成 29 年には小売の地域独占が撤廃され 料金規制が原則廃止される 小売全面自由化を機に 課税の公平性 を担保することは 新規参入を促進すると同時に 競争の活性化による料金抑制 更なる天然ガス利用拡大に寄与し ガスシステム改革の目的達成に資することから 抜本的な現行課税方式の見直しが必要である 2

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2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 4-5 福島 震災復興 租税特別措置等により達成しようとする目標 政策の達成目標と同じ 租税特別措置等による達成目標に係る測定指標 仮設施設の整備数 8 有効性等 政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 東日本大震災で

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 1. 地球温暖化対策の推進 1-2 国内における温室効果ガスの排出抑制 租税特別措置等により達成しようとする目標 2030 年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を 22~24% とする 租税特別措置等による達成目標に係る測定指

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

Ⅱ 主な改革内容 上記の 3 つの目的からなる電力システム改革につき 以下の 3 つの柱を中心として 大胆な改革を現実的なスケジュールの下で着実に実行する 1. 広域系統運用の拡大 電力需給のひっ迫や出力変動のある再生可能エネルギーの導入拡大に対応するため 国の監督の下に 報告徴収等により系統利用者

望の内容平成 28 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省経済産業政策局産業再生課 ) 制度名産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条 ) ( 租税特別措置法施行令第 42 条の

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 中小企業の中でも 特に規模の小さい企業においては 経理担当の人員が少なく 適時適切な経営状況の把握もままならない状況である 資金調達環境や新規顧客開拓に困難を有する中小企業においては 少ない経理体制の中で効率的な事務を行うことが非常に重要であり

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

望の内容平成 30 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省中小企業庁経営支援部創業 新事業促進課 ) 制度名 産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画の認定自治体における登録免許税の軽減措置の延長 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条第

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

( 事業所税の課税標準の特例 ) 第三十三条 ( 略 ) 2~5 ( 略 ) 6 平成二十九年四月一日から平成三十一年三月三十一日までの期間 ( 以下この項において 補助開始対象期間 という ) に政府の補助で総務省令で定めるものを受けた者が児童福祉法第六条の三第十二項に規定する業務を目的とする同法

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政策体系における政策目的の位置付け エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月 18 日閣議決定 ) において 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 10% とすることを目指す と記載 地球温暖化対策基本法案 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 )

新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

本要望に対応する縮減案 ページ 2 2

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

合理性今要有望効に性関連する事項相当性回の政策体系における政策目的の位置付け 政策の達成目標租税特別措置の適用又は延長期間同上の期間中の達成目標 政策目標の達成状況 政策目標 23 酒類業の健全な発達の促進 酒類業の経営基盤の安定 5 年間の延長 ( 平成 35 年 3 月 31 日まで ) 酒類業

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

整力を確保する一方 小売部門が GC までの自社需要の想定誤差に対する予備力を確保する対 応をしていることから 一部の旧一般電気事業者については 送配電部門と小売部門が確保し ている予備力の合計値が 調整力公募制度開始以前と比較して増加している ( 卸電力取引所活性化の必要性 ) 旧一般電気事業者の

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

表 1 小売電気事業者( 新電力とみなし小売電気事業者の総計 ) の平成 29 年 3 月分 販売電力量 ( エリア別 ) 販売電力量合計 ( 単位 :MWh) その他需要 合計 北海道 260,709 1,129,470 1,028, ,749 8,428 2,730,690 東北 1

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( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

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新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

本要望に対応する縮減案 3 自動車の取得段階では消費税と自動車取得税が二重課税となっており 保有段階でも自動車重量税のほかに自動車税 ( 又は軽自動車税 ) の 2 つの税が課されており 自動車ユーザーに対して複雑かつ過大な負担を強いている 特に 移動手段を車に依存せざるをえず複数台を保有する場合が

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H28秋_24地方税財源

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消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

平成 30 年度地方税制改正 ( 税負担軽減措置等 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 その他 ) No 8 府省庁名環境省 対象税目個人住民税法人住民税事業税不動産取得税固定資産税事業所税その他 ( ) 要望項目名 要望内容 ( 概要 ) 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置の延長

図 2: 今後の主な市場整備等 2. ベースロード電源市場等 2.1. 契約見直しの必要性新電力がベースロード電源 ( 石炭火力 水力 原子力等 ) にアクセスすることを容易にし 小売競争を更に活性化させることを目的として ベースロード電源市場を創設するとともに ベースロード電源を保有する旧一般電気

