退職後の健康保険の任意継続ってなに?

Similar documents
自分にあった健康保険を見つけよう! それぞれの健康保険の特徴を踏まえ 自分にあった健康保険を選ぶようにしましょう! 今までの収入 扶養家族の有無によって どの健康保険に加入するとメリットがあるか 参考にしてください 健康保険の被保険者資格を喪失 再就職しない 再就職する 就職先の健康保険に加入できな

退職後の健康保険制度について 退職後は 以下の3つの選択肢の中からご自分が加入する制度を選ぶことになります 必ずしもヤマトグルー プ健康保険組合の任意継続に加入する必要はありません 月々の保険料や加入条件等をよく比較して ご自身に 合った健康保険を選択してください A ご家族の扶養に入る B 国民健

特定退職被保険者制度のご案内

特定退職被保険者制度のご案内

<4D F736F F F696E74202D D38C7091B194ED95DB8CAF8ED2834B B95B FC92E8816A2E >

MR通信H22年1月号

そごう特例退職

153054_FP知識医介_-D-_[本文].indb

退職後の健康保険制度について 退職後は 以下の3つの選択肢の中からご自分が加入する制度を選ぶことになります 必ずしもヤマトグルー プ健康保険組合の任意継続に加入する必要はありません 月々の保険料や加入条件等をよく比較して ご自身に 合った健康保険を選択してください A ご家族の扶養に入る B 国民健

退職後の健康保険の手引

任意継続組合員制度 この制度は 退職の日の前日まで引き続き 1 年以上組合員であった方が退職したときに 掛金 ( 所属所の負担金分も含めた額 ) を負担することによって 2 年間在職中と同様の短期給付 ( 任意継続組合員の期間内に発生した傷病手当金 出産手当金 休業手当金 育児休業手当金 介護休業手

Q1 社会保険とはどのような制度でしょうか 会社などで働く人たちが収入に応じて保険料を出し合い いざというときの生活の安定を図る目的でつくられた制度のことで 一般的に健康保険や厚生年金保険のことを 社会保険 といいます 健康保険法第 1 条では 労働者の業務外の事由による疾病 負傷若しくは死亡又は出

参考資料 任意継続被保険者制度のご案内 TAIYO 健康保険組合 平成 27 年 8 月制定 平成 29 年 12 月全面改定 ( 情報連携開始による ) 平成 30 年 9 月改定 ( 保険料率変更のため ) 平成 31 年 2 月改定 ( 任意継続保険料変更のため ) 1 任意継続被保険者制度の

Microsoft Word - T2-04-1_紙上Live_被保険者期間と届出_(13分)_

資格取得( 認定日 ) 出生 離職 婚姻 離婚 1カ月以内の届出 出生日 喪失日から 市区町村受理日 1カ月を越えた届出 出生日 健康保険組合受付日 被扶養者の範囲被扶養者となるためには 主として被保険者の収入によって生活していることが必要です 扶養の程度の基準としては 被扶養者となる人の年間収入が

本コラムはセキュリティ上の都合により 閲覧専用としております 資料の編集 印刷等をご希望の際は個別にお問い合わせ下さい 健康保険組合への加入ってどうなの?? 無断転載禁止 2015 年 8 月 6 日 ( 木 ) 皆さんが病院で診察を受ける際に提 する健康保険証でおなじみの健康保険制度ですが この制

業所で 一般の労働者が従事するものと同一であると認められる業務に起因するものを除き ) 健康保険の給付対象外である この場合 特別加入していない限り労災保険の対象外でもあるため 全額自己負担となる 健康保険法第 53 条の 2 4 保険給付 (1) 給付の種類医療給付としては 療養の給付 ( 家族療

< F2D817988E38E7489EF A E918A EB8>

国民年金

Microsoft Word - 児扶法改正(Q&A)

< D38C7091B182CC8FDA82B582A290E096BE2E786C7378>

D-1-1 手続きは 傷病手当金は 病気休業中の健康保険加入者とその家族の生活を保障するための制度 で 被保険者が病気や業務外のけがのために働くことができず 事業主(会社)から給与 が受けられない場合に支給されます 手続き 傷病手当金の請求には 療養の事実についての担当医師の証明と 休業期間中の賃金

健康保険のしくみ 健康保険の目的 職場に働く人々が病気やけがなどの思いがけない出費に備えて ふだんからその収入に応じて保険料を出し合い これに事業主も負担し合って お互いに助け合おうというのが健康保険の目的です 私たちは就職すると 法律によって健康保険に加入して被保険者となり 保険給付を受ける権利と

