東京大学教養学部前期課程 2007 年夏学期全学自由研究ゼミナール 選挙の科学 提出論文 地方選挙の現状と国政選挙への影響 名切悠晴 東京大学教養学部文科 Ⅱ 類 1 年 要旨現在の日本では 衆議院選挙や参議院選挙といった国政にかかわる選挙は大きくメディアで取り上げられることが多い しかし 地方選挙については 地方メディアならともかく全国版で大きく取り上げられることは稀であり 地方議会の現状について国民の関心も認識も深くはない そこで 地方選挙について議席率など基本的なデータをまとめ 無投票当選など地方議会特有の現象も考察する さらに 票の取りまとめや応援演説など 地方議員は国政選挙でも大きな役割を果たすことから 国政選挙に対する影響も考察する 1
名切悠晴 / 地方選挙の現状と国政選挙への影響 第 1 節はじめに 日ごろあまり注目を浴びない地方選挙だが 地方選挙の結果が国会議員の手足となって働く地方議員の数にも関係したり 国政選挙のステップになることも多く地方選挙が国政選挙に与える影響もある そこで本稿では 注目度も小さく研究もあまり進んでいない地方選挙について 都道府県ごとの政党の議席率 得票率 投票率 定数不均衡といった基本的な地方選挙の現状をまとめることから始まり それと国政選挙と比較しながら国政選挙への影響や推測を行う なおデータに関する説明を載せておきたい 地方選挙のデータ量は 知事 県議会 市町村議会と膨大であるため 都道府県議会だけに絞った 市町村議会の議員も国政選挙では大きな役割を果たすので まことに残念であるが 時間の制約上ご容赦いただきたい また 断りの無い限りデータは 2007 年 4 月 8 日現在で入手できる最新のデータを使用している 第 2 節地方選挙の現状 (1) 都道府県議会の政党 まず はじめに地方議会と国会とでは政党の割合等大きく異なる部分も大きいのでその現状を示したい 下の表は都道府県議会の議員の数の政党別割合を下に示す 表 1: 都道府県議会と衆議院 (2003) の議席率 議席率 当選前 当選後 衆議院 自民 47.1% 55. 49.4% 民主 14.9% 18.4% 36.9% 公明 7.6% 8.1% 7.1% 社民 2. 2.7% 1.3% 共産 4.2% 4.3% 1.9% 無所属 22.2% 3.1% 2.3% その他 1.9% 8.2% 1.3% 当選前と当選後の割合が違うのは 新人で出た無所属の議員が現職を破りその後に政党の会派に属する場合があり また 現職で会派に属していても選挙のときは無所属で戦っていることがあるからである 衆議院の議席率と比較して気が付くことは民主党の割合が低い一方 共産党の割合が高いことである 民主党の議席率が低いのは 地方議会には高知の 県政会 や長野の 創志会 など 国政には出てこない地方政党が数多く存在するからである これらの政党の 2
東京大学教養学部菅原ゼミ 2007 年夏学期 多くは自民党と対抗する上で民主党と協力関係にあると推測できるので 民主党の勢力は数字よりも大きいであろう ただ 自民党は ほとんどの都道府県に自民党県議団を組織しているが 民主党は多くの県で組織が出来てないことからやはり民主党はまだ地方での活動が弱いことが感じられる 共産党の割合が高いのは 地方選挙の仕組みが中選挙区制になっているからであり 定数が 1~19 と幅広く存在し衆議院選挙の小選挙区と比べより比例的な選挙であるため 小さな政党にも得票率に近い議席が分配されているためと考えられる さらに 地方議会では民主党と社民党が統一会派を組んでいる場合が多数ある このことは今後 国政でも連立の可能性があることをある程度示している ( 2) 国政与党が過半数を取れていない都道府県議会表 2: 国政与党が過半数を超えない議会 議席率 岩手 高知 滋賀 長野 三重 自民 27% 33% 4 29% 49% 民主 46% 3% 35% 12% 43% 公明 19% 5% 1% 5% 社民 2% 8% 4% 12% 4% 共産 2% 13% 6% 12% 4% その他 4% 38% 14% 29% 総計 48 39 47 58 51 国政与党が過半数を取れていない都道府県は 4 つ存在する この地域を詳しく調べていくことで 今後国政で与党が過半数割れを起こしたときにどのようなことになるかの参考になるはずである まず現状としては 