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( 普及指導情報第 18 号 ) 平成 30 年 6 月 29 日 ( 表題 ) 台風第 7 号の接近に伴う農作物被害技術対策情報について ( 担当 ) 農業技術防除センター専門技術部 気象庁によると台風第 7 号は 日本の南の北緯 20 度 東経 130 度に位置 し 1 時間におよそ 10km の速さで西に進んでいます 佐賀県には 7 月 2 日に最接近の予報となっています このため 台風に伴う農作物被害対策を 別紙のとおり取りまとめましたの で 被害を最小限に抑えるための現地指導を徹底してください 佐賀県農業技術防除センター

Ⅰ. 水稲 1. 生育ステージ現在の水稲の生育ステージは下記のとおりである 1) 極早期コシヒカリ : 穂ばらみ期 ~ 幼穂形成期 2) 早期作水稲 : 最高分けつ期 ~ 減数分裂期 3) 山間早植え水稲 : 有効分けつ期 4) 普通期水稲 : 移植期 ~ 活着期 分けつ始期 2. 技術対策台風の風速が 15m/ 秒以上となれば 稲が強く震動し 水稲の茎葉の損傷が大きくなり 生育ステージによっては 穂数の減少や穎花の退化 受精不良 登熟低下 病害虫の多発 倒伏等により 千粒重が軽くなり 減収や品質の低下が懸念される このため 次の対策を心掛ける必要がある (1) 極早期コシヒカリ出穂期に当たる水稲は 呼吸量が大きく蒸散量も増大することから 不稔籾や屑米が増加し 被害が大きくなる このため 必ず湛水し深水にする (2) 早期作水稲減数分裂期 ~ 穂ばらみ期の水稲は 水を一番必要とする時期である 茎葉に損傷を受けた場合は根の老化が進むので 用水が確保できる場合 台風前は深水管理に努める 台風通過後は 土壌中に酸素を補給し根の活力を維持するため間断潅水を励行する (3) 山間早植え水稲最高分けつ期水稲は茎葉の繁茂度が高く 水分の蒸散量が著しい時期である 茎葉が損傷すると根の老化が進むので 用水を確保できる場合 台風前は深水に湛水する 台風通過後は 土壌中に酸素を補給し根の活力を維持するため短期間の断水や 間断潅水を励行する (4) 普通期水稲風による稲体の震動を少なくするため できるだけ深水管理に努める 台風通過後は 新しい水と入れ換えた後 間断潅水により水稲生育の回復に努める 3. 共通対策 (1) 台風前は深水管理を行うが 通過後は汚濁した水を排除し 新しい水と入れ替えるなど 水稲が回復するよう水管理に留意する (2) 水田に海水流入による浸冠水や潮風害を受けた場合は 直ちに排水し真水と入れ替える 出来れば掛け流しを行って除塩するか 少なくとも 2~3 回は水を入れ替え 生育回復に努める (3) 冠水した圃場は潅排水口の確認を行い 異常があれば補修を行う (4) 中間追肥を行う圃場では 使用時期が遅れないように留意するが 被害の程度によっては減量する 多肥による過繁茂は病害虫の多発生を誘発するので 適正な肥培管理に努める (5) 土砂の流入があった場合 流入した土砂の肥沃度にもよるが 堆積土 1cm で 10a 当たり窒素成分で 0.3 0.5kg 施用する

(6) 集中豪雨により クリーク水との水位差がなく圃場へ逆流したり深水状態が続くと スクミリンゴカイの被害が拡大する恐れがあるため 用排水の管理をきめ細かく実施するとともに 薬剤による防除を検討する (7) 麦わらをすき込んだ圃場で 麦わらが吹き寄せ等により稲株を押し倒したり 稲株に覆い被さっている場合は レーキ等で取り除く 併せて用排水の管理をきめ細かく実施し 豪雨による麦わらの浮き上がりを防止する (8) 海外飛来性害虫のセジロウンカの飛来が見られているが 大量飛来やトビイロウンカの飛来も考えられるので地域を巡回し 発生の把握とその後の対策を講じる (9) 台風通過後は茎葉の損傷で 白葉枯病等が発生しやすいので常発地では注意する Ⅱ. 大豆 1. 生育ステージ (1) 本葉が展開中 ( 早播き ) (2) 播種前 2. 