保険料額 保険料は全額個人負担となり会社負担はありません また最終給与から天引きされている健康保険料及び介護保険料は前月分の保険料です 任意継続の保険料は当月分の保険料となり 加入日が属する月分より納付することになります ( 資格喪失の場合の最終保険料は資格喪失日が属する前月分までの保険料納付になり

Microsoft PowerPoint - 02 別添 パンフレット (3)

Ⅰ 改正について 児童扶養手当法の改正 Q&A ( 公的年金等と合わせて受給する場合 ) Q1 今回の改正の内容を教えてください A: 今回の改正により 公的年金等 * を受給していても その額が児童扶養手当の額 より低い場合には 差額分の手当が受給できるようになります 児童扶養手当 は 離婚などに

一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

日立健康保険組合御中 特例退職被保険者資格取得申請時用 承諾書 ( 本人控 ) 私は 次の事項を理解承諾した上で特例退職被保険者制度の加入手続きを行います 承諾項目 加入条件 承諾内容 1 老齢厚生年金資格がある方で受給開始している 2 日立健保 に 20 年以上加入 40 歳以降の加入期間が 10

健康保険とは?[ 健康保険組合 ] 健康保険に加入する人は?[ 被保険者 / 被扶養者 ] 保険証が交付されます [ 保険証 ] 保険料を納めます [ 標準報酬月額 / 保険料率 ] いろいろな保険給付 [ 保険給付 ] 病気やけがをしたとき [ 療養の給付 / 入院時食事療養費 ] 医療費が高額に

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

(b) 日立健保と合併された健保組合の加入期間の通算について 合併日以前から継続して合併健保に加入されていた方は 日立健保との合併健保の 加入期間を通算することができます 合併健保 合併日付 日立家電健康保険組合 平成 7 年 4 月 1 日 トキコ健康保険組合 平成 16 年 10 月 1 日 ク

Microsoft Word - T2-06-1_紙上Live_老齢(1)_①支給要件(9分)_

今春紀文.indd

高齢者福祉

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

点及び 認定された日以降の年間の見込みの収入額のことをいいます ( 給与所得等の収入がある場合 月額 108,333 円以下 雇用保険等の受給者の場合 日額 3,611 円以下であること ) また 被扶養者の年間収入には 雇用保険の失業等給付 公的年金 健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます

⑵ 外来年間合算の支給額計算の基礎となる合算対象額は 基準日において 同一保険者の同一世帯に属しているか否かにより判断されます ( 例 ) 下記の事例の場合 基準日において 甲と乙が同一世帯であれば 3 と 4 は合算できるが 甲と乙が別世帯であれば 3 と 4 は合算できない 基準日保険者である

第 2 節強制被保険者 1 第 1 号被保険者頻出 択 ( 法 7 条 1 項 1 号 ) 資格要件 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者 ( 第 2 号 第 3 号被保険者に該当する者を除く ) 例 ) 自営業者 農漁業従事者 無業者など 適用除外 被用者年金各法に基づく老齢又は退

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

そごう特例退職

企業年金のポータビリティ制度 ホ ータヒ リティ制度を活用しない場合 定年後 : 企業年金なし A 社 :9 年 B 社 :9 年 C 社 :9 年 定年 ホ ータヒ リティ制度を活用する場合 ホ ータヒ リティ制度活用 ホ ータヒ リティ制度活用 定年後 :27 年分を通算した企業年金を受給 A

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

2. 保険料 2.1 健康保険料任継制度の健康保険料は 被保険者の退職時の標準報酬月額 または 日立健保に加入する全被保険者の標準報酬月額を平均した額 ( 前年の9 月 30 日時点のもの ) の いずれか低い方に日立健保の保険料率を掛けた額となります 任継制度加入期間中は被保険者ご本人の収入等は反

CL.J Q.\.eps

介護保険・高齢者福祉ガイドブック


被用者年金一元化法

第14章 国民年金 

2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 医療保険は社会保険を構成する1つです 医療保険制度の仕組みや給付について説明していきます 医療保険制度 医療保険制度は すべての国民に医療を提供することを目的とした制

