区分 判決 事件番号 平 20( ツ )7 号 事件名 管理費等請求上告事件 裁判結果 上告棄却 文献番号 2008WLJPCA 兵庫県西宮市 以下省略 上告人大阪市 以下省略 被上告人上記代表者理事長上記訴訟代理

2 前提事実 ( 証拠等を掲記しない事実は当事者間に争いがない ) (1) 東京都知事は, 昭和 26 年 6 月 13 日, 別紙 1 物件目録記載 1 及び2の土地 ( 以下, これらを総称して 本件土地 という ) について, 別紙 1 物件目録記載 1の土地を含む新宿区 ( 住所省略 ) の

◆JREI固定インフォ No9◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

Transcription:

平成 28 年 ( 行ヒ ) 第 406 号固定資産評価審査決定取消請求事件 平成 30 年 7 月 17 日第三小法廷判決 主 文 原判決を破棄する 本件を大阪高等裁判所に差し戻す 理 由 上告代理人豊田幸宏, 同田篭明の上告受理申立て理由について 1 本件は, 京都市所在の4 筆の土地に係る固定資産税の納税義務者であったA が, 上記の各土地につき, 京都市長により決定され土地課税台帳に登録された平成 21 年度の価格を不服として京都市固定資産評価審査委員会 ( 以下 本件委員会 という ) に対し審査の申出をしたところ, これを棄却する旨の決定 ( 以下 本件各決定 という ) を受けたため, 上告人 (Aは, 第 1 審係属中に死亡し,Aの子である上告人が本件訴訟を承継した ) が, 被上告人を相手に, 本件各決定の取消しを求める事案である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) ア地方税法 349 条 1 項は, 土地に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準を, 当該土地の基準年度に係る賦課期日における価格で土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録されたもの ( 以下, これらの台帳に登録された価格を 登録価格 という ) とする旨規定し, 同法 403 条 1 項は, 市町村長は, 同法 38 8 条 1 項の固定資産評価基準によって固定資産の価格を決定しなければならない旨規定する 平成 21 年度は上記の基準年度であり, これに係る賦課期日は平成 21 年 1 月 1 日である イ固定資産評価基準 ( 昭和 38 年自治省告示第 158 号 以下 評価基準 という ) は, 第 1 章第 3 節において, 主として市街地的形態を形成する地域における宅地については, 市街地宅地評価法によって各筆の宅地について評点数を付設 - 1 -

し, これを評点 1 点当たりの価額に乗じて, 各筆の宅地の価額を求めるものとしている 市街地宅地評価法は,1 状況が相当に相違する地域ごとに, その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定し,2 標準宅地について, 売買実例価額から評定する適正な時価を求め, これに基づいて上記主要な街路の路線価を付設し, これに比準して主要な街路以外の街路 ( 以下 その他の街路 という ) の路線価を付設し,3 路線価を基礎とし, 画地計算法 ( 評価基準別表第 3) を適用して各筆の宅地の評点数を付設するというものである このうち, その他の街路の路線価は, 近傍の主要な街路の路線価を基礎とし, 主要な街路に沿接する標準宅地とその他の街路に沿接する宅地との間における街路の状況, 公共施設等の接近の状況, 家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等の相違を総合的に考慮して付設するものとされている また, 画地計算法として, 無道路地等に関する評点算出法が定められている ウ被上告人が策定した 平成 21 年度京都市固定資産評価要領 ( 土地編 ) ( 以下 京都市評価要領 という ) は, 土地の評価は評価基準に基づいて定めた京都市固定資産評価要綱に基づいて行うものとするが, 適正な評価の均衡を確保するため, 具体的な評価に当たっては, この要領により取り扱うものとするとした上, 市街地宅地評価法におけるその他の街路の路線価については, 地域の地価形成要因を数量化した 京都市土地価格比準表, 京都市細街路等に係る建築制限等に基づく価格補正率表 ( 以下 細街路等補正率表 という ), 京都市通路等に係る土地利用規制に基づく価格補正率表 ( 以下 通路等補正率表 という ) 等を活用し, 主要な街路の路線価に当該主要な街路とその他の街路との間における各種の価格形成要因等の相違の程度に応じて求められる格差率を乗じて, 各街路の路線価を付設するものとしている なお, 建築基準法 43 条 1 項本文は, 建築物の敷地は道路に2m 以上接しなければならないとし, 同法 42 条が道路の定義を定めている ( 以下, 同条に規定する道路を 42 条道路 という ) ところ, 京都市評価要領において, 細街路等 とは, 幅員が4m 未満の行き止まり街路又は建築物 - 2 -