技術対策 (1) 大豆は播種後 2 日間の大雨や浸水で発芽率を著しく低下させるため 大雨が予想される場合は播種を延期する ( 無理して播種しない ) また 播種深度は深播きにならないように注意する (2) 荒起しは なるべく播種前日 ~ 当日に行う 播種後に晴天が予想される場合には 乾燥による発芽率の低下が懸念されるため 荒起こしと播種耕起の間隔を空けないようにする (3) 播種量の設定や 種子消毒の励行など基本管理技術の徹底を図るように心がける 種子消毒剤 ( キヒゲン ) は 紫斑病やその他の雑菌の防除効果が高く 腐敗防止や発芽率の向上に効果がある (4) 播種は圃場の排水が良ければ平畦で播種し 覆土と培土で高い畦に仕上げるのが理想的な作り方である しかし 排水の劣る圃場や降雨が多くなることが予想される場合においては 発芽期の湿害を避けるため 畦立てを行って播種しなければならない この場合は 培土に使う土を残すため 播種時は 1 畦 2 条播きとし 条間を中耕培土する (5) 播種作業には 成形ロータリもしくは 麦用の 畦盛り板 をロータリに装着して畦立て播種すれば 表面排水も良くなるため 湛水による出芽不良を軽減することができる (6) 雨が多く耕起できない場合は 麦畦を利用し 耕起を行わず直接麦畦に播種する不耕起播種の方法もある (7)1 工程で播種する場合には 砕土率を高めるため 作業速度を遅くする (8) 大豆の収量を確保するためには 播種時期にあった栽植本数を確保することが大切である また 条間は培土時に土が確実に株元に寄るように幅を調整する

( 例 ; トラクタカルチ 70~75cm 歩行用カルチ 65cm なお 防除等他の機械作業体系も考慮すること ) 播種期 栽植本数 ( m2当たり ) 栽植本数条間 株間 1 株本数 播種量目安 (kg/10a) 7 月 1~ 5 日 10 本 75cm 25cm 2 本 3 7 月 6~15 日 14 本 70cm 20cm 2 本 4 7 月 16~25 日 20 本 70cm 15cm 2 本 6 7 月 26~31 日 25 本 70cm 11cm 2 本 8 (9) 播種深度は 播種後に降雨が多い予報の場合 2~3cmの浅めとし 播種後の 鎮圧は行わない また 播種後に晴天が続く場合は 4~5cm 前後の深めにし て鎮圧を行う (10) 大豆は湿害に弱いので 必ず播種完了時に圃場周囲に排水路を整備しておく (11) 雑草発生が目立つ圃場では播種前に非選択性茎葉処理剤 ( ラウンドアップ プリグロックス等 ) の散布をおこない 播種直後に土壌処理剤を散布 ( トレファ ノサイド等 ) する Ⅲ. 野菜 1. 生育ステージ (1) 促成イチゴは 次作に向けた育苗期である (2) 促成イチゴ ナス キュウリ トマトは 次作に向けた土壌消毒 土作り期間である 一部農家で 収穫延長や雨除け夏秋作型で栽培されている (3) 夏秋ナスや夏秋雨よけピーマンは収穫期となっている (4) 半促成長期どりアスパラガスは夏芽の収穫期となっている (5) 雨よけ野菜の主要品目であるホウレンソウと小ネギは 播種時期の違いにより生育ステージはさまざまである 2. 事前対策 < イチゴ > (1) 苗には薬剤散布を行い 立枯病を予防する (2) 薬剤散布のあと茎葉が乾燥したら 寒冷紗等でべたがけを行い 寒冷紗が吹き飛ばないように直管パイプやブロック等で押さえる (3) 土壌消毒中で密閉しているハウスはハウスバンドを締め直し 台風の強さによってはハウス本体を守るためビニルを除去できるよう準備を行う (4) 育苗床は排水溝を確認し 緊急時のために強制排水の準備を行う (5) 加温機 自動開閉装置等の機材や関連施設の対策も十分に行う (6) タンクに清水を汲んで置き 台風通過後の水洗や防除等に備える < 施設ナス キュウリ トマト等 > (1) 栽培中のハウスや土壌消毒中のハウス 硬質ビニルの施設は密閉し 風が強くなったら換気扇を回す (2) 換気扇を回す場合は 停電等に備え発電機を準備する (3) 密閉するハウスは ハウスバンドを締め直し 妻付近の天井部に防風ネットや海苔網等を被覆する