再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

<4D F736F F D AD97DF88C DC58F4994C52E646F63>

退職後の健康保険には 協会けんぽの任意継続 国民健康保険 ご家族の健康保険 ( 被扶養者 ) の 3 つの方法があります 毎月納める保険料などを比較のうえ 選択された健康保険にお手続きください 1 退職後に加入できる健康保険制度について保険料等を比較する 加入条件や保険料等を比較のうえ ご希望の健康

Taro-1-国民年金編2015  作成 

保険料は個人ごとに 後期高齢者医療制度では 被保険者一人ひとりに保険料を負担していただくことになります 新たに 75 歳になられた方 (65 歳以上 75 歳未満で一定以上の障害があり 認定を受けた方を含む ) は 以前に加入していた国民健康保険や被用者保険を脱退して この制度に移行することになりま

Microsoft Word - 5-2(出一)【喪失】HP用フロチャ.doc

【別紙】リーフレット①


< F9197DE88EA979782C982C282A282C42E786C7378>

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

52 (2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業 無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職再就職老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 3 年金決定請求 ( 一部又は全額支給停止 ) 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありま

Microsoft Word - 6 八十歳までの保証がついた終身年金

そのときになって困らないために リタイア前後の手続き編 厚生年金や国民年金の受給手続きは 年金事務所や市区町村役場の年金窓口で行います 共済年金加入期間のある人の手続きは 加入した共済組合です 加入していた年金制度 第 1 号被保険者期間だけの人国民年金だけ第 1 号被保険者期間だけの人 第 3 号

制度内容 加入要件 1. 任意継続被保険者とは 事業所を退職して被保険者の資格を喪失した時に 一定の条件のもとに個人の希望により継続して最長 2 年間被保険者となることができる制度です 一定の条件とは? 1 資格喪失日の前日まで継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること ( 共済組合 任意継続は除く

2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 介護保険は社会保険を構成する 1 つです 介護保険制度の仕組みや給付について説明していきます 介護保険制度 介護保険制度は 高齢者の介護を社会全体で支えるための制度

沖縄厚生年金事案 440 第 1 委員会の結論申立人の申立期間のうち 申立期間 2に係る標準報酬月額は 事業主が社会保険事務所 ( 当時 ) に届け出た標準報酬月額であったと認められることから 当該期間の標準報酬月額を 28 万円に訂正することが必要である また 申立期間 3について 申立人は当該期

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

-1-

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

8-1 雇用保険 雇用保険の適用基準 1 31 日以上引き続き雇用されることが見込まれること 31 日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き この要件に該当することとなります このため 例えば 次の場合には 雇用契約期間が31 日未満であっても 原則として 31 日以上の雇用が見込まれるもの

スライド 1

全国健康保険協会への移行に関するご案内

< F31322D335F81798ED0984A8E6D817A944E8BE08D8E959E814593BE>

3 育児 介護 112

Microsoft Word - "ç´ıå¿œçfl¨ docx

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

<4D F736F F D F955C8E CC093788A7A934B F A7A8CB88A7A944692E88FD8816A>

厚生年金 健康保険の強制適用となる者の推計 粗い推計 民間給与実態統計調査 ( 平成 22 年 ) 国税庁 5,479 万人 ( 年間平均 ) 厚生年金 健康保険の強制被保険者の可能性が高い者の総数は 5,479 万人 - 約 681 万人 - 約 120 万人 = 約 4,678 万人 従業員五人

厚生局受付番号 : 近畿 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 近畿 ( 国 ) 第 号 平成 3 年 4 月から平成 7 年 3 月までの請求期間については 国民年金保険料を納付した期間 に訂正することを認めることはできない 生年月日 : 昭和 27 年生住所 :

任意継続被保険者制度とは? 任意継続被保険者制度とは 事業所を退職して被保険者の資格を喪失した時に 一定の条件のもとに個人の希望により継続して被保険者になることができる制度です 制度内容 () 退職後 最長 年間加入できます ( 退職日の翌日から資格取得 ) () 在職中とほぼ同じ給付が受けられます

6 平成 30 年度 ( 平成 29 年所得分 ) 市町村民税課税証明書 ( 全項目証明 ) 受診者 ( 患者 ) の加入保険 市町村国保後期高齢者医療保険 社会保険等の被用者保険 ( 健康保険組合 協会けんぽ等 ) 書類を提出していただく対象者 同一医療保険に加入している全員 ( 中学生以下は不要