岩手が割れているのは 小沢民主党党首の影響がうかがえる 同じく三重は過半数は超えないが民主党の議席率が高い地域である ここも岡田元民主党代表の出身地である 高知県で割れているのは地方政党である県政会と県民クラブが強いためであり 長野県は改革 緑新 トライアル信州 創志会などの地方政党が乱立しているためである これらの会派は親知事や反知事などで会派を組んでいることも多い 特筆すべきことは 自民党の議席占有率が 6 を超える都道府県は 19/47 とかなりの割合である やはり自民党は足元が固まっている印象を受ける これらの与党が過半数割れしている議会では たとえば岩手県議会では 年金問題への速やかな対応を求める意見書 などが出されている これは確実に野党としての性格を帯びているが 地方選挙の存在感を示すために国政与党側も同意をする場合もあり 条例から政策を判断するのは難しく今後の課題である (3) 無投票当選の現状地方選挙では しばしば無投票当選という立候補者数が定数が同じであり 投票なしで 3
名切悠晴 / 地方選挙の現状と国政選挙への影響 当選者が決まることであり 国政選挙ではほとんどみられない まず 無投票当選がどの程度おこっているかという数字が下 ( 表 3) である 表 3: 無投票当選率 無投票当選者数 425 全議席数 2672 無投票当選率 15.9% 無投票当選率は約 16% で 約 6.3 人に 1 人が有権者からの信任である無投票当選である ここで 無投票当選者の実態をもっと掘り下げてみるとやはり現職で自民党の候補者が無投票当選となることが多いことがわかる ( 表 4, 表 5) 表 4: 無投票当選率 表 5: 無投票当選率と自民党 都道府県議会 都道府県議会 現職の当選率 71.7% 自民党の議席率 47.1% 無投票当選の現職率 88.2% 無投票当選の自民党率 74.3% 現職で自民党の無投票当選率が高い理由は 地方はいわゆる地元の名士のような有力な候補者がいて 候補者重視の選挙が行われていると考えられる これらの有力候補に対して 足場の弱い民主党や支持者の少ない共産党などは対抗馬すら立てることができないと考えられる ただ 現職有利に限って話をすれば 現職有利は何も地方選挙に限った場合でなく 国政でも見られる現象である 何故地方議会だけでこのような現象が起こるかは 党の力の入れ方と候補者不足ではないかと思われる 国政選挙の場合は 注目度も高いので 各党は不戦敗を防ぐべく必死で候補者を探し 擁立する しかし 地方選挙の場合 注目度も低いので候補者探しも国政と比べれば必死で行わないのではないかとも考えられる また 第三次産業就業者率を都市度の基準として用いて 無投票当選と都市度の関係を調べた ただし 第三次産業就業者率が多ければ多いほど都市度が高いと定義をする その結果 投票が行われた選挙区の第三次産業就業者率が 63.4% であるのに対し 投票が行われなかった地域 すなわち無投票当選者が出た選挙区の平均は 56.3% であった 全選挙区の平均が 62.6% であったことから考えても 無投票当選は田舎で起こっていることがわかる この結果から 地方の方が有力な候補者が多いと推測できる ( 4) 選挙区投票率投票率は衆議院選挙の小選挙区 (2003 年 ) で 59.9% なのに対し 党道府県議選では 52. 5% であった 国政はメディアで大きく取り扱われるので有権者の関心も地方選挙よりは大きくなると考えられる 実際 2003 年の衆議院選挙の投票率が 59.9% である一方 都道府県議会選挙の投票率は 4
東京大学教養学部菅原ゼミ 2007 年夏学期 44.1% である 次にそんななかで国政よりも投票率の高い都道府県を調べ 投票率の上位の選挙区の顔ぶれを調べた その地域で起こっている特有の問題 ( 例えばゴミの処分場や基地の問題 ) に対しての関心や利害から より地域密着な地方選挙の投票率が上昇し 国政よりも投票率の高い都道府県が出てきたり 問題を抱える地域が高投票率上位に固まるのではないかという仮説を検証するためである 検証の結果 都道府県議会選挙で投票率が高い地域を上から見たが 同じ県であったりすることはなく ほとんどバラバラにちらばっていた だが 地方選挙の投票率 衆議院選挙 (2003) の投票率 を計算した結果 青森県 (99.2%) 山梨県(101.1%) 