予算1-13 データプラットフォーム拠点形成事業(防災分野)

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火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

H28秋_24地方税財源

国費投入の必要性 事業の効率性 事業の有効性 関連事業 事業所管部局による点検 改善 項目 評価 評価に関する説明 事業の目的は国民や社会のニーズを的確に反映しているか 被災者の資力やニーズを踏まえた効率的 効果的な住まいの確保策に関する調査等を行っている 地方自治体 民間等に委ねることができない事

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本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項

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2014年度_三木地区概要

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4-(1)-ウ①

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

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活動指標及び 活動指標標準仕様書 導入手順書策定数 ( 改定を含む ) 活動見込 31 活動見込 2 活動指標及び 活動指標 RPA 補助事業の完了数 活動見込 31 活動見込 5 活動指標及び AI 実証地域の完了数 活動指標 活動見込 31 活動見

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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

公共工事等における新技術活用システムについて 別添 公共工事等に関する優れた技術は 公共工事等の品質の確保に貢献し 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現及びその安全の確保 環境の保全 良好な環境の創出 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであり 優れた技術を持続的に創出して

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平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

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1 首都直下地震対策の具体的な推進 ( 提案要求先内閣官房 内閣府 国土交通省 ) ( 都所管局総務局 政策企画局 ) (1) 首都直下地震等の災害から住民の生命と財産を守るとともに 首都機能への打撃を最小限にとどめるため 財政上の措置を実 施するなど 首都直下地震対策を具体的に推進すること (2)

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) JST 中間評価 1 の実施要領 平成 29 年 6 月改定 JST 国際部 SATREPS グループ 1. 地球規模課題国際科学技術協力 (SATREPS) プロジェクトの中間評価について SATREPS は JST による研究支援お

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新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

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知創の杜 2016 vol.10

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事業開始までの主なスケジュール 募集開始平成 30 年 8 月 29 日 ( 水 ) 公募説明会平成 30 年 9 月 4 日 ( 火 )10:00~11:00 防災科研東京会議室 C ( 東京都港区西新橋 2 丁目 3-1 マークライト虎ノ門ビル 6 階 602 号室 ) 参加表明書受付締切平成

1. 実現を目指すサービスのイメージ 高齢者や障害者 ベビーカー利用者など 誰もがストレス無く自由に活動できるユニバーサル社会の構築のため あらゆる人々が自由にかつ自立的に移動できる環境の整備が必要 ICT を活用した歩行者移動支援サービスでは 個人の身体状況やニーズに応じて移動を支援する様々な情報

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

資料1-4気象庁資料

3 4

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

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構築等 相手国の意思決定が必要な政策面で懸念される点がある 今後 全体設計の実現に向け た強固な活動が期待される 4-1. 国際共同研究の進捗状況について本プロジェクトは統合データベースと観測評価システムの開発を第一段階とし 物理モデルの構築 シナリオ解析に基づく評価 システムと技術の開発へと順次進

会場 - 全国 9 都市で実施 地 開催 会場 北海道 8 7 ( ) 北海道庁別館 11 階第 4 研修室 8 8 ( ) 札幌市中央区北 3 条 7 丁 巨大災害に備えて 地域別総合防災研修 東北 ( ) ( ) 北陸 ( ) (

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学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

構成 1 第 1 章 IoT 時代の新たな地域資源 1. IoT 時代の新たな地域資源とその可能性 2. 新たな地域資源の活用に向けた基本的視点 第 2 章地域におけるオープンデータ ビッグデータ利活用の推進 1. 地域におけるオープンデータ利活用の現状と課題 2. 地域におけるビッグデータ利活用の

第11回市民講座の準備について

行政改革推進会議による 秋のレビュー 平成 26 年 11 月 14 日実施 評価者 上村敏之関西学院大学経済学部教授 上山直樹弁護士 ( ポールヘイスティングス法律事務所 外国法共同事業 ) 太田康広慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授 水上貴央弁護士 ( 早稲田リーガルコモンズ法律事務所 ) 吉