成 25 年 4 月 1 日から平成 27 年度 3 月 31 日まで ) 平成 26 年度縮減産業競争力強化法に基づく生産性向上設備投資促進税制の創設に伴い 一部の対象設備を見直した 平成 27 年度延長風力発電設備の即時償却の適用期限を1 年間延長した ( 平成 28 年 3 月 31 日まで

新設 拡充又は延長を必要とする理⑴ 政策目的 地震等の災害からの復旧に際して 公的補助が公立学校に比べて少なく 自主財源の確保が求められる私立学校にとって 寄附金収入は極めて重要な財源である 災害時には 大口の寄附だけでなく 広く卒業生や地域住民を中心に 義援金 募金という形で小口の寄附を集める必要

監視手法に関する調査 分析 我が国の卸電力取引に係る競争状況 不正取引を監視し それを踏まえた対応を検討するための基礎資料として活用するため ( 6) の諸外国の規制当局や取引所に係る調査 分析を行う 調査に当たっては文献 インターネット 各国の規制当局及び取引所の関係者等へのヒアリングを通じ 幅広

(1) 政策目的 多様な就業の機会を提供すること等により我が国の経済の基盤を形成している中小企業の事業承継を円滑化することにより 中小企業の事業活動の継続を実現し 雇用の確保や地域経済の活力維持につなげることを目的とする (2) 施策の必要性 全国の経営者の平均年齢は年々上昇しており 例えば資本金

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

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⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

資料9

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

2 I. 電力小売自由化後の課題 II. 都市ガス自由化に向けての課題 III.LP ガスの課題 まとめ

平成18年度地方税制改正(案)について

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

規制の事前評価の実施に関するガイドライン(素案)

< 目次 > 0. 全体像 1. 電気事業法の一部改正 2. ガス事業法の一部改正 3. 熱供給事業法の一部改正 4. 経済産業省設置法等の一部改正 ( 電力 ガス取引監視等委員会の設立 )

新設 拡充又は延長を必要とする理由9-2 回の合要理性望に関⑴ 政策目的沖縄県内の一般消費者の生活及び産業経済に及ぼす影響を考慮して税負担を軽減する 県内酒類製造業の育成 保護( 経営基盤の強化など ) 酒類製造業及び関連産業の振興を通じた沖縄経済の振興 ⑵ 施策の必要性本軽減措置については 昭和

6 転嫁カルテル 表示カルテルの独占禁止法適用除外 今般の消費税率の引上げに伴い 消費税を円滑かつ適正に転嫁できる環境を整備するため 消費税転嫁対策特別措置法では 事業者又は事業者団体は 公正取引委員会に事前に届け出ることにより 消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為 ( 転嫁カルテル 表示

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Microsoft PowerPoint - 【別添1】23税制改正の概要.pptx

i-1 電気事業制度についてー 1 自由化 2000 年 3 月から大口需要家に対する電力小売が自由化 その後 2004 年 4 月 2005 年 4 月と 自由化範囲が段階的に拡大 さらに 電力システム改革専門委員会での検討を踏まえ 2016 年 4 月から小売全面自由化が開始された (j-3 参

経営効率化計画について

1. 調整力公募について 本年 4 月に施行された第 2 弾の改正電事法により 新しいライセンス制度が導入されたことを受け 一般送配電事業者が電力供給区域の周波数制御 需給バランス調整を行うこととなっている そのために必要な調整力を調達するにあたって 一般送配電事業者は原則として公募の方法で調達する

FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5

問 19. 自由化後に新規参入のガス小売事業者と契約した場合 その後に引っ越しをすると どうなるのですか 海外への転勤などで契約廃止の手続をするにはどうすれば良いですか 問 20. 持ち家 ( 戸建住宅 マンション又は集合住宅 ) に住んでいるのですが 新規参入のガス小売事業者からガスを買うことはで

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

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新又は延長を必要とする理由設 拡充⑴ 政策目的 1 社会保障 税一体改革大綱 ( 平成 24 年 2 月 17 日閣議決定 ) 等に基づき 自動車取得税及び自動車重量税について 廃止 抜本的な見直しを強く求める 等とした平成 24 年度税制改正における与党の重点要望に沿って 国 地方を通じた関連税制

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

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付加退職金の概要 退職金の額は あらかじめ額の確定している 基本退職金 と 実際の運用収入等に応じて支給される 付加退職金 の合計額として算定 付加退職金は 運用収入等の状況に応じて基本退職金に上乗せされるものであり 金利の変動に弾力的に対応することを目的として 平成 3 年度に導入 基本退職金 付

