2014年度_三木地区概要

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5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

会場 - 全国 9 都市で実施 地 開催 会場 北海道 8 7 ( ) 北海道庁別館 11 階第 4 研修室 8 8 ( ) 札幌市中央区北 3 条 7 丁 巨大災害に備えて 地域別総合防災研修 東北 ( ) ( ) 北陸 ( ) (

02 Murayama Hospital News

目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

自主防災組織をつくろう

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

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学校の危機管理マニュアル作成の手引

【東日本大震災発生から7年】「災害への備えに関する調査」結果 ~あなたのご家庭の備えを点検しませんか~_損保ジャパン日本興亜

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白紙のページ

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試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

平成16年度第1回○○区地域協議会次第

平成 28 年度 県民 Webアンケート 第 6 回自主防災の取り組みについて 実施期間 2016/9/15~2016/9/21 アンケート会員数 224 人回収数 191 件 ( 回収率 85.3%) 近年 全国各地で自然災害が多発しており 奈良県でもいつ大きな災害に見舞われるかわかりません 災害

別紙 1600 年分の自然災害を振り返る災害年表マップ ~スマートフォン タブレット対応のお知らせと Web 技術者向け API 配信項目拡大のご案内 ~ 1. 災害年表マップについて災害年表マップは 過去の自然災害事例を発生年ごとに市区町村単位で Web 地図上に表示する Web サービスです 地

年齢別では 10 才代では 知っている人は 40.0% であるのに対し 30 才代以上では 7 割以上の人が 知っていると回答しています 図表 3 おおきな地震が起きると考えられていることを知っているか ( 年齢別 ) 10 才代 (N=10) 40.0% 50.0% 10.0% 20 才代 (N=

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<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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平成27年基準年度固定資産税標準 宅地の鑑定評価でのバランス検討体制等に関する説明会資料

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はじめに

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スライド 1

地震や防災に関する情報の取得源はテレビが最も多い 地震や防災に関する知識をどこで得ているかをたずねたところ テレビ と回答をする方が 66.6% と多数を占め の イ ンターネット (45.3%) 新聞 (30.7%) といった回答を大きく引き離した結果となりました テレビは昨年 一昨年に続き最も多

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浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

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地震防災に関するアンケート調査結果について

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

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北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実

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目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

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1 調査の目的 マイナンバーカード に関するアンケート 区政運営 区政会議 に関するアンケート 区の広聴事業 に関するアンケート 防災 に関するアンケート 防犯 に関するアンケート区民の皆さんに マイナンバーカード取得に関する事や 区政会議 広聴事業の取り組み 住之江区の防災 防犯についてお伺いし

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目 次 はじめに 1 新郷地区でのこれまでの取り組み 2 共通の取り組み 3 個別テーマ 4 防犯 4 防災 5 コミュニティー 6

第2章 いわき市自治会における問題の所在

目次 1. 概要 操作方法 わがまちハザードマップを見る 地図で選ぶ 都道府県 市区町村を選択する わがまちハザードマップを使う 地図から選択する 地図上から直接選択..

職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

活動状況調査

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( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

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1 防災に関する意識 (1) 災害被害の具体的イメージ ( 複数回答, 上位 4 項目 ) 平成 25 年 12 月 地震 80.4% 竜巻, 突風, 台風など風による災害 48.1% 河川の氾濫 19.6% 津波 17.8% ( 複数回答 )

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基本事業評価シートA

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外部評価地域かかわりシート 1 〇外部評価 ( 地域かかわりシート 1) は A~F までの 6 項目となります〇項目 A については 事業所自己評価 をお読みいただき 適当と思われる箇所に を記入ください わかりにくい場合は 運営推進会議当日に事業者から説明がありますので 空欄のまま持参し 当日記

報道発表資料(新宿駅屋内地図オープンデータ)

ハザードマップポータルサイト広報用資料

平成 30 年度農村地域防災減災事業 ( 美馬 3 地区 ) ため池ハザードマップ作成委託業務 特記仕様書 経済建設部 農林課

1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

戸田市災害に強いまちづくり推進ワークショップ 住民版地域防災計画作成の手引き 緊急一時避難場所を決めましょう 避難を支援する方法を考えましょう 緊急時の連絡体制をつくりましょう リーフレットを作成し 町会員に周知しましょう 参照 : 戸田市洪水ハザードマップ

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大規模災害時における罹災証明書の交付等に関する実態調査-平成28年熊本地震を中心として-

【東日本大震災発生から8年】「災害への備えに関するアンケート」結果_損保ジャパン日本興亜


災害時要援護者支援マニュアル策定ガイドライン

資料 3-1 男女共同参画の視点からの 防災対応について 東日本大震災への男女共同参画の視点を踏まえた被災者支援 平成 23 年 7 月 20 日 内閣府男女共同参画局