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既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

プレゼンテーションタイトル

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

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27 年度当初予算 28 年度要求主な増減理由円)平 7 単 位 2 : 8 百年万度予訳(成 ( 目 ) 啓発広報費 2 平成 26 年度限りの経費 ( 重要事項に関する戦略的国際広報諸費に統合 ) 計 0 0 算内

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愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

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併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

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17 石川県 事業計画書

システムの開発は 国内において 今後の普及拡大を視野に入れた安全性の検証等に係る研究開発が進められている 一方 海外展開については 海外の事業環境等は我が国と異なる場合が多く 相手国のユーザーニーズ 介護 医療事情 法令 規制等に合致したきめ細かい開発や保守 運用までも含めた一体的なサービスの提供が

資料 3-1 男女共同参画の視点からの 防災対応について 東日本大震災への男女共同参画の視点を踏まえた被災者支援 平成 23 年 7 月 20 日 内閣府男女共同参画局

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資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

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4:10 防災科学技術研究所第 2 回災害対策本部会議を開催 各班による状況報告による情報共有等を実施 9:34 防災科学技術研究所第 3 回災害対策本部会議を開催 各班による状況報告による情報共有等を実施 11:50 防災科学技術研究所職員が熊本県庁 ( 熊本県災害対策本部 ) に到着 16:00

504 特定事業等に係る外国人の入国 在留諸申請優先処理事業 1. 特例を設ける趣旨外国人研究者等海外からの頭脳流入の拡大により経済活性化を図る地域において 当該地域における特定事業等に係る外国人の受入れにあたり 当該外国人の入国 在留諸申請を優先的に処理する措置を講じることにより 当該地域における

設 機能の見直しハード面の効率化財源確保1-3. 再配置パターン ( 手法 ) の考え方 再配置計画の検討に向けて 公共施設の再配置を う場合の基本的なパターン ( 手法 ) について整理し それらの効果についても確認していきます 施設の再配置にあたっては 厳しい財政状況の中 人口が減少傾向にあるこ

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先行的評価の対象とするユースケース 整理中. 災害対応に関するユースケース. 健康に関するユースケース. 移動に関するユースケース. 教育に関するユースケース. 小売 物流に関するユースケース 6. 製造 ( 提供した製品の保守を含む ) に関するユースケース 7. 農業に関するユースケース 8.

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

制度見直しに関する主な方向性については 次の通り考えるものとする 1. ビッグデータ時代におけるパーソナルデータ利活用に向けた見直し 個人情報及びプライバシーの保護に配慮したパーソナルデータの利用 流通を促進するため 個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータに関し 個人情報及びプラ

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再生医療の制度的な対応の検討について 薬事法等制度改正についてのとりまとめ平成 24 年 1 月 24 日厚生科学審議会医薬品制度改正部会 1 再生医療製品については 今後も 臓器機能の再生等を通じて 重篤で生命を脅かす疾患等の治療等に ますます重要な役割を果たすことが期待される 特に ips 細胞

日本海溝海底地震津波観測網の整備と緊急津波速報 ( 仮称 ) システムの現状と将来像 < 日本海溝海底地震津波観測網の整備 > 地震情報 津波情報 その他 ( 研究活動に必要な情報等 ) 海底観測網の整備及び活用の現状 陸域と比べ海域の観測点 ( 地震計 ) は少ない ( 陸上 : 1378 点海域

一太郎 10/9/8 文書

新設 拡充又は延長を必要とする理⑴ 政策目的 地震等の災害からの復旧に際して 公的補助が公立学校に比べて少なく 自主財源の確保が求められる私立学校にとって 寄附金収入は極めて重要な財源である 災害時には 大口の寄附だけでなく 広く卒業生や地域住民を中心に 義援金 募金という形で小口の寄附を集める必要

10 地震 火山噴火対策等の推進について 近年 我が国は様々な災害に見舞われている 東日本大震災後も 平成 28 年の熊本地震 本年 6 月の大阪府北部地震及び9 月の北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生し 多大な人的 物的被害が発生した 地方公共団体においては 突然発生する大規模自然災害に備え