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消費税 : 課税の適正化について 1 ( これまでの取組み等 ) 1. 総論 社会保障 税一体改革成案 ( 平成 23 年 6 月 30 日政府 与党社会保障改革検討本部決定 ) においては 消費税制度の信頼性を確保するための一層の課税の適正化を行う こととされている ( 参考 ) 平成 23 年度

(2) 消費税率 10% への引上げ時に導入が予定されている軽減税率制度については 消費税 地方消費税の引上げ分のうち地方交付税原資分も含めると 約 3 割が地方の社会保障財源であり 仮に減収分のすべてが確保されない場合 地方の社会保障財源に影響を与えることになることから 確実に代替財源を確保するこ

要望理由 (1) 政策目的 既存住宅の流通の円滑化を通じ 既存住宅流通 リフォーム市場の拡大 活性化を図る また 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備するとともに 既存住宅の耐震化を促進し 住宅ストックの品質 性能を高め 国民の住生活の向上を目指す (2) 施策の必要性 国民がライフステ

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平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

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< B6388C491E D862E786477>

新今回の要望に合関理連性する事項設 拡充又は延長を必要とする理中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備や IT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 昨今の中小企業の

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のため

合理性政策体系における政策目的の位置付け エネルギー 環境電力 ガス 政策の達成目標 税負担軽減措置等の適用又は延長期間 同上の期間中の達成目標 政策目標の達成状況 電気事業者の分社化により不可避的に外部化された取引等による追加的な法人事業税の負担を回避することで 電気の安定供給等への影響を最小限に

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

新設 拡充又は延長を必要とする理⑴ 政策目的沖縄県内の一般消費者の生活及び産業経済に及ぼす影響を考慮して税負担を軽減する 1 沖縄の一般消費者の酒税負担を軽減する 2 価格優位性を確保することによる沖縄の酒類製造業の自立的経営を促進する ⑵ 施策の必要性 1 沖縄の一般消費者の酒税負担を軽減する沖縄

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

消費税率引上げ時期の変更に伴う対応について 消費税関係 資料 1 税率引上げ関係 軽減税率関係 軽減税率財源確保関係 転嫁対策 改正前 1 税率引上げ時期 : 平成 29 年 4 1 ( 税制抜本改 法で規定 ) 2 請負契約等に係る経過措置の指定 : 平成 28 年 軽減税率実施時期

社会保障 税一体改革大綱(平成24 年2月17 日閣議決定)社会保障 税一体改革における年金制度改革と残された課題 < 一体改革で成立した法律 > 年金機能強化法 ( 平成 24 年 8 月 10 日成立 ) 基礎年金国庫負担 2 分の1の恒久化 : 平成 26 年 4 月 ~ 受給資格期間の短縮

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要望理由 (1) 政策目的我が国の住宅ストックのうち 高齢者が安心し自立して暮らせるバリアフリー化された住宅は極めて限られている状況を踏まえ サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進することにより 高齢者に適した住まいの確保を図る (2) 施策の必要性本特例措置により 1 高度のバリアフリー化 2 安

( 基本方針 Ⅰ) ( 施策大目標 9) 全国民に必要な医療を保障できる安定的 効率的な医療保険制度を構築すること ( 施策目標 2) 生活習慣病対策や長期入院是正により中長期的な医療費の適正化を図ること 予防接種 ( 基本目標 Ⅰ) ( 施策大目標 5) 感染症など健康を脅かす疾病を予防 防止する

議案用 12P

税制について

スイッチングの状況 (2017 年 3 月時点 ) 本年 3 月末時点での新電力への契約先の切替え ( スイッチング ) 件数は約 4.7%( 約 295 万件 ) 大手電力 ( 旧一般電気事業者 ) の自社内の契約の切替件数 ( 規制 自由 ) は約 4.1% ( 約 258 万件 ) であり 合

新設 拡充又は延長を必要とする理由15-2 ⑴ 政策目的 1 平成 28 年度与党税政改正大綱等を踏まえ 以下の要望を行う 自動車取得税については 消費税率 10% への引き上げ時に廃止が決まっていたが 消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置 ( 平成 28 年 8 月 24 日閣議決定 ) を