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4 地域の多様な主体 関係機関等がともに議論し 課題を把握することを通して 連携を深めることができる 5 各自の災害時の経験や知識を共有し 継承することができる (4) ワークショップを実施する際に重視することワークショップを実施する際に大切にしたいことは 主に次の3つです 1 すべての参加者が平等

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

報道関係者各位 2019 年 8 月 9 日 SBI リスタ少額短期保険株式会社 [ 関東財務局長 ( 少額短期保険 ) 第 1 号 ] SBI リスタ少短 地震 防災 に関するアンケート調査を実施 ~ 地震だけでなくあらゆる自然災害への警戒意識 高まる~ SBI リスタ少額短期保険株式会社 ( 本

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2 計画 ( 素案 ) からの主な変更点 1 はじめに頁主な変更点 1 これまでの経緯に 不燃化特区補助制度の指定 地区計画と都市防災不燃化促進事業の導入についての記載を追加 また 大和町中央通り沿道地区は 平成 26 年に不燃化特区補助制度 ( 平成 32 年度まで ) の対象区域に指定されるとと

4 回答者属性 (1) 性別 人数割合 (%) 男性 女性 49.4% 0.4% 男性 5 女性 % 2 0.4% (2) 年代別 人数割合 (%) 20 代 % 30 代 % 40 代 % 50 代 % 60~6

三郷市地震ハザードマップ

当面の事業概要 < 平成 25 年度 > 実施設計業務委託 < 平成 26 年度 > 市道 1504 号線電線共同溝整備工事 道路改築工事 < 平成 27 年度 > 市道 1504 号線電線共同溝整備工事 市道 1504,1505,1507 号線道路改築工事 < 平成 28 年度 > 市道 1504

諸外国の火山防災体制

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第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

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国土技術政策総合研究所 研究資料


第8章 災害復旧計画

Transcription:

三木地区 ( 石川県加賀市 ) 1. 三木地区の概要 (1) 地区特性三木地区の人口 世帯数等について以下に示す 石川県の最西端に位置する地区 人口 1,636 人 世帯数 622 世帯 7 町内会で構成 熊坂町 大同町 三木町 奥谷町 橘町 永井町 吉崎町 ( 福井県境の町 ) (2) 災害経験 想定災害 1948 年の福井地震により多数の火災発生 建物全壊 半壊でほぼ全滅状態であった 地震が発生した場合の沿岸部への津波を想定している ( 想定津波が加賀側 8m あわら側 2m と異なっている ) (3) これまでの取組 本事業がきっかけとなって 石川県側吉崎町と福井県側吉崎の住民が 共同で県境を越 えた津波によるハザードマップの作成に取り組んだ

2. 地区の課題及び地区防災計画策定の背景本計画は 北陸震災等過去の大震災を鑑み 自助 共助及び公助が連携して初めて大規模広域災害後の災害対策が円滑に行えることから 地域コミュニティにおける共助による防災活動に重点をおいた地区防災計画の作成に向けて ワークショップ等を開催した 本地区の津波避難として一時避難所は 県境を越えた福井県側のあわら市立吉崎小学校への避難を予定している そこで地区防災計画を策定するにあたり 県境を越えた取り組みが必要になる そのため 石川県と福井県の両吉崎地区の方々で県を越えて協力関係を取り防災対策を進めるようワークショップを開催することになった ワークショップでは 両吉崎地区で津波の想定が大きく違っていたことが 明らかになった これは 県境という見えない差を生み 知らないうち市民の皆さんの認識が違っており 災害時に混乱が生じ恐れがある この課題を解決するには 両地区の皆さん全員で災害対策を共有し浸透すれば大きな力になるであろう 3. 県境を越えた津波による災害対策の取り組み県境を越えた津波による災害対策の取り組みとして DIG によるハザードマップを作成した ハザードマップは 石川県側の吉崎町と福井県側の吉崎の住民が共同で DIG 方式により作成され 第 1 回ワークショップで作成された石川県側のみの地図と 第 2 回ワークショップで作成された県境を越えたハザードマップを作成することができた その内容は 66 年前の当時に実際に体験した昭和 23 年 6 月 28 日発災の福井大地震の被災状況をはじめ 地盤の弱い所や避難ルートなどの記載を行うことができ 今後 地区防災計画を策定する上で非常に有益なものとなった また 県境を越えた第 2 回ワークショップの席上で 合同での訓練開催の予定などが協議され 市町や県レベルの調整では困難である県境を越えた取り組みを実現することができた 引き続き ハザードマップを活用した合同防災訓練を実施するなど 県境を越えた防災活動が実施されることから 今後 地区防災計画の策定が期待できる (1) 加賀市防災コミュニティ スクール推進事業について加賀市では 平成 26 年度防災コミュニティ スクール推進事業 (H25 内閣府選出事例 < 中部ブロック代表 >) のモデル地区として 三木地区を選出し 学校 地域 家庭が連携しながら 避難所となる学校を拠点として 防災に関する様々な協議を事前に実施することにより 災害時には迅速かつ円滑に防災活動が実施されるよう取り組みを行った