ライフプランニングと資金計画 問題 1. ファイナンシャル プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち 職 業倫理や関連法規に照らし 最も適切なものはどれか 1. 税理士資格を有しないファイナンシャル プランナーが 住宅ローン相談セミナーを開催し その出席者に対して無償で確定申告書の作成代行

加入の手続きは 社会保険 : 年金事務所 ( 健康保険 厚生年金を同時に手続き ) 雇用保険 : 公共職業安定所で行っておりますので 未加入の場合はご相談ください 加入手続きに不安がある場合は 社会保険労務士にご相談ください 社会保険労務士は どのように社会保険の加入手続を行っていいかわからない と

強制加入被保険者(法7) ケース1

要件① 雇用者給与等・・・・ (ざっくり) 平成24年度の給与総額と比べて、平成25年以降毎年、一定割合以上給与総額が増えていること。 <雇用者給与等支給額とは> <一定割合とは>

任意継続被保険者制度について

医療保険制度の保険料はどうやって決まるの?

ブック 1.indb

資格取得届一部修正H300410).xlsx

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

高額介護合算療養費制度について

上乗部分Q1. 基金制度のどの給付区分が分配金の対象となるのか A1 基金の給付区分は 国の厚生年金の一部を代行している 代行部分 と 基金独自の 上乗部分 から構成されています 代行部分は 解散により国に返還され 解散後は国から年金が支給されますので 分配金の対象となるのは基金独自の上乗部分となり

v

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

1 制度の特徴

Transcription:

ニッセイ基礎研究所 2018-08-27 基礎研レター 退職後の健康保険の任意継続ってなに? 常務取締役保険研究部研究理事 ヘルスケアリサーチセンター長 中村亮一 TEL: (03)3512-1777 E-mail : nryoichi@nli-research.co.jp 1 退職後の任意継続とは? サラリーマン等が会社を退職した場合の健康保険の取扱はどうなるのでしょうか これについては 以下の3つの選択肢があります 退職時には これらの選択肢のどれを選ぶのかをご自身で判断して 加入手続きを忘れずに行う必要があります 1 国民健康保険に加入現在居住している市区町村の国民健康保険に加入する なお 被扶養者がいる場合は 併せて国民健康保険に加入することが必要となります 2 配偶者等のご家族の健康保険に被扶養者として加入配偶者等のご家族が加入する健康保険に被扶養者として加入する 3 現在の健康保険に引き続き加入 ( 任意継続 ) それまで加入していた健康保険に被保険者として引き続き加入する なお 被扶養者も併せて任意継続することができます このように 任意継続 というのは 退職等によって 自分が現在加入している事業所の健康保険の被保 険者の加入資格を喪失したときに 一定条件のもとに個人の意思により 現在の健康保険に継続して加入で きる制度 のことを言います 2 任意継続の概要 1 任意継続被保険者となるための要件任意継続被保険者となるためには 以下の要件を満たしている必要があります 1 資格喪失日の前日までに 継続して 2 ヶ月以上の被保険者期間 があること 1 1 退職したときの事業所で 2 ヵ月以上の被保険者期間がなかった場合でも 健康保険の被保険者期間 ( 協会けんぽ及び健康保険組合に加入していた期間 ) が 1 日も間を空けることなく 2 ヵ月以上あれば 任意継続に加入することができます 1