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1 政策評価の対象とした租税特別措置等の名称 租税特別措置等に係る政策の事前評価書 ガス供給業に係る法人事業税の課税方式の変更 2 対象税目 ( 地方税 1)( 法人事業税 : 義 ) 新設 拡充 延長 3 租税特別措置等の内容 内容 ガス供給業の課税方式を 現行の収入金額を課税標準とする方式から 所得が課税標準となる その他事業 と同一の扱いとする ( 新設 新たな課税標準導入に伴う所要の税率の変更を含む ) 関係条項 地方税法第 72 条 第 72 条の2 第 72 条の12 第 72 条の24の 2 第 72 条の24の7 地方税法施行令第 22 条 地方法人特別税等に関する暫定措置法第 2 条 第 3 条 第 6 条 第 9 条 4 担当部局 資源エネルギー庁電力 ガス事業部ガス市場整備室 5 評価実施時期及び分析対象期間 6 租税特別措置等の創設年度及び改正経緯 評価実施時期 : 平成 28 年 8 月分析対象期間 : 平成 24 年度 ~27 年度 7 適用又は延長期間恒久措置 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 ガス供給業には 法人事業税の課税標準として 収入金額 が適用されており その他の事業 に比べ不公平な扱いとなっている 課税の公平性 を確立するために ガス供給業においても 一般の競争下にある企業と同様の税制とすることが必要である 政策目的の根拠 背景となる閣議決定 平成 24 年度税制改正大綱 ( 平成 23 年 12 月 10 日閣議決定 ) 8. 検討事項 [ 地方税 ] (6) 現在収入金額課税を行っている電気供給業 ガス供給業及び保険業に係る法人事業税の課税方式については 中長期的に検討します 地方税法が 3 業種 ( 電気 ガス 保険 ) のみ収入金課税としていることは 租税原則の 課税の公平性 に反する ( その他の産業は所得課税 ) ガス供給業の課税標準が収入金額とされている理由については 1 地域独占企業で料金認可制により価格転嫁が容易であること 2 料金認可制により所得が低く抑えられるため所得課税方式では事業規模に見合った税負担とならないこと と言われているが 現在 その前提は大きく変化している 具体的に ガス事業における規制緩和 ( 大口需要に対する自由化範囲 ) は 平成 16 年 4 月から 50 万 m 3 以上に 19 年 4 月からはさらに 10 万 m 3 以上 ( 全販売量の約 65%) へと拡大された また 一方で 既に近時は LPG や灯油等との競争に加え オール電化住宅の攻勢により競争が激化するなど ガス事業を取り巻くエネルギー間競争は熾烈を極めており 事業税の価格転嫁が容易という状況にはない さらに ガスシステム改革 ( 平成 28 年 6 月に改正ガス事業法成立 ) により 平 1

成 29 年には小売の地域独占が撤廃され 料金規制が原則廃止される 小売全面自由化を機に 課税の公平性 を担保することは 新規参入を促進すると同時に 競争の活性化による料金抑制 更なる天然ガス利用拡大に寄与し ガスシステム改革の目的達成に資することから 抜本的な現行課税方式の見直しが必要である 2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及びその実現による寄与 5. エネルギー 環境 53 電力 ガス 租税特別措置等により達成しようとする目標 課税の公平性 を確立するために課税方式を改める 他の一般企業と同等の課税環境を整備することを通じて 課税の公平性を図る 租税負担率の業種間比較 H24 H25 H26 売上高に対する租税負担率の業種間比較 ( 単位 :%) ガス 全産業 製造業化学工業 石油製品等機鉄鋼製造業械 5.1 1.8 1.7 3.1 0.2 0.6 1.7 (2.9) (0.7) (0.5) (0.4) (0.2) (0.7) (0.4) 4.9 2.0 2.1 3.2 0.6 1.9 2.2 (2.8) (0.6) (0.5) (0.4) (0.1) (0.6) (0.4) 5.1 2.0 2.0 3.1 0.4 2.1 2.2 (2.7) (0.6) (0.5) (0.4) (0.1) (0.9) (0.4) 出典 : 法人企業統計年報 ( 財務省 ) 他 下段は事業税外形部分及び固定資産税等 電力 4.2 (5.0) 4.6 (4.6) 5.5 (4.4) 9 有効性等 政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 課税の公平性 を確立するために課税方式を改めることにより ガス使用者の利益保護や ガス事業の健全な発達 ( 安定供給 保安の確保等 ) に向けた公平な競争条件を確保することが可能となる 1 適用数等許可により本措置の適用を受けている私営都市ガス事業者約 180 社 ( うち約 6 割は経営基盤が脆弱な中小事業者 ) 及び簡易ガス事業者 1,400 社余 並びにガス導管事業者 (33 社 ) 大口ガス事業者(21 社 ) 等 本措置によっても ガス供給業を行う全ての法人が対象となり 平成 29 年度も同程度の事業者数が見込まれるため 想定外に僅少となることはない 2 減収額 平成 29 年度減収額 ( 見込み ) 2