の建築許可を受けるために同法 43 条 1 項ただし書の規定による許可を得る必要のある街路 (42 条道路又は通路等を除く ) をいい, 通路等 とは, 幅員 1.8 m 未満の街路, 沿接する画地において単独で建築物の建築許可を受けることが困難な画地に接する街路又は京都市都市計画局建築指導部建築指導課 ( 以下 建築指導課 という ) に備付けの道路縦覧図において避難通路とされているもの (42 条道路を除く ) をいうものと定められている そして, 細街路等補正率表及び通路等補正率表は, 当該街路の幅員や通り抜けの可否等に応じ,90% から36% までの補正率を定めている (2) ア Aは, 平成 21 年 1 月 1 日当時, 第 1 審判決別紙物件目録 2から5まで記載の各土地 ( 以下 本件各土地 といい, 個別の土地をいうときは, 同目録の番号により 本件土地 2, 本件土地 3 などという ) の所有者であり, これらに係る固定資産税の納税義務者であった 本件各土地は, 駐車場として利用されている一団の土地である イ京都市長は, ある道が42 条道路に該当するか否かについて判定の依頼があったときは, これを調査した上で判定 ( 以下 道路判定 という ) をし, 建築指導課は, 道路判定の内容を道路縦覧図に表示している 京都市長は, 平成 18 年 1 1 月 8 日, 本件各土地の西側に接する街路 ( 以下 本件街路 という ) について, 建築基準法 42 条 1 項 3 号所定の道路 ( 以下 3 号道路 という ) に該当する旨の道路判定 ( 以下 本件道路判定 という ) をした なお, 本件街路が3 号道路に該当するためには, 本件街路が所在する区域について同法第 3 章の規定が適用されるに至った昭和 25 年 11 月 23 日時点で, 本件街路が幅員 4m 以上の道として存在したことが必要である ウ京都市長は, 本件各土地の平成 21 年 1 月 1 日における価格を次のとおり決定し, 土地課税台帳に登録した ( 以下, これらの価格を併せて 本件登録価格 という ) 本件土地 2 670 万 0100 円 - 3 -

本件土地 3 1125 万 2500 円 本件土地 4 4760 万 4500 円 本件土地 5 887 万 3800 円 京都市長は, 本件登録価格を決定するため, 市街地宅地評価法により本件各土地の価額を算出したところ, その他の街路である本件街路の路線価を付設するに当たり, 細街路等補正率表及び通路等補正率表所定の補正率を用いた補正をしなかった エ Aは, 平成 21 年 5 月 25 日, 本件委員会に対し, 本件登録価格を不服として審査の申出をしたが, 本件委員会は, 同 24 年 1 月 6 日付けで, 同申出を棄却する旨の本件各決定をした オ上告人は, 本件街路が昭和 25 年 11 月 23 日時点で道として存在したとしても, その幅員は4m 以上ではなかったから, 本件各土地の価額については, 本件街路が3 号道路に該当しないことを前提に算出されるべきであると主張している 3 原審は, 上記事実関係等の下において, 本件各土地の価額は市街地宅地評価法により算出されるべきであるとした上, 要旨次のとおり判断して, 上告人の請求を棄却した 昭和 25 年 11 月 23 日時点で本件街路の幅員がどの程度であったかは明らかでないものの, 本件道路判定は相応の根拠の下に本件街路が3 号道路に該当する旨の判定をしたものであって, その結果, 建築確認等は, これを前提として行われることとなるから, 本件各土地が42 条道路に接しないとして建築確認を受けることができないためにその上に建築物を建築することができない事態となる可能性はない したがって, 本件街路が3 号道路に該当することを前提とする本件登録価格の決定は適法である 4 しかしながら, 原審の上記判断は是認することができない その理由は, 次のとおりである (1) 本件各決定は, 本件登録価格の決定に違法はないとして, これに係る上告 - 4 -