資料 5 自治体クラウド推進 業務改革について 平成 27 年 9 月 14 日

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女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

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が実現することにより 利用希望者は認証連携でひもづけられた無料 Wi-Fi スポットについて複数回の利用登録手続が不要となり 利用者の負担軽減と利便性の向上が図られる 出典 : ICT 懇談会幹事会 ( 第 4 回 )( 平成 27(2015) 年 4 月 24 日 ) 2. 現状 日本政府観光局

の復旧状況に関する長期的な見通しを可能な限り明らかにしながら 復旧の段階に 応じた役割の分析を行う 5) 交通事業者ヒアリング調査沿線地域に関係する交通事業者 ( 鉄道事業者 2 社 バス事業者 2 社 タクシー事業者 2 社その他 ) に聞き取り調査を行い 定性的な利用特性や地域の公共交通の問題点

れました また, 当フォーラムに将来の建設技術者を目指す若い学生が多数参加することを紹介し, 今後想定される大規模災害への備えとして, 災害に強い国作り, インフラの老朽化対策などの国土強靱化を促進する上でも, これらの方々の活躍なくしては成立しない これら若い技術者の方を含めて産学官の連携を深め,

防災 減災への民間情報の活用の必要性 東日本大震災において 明らかになった課題 従来の情報収集の取組 職員による現地調査 報道機関からの情報 通報 検知器 ( センサー ) 課題 対応できる人員の限界 小さな地域に関する情報の不足 紙情報が多い 情報の整理 管理が困難 設備 維持費用が大きい 上記課

豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

Transcription:

施策目標 9-4 データプラットフォーム拠点形成事業 ( 防災分野 ) 行政事業レビューシート番号新 29-0029 ~ 首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト ~( 新規 ) 平成 29 年度要求額 :7.34 億円 国の研究開発評価に関する大綱的指針 等に基づき 科学技術 学術審議会等において評価が行われているため 当該評価をもって事前評価書に代えることとする なお 科学技術 学術審議会研究計画 評価分科会における評価後 課題名が決定し 仮称から変更となっている 主管課( 課長名 ) 研究開発局地震 防災研究課 ( 課長 : 谷広太 ) 関係局課( 課長名 ) 研究振興局振興企画課 ( 課長 : 柿田恭良 ) 基礎研究振興課( 課長 : 渡辺正実 ) 参事官( ナノテクノロジー 物質 材料担当 ) 付 ( 参事官 : 西條正明 ) 審議会等名称 科学技術 学術審議会研究計画 評価分科会防災科学技術委員会 審議会等メンバー 別紙参照 目標 指標 達成目標理化学研究所 AIP センターと連携し 官民連携超高密度地震観測システムの構築 IoT/ ビッグデータ解析による都市機能維持の観点からの精緻な即時被害把握等の実現を目指す また これらを活用し 官民一体の総合的な災害対応や事業継続 個人の防災行動等に資する適切な提供情報の在り方の確立を目指す 成果指標 ( アウトカム ) 官民連携超高密度地震観測システムの構築都市機能維持の観点からの精緻な即時被害把握等の実現総合的な災害対応 事業継続 個人の防災行動等に資する適切な情報提供の在り方の確立 活動指標 ( アウトプット ) 産学官が連携した運営体制の設置 関係機関数 論文数 学会発表数 データプラットフォーム形成等 費用対効果 投入する予定の国費総額 7.34 億円に対して 上記アウトプット及びアウトカムの結果が見込まれ 第 5 期科学技術基本計画 ( 平成 28 年 1 月 22 日閣議決定 ) が求める 自然災害に対して国民の安全 安心を確保してレジリエントな社会の構築に資することから 大きな費用対効果が期待される なお 事業の実施に当たっては 事業の効率的 効果的な運営にも努めるものとする