3 効果 税収減是認効果 効果 本措置は特定の産業に対する 支援の創設 ではなく 特定の産業 ( ガス事業 ) に対する 課税の不公平 を是正するものである 本措置がない場合 その他の産業との租税負担率の格差が改善されない また 新規参入者の事業規模によっては ガス小売事業者間でも租税負担率格差が発生する 地方税法の施行に関する取扱いについて ( 道府県税関係 ) ( 通達 ) 事業税 4の9の9より 10 相当性 1 租税特別措置等によるべき妥当性等 2 他の支援措置や義務付け等との役割分担 3 地方公共団体が協力する相当性 11 有識者の見解 税収減を是認するような効果の有無 ( 分析対象期間 : 平成 29 年度 ~) 本措置による効果は ガス使用者に広く還元されるものであり 一個人や企業等に対して支援を行う補助金制度よりも税制による支援の方が適している 本措置により その他の産業との租税負担率の格差が是正されれば ガス事業の健全な発達 ( 安定供給 保安の確保等 ) に向けた公平な競争条件が整備され ひいてはガス使用者の利益保護が図られるため 有効性が認められる 公正な競争条件を確保するために 課税方式を他の一般の企業と同様とすることにより その他の産業との租税負担率の格差を是正するものであり 税制措置により行うことが適当である 補助金等 同様の政策目的に係る他の支援措置や義務付け等はない ガスシステム改革 ( 平成 28 年 6 月に改正ガス事業法成立 ) により 平成 29 年には小売の地域独占が撤廃され 料金規制が原則廃止される 他の一般の企業と同様の課税方式とする本措置は 公平な競争条件を確保する観点から妥当である 本措置の効果は ガス事業者に留まらず ガス使用者 ( 約 3,000 万件 ) に広く還元されるものである 12 前回の事前評価又は事後評価の実施時期 平成 27 年 8 月 3

租税特別措置等に係る政策の事前評価書 1 政策評価の対象とした租税特別措置等の名称 電気供給業に係る法人事業税の課税方式の変更 ( 地方税 2)( 法人事業税 : 義 ) 2 対象税目 法人事業税 新設 拡充 延長 3 租税特別措置等の内容 内容 電力システム改革の一環として 2016 年 4 月から小売電気事業の全面自由化がなされたことを前提として 電気供給業の法人事業税については 現行の収入金額を課税標準とする方式から 他の一般の事業と同様の課税方式へと変更する その際 課税方式の変更のあり方については 電力市場における競争状況等を勘案する 関係条項 地方税法第 72 条 第 72 条の2 第 72 条の12 第 72 条の2 4の2 第 72 条の24の4 及び第 72 条の24の7 地方税法施行令第 22 条地方法人特別税等に関する暫定措置法第 2 条 第 3 条 第 6 条 第 8 条及び第 9 条 4 担当部局 資源エネルギー庁 5 評価実施時期及び分析対象期間 6 租税特別措置等の創設年度及び改正経緯 評価実施時期 : 平成 28 年 8 月 分析対象期間 : 平成 28 年 8 月 7 適用又は延長期間恒久措置 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 電気供給業の法人事業税については 当該事業が地域独占並びに総括原価方式の下で行われるため 保有する設備や従業員の規模に比して所得が低く抑えられること ( 事業規模に対する所得の過少性 ) 及び電気の料金算定時に原価算入し使用者である消費者に転嫁すること ( 法人事業税の回収確実性 ) ができるため 事業者は担税力を有すること等を理由として 昭和 24 年から収入金額を課税標準とする課税が行われてきた しかし 電力システムに関する基本方針 ( 平成 25 年 4 月 2 日閣議決定 ) に基づく電気事業法の改正により ( 平成 26 年 6 月 11 日関連法案成立 ) 本年 4 月 1 日より 小売電気事業の全面自由化等が実施され 一般送配電事業を除き 上述の地域独占並びに総括原価方式に基づく規制料金は原則として廃止され 他の一般の事業と同様の競争環境下に置かれることとなった したがって 電気供給の対価たる電気料金は 他の一般の事業における財 サービスの提供の対価と同様 規制官庁による認可料金から 市場競争を通じて消費者が受け入れる料金へと変容することとなることから 電気事業者は営利企業として 競争力ある価格設定と原価低減とを行い もって利潤最大化 ( 所得の最大化 ) を図ることとなるため 上述の事業規模に対する所得の過少性や法人事業税の回収確実性等の制度創設時に前提としていた環境は抜本的に変化している 以上のとおり 他の一般の事業と同様の競争環境に置かれることとなった電気供給業にあって なお従前通りの収入金額を課税標準とする課税方式を存置することは 事業間の課税の公平性 平等性を損なうものであると共に 他の一般の事業からの参入障壁になりかねず 自由化の進展を阻害する要因 1