2 資格喪失日から 20 日以内 に 申請 ( 任意継続被保険者資格取得申出書 を提出 ) すること (20 日目が営業日でない場合は翌営業日まで ) 2 被保険者期間任意継続被保険者の被保険者期間は 任意継続被保険者となった日から 2 年間 となります 3 任意継続被保険者の資格喪失次のいずれかに該当するとき 任意継続被保険者の資格を喪失します ( カッコ内は資格を喪失する日 ) 1 任意継続被保険者となった日から 2 年を経過したとき ( 被保険者証に表示されている予定年月日 ) 2 保険料を納付期日までに納付しなかったとき ( 納付期日の翌日 ) 3 就職して 健康保険 船員保険 共済組合などの被保険者資格を取得したとき ( 被保険者資格を取得した日 ) 4 後期高齢者医療の被保険者資格を取得したとき ( 被保険者資格を取得した日 ) 5 被保険者が死亡したとき ( 死亡した日の翌日 ) 1 又は2の理由で 任意継続被保険者の資格を喪失した場合 資格喪失後は 国民健康保険に加入するか ご家族の健康保険の被扶養者となるか のいずれかとなります なお 上記の場合を除いて 任意の申し出により 任意継続被保険者であることをやめることはできません ( 即ち 市町村の国民健康保険に加入する 又は健康保険の被扶養者になるため という理由では資格喪失はできません ) 4 保険料任意継続被保険者の保険料については 退職時の標準報酬月額等に基づいて決定され 保険料は原則 2 年間変わりません 具体的には 1 本人の退職時の標準報酬月額 及び 2 当該健康保険組合の全被保険者の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎とみなしたときの標準報酬月額 のうちいずれか少ない額を標準報酬月額として決定される保険料となります なお 被扶養者の保険料については支払う必要はありません 5 保険給付任意継続被保険者である間は 在職中の被保険者が受けられる保険給付と同様の給付を原則として受けることができます ただし 傷病手当金及び出産手当金は 任意継続被保険者には支給されません 2 3 任意継続を利用することのメリット デメリットは何か? それでは 退職後の選択肢として どの医療保険制度に加入することが妥当なのでしょうか まずは 配偶者等のご家族の健康保険の被扶養者となる場合 配偶者等の保険料負担は増えませんし 自分で保険料を負担することもありません 従って 他の2つの選択肢と比較して 保険料負担と言う意味でのメリットが最も高く 被扶養者として認められる状況にあるのであれば 一般的にはまずはこの選択肢が選 (2 ヵ月以上の被保険者期間には任意継続被保険者期間及び共済組合等その他の医療保険加入期間は含まれません ) 2 傷病手当金及び出産手当金は 任意継続の加入とは関係なく 在職中からの継続給付の要件を満たす場合に限り対象とな ります 2

ばれることになります 配偶者等のご家族の健康保険の被扶養者とならない場合には 国民健康保険に加入するのか 任意継続するのか ということになります これについては 各人の状況によって異なりますので 一概にはどちらが有利であるとは言えません ただし 一般的に 以下のメリット及びデメリットが言われていますので これらをベースに各人が判断していくことになります なお いったん国民健康保険に加入してしまうと任意継続への切り替えはできなくなるという点はよく考慮しておく必要があると思われます こうした点や 任意継続被保険者 は 2 年間という期限付きですが 退職前とほぼ変わらない保険給付及び保健事業を受けることができますので 一般的には 任意継続 を選択される方が多いようです ただし 例えば 退職時に配偶者等のご家族が未就職であっても 近々に就職する予定がある場合等は 任意継続被保険者にはならずに 国民健康保険に加入しておき ご家族の就職とともに その健康保険組合の被扶養者として加入するということも考えられます なお 在職中は 保険料は会社が半額負担してくれていましたが 退職後の保険料は 全額を自分で負担することになりますので いずれにしても保険料は在職時よりも高くなります ( 単純計算で 2 倍となりますが 保険料の上限額も定められていますので 必ずしもそうなるとは限りません ) 1 任意継続のメリット 1 退職時の給与水準によっては 国民健康保険よりも保険料が安くなる可能性がある国民健康保険の保険料は 基本的に前年度の所得に基づいて計算がされるため 給与水準の高い方が国民健康保険を選択すると 一般的に保険料も高額となります 3 これに対して 任意継続の場合の保険料は 退職時の給与が月額 27 万円以上であれば 標準報酬月額 28 万円という上限の水準で計算されることになります 従って 退職時の給与が高い人ほど 国民健康保険と比べて任意継続の方が保険料が安くなる可能性があります 2 国民健康保険とは異なり 扶養者と言う考え方がある国民健康保険には扶養者という考え方がありませんので 世帯毎の加入人数で保険料が変わってきます 一方 任意継続では 家族の構成員が一定の要件を満たしていれば 扶養者となり 家族に対応する保険料を支払う必要がなく 被扶養者が何人いても保険料は変わりません 従って 被扶養者が多ければ 国民健康保険よりも任意継続の方が保険料が安くなる可能性があります 3 保険給付等が基本的に現行と変わらないことから安心感がある ( 健康保険組合によって異なる ) 健康保険組合によって違いはありますが 現在の健康保険を任意継続することで 今までと同じ給付内容を受けることができます 健康保険組合が行う保険給付や保健事業にもよりますが 人間ドックの受診補助を受けたり 保養所施設を利活用したりすることも可能となります 3 国民健康保険の保険料にも上限はあります 3