沖縄県(99.5%) がいずれも高い値を示した 青森県は六ヶ所村の原子力施設 沖縄県は基地問題という地域特有の問題があるが 山梨県は大きな地域特有の問題は見当たらない ただ山梨県を除けば 2 県とも地域特有の問題を抱えている 地域特有の問題と投票率を即結びつけることはできないが 少なくとも関係はありそうなので このことは今後の地方分権に関わってくる事項である また 都市 ( 第三次産業就業者比率が高い ) であればあるほど投票率は低くなる傾向が見える ( 図 1) これは国政選挙と同じ結果であり 地方選挙も同じ現象が起こっていることがわかる 図 1 第三次産業割合と選挙区投票率 10 R 2 = 0.2828 第三次産業割合 8 6 4 2 2 4 6 8 10 選挙区投票率 5
名切悠晴 / 地方選挙の現状と国政選挙への影響 (5) 定数不均衡定数不均衡とは ある都道府県議会で議員一人当たりの有権者数が最大の選挙区を最小の選挙区で割った値があり 有権者の一票の格差が生まれることである 筆者は 地方選挙では定数不均衡は大きい場合ば多そうだと予想していたが 定数不均衡は県内で 3 倍を超えたのは下図のとおり 1 都 1 道 2 県のみであった 衆議院選挙の定数不均衡の基準が 3 倍であるから 定数不均衡は大きくない場合が多いといえる さらに 1 都 1 道 2 県で GINI 係数を見るとある程度小さな値になっているのでやはり 定数不均衡はそこまで大きくないといえる 表 6: 定数不均衡 最大 最小 GINI 係数 岡山 3.06 0.14 北海道 3.55 0.19 兵庫 4.36 0.16 東京 4.83 0.12 また 下図 ( 図 2 図 3 図 4 図 5) は各都道府県の選挙区の議員一人当たりの有権者数を小さいものから順に並べたものである どの地域で是正可能か個別に検討してみたい 岡山の場合は 地理的にも近い下位二つの選挙区の勝田郡と久米郡を 1 つの選挙区として合併すれば 定数不均衡は 1.89 まで下げることが出来る 東京の場合は 議員一人当たりの数が極端に少ない地域が 2 つありその 2 つの地域は千代田区を一つとする選挙区と大島町, 利島村, 新島村, 神津島村, 三宅村, 御蔵島村, 八丈町, 青ヶ島村, 小笠原村を合わせた選挙区であり これらを合併するのは地理的にも難しい 離れた場所で選挙活動をするのは候補者の負担が大きいからだ 図 2 岡山の議員一人当たりの有権者数 50000 45000 40000 35000 30000 25000 20000 15000 10000 5000 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 6
東京大学教養学部菅原ゼミ 2007 年夏学期 図 3 東京の議員一人当たりの有権者数 140000 120000 100000 80000 60000 40000 20000 0 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 図 4 兵庫の議員一人当たりの有権者数 80000 70000 60000 50000 40000 30000 20000 10000 0 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 図 5 北海道の議員一人当たりの有権者数 80000 70000 60000 50000 40000 30000 20000 10000 0 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 7
名切悠晴 / 地方選挙の現状と国政選挙への影響 兵庫の場合は 他の 3 ケースとは異なりなだらかに分布している 詳しく見てみると 選挙区定数を変えたり 選挙区を合併させることにより議員一人当たりの有権者数を 4~5 万人前後に出来る これは単に定数不均衡是正の努力をしていないからだと考えられる 北海道の場合も岩見沢市の定数を 1 から 2 に変更するだけで 定数不均衡を 2.88 まで下げることができ是正の余地はある (6) 議会間格差地方議会の議員は国政選挙で票をまとめたり 応援演説をしたりと重要な役割を果たす ここで 都道府県議会によって議員の数の割合に差がある場合には国政選挙を戦う上で影響が出てくると考えられる