になる恐れがある 2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及びその実現による寄与 政策目的の根拠 電力システムに関する基本方針 ( 平成 25 年 4 月 2 日閣議決定 ) に基づく電気事業法の改正により ( 平成 26 年 6 月 11 日関連法案成立 ) 本年 4 月 1 日より 小売電気事業の全面自由化等が実施され 一部の事業 ( 一般送配電事業 ) を除き 上述の地域独占並びに総括原価方式に基づく規制料金は廃止され 他の一般の事業と同様 競争環境下に置かれることとなった 5. エネルギー 環境 53 電力 ガス 租税特別措置等により達成しようとする目標 電気事業における小売全面自由化に鑑み 電力市場における競争状況等を勘案しつつ 他の一般の事業と遜色の無い 実態に沿った課税条件を措置することを通じ 課税の公平性並びに競争環境の促進を図る 9 有効性等 1 適用数等 2 減収額 3 効果 税収減是認効果 政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 電気事業における小売全面自由化に鑑み 電力市場における競争状況等を勘案しつつ 他の一般の事業と遜色の無い 実態に沿った課税条件を措置することを通じ 課税の公平性並びに競争環境の促進を図る 主として 小売電気事業者及び発電事業者が適用対象となる 効果 税収減を是認するような効果の有無 本措置は特定の産業に対する 支援の創設 ではなく 特定の産業 ( 電気事業 ) に対する 課税の不公平 を是正するものである 加えて 事業間の税負担の公平性が図られることから 市場の競争進展に寄与することが期待される 10 相当性 1 租税特別措置等によるべき妥当性等 2 他の支援措置や義務付け等との役割分担 3 地方公共団体が協力する相当性 11 有識者の見解 本措置は 他業種との課税の公平性を担保するための措置であるため 税制措置により支援することが適当である 他の支援措置との関係は無い 電気事業における小売全面自由化が開始され 他の一般の事業と同様の競争環境下に置かれる電気供給業において 当該他の一般の事業と税制面でのイコールフッティングを図る本措置は妥当である 12 前回の事前評価又は事後評価の実施時期 平成 27 年 8 月 2

1 政策評価の対象とした租税特別措置等の名称 租税特別措置等に係る政策の事前評価書 電気事業者の分社化に伴い外部化するグループ会社間取引を控除する収入割の特例措置 ( 地方税 3)( 法人事業税 : 義 ) 2 対象税目 法人事業税 新設 拡充 延長 3 租税特別措置等の内容 内容 電気供給業に係る法人事業税の課税標準たる収入金額の算定に当たって 電気事業者の分社化に伴い電気の供給に関連して必要となる取引のうち 従前の内部取引からグループ会社間取引となるものに係る収入について 収入金額から控除する 関係条項 地方税法第 72 条の24の2 地方税法施行令第 22 条等 4 担当部局 資源エネルギー庁 5 評価実施時期及び分析 評価実施時期 : 平成 28 年 8 月 分析対象期間 : 平成 28 年 8 月 対象期間 6 租税特別措置等の創設年度及び改正経緯 新設 7 適用又は延長期間 その他 ( 電気供給業に係る法人事業税の課税方式の変更 における要望内容が実現すれば 本要望は不要 ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及びその実現による寄与 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 電気事業者にとって不可避な分社化による二重課税の発生並びに法人事業税額の増加を防ぎ もって一般送配電部門の法的分離をより一層円滑に実施させる 政策目的の根拠 電力システムに関する改革方針 ( 平成 25 年 4 月閣議決定 ) に基づく電気事業法の改正により 発電事業 一般送配電事業 小売電気事業を営む電気事業者については 平成 32 年 4 月 1 日までにその一般送配電事業を法的に分離 ( 分社化 ) する必要がある 5. エネルギー 環境 53 電力 ガス 租税特別措置等により達成しようとする目標 電気事業者にとって不可避な分社化による二重課税の発生並びに法人事業税額の増加を防ぎ もって一般送配電部門の法的分離をより一層円滑に実施させること ( 電気供給業に係る法人事業税の課税方式の変更 における要望内容が実現すれば 本要望は不要 ) 9 有効性等 1 適用数等 政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 電気事業者にとって不可避な分社化による二重課税の発生並びに法人事業税額の増加を防ぎ もって一般送配電部門の法的分離をより一層円滑に実施させることが重要 10 社 ( すでに分社化を実施した東京電力と 平成 32 年 4 月 1 日までに分社化を実施する必要のある旧一般電気事業者 9 社 ) 1