(4) 栽培が終了していたり 土壌消毒等を行っていないハウスは 早めにビニルを除去する (5) 他はイチゴの (5) (6) に同じ < 雨よけ野菜 > (1) アスパラガスやコネギ等収穫中の品目は 収穫できるものを早めに収穫する (2) 栽培中のハウスは 防風ネットや寒冷紗等で被覆して耐風性を強化する (3) ハウスバンドやラセン杭を補強し ビニルの破損部があれば修理しておく (4) 緊急時のために ビニルを除去できるよう準備しておく (5) アスパラガスは 支柱が抜けないよう確認するとともに ネットをしっかり張って茎葉の損傷をできるだけ少なくする (6) アスパラガスは 茎葉損傷等による草勢低下を防ぐため 事前に追肥を行っておく (7) 播種予定のコネギやホウレンソウは 台風が通過した後 直ちに播種できるように古ビニル等のべたがけを行う (8) 排水溝の詰りがないかを確認し 緊急時のために強制排水の準備を行う (9) タンクに清水を汲んで置き 台風通過後の水洗や防除等に備える < 露地夏秋野菜 > (1) 収穫できる果実は 早目に収穫する (2) 支柱や防風ネットの補強を行う (3) 茎葉を支柱に誘引し 風雨による損傷を少なくする (4) マルチ等は 飛ばないようにしっかり止めておく (5) 他は雨よけ野菜の (8) (9) に同じ < その他 > (1) セルトレイやポット等で育苗中のものは 倉庫等に搬入する (2) 定植直後の圃場は 不織布等のべたがけを行う 3. 事後対策 < イチゴ > (1) 台風が通過後 直ちにべたがけしていた寒冷紗等を取り除く (2) 育苗床が滞水している場合は 直ちに強制排水を行う (3) 茎葉の損傷等により病害の発生の恐れがあるので 薬剤散布を行う また 同時に草勢回復のために葉面散布剤を混合する (4) 茎葉が汚れた場合や潮風害の恐れがある場合は 直ちに清水を散布して洗い流す (5) 苗の傷みがひどい場合は 直射光線を防ぐため寒冷紗等を被覆して 草勢の回復を図る (6) ハウス周囲まで滞水している圃場では 強制排水により早急に排水を図る (7) 太陽熱土壌消毒中に浸冠水したハウスは 地温の低下による消毒効果の低下が懸念されるので 消毒期間を延長する (8) 薬剤による土壌消毒中に浸冠水したハウスは 効果の低下が懸念されるのでビニルを被覆したままの消毒期間を延長し 地温上昇による消毒効果を期待する < 施設ナス キュウリ トマト等 > (1) ハウス周囲まで滞水している圃場では 強制排水により早急に排水を図る (2) 栽培期間中に浸冠水したハウスは 根痛み等による草勢低下を防ぐため 液肥や葉面散布等を行う (3) 太陽熱土壌消毒中に浸冠水したハウスは 地温の低下による消毒効果の低下が懸念されるので 消毒期間を延長する

(4) 薬剤による土壌消毒中に浸冠水したハウスは 効果の低下が懸念されるので ビニルを被覆したままの消毒期間を延長し 地温上昇による消毒効果を期待する < 雨よけ野菜 > (1) アスパラガスは ビニル破損により風雨が降り込んだ場合 茎枯病が発生する恐れがあるので必ず薬剤防除を行う (2) 破損したビニルはすぐに除去して新しいビニルを被覆し 茎葉がその後の降雨に当たらないようにする (3) 軟弱野菜類のべたがけを行ったところは 直ちにはずし 寒冷紗等で天井を被覆する (4) 倉庫等に移動した苗は 寒冷紗等で被覆したハウスに移す < 露地夏秋野菜 > (1) 風雨によって作物に損傷が生じている場合は 痛んだ茎葉や果実を除去する (2) 雨水が畦間に湛水している場合は 直ちに排水し マルチを畦の肩まで上げ 過湿による根傷みを防ぐ (3) 支柱の傾きや誘引資材の損傷があれば補修を行う (4) 茎葉の損傷等による病害発生を防ぐため 低濃度の薬剤散布を行う また 同時に草勢回復のため 葉面散布剤を混合する Ⅳ. 