科学技術 学術審議会研究計画 評価分科会防災科学技術委員会 委員名簿 主査田中淳 東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター長教授 岡田義光 国立研究開発法人防災科学技術研究所前理事長 国崎信江 株式会社危機管理教育研究所危機管理アドバイザー 桑野玲子 東京大学生産技術研究所教授 河本要 兵庫県企画県民部防災企画局防災企画課防災計画参事 重川希志依常葉大学大学院環境防災研究科教授 清水洋 九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センター長教授 首藤由紀 株式会社社会安全研究所取締役所長 鈴木靖 一般財団法人日本気象協会執行役技師長 高木洋一郎 NTT 空間情報株式会社取締役ビジネス開発部長 寶馨 京都大学防災研究所長教授 武井康子 東京大学地震研究所教授 田村圭子 新潟大学危機管理室教授 西村浩一 名古屋大学大学院環境学研究科教授 林春男 国立研究開発法人防災科学技術研究所理事長 福和伸夫 名古屋大学減災連携研究センター長教授 松澤暢 東北大学大学院理学研究科地震 噴火予知研究観測センター長教授 室野剛隆 公益財団法人鉄道総合技術研究所鉄道地震工学研究センター長 山本登 東京消防庁防災部震災対策課長

事前評価票 ( 平成 28 年 8 月現在 ) 1. 課題名首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト ( 仮称 ) 2. 開発 事業期間平成 29 年度 ~ 平成 33 年度 3. 課題概要施策目標 : 安心 安全の確保に関する課題への対応大目標 ( 概要 ): 我が国では大規模な自然災害により数多くの被害を受けてきており これまでの災害から得られた教訓を今後の自然災害等への備えに生かすことが必要である このような自然災害に対して 安全 安心を確保してレジリエントな社会を構築する 中目標 ( 概要 ): 科学技術を生かして自然災害から人命と財産の保護 被害の軽減を図り国土強靱化等に向けた取組を進めていくため 防災 減災対策 防災力向上 発災時の社会の機能維持とその後の復旧 復興に資する観測や調査 研究開発を推進する必要がある 重点的に推進すべき研究開発の取組 ( 概要 ): 官民一体の総合的な災害対応や事業継続 個人の防災行動等に資する適切な情報提供の在り方の確立に資する研究開発に取り組む 2016 年 ( 平成 28 年 ) 熊本地震では 発災の瞬間に緊急地震速報やリアルタイム震度分布等の情報が携帯端末等を通じて広く発信され 安全確保行動にはつながったものの その後の個人や企業の防災行動に直結することはなかった また 同地震は 同じ地域で震度 7 を 2 回観測する等 観測史上これまでに例のない 連続 地震であり 構造体のみならず非構造部材等を含めた耐震補強 損傷対策 危険度判定手法の在り方 避難行動の適正化等 様々な問題を顕在化させた 一方で 平成 27 年 5 月に発生した小笠原諸島西方沖地震では 大きな被害こそ発生しなかったものの 多くのエレベータ 交通機関 ライフライン等が停止し 復旧に時間を要した事例が発生した 復旧作業の効率化は 経済損失の軽減につながる 本事業では これまでの都市災害プロジェクトの成果を踏まえ 官民の地震観測データを共有することにより建物等に影響を与える詳細な地震動分布を把握するとともに 構造体 非構造部材に与える損傷をセンサーによって定量把握する手法を開発する (IoT/Big data 解析技術の活用 ) この結果を用いて 自然災害から人命と財産を保護し 政府 自治体のみならず民間企業等を含めて総合的な災害対応や事業継続能力の向上 個々人の防災行動等に資する提供情報の在り方等 官民一体となった総合防災力向上に結びつける