人の審査の申出を棄却したものであるところ, 土地の基準年度に係る賦課期日における登録価格が評価基準によって決定される価格を上回る場合には, 同期日における当該土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るか否かにかかわらず, その登録価格の決定は違法となるものというべきである ( 最高裁平成 24 年 ( 行ヒ ) 第 79 号同 25 年 7 月 12 日第二小法廷判決 民集 67 巻 6 号 1255 頁 ) (2) 42 条道路に接しない土地の上に建築物を建築することについては, 建築基準法 43 条 1 項本文所定の接道義務に違反するものとして, 建築主事又は指定確認検査機関 ( 以下 建築主事等 という ) の建築確認 ( 同法 6 条,6 条の2) を原則として受けることができず, これを受けるためには, 特定行政庁の許可 ( 同法 43 条 1 項ただし書 ) を受けること等が必要となる 42 条道路に接していない土地は, このような利用上の制約があることから,42 条道路に接している土地に比べて, 一般的にその価額は低下するものと考えられる そして, 評価基準は, 市街地宅地評価法において, その他の街路の路線価を付設するに当たり, 街路の状況等を総合的に考慮すべきものとするほか, 画地計算法として無道路地等に関する評点算出法を定めている そうすると, 評価基準は, 土地の価額の算出に当たり, 接道義務に関する当該土地の利用上の制約の有無及び程度を反映するため, これが街路に接しているか否か, 接している場合には当該街路が42 条道路に該当するか否かについても考慮すべきこととしているものと解される また, 京都市評価要領は, このことを受けて, 市街地宅地評価法におけるその他の街路の路線価の付設に際し, 当該街路が4 2 条道路に該当しない細街路等又は通路等である場合には, その利用上の制約の程度に応じた補正をすべきこととしたものであるということができる (3) ア建築基準法 42 条 1 項 3 号は, 同法第 3 章の規定が適用されるに至った際現に存在する道で, 幅員 4m 以上のものを道路とする旨定めている これは, 客観的にこれらの要件を満たす道については, そのことのみをもって当然に42 条道路とする趣旨であると解される そして, ある道が3 号道路に該当するか否かにつ - 5 -

いて, 市町村長等がその判定をする法令上の根拠も見当たらない そうすると,3 号道路該当性に関する京都市長の道路判定は, 事実上の確認行為にすぎないというべきであり, 当該道が3 号道路に該当し, 又は該当しないことを確定する効果を持つ行政処分の性質を有するものではないと解される イ被上告人においては, 道路判定の内容が道路縦覧図に表示され, 建築確認に際しては, その運用上, 上記の表示等をも参照して, 当該道が3 号道路に該当するか否かの判断がされていることがうかがわれるが, 上記のような道路判定の性質に照らせば, 当該道の3 号道路該当性につき, 建築主事等が道路判定と異なる判断をすることを妨げられるものではない そして, 本件街路が3 号道路に該当するか否かは, 昭和 25 年 11 月 23 日時点で本件街路が幅員 4m 以上の道として存在した事実が客観的に認められるか否かにより定まる以上, このような事実が認められず, 本件街路が3 号道路に該当するということができない場合には, 本件道路判定がされていても, 建築主事等は, 本件各土地が3 号道路に接していることを前提とした建築確認をすることはできない ウしたがって, 本件街路が3 号道路に該当するための要件を満たすか否かは明らかでないとしながら, 本件道路判定がされていること等を理由に, 建築確認を受けることができないために本件各土地上に建築物を建築することができない事態となる可能性はないとして, 本件街路が3 号道路に該当することを前提とする本件登録価格の決定は適法であるとした原審の判断には, 固定資産の評価等に関する法令の解釈適用を誤った違法がある 5 以上によれば, 原審の上記判断には, 判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある 論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり, 原判決は破棄を免れない そして, 本件街路が3 号道路に該当すると認められるか否か, 本件登録価格が評価基準によって決定される本件各土地の価格を上回らないか否か等について更に審理を尽くさせるため, 本件を原審に差し戻すこととする よって, 裁判官全員一致の意見で, 主文のとおり判決する - 6 -

( 裁判長裁判官林景一裁判官岡部喜代子裁判官山崎敏充裁判官 戸倉三郎裁判官宮崎裕子 ) - 7 -