花き 1 生育ステージ < 施設栽培 > (1) 電照ギクは 育苗期から出荷期のものがある (2) バラは収穫期間で一部植え替え育苗中のものもある (3) カーネーションは定植期であり 中山間地は出荷期となっている (4) トルコギキョウは育苗期で 中山間部では生育期から出荷始めとなっている (5) ホオズキ シンテッポウユリは生育期から出荷期のものがある < 露地栽培 > (1) キク ホオズキ シンテッポウユリ等は生育期で 出荷期に入っているものもある 2 事前対策 < 施設花き > (1) ハウスの被害を最小限度にするために 次のとおり点検補強を行う 1 ハウスバンドの固定確認を行い 伸びているものは締め直す 2 天井ビニルを防風ネットや海苔網等で押さえる 3 らせん杭の設置間隔や機能が十分であるかを確認し らせん杭の強度を高める 4 栽培中のビニルハウスや硬質ビニルの施設は密閉し 風が強くなったら換気扇を回す 5 栽培が終了していたり 土壌消毒等を行っていないハウスは 早めにビニルを除去する (2) タンクに清水を汲んで置き 台風通過後の水洗や防除等に備える < 露地花き > (1) 倒伏 茎曲りを防止するため ネット上げやネット及び支柱の固定を行う (2) 圃場の周囲に排水溝を掘り 排水条件を良くする

(3) 収穫できるものは早めに収穫する (4) タンクに清水を汲んで置き 台風通過後の水洗や防除等に備える 3 事後対策 < 施設花き > (1) 破損したハウスでは修理を早急に行い 雨がかからないようにする (2) ハウス内に水が入った場合は 早急に排水を行う (3) 倒伏した場合は 速やかに元に戻し ネットや支柱で固定する (4) 殺菌剤を早急に散布し 病害の発生を抑える (5) 液肥の葉面散布を行い 生育の回復を図る (6) 急激に天候が回復した場合 強光による葉焼けを防止するため 光量に応じた遮光資材のきめ細かな対応に努める < 露地花き > (1) 倒伏した場合は 速やかに元に戻しネットや支柱で固定する (2) 圃場に水が溜まった場合は 速やかに排水を行う (3) 殺菌剤を早急に散布し 病害の発生を押さえる (4) 液肥の葉面散布を行い 生育の回復を図る (5) マルチ下の土壌が過湿状態にあるときは 雨が上がってからマルチを剥ぎ 畦肩を露出させ土壌を乾燥させる Ⅴ. 果樹 1. 生育ステージ < カンキツ類 > (1) 露地カンキツ類は 果実肥大期で 強風による風傷果が発生しやすい時期である (2) ハウスミカンは 被覆 加温時期の違いにより収穫の終了した園から果実肥大期の園とさまざまである < 落葉果樹類 > (1) ハウスナシ ハウスブドウは収穫中 ~ 収穫後である (2) その他の落葉果樹 ( ブドウ カキ等 ) は 果実肥大期であり 強風による落果や風傷果が発生しやすい時期である 2. 事前対策 < 露地カンキツ類 > (1) 強風により枝葉や果実が傷つき かいよう病が発生しやすいため 台風襲来の 1~7 日前に銅水和剤等の散布を行う (2) 高接ぎ更新樹や開張性の強い品種では 強風による枝折れが心配されるため 支柱を立てて枝を誘引 固定する また 幼木は頑丈な支柱を立てて誘引 固定し倒伏を防止する (3) 大雨による土壌流亡や土砂崩れを防ぐため 園内外を巡回し集排水溝を点検する (4) マルチ被覆園では圃場を点検し マルチ押さえを増やすなど 風により被覆資材が飛ばされないようにしておく (5) 風向きによっては潮風害が発生する恐れがあるので 散水のための用水を確保しておく

< 施設栽培 > (1) ハウス全体を点検し 破損個所の修理 ハウスバンドの締め直しを行う (2) 強風時にはハウスの強度を高めるため 完全にハウスを密閉し 換気扇を作動させてハウス内を負圧にし ビニルのあおりを少なくする (3) パイプハウスの強度は一般に風速 30m/s とされている 風が強すぎる場合にはハウス本体を守るために ビニルを除去する < 落葉果樹類 > (1) 成熟期を迎えている樹種で収穫可能なものは収穫する (2) 果樹棚の点検を行い 破損個所等の補修を行っておく また 上下のあおりで 果実のスリ傷や落果が増えるため パイプによる補強やアンカーを増設し引き下げを行う (3) 枝葉の損傷や落果防止のために 結果枝を誘引 固定する (4) 幼木は頑丈な支柱を立てて誘引 固定し倒伏を防止する (5) 強風雨によりカキの炭疽病等の発生が増加するため 台風襲来前に薬剤防除を行う 3. 