2 任意継続のデメリット 1 各種の厳しい条件や要件を満たす必要性がある任意継続には 先に述べたような要件が課されますので 加入者であるためには これらの要件を満たす必要があります 例えば 任意継続に加入するには 退職後 20 日以内に手続きをしなくてはなりません 1 日でも遅れると理由が何であれ加入することはできなくなります さらには 保険料を滞納すると即時に資格喪失となります 加えて 一度任意継続を選択すると 国民健康保険に加入したい ご家族の健康保険の被扶養者になりたい といった理由で 医療保険制度を変更することはできません 2 国民健康保険の方が保険料が安くなることもある国民健康保険は前年度の所得に基づいて保険料が計算されますので 退職後 1 年目の所得が低い場合 その翌年の保険料は その低い所得が反映されます 一方で 任意継続の場合 退職時の標準報酬月額等に基づいて決定された保険料が 2 年間は変わりませんので 任意継続の方が保険料が高くなる可能性もあります なお 協会けんぽ の保険料は都道府県毎に 国民健康保険の保険料は市区町村毎に異なりますので ご自身のケースについては そうした点も調査した上で判断していくことが必要になってきます 3 任意継続の被保険者期間は 2 年間に限定されている任意継続の被保険者期間は 2 年間に限定されており 2 年を過ぎると自動的に脱退することになっています 従って 2 年後に国民健康保険等の他の健康保険に新規加入する等の手続きを行うことが必要となってきます 4 特例退職被保険者制度とは? これまで 健康保険における一般的な制度である 任意継続 について 説明してきました ここでは 一部の 組合健保 が有する 特例退職被保険者制度 ( 特退 ) について説明します 既に説明したように 任意継続 の場合 加入できる期間は 2 年間 と定められています ところが 特例退職被保険者制度 があれば 後期高齢者医療制度の対象となる 75 歳まで 元の健康保険に加入し続けることができます 在職中にこのような制度を有する 組合健保 に加入していた場合には 一般的には 特例退職被保険者制度 への加入を前提にして考えることがより理にかなっている ということになります 1 制度の主旨このような制度が設けられている主旨は 定年等で退職して厚生年金等を受けている人が 後期高齢者医療制度に加入するまでの間 在職中の被保険者と同程度の保険給付並びに健康診査等の保健事業を受けることができる ようにするため ということになっています 2 制度のメリット特例退職被保険者制度のメリットとしては 3 1 2 及び31 で述べた任意継続のメリットを後期高齢者 4

医療制度の対象となる 75 歳になるまで受けることができ 3 2 3 で述べた 2 年後の加入手続き という任意継続のデメリットをカバーすることができるということが挙げられます 3 利用者の条件ただし 特例退職被保険者制度に加入するには 例えば 以下のような条件が定められています 1 健康保険組合の被保険者であった期間が 20 年以上あること 又は 2 被保険者であった期間が 40 歳以降で 10 年年以上あること ( なお 健康保険組合によって年数が異なります ) 3 老齢厚生年金の受給資格者であること 4 保険料特例退職被保険者の保険料については 当該特定健康保険組合の特例退職被保険者以外の全被保険者の標準報酬月額と 全被保険者の標準賞与額を平均した額の 12 分の 1 に相当する額 との合算額の 2 分の 1 に相当する額の範囲内で定められる標準報酬月額によって決められます 5 保険給付特例退職被保険者については 任意継続被保険者と同様に 在職中の被保険者が受けられる保険給付と同様の給付を原則として受けることができます ただし 傷病手当金については 継続給付も含めて支給されません 6 制度の利用状況このようなメリットがある特例退職被保険者制度ですが 実際にこのような制度を設けることができるのは 一定の条件を満たして厚生労働大臣の認可を受けた 特定健康保険組合 と呼ばれる健康保険組合となります 具体的には 700 人以上の従業員がいる企業の場合 あるいは同じ業種の会社又は一定地域の会社が集まって 3,000 人以上の従業員がいる場合に 厚生労働大臣の認可を受けて 特定健康保険組合を設立することができます 特定健康保険組合 の数は限られています 厚生労働省の調査によれば 2014 年度において 約 1400 ある健康保険組合のうち 特定健康保険組合はわずか 61 に留まっていました その後も 全体的に健康保険組合自体が解散で数を減らしている状態の中で 明らかに費用負担の増加につながる特例退職被保険者制度を採用する 特定健康保険組合 の数は 新設も見込まれず さらに減少していくことが想定されています 以上 5