4. 各観点からの評価 (1) 必要性 首都直下における大地震発生の切迫性が指摘される中 首都圏に存在する幾多の建物やインフラ施設について 発災直後にその機能健全性を直ちに評価できる技術は確立されていない 首都圏への人口集中 機能集中に伴う脆弱性増大を踏まえ 総合的に被害軽減を図ることは喫緊の課題である 一方で 熊本地震における震度 7の 連続 地震の発生は 非構造部材等を含めた耐震補強 損傷対策 危険度判定の在り方 避難行動の適正化など新たな課題を生じさせた 本プロジェクトは 先行プロジェクトで設定された目標も踏まえ 民間の地震観測データを活用し これまでの基礎的データを収集解析する技術を発展させ 科学的データに基づく適切な被害抑止と社会機能の効果的な継続を両立しようとするものである IoT ビックデータ AI 等の活用や 新たな観測技術の開発と展開 シミュレーション技術の高度化により 先行プロジェクトにおいて生じた課題に対する新たな突破口の発見と新機軸の展開が期待され 安全 安心な社会の実現や産業 経済活動の活性化 高度化にとって必要であると評価できる また 精緻な地震動分布と地盤構造の把握は 熊本地震のような 連続 地震や余震 誘発地震の影響と被害の評価手法の開発につながると期待され より確実な避難や機能再生への行動を速やかに実施する観点で重要である 既存のMeSO-netの維持と有効利用という観点からも必要性は大きいことに加え 5 年間というプロジェクトの遂行の過程で 次代の研究発展を担う若手研究者を育成するという意義も大きい プロジェクトの実施に当たっては 数の多い住宅のハード被害軽減や 大規模地震火災を防ぐこと 高層ビルのほかに低層マンションも含めた建物 機能健全性評価手法の研究体制にも留意すべきである また 2020 年東京オリンピック パラリンピックが開催され 外国人も含め 首都圏への流入人口が増大することから 得られる成果は迅速に提供されるとともに 多言語による対応も望まれる 評価項目 科学的 技術的意義( 革新性等 ) 社会的 経済的意義( 社会的価値 ( 安全 安心で心豊かな社会等 ) の創出等 ) 評価基準 本プロジェクトの成果は 革新性の高いものとなっているか 本プロジェクトの成果は 安心 安全な社会の実現に資するものとなっているか ( 超高密度地震観測システムを構築する地震観測データ数 論文数 学会発表数 新聞雑誌等掲載件数等 )

(2) 有効性 本プロジェクトは 建物 機能健全性評価手法の確立や 官民の災害状況認識統一システムの開発研究 地震時における個々人の行動履歴解析に基づく情報提供の在り方など 災害時の行政施策に資する研究内容となっており 得られる成果は 首都圏のみならず 南海トラフ巨大地震による被災の脅威にさらされている中京圏や関西圏の都市部における諸問題の解決にも有効に適用できるものと期待される また 内閣府や東京都のみならず企業の協力と参画も得て各々が連携して社会実装を目指す体制が検討されており 有効性は高いと評価できる 先行プロジェクトを推進する過程で 協議会等の構築による自治体との連携の下地は形成されており それらの有効な活用が期待される 成果の展開の有効性を高めるには より一層の研究分野間の連携 産官学の連携が必要となる また いかにオールジャパンの研究体制を整えるかも肝要である 地震動の強さを指標として危険度の高い地域が特定されることにより その地域について重点的に人命救助活動を展開することが可能となるほか 避難所の開設をはじめとした各種対策も的を絞って早急に着手することが可能となる また住民生活の早期機能回復を図ることにより 社会全体の機能回復力を向上させることにつながる さらに 企業の事業継続計画への波及効果が見込まれ 防災関連の省庁 自治体関係部署との連携により施策への反映も期待できる プロジェクトの実施に当たっては 民間企業からの協力を得られる一方 民間企業への価値あるフィードバックがなされるなど社会資本投資の効率化を図ることや 研究成果に関して 研究者の目線を離れ 受け手である市民 地域コミュニティ 行政 企業にどのように評価され 結果としてどの程度の減災効果が見込まれるかを常に留意する必要がある 評価項目 : 実用化 事業化や社会実装に至る全段階を通じた取組 直接 間接の成果 効果やその他の波及効果の内容等評価基準 : 本プロジェクトの実施により 災害発災後に迅速に建物やインフラ施設の機能健全性を評価できる実用的な技術の確立につながる等 社会や行政のレジリエンス向上につながるものとなっているか 本プロジェクトにより得られた知見は 首都圏以外の都市圏にも応用できるものとなっているか ( 得られた成果の提供の実施 関係機関数 研究者数等 )