そこで 人口 都道府県議会の議員数 = 議員一人当たりの人口 を計算し各議会の格差を求めてみたい これを計算することで ある政党が強い都道府県では多くの地方議員が存在し 逆に他の政党が強い都道府県では地方議員が少ないという現象があるかどうかを調べる まず 議会の定数をざっと見ると どの議会の定数も 50 人くらいを基準にしており 平均は 60.5 人で中央値は 48 人となった 平均が中央値より若干高いのは 東京都や北海道や大阪府など人口が多い地域では 100 人を超えるなど多めに配分されているからである 次に議員一人当たりの人口と各議会の自民党の議席率との相関関係を示した図が下である 9 図 6 自民 8 7 6 R 2 = 0.087 議 5 席率 4 3 2 1 0 20000 40000 60000 80000 100000 議員一人当たりの人口 8
東京大学教養学部菅原ゼミ 2007 年夏学期 これを見ると 自民党の議席率が高いところほど議員が多く割り振られていることが 若干であるがわかる 次に民主党を見てみると 5 図 7 民主 45% 4 R 2 = 0.276 議席率 35% 3 25% 2 15% 1 5% 0 20000 40000 60000 80000 100000 議員一人当たりの人口 自民党とは逆で 民主党議席率が大きいほど議員の割り当ては小さくなるという結果になった 下の表 7 を見ても農村部に行くほど自民党が強いということを言い換えたに過ぎないとも言える 表 7: 議員一人当たりの人口 下位 5 都道府県 上位 5 都道府県 山口 15230 愛知 69754 鳥取 16404 埼玉 74249 徳島 19755 大阪 78723 島根 20058 神奈川 82158 高知 20416 東京 98983 地方選挙でも農村部で自民党が強いので結果 自民党が有利になっただけで特別な意図はないかもしれないが やはり地方議員の数の要素は国政選挙に影響を与えるので 国政選挙を戦う上での体力の一つとして提唱したい (7) 地方議会と衆議院比例区の得票率地方議会の議席率と衆議院比例区の得票率を比べることで 潜在的にどの地域が強いのかがわかる ここで 外れ値を出す地域を調べてみる 9
名切悠晴 / 地方選挙の現状と国政選挙への影響 図 8 自民党 6 衆 5 議院 4 比例 3 区の得 2 票率 1 R 2 = 0.5849 1 2 3 4 5 6 7 都道府県議会議席率 図 9 民主党 5 45% 衆 4 議院 35% 比 3 例区 25% の 2 得 15% 票率 1 5% 5% 1 15% 2 25% 3 35% 4 45% 都道府県議会の議席率 R 2 = 0.5236 図 10 公明党 25% 衆議 2 院比 15% 例区の 1 得票 5% 率 R 2 = 0.3116 2% 4% 6% 8% 1 12% 14% 16% 18% 2 都道府県議会の議席率 10
東京大学教養学部菅原ゼミ 2007 年夏学期 図 11 社民党 2 18% 衆 16% 議 14% 院比 12% 例 1 区 8% 得票 6% 率 4% 2% 2% 4% 6% 8% 1 12% 14% 16% 18% 都道府県議会議席率 R 2 = 0.3616 図 12 共産党 18% 16% 衆 14% 議院 12% 比 1 例区 8% 得 6% 票率 4% 2% 5% 1 15% 2 25% 3 都道府県議会議席率 R 2 = 0.7634 議席率と得票率を使っているので 小規模な政党が小選挙区や定数の小さい中選挙区では当選しにくいというバイアスがかかるのは仕方がないとして 自民党以外は 衆議院比例区得票率のほうが高い値だということがわかる 全体としてかなりきれいに分布している 議席率と得票率の相関を示した線形からの外れ値を検証してみると 社民党に上のほうに二つは 大分県と沖縄県でこの地域はもう少し地方議会が伸びる余地があると思われ 逆に右のほうに外れている点が岩手県である 岩手県は地方議会の議席率が高いので ここも努力しだいでもう少し比例を伸ばせると思われる (8) 選挙区定数と当選率選挙区の定数の設定により当落が大きく異なることが多々ある 一般には 小選挙区 ( 定数 1) では大政党が有利であり 中選挙区や大選挙区 ( 定数 2 以上 ) では小政党にも分があ 11