2 減収額 3 効果 税収減是認効果 効果 10 相当性 1 租税特別措置等によるべき妥当性等 2 他の支援措置や義務付け等との役割分担 3 地方公共団体が協力する相当性 11 有識者の見解 税収減を是認するような効果の有無 電気事業者にとって不可避な分社化による二重課税の発生並びに法人事業税額の増加を防ぎ もって一般送配電部門の法的分離の円滑な実施に対する税制面での支障を解消する本措置は妥当である 他の支援措置との関係はない 電力システム改革の一つの柱たる一般送配電事業の法的分離を実施する上で 電気事業者にとって不可避な分社化による二重課税の発生並びに法人事業税額の増加を防止することは その円滑な実施に寄与するものである 12 前回の事前評価又は事後評価の実施時期 2

1 政策評価の対象とした租税特別措置等の名称 租税特別措置等に係る政策の事前評価書 卸電力取引所におけるグロス ビディング実施時の社内取引に係る法人事業 税の特例制度の創設 2 対象税目 法人事業税 新設 拡充 延長 ( 地方税 4)( 法人事業税 : 義 ) 3 租税特別措置等の内容 内容 グロス ビディングとは 電力会社の発電部門等が卸電力取引所を介して自社の小売部門に電力を販売する取組みであり 従来社内で行っていた卸取引の全部又は一部が卸電力取引所を介して行われることで 電力の卸取引の価格透明性向上や市場の厚みの拡大を通じた安定的かつ安価な電力供給の実現に資する グロス ビディングを実施する場合 当該電力会社が卸電力取引所から電気の購入を行う際に生じる卸電力取引所に対して支払うべき金額に相当する収入金額を事業税の課税標準から控除する特例制度を創設する 関係条項 地方税法第 72 条の12 地方税法施行令第 22 条 4 担当部局 電力 ガス取引監視等委員会事務局取引監視課資源エネルギー庁電力市場整備室 5 評価実施時期及び分析対象期間 6 租税特別措置等の創設年度及び改正経緯 評価実施時期 : 平成 28 年 8 月 分析対象期間 : 平成 28 年 8 月 7 適用又は延長期間恒久措置 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 電力システムに関する基本方針 ( 平成 25 年 4 月 2 日閣議決定 ) に基づく電気事業法の改正により ( 平成 26 年 6 月 11 日関連法案成立 ) 平成 28 年 4 月 1 日より 電力小売市場が完全自由化されたが 電力システム改革の目的である小売電気事業者間の競争を通じた安定的かつ安価な電力供給を実現するためには 小売電気事業者が小売供給に必要な電源を卸電力市場から調達できるだけの卸電力市場の活性化が不可欠となっている しかしながら 平成 7 年の電気事業制度改革により 卸電力市場が自由化されたものの 依然として旧一般電気事業者が我が国の発電設備の大宗を保有する状態が続いており 旧一般電気事業者は自己又はグループ内の内部取引に加え 他の発電事業者との長期かつ固定的な相対契約を維持している また 卸電力取引所における取引量は総需要に対して約 2% にとどまっており 市場の厚みが乏しく 日々の需給変動等により大幅な価格変動が生じている このように 卸電力市場の高い意義にもかかわらず 卸電力市場の活用が進んでいない現状を踏まえ 電力会社の発電部門等が卸電力取引所を介して自社の小売部門に電力を販売するグロス ビディングを実施することが求められるが そのために必要な税制面での環境を整備することで 卸電力市場の活性化による競争を通じた安定的かつ安価な電力供給を実現する また 卸電力市場を通じた取引への二重課税を回避することにより課税の 1

公平性を確保する 9 有効性等 2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及びその実現による寄与 1 適用数等 2 減収額 3 効果 税収減是認効果 10 相当性 1 租税特別措置等によるべき妥当性等 2 他の支援措置や義務付け等との役割分担 政策目的の根拠 電力システムに関する基本方針( 平成 25 年 4 月 2 日閣議決定 ) において 主要な改革内容 の一つとして 2. 小売及び発電の全面自由化 を掲げており 小売の全面自由化と併せ 発電の全面自由化 ( 卸規制の撤廃 ) や 卸電力取引所における電力の取引量を増加させるための取組 商品先物取引法の対象への電気の追加の検討等を行う こととしている 5. エネルギー 環境 53 電力 ガス 租税特別措置等により達成しようとする目標 電気事業者の内部取引を 卸電力取引所を介した取引へ変更することにより 卸電力市場の流動性を高めるとともに 卸電力取引所を通じて電気事業者が公平に電源へのアクセスできる環境を整備する これにより 卸電力市場の活性化による競争を通じた安定的かつ安価な電力供給を実現する 政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 本特例措置が創設されることにより 電力会社内の社内取引を 新たな税負担なく卸電力取引所を介した取引に移行する効果が見込まれる 一方で 本措置が認められず 従来 社内取引として非課税であった電力取引が 卸電力取引所を介して取引されることで新たに課税対象となる場合には 事業者にグロス ビディングの利用を期待することはできない 主として 発電事業者及び小売電気事業者が適用対象となる 効果 税収減を是認するような効果の有無 グロス ビディングを契機として 中長期的に卸電力市場における電力取引が活性化する また本措置により 従来から非課税であった同一法人内の社内取引が グロス ビディングの実施により卸電力取引所を介した売買取引となった場合でも非課税となることが確保される このため 卸電力取引所を介した売買取引が促進され 競争を通じた安定的かつ安価な電力供給が実現される なお 本措置は二重課税となることを避けるものであるため 新たに税収減が生じることはないと考えられる 本措置は 卸電力市場の活性化に資するものであり 税制措置により支援することが適当である 他の支援措置との関係は無い 2