(3) 効率性 本プロジェクトは 先行プロジェクトで構築されたMeSO-net 等の資産や データの共有など 得られた成果を最大限活用している また 官民の地震観測データを共有するなど 効率性の高い計画となることが期待される そのためには 民間組織との密な連携が必要であり 産官学が緊密に連携して運営されれば 更に効率性は上がり 目標 達成管理の向上も期待できる ただし 研究としての価値と社会実装する上でのニーズとのバランスが図られるべきであり 社会実装を想定したシミュレーションの細分化範囲の検討や また 民にとって有益なデータをどれほど提供できるのか等アウトプットの出し方について検討を重ねることが求められる 評価項目 : 計画 実施体制の妥当性 研究開発の手段やアプローチの妥当性評価基準 : 本プロジェクトの実施に当たって 産学官が連携し 目標達成に向けて適切な実施体制 運営体制が組まれているか 本プロジェクトの実施に当たって 既存の研究基盤や知見を活用し 成果の最大化につながるよう妥当な手段とアプローチを取っているか ( 産学官が連携した運営体制の設置 既存の研究基盤や知見の活用等 ) 5. 総合評価 本事業を推進すべき 首都圏をはじめとした防災 減災対策の強化は 我が国の喫緊の課題であり 被害を最小化するため 理学 工学 社会科学の総力を結集し レジリエンスを向上させる方策を探ることは 社会的重要性の極めて高い重要課題である 本プロジェクトは官民一体となった総合防災力と事業継続能力の向上が期待でき 官民の双方にとってインセンティブがあるプロジェクトであると評価できる また 基盤データとしての MeSO-net 地震観測網の運用は 貴重なデータを継続的に取得する意義が深い ただし 研究成果を得るアプローチについては 民間企業との連携方法など十分に検討を行う必要がある また 研究成果をビジネスモデル化し 社会への浸透力を高める努力が必要である 中間評価は平成 31 年度 事後評価は平成 33 年度を予定

理研 AIP センターと連携し 官民連携超高密度地震観測システムの構築 IoT/ ビッグデータ解析による都市機能維持の観点からの精緻な即時被害把握等の実現を目指す また これらを活用し 官民一体の総合的な災害対応や事業継続 個人の防災行動等に資する適切な提供情報の在り方の確立を目指す 協調 理研 AIP センター AI で活用する高品質データの在り方について協調 データプラットフォーム拠点形成事業 ( 防災分野 ) ~ 首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト ~ 平成 29 年度要求 要望額 :734 百万円 ( 新規 ) 1 官民連携超高密度地震観測システム 3 ビッグデータ整備 解析 政府関係機関 地方公共団体 民間企業等が保有する地震観測データを統合し 官民連携による超高密度地震観測システムを構築 政府等 交通系 首都圏地震観測網 (MeSO-net) 官民連携超高密度地震観測 防災科研地震観測網 (K-NET,Hi-net 等 ) スマホ地震計化 即時被害把握等に向けたデータセットの整備及び解析を実施 官民連携 超高密度地震観測データ 建物のセンサー情報 地方公共団体 政府関係機関等とも連携 民間 感震ブレーカー 2 非構造部材を含む構造物の崩壊余裕度に関するデータ収集 E- ディフェンスを用いて 非構造部材 ( 配管 天井等 ) を含む構造物の崩壊余裕度 に関するセンサー情報を収集 人工地震データ自然地震データ 中高層ビル避難施設災害時帰宅支援 ライフライン企業 自然地震と人工地震との 相補的融合 AI 活用データセット 地震動による構造物への影響 ( 損傷発生 ~ 崩壊 ) を定量化したもの ビッグデータ