名切悠晴 / 地方選挙の現状と国政選挙への影響 ることが知られている そこで都道府県議会選挙では定数 1~19 に分けて分析した 図 13 定数別当選率 10 9 8 当選率 7 6 5 4 3 2 自民民主共産公明社民無所属その他総計 1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 19 選挙区定数 この図で特筆すべきことの 1 つは公明党の当選率の高さである 公明党では 227 人候補者を出し 1 人しか落選していない このことから公明党は地方選挙ではほぼ完璧な票読みを行っていることがわかる これが公明党の強さである 2 つ目は共産党である 共産党は小さな政党であるから 理論上は選挙区の定数は大きいほど当選がしやすくなる そして実際の結果を見てもきれいにそのような結果がでている 3 つ目は民主党の 1 人区での弱さである 1 人区では自民党が 79.5% の当選率であるのに対し 民主党は 46.4% と低い 総計で 54.5% の当選率であり 全体と比較しても民主党の値は低い値となっている 自民党と民主党の当選率の顕著な差は 1 人区のみであるから この 1 人区の対策が民主党にとって重要であることがわかる しかし 都道府県議会は参議院の選挙制度と同様に 1 人区は農村部 複数区は都市部というようになっている はたして民主党は 政策位置をずらしてでも あるいは曖昧にしてでもこの地域に進出するメリットがあるか? 1 という指摘もあり 一概には言えない 1 筆者の質問に対する 菅原琢東京大学先端科学技術研究センター特任准教授によるコメント 12
東京大学教養学部菅原ゼミ 2007 年夏学期 第 3 節おわりに ここまで 都道府県議会の分析を行ってきたが それから国政選挙への影響を考え まとめなおしたい 前にも記したが 地方議員は国政選挙のときには応援演説や票の取りつぎなど大きな役割を果たす それゆえ 傘下の地方議員の数を増やすことは国政選挙対策にもなる 地方議員を増やすにはどのようなことをする必要があるだろうか 第一に有名な政治家の影響力を使うことである 民主党小沢代表の岩手県 民主党岡田元代表の三重県 田中康夫元知事の長野県 橋本大二郎知事の高知県など有名な政治家が各地方議会に強い影響を及ぼしている例が多々ある このように 強力な代表や知事を党として推薦したり連帯することは地方議会対策として多大な効果がある 石原東京都知事と自民党の問題などはこのような地方議会への影響も考慮に入れたものであると考えることが出来る 第二に候補者不足の問題の解消である 無投票当選の実態や議席率からもわかるように 現在の都道府県議会では自民党の 1 人勝ち状態である これを打破するために各党は 地方選挙も国政につながる大切な選挙だということを強く意識して地方選に望むべきである そして 2007 年の参議院選挙でもわかるとおり 風さえ味方につければこれまで自民党が有利と考えられてきた農村部の 1 人区の選挙区でも勝つことが出来るので まずは不戦敗をなくすべく候補者を擁立することが大切であり 足固めをする必要がある 第三に地域密着型の問題を国政選挙でも争点とすることである 国政選挙では 国の政策 ( 外交など ) が争点として上がることが多いが 第二節の (4) でも示したとおり 地域特有の問題があると有権者の関心も上がることがわかる よって 有権者の関心を高めて得票につなげるためにも地域問題にも戦力を割くべきである もう 1 つ地方選挙が国政選挙へ影響を与えるかもしれない例がある それは民主と社民 or 民主と諸派の連立の可能性である 国政ではまだ連立は行われていないが 都道府県議会では民主と社民が統一会派を組んでいたり 民主が諸派と連帯していることがある このことから 国政でもこれらの政党が連立を組む可能性は十分にありうることを認識し 連立を組む過程やどのような点で協力できてどのような点で協力できないのかを 連立を組む場合参考にすることが出来る また 東京都の生活者ネットワークというある地方政党にも見られるように地方選挙では敵対することもあるが 国政選挙では民主党と共闘するという例もあるので 国政選挙の際にどれだけ地方政党の組織力を味方にできるかも選挙結果の鍵となるだろう 以上のようにこの作品が地方選挙を研究し 国政選挙へつなげるという考え方が広がるきっかけになればと思う 13