事後対策 < 露地カンキツ類 > (1) 潮風害の発生が懸念される場合は 台風通過後なるべく早く 2t/10a の真水を散水し 付着した塩分を洗い流す (2) 強風や土砂崩れ等で倒伏した樹は 早急に起こし支柱を立てて誘引 固定する また 根元を敷きワラ等で保護して樹勢の回復を促す (3) 強風で折れた枝は早急に元に戻し ヒモ等で結束する 枝折れがひどい場合は切り落とし 傷口に癒合剤を塗布する (4) マルチ栽培で被覆資材がはがされた場合は 台風通過後直ちに修復するとともに 晴れ間をみて資材を開放し土壌の乾燥に努める (5) 風向きによっては潮風害が発生する恐れがあるので 散水のための用水を確保しておく < 施設栽培 > (1) ハウス施設が損壊した場合には 早急に修復する (2) ハウス内に雨水が浸入した場合には 園外への排水を図る また ハウス内の湿度を下げるため 換気を十分に行う (3) ハウスみかんでは褐色腐敗病の発生が予測されるので 台風通過後薬剤散布を行う 収穫が近い場合には腐敗防止剤を散布する < 落葉果樹類 > (1) 落果した果実はヤガ等の吸汁害虫が誘引されるため 集めて園外に持ち出す (2) 果樹棚や防風ネット等の施設の損傷は早めに修理する (3) 倒伏した樹は早急に立て直し 根元を保護して樹勢の回復を促す (4) 強風によって枝葉が損傷しており カキの炭疽病等を始めとした病原が感染しやすくなっているため 台風通過後は早急に薬剤散布を行う Ⅵ. 茶 1. 生育ステージ二番茶摘採を終え 三番茶生育期 または 中切り 深刈り更新後の再生芽生育期にある

2. 事前対策 (1) 大雨による土壌流亡や土砂崩れを防ぐため 園内外を巡回し集排水溝を点検 整備する (2) 幼木はマルチのおさえを確認し 強風でマルチがはがれないようにする (3) 風向きによっては潮風害が発生する恐れがあるので 散水のための用水を確保しておく 3. 事後対策 (1) 潮風害の発生が懸念される場合は 台風通過後なるべく早く真水を散水し 付着した塩分を洗い流す (2) 防霜施設の傾きや 幼木園では マルチのはがれや株の浮き上がりを点検し 元の状態に戻す Ⅶ. 畜産 1. 事前対策 < 畜舎 家畜 > (1) 畜舎及び堆肥舎などの点検 整備を行い 風雨の侵入を防止する (2) 畜舎周辺の排水溝を清掃し 排水対策を行う (3) 畜舎周辺の施設 飼料タンクなどが暴風雨で飛ばないように固定を強化する (4) 庇陰樹の整枝 板 スレート材などの飛来原因物を整理する (5) 夜間の突発的作業や停電時に備えて 作業手順や道具の整理 整頓 自家発電装置 照明器具などの準備を行う (6) 停電時には井戸ポンプが止まり家畜の飲料水が不足することがあるので ポリタンク等に予備飲用水を確保する (1 頭 ( 羽 ) 当たり必要量 (L/ 日 ):50( 肥育 )~150( 乳牛 ) 豚 :30 鶏 :1) < 飼料作物 > (1) 飼料作物は収穫できるものはすみやかに収穫する また ロールベールの倒壊や稲わら等の飛散防止に努める 2. 事後対策 < 畜舎 家畜 > (1) 家畜の観察を行い 異常家畜の早期発見に努める また 台風通過後の高温対策のため換気等に十分気を付ける (2) 畜舎に雨水などの侵入があった場合は直ちに清掃した後 逆性石鹸 500~1000 倍液を 1~2L/ m2噴霧するか消石灰を散布して消毒する また 新鮮な飲料水 腐敗やカビのない飼料を確保し 敷料は 新しいものに交換する (3) 速やかに被災状況を確認し 被害施設の補修 修繕や家畜の事故につながる飛来物などの除去を行う また 電気配線等の切断や漏電に注意する < 飼料作物 > (1) 刈り取り間近のものや被害し倒伏したソルゴーなどは早めに収穫 調製する (2) 倒伏したものを青刈り給与する場合は 刈り取り後風乾して泥土を落として給与する (3) ロールベールサイレージ等のラップが破れた場合は 破損部分を直ちに補修し 早めに家畜に給与する