3 地方公共団体が協力する相当性 11 有識者の見解 グロス ビディングの促進による卸電力市場の活性化は地域経済の活性化にも寄与する 12 前回の事前評価又は事後評価の実施時期 3

1 政策評価の対象とした租税特別措置等の名称 租税特別措置等に係る政策の事前評価書 2 対象税目 法人事業税 新設 拡充 延長 電気供給業における託送料金を控除する収入割の特例措置 ( 地方税 12)( 法人事業税 : 義 ) 3 租税特別措置等の内容 内容 法人事業税の電気供給業に対する課税標準である収入金額の算定に当たっては 電気を供給するために必要な託送料金収入を控除する 関係条項 地方税法法附則第 9 条第 8 項 地方税法施行令附則第 6 条の 2 第 2 項 4 担当部局資源エネルギー庁 5 評価実施時期及び分析対象期間 6 租税特別措置等の創設年度及び改正経緯 評価実施時期 : 平成 28 年 8 月 平成 12 年度創設 (3 年間の特例措置 ) 平成 15 年度 2 年間の延長平成 17 年度 2 年間の延長平成 19 年度 2 年間の延長平成 21 年度 2 年間の延長平成 23 年度 3 年間の延長平成 26 年度 3 年間の延長 分析対象期間 : 平成 28 年 8 月 7 適用又は延長期間 その他 ( 電気供給業に係る法人事業税の課税方式の変更 における要望 内容が実現すれば本要望は不要 ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及びその実現による寄与 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 電気の小売業 ( 小売電気事業 ) に係る新規参入 並びに市場競争を促進し 需要家の電力会社 料金メニューに係る多様な選択肢の確保 事業者の事業機会の拡大を目指す 政策目的の根拠 電力システムに関する改革方針 ( 平成 25 年 4 月閣議決定 ) において 電力市場における競争の促進 電力会社 料金メニュー等を選びたいという消費者ニーズに対して多様な選択肢の提供や 他業種 他地域からの参入をはじめ事業者の事業機会の拡大ができる制度へ転換する等の方針が示され 当該方針に基づき 平成 28 年度 4 月 1 日より 電気の小売業への参入全面自由化と それに伴い 地域独占 規制料金が担保された一般電気事業概念の廃止 ( 事業類型の見直し ) が実施された 5. エネルギー 環境 53 電力 ガス 租税特別措置等により達成しようとする目標 一般の競争下にある企業と同様の税制とすることで 課税の公平性を実現する 1

政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 一般の競争下にある企業と同様の税制とすることで 課税の公平性を実現する 9 有効性等 1 適用数等 主として 小売電気事業者及び発電事業者が適用対象となる 2 減収額 2,458( 百万円 ) 3 効果 税収減是認効果 10 相当性 1 租税特別措置等によるべき妥当性等 2 他の支援措置や義務付け等との役割分担 3 地方公共団体が協力する相当性 効果 税収減を是認するような効果の有無 本措置は特定の産業に対する 支援の創設 ではなく 特定の産業 ( 電気事業 ) に対する 課税の不公平 を是正するものである 加えて 事業間の税負担の公平性が図られることから 市場の競争進展に寄与することが期待される 本措置は 他業種との課税の公平性を担保するための措置であるため 税制措置により支援することが適当である 他の支援措置との関係は無い 電気事業における小売全面自由化が開始され 他の一般の事業と同様の競争環境下に置かれる電気供給業において 当該他の一般の事業と税制面でのイコールフッティングを図る本措置は妥当である 11 有識者の見解 12 前回の事前評価又は事後評価の実施時期 平成 27 年 8 月 2