(2) ワークショップの開催県境を越えたハザードマップを作成することができた過程を報告する 1) 第 1 回ワークショップ< 石川県側加賀市吉崎町 > 日時 平成 27 年 1 月 26 日 ( 月 ) 参加 澤田内閣府アドバイザー 関西情報センター 1 名 加賀市防災協議会 1 名三木地区 3 名 加賀市吉崎町 11 名 あわら市吉崎 8 名 加賀市 3 名 あわら市 1 名計 29 名 会場 三木地区会館( 石川県側 ) 内容 加賀市吉崎町における DIG 方式 (1) での防災ハザードマップ作成石川県側の加賀市吉崎町で これまでの加賀市の取り組みや今回の福井県側のあわら市吉崎と合同で開催されることとなった経緯について説明があり 早速 DIG 方式でワークショップ行い 内閣府アドバイザーの澤田先生が作成した両県を跨ぐ地図を利用することで 県境を越えたハザードマップの作成を両方の住民が参画する形で実現することができた 写真 石川県側の吉崎町で県境を越えたハザードマップを作成開始した様子 また 石川県側と福井県側での地震が発生した場合の沿岸部への津波の到達高や到達 時間が異なっていたことから NHK や地元新聞に大々的に取り上げられ 住民の防災活 動の後押しになった (1) DIG( 災害図上訓練 ) は 地域に発生する災害を想定した上で 地図を用いて参加者とともに地域 での想定被害や危険性等を明示していく手法である 自主防災組織などの防災意識啓発を目的と したワークショップなどでもこの手法が用いられている

2) 第 2 回ワークショップ< 福井県側あわら市吉崎 > 日時 平成 27 年 3 月 2 日 ( 月 )19:00~20:30 参加 澤田内閣府アドバイザー 三木地区 2 名 加賀市吉崎町 11 名 あわら市吉崎 16 名 加賀市 2 名 あわら市 1 名計 33 名 会場 吉崎公民館( 福井県側 ) 内容 加賀市吉崎町における DIG 方式での防災ハザードマップ作成県境を越えて共同で作成した はじめに 当時の吉崎の被害状況を澤田雅浩先生が準備された白地図をもとに概要を説明していただき 3 つのテーブルで準備された白地図に 壊れたところ 大丈夫だったところ 板塀はどうなったのか 道は通れたのか どこが一番安全なのか どうやって避難していくのか 一時避難場所 二次避難場所 吉崎小学校への移動はどうしたらいいのかなどを話し合い ハザードマップを作成した 4. マップづくりのポイント吉崎地区においては 県境をまたいでいることで加賀市吉崎地区およびあわら市吉崎地区を包含した白図がこれまで住民に提供されていなかった そこで国土地理院の提供する基盤地図情報を活用し 1/1500 の白図を今回のワークショップで用意したことで 両地区の住民がそれぞれ持つ知見を共有することができた 加賀市吉崎地区では避難ルートや危険箇所等の把握がすでに行われていた 一方であわら市吉崎地区には昭和 23 年の福井地震の被害の記録 記憶が残されており 当時の被害状況に関する情報が把握されていた 両者の持つ情報を地図に媒介として共有することで 被害想定の違いからくる対応の相違を理解するだけでなく これまでの災害履歴を踏まえてより安全な対策を検討する契機となった 地区住民主体で取り組むことで行政界をまたいだ活動へと歩を進めることができたのは 一つには共有できる地図の存在がある どのように境界をまたいだ地図を提供することができるのかを検討しておく必要がある 5. 成果及び今後のスケジュール年度末ぎりぎりに 加賀市吉崎町区長の桶田さんをはじめ あわら市吉崎の末富会長さんなど 地元の皆さんのご尽力により 県境を越えた住民手作りのハザードマップを完成させた 県境を跨ぐ地域においては 津波をはじめ 各種災害の想定や訓練方法など 県境があることによって 様々な違いが発生しており 自然災害を推し量ることは大変難しいことであるが 人の防災意識に差が生じていることが最も危惧するところである 福井県側の津波想定が石川県と比べ低いこともあり 福井県側の区長会長がテレビの取材で 同じ地域であるにもかかわらず 石川県側の地域住民はいち早く逃げる訓練をしており 福井県

側の地域住民は何もせずにいることが問題であって 災害においては 共同で取り組む必要がある とお話しされていたことが大変重要である この問題は石川県境と福井県境のみの問題として捉えるのではなく 他の地域でも様々な課題を見出すきっかけとなってほしい 福井地震から 67 年目 いつ起きるかもわからない 当時を知る人の災害状況を いまを生きる人 後世に伝える記録を残す役目を担っている 今後の課題として 合同の防災訓練を実施し 県境を越えた活動を住民主体で行うことで 住民によるハザードマップや地区防災計画の作成等について 県境を越えた取り組みを継続する事を考えている