<4D F736F F D E9197BF312D33817A91E63289F CC A F8B638E E7C E646F6378>

Similar documents
npg2018JP_1011

( 別紙 ) 中国電力株式会社及び JFE スチール株式会社 ( 仮称 ) 蘇我火力 発電所建設計画計画段階環境配慮書 に対する意見 1. 総論 (1) 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し 本事業を検討すること 本事業を実施する場合には 本事業に伴う環境影響を回避 低減するため

(2) ベースラインエネルギー使用量 それぞれの排出起源のベースラインエネルギー使用量の算定方法は以下のとおり 1) 発電電力起源 EL BL = EL ( 式 1) 記号定義単位 ELBL ベースライン電力使用量 kwh/ 年 EL 事業実施後のコージェネレーションによる発電量 kwh/ 年 2)

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

総合資源エネルギー調査会基本政策分科会第 18 回会合資料 2-5 火力発電の高効率化 資源エネルギー庁 平成 27 年 11 月

(2) ベースラインエネルギー使用量 それぞれの排出起源のベースラインエネルギー使用量の算定方法は以下のとおり 1) 発電電力起源 EL BL = EL ( 式 1) 記号定義単位 ELBL ベースライン電力使用量 kwh/ 年 EL 事業実施後のコージェネレーションによる発電量 kwh/ 年 2)

RIETI Highlight Vol.66

緒論 : 電気事業者による地球温暖化対策への考え方 産業界における地球温暖化対策については 事業実態を把握している事業者自身が 技術動向その他の経営判断の要素を総合的に勘案して 費用対効果の高い対策を自ら立案 実施する自主的取り組みが最も有効であると考えており 電気事業者としても 平成 28 年 2

28 環総政第 492 号 平成 28 年 8 月 10 日 意見書 JFE 扇島火力発電所更新計画 に係る環境影響評価準備書に関する環境影響評価法 ( 平成 9 年 6 月 13 日法律第 81 号 ) 第 20 条第 1 項及び東京都環境影響評価条例 ( 昭和 55 年東京都条例第 96 号 )

Q1 1

番号文書項目現行改定案 ( 仮 ) 1 モニタリン 別表 : 各種係 グ 算定規程 ( 排出削 数 ( 単位発熱量 排出係数 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 -

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

別紙 第 1 対象事業 1 事業者の名称 代表者の氏名及び主たる事務所の所在地名称 :JFE スチール株式会社代表者 : 代表取締役社長柿木厚司所在地 : 東京都千代田区内幸町二丁目 2 番 3 号 2 対象事業の名称 JFE 扇島火力発電所更新計画 3 対象事業実施区域神奈川県川崎市川崎区扇島 1

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項

UIプロジェクトX

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

A.3 排出削減量の算定方法 A.3.1 排出削減量 ER EM BL EM PJ ( 式 1) 定義単位 数値 4 ER 排出削減量 1 kgco2/ 年 0 t<1 年 年 t<2.5 年 年 <t EM BL ベースライン排出量 2 kgco2/


05JPOWER_p1-40PDF.p....

Qfuel, ベースラインエネルギー使用量 GJ/ 年 Qheat, 事業実施後使用熱量 GJ/ 年 事業実施前のボイラーのエネルギー消費効率 4 % Fheat, ΔTheat, 事業実施後の設備で加熱された温水の使用量又は熱媒油の流量事業実施後の設備で加熱された温水又は熱媒油の熱利用前後の温度差

対策事業推進上のポイント 1. 事業の導入フロー 再生可能エネルギー事業 省エネルギー事業 2. 事業の概要及び判断基準 ( テーマ別 ) 3. 事業導入時における実作業 (Gr 討議 ) 4. 回答例 ( 別資料 ) 5. 参加者からの意見等 2

東洋インキグループの環境データ(2011〜2017年)

〔表紙〕

資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

Microsoft Word - 整備基本計画0319[1]


気候ネットワークの石炭ウォッチ sekitan.jp 石炭火力発電所新規計画マップと一覧表 ( 随時情報更新 ) 既存マップと一覧表 石炭火力発電所の問題解説 /NEWS

調査要領 1. 調査の目的 : 4 月からの電力の小売り全面自由化に対する会員事業所の意識及びその影響を把握し 今後の参考資料とする 2. 調査実施機関 : 甲府商工会議所 3. 調査実施時期 : 平成 28 年 3 月 24 日 ( 木 )~31 日 ( 木 ) 4. 調査対象 : 当所会員 30

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

1 プロジェクト実施者の情報 1.1 プロジェクト実施者 ( 複数のプロジェクト実施者がいる場合は代表実施者 ) ( フリガナ ) エンジニアウッドミヤザキジギョウ実施者名キョウドウクミアイエンジニアウッド宮崎事業協同組合住所 宮崎県都城市吉尾町 プロジェクト代

小規模火力発電等の 望ましい自主的な環境アセスメント 実務集 平成 29 年 3 月 環境省


本日の説明内容 1. グリーン購入法の概要 2. プレミアム基準策定ガイドライン

スライド 1

<4D F736F F D208EC090D195F18D908F B4C93FC977697CC816A32392E30322E31352E646F63>

<4D F736F F F696E74202D F8D7793FC94CC E F181408E9197BF31312D32816A2E B8CDD8AB B83685D>

1. 火力発電技術開発の全体像 2. LNG 火力発電 1.1 LNG 火力発電の高効率化の全体像 1.2 主なLNG 火力発電の高効率化技術開発 3. 石炭火力発電 2.1 石炭火力発電の高効率化の全体像 2.2 主な石炭火力発電の高効率化の技術開発 4. その他の更なる高効率化に向けた技術開発

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1

(仮称)蘇我火力 環境影響評価方法書(あらまし)

スライド 1

(2) 技術開発計画 1 実施体制 環境省 明和工業株式会社 ( 共同実施者 ) 国立大学法人東京工業大学 (2) ガス利用システムの技術開発エンジン発電機の試験運転における稼働状況の確認 評価 (3) 軽質タール利用技術開発エンジン発電機を用いた燃焼試験 (4) トータルシステムの技術開発物質 熱

資料 3 ー 1 環境貢献型商品開発 販売促進支援事業 環境省市場メカニズム室

B.2 モニタリング実績 (1) 活動量 ( 燃料消費量 生成熱量 生産量等 ) 記号 モニタリング項目 定義 単位 分類 1 モニタリング方法 概要 頻度 実績値 モニタリング実績 計測対象期間 ( 年月日 ~ 年月日 ) 備考 F PJ,biosolid プロジェクト実施後のバイオマス固形燃料使

Microsoft PowerPoint _ _挰喬表è³⁄挎(æ¡‹)H _报渖é£�åfi†.pptx

熱効率( 既存の発電技術 コンバインドサイクル発電 今後の技術開発 1700 級 ( 約 57%) %)(送電端 HV 級 ( 約 50%) 1500 級 ( 約 52%

JAXA前半_PDF用.indd

別添 表 1 供給力確保に向けた緊急設置電源 ( その 1) 設置場所 定格出力 2 発電開始 2 運転開始 公表日 3 姉崎火力発電所 約 0.6 万 kw (0.14 万 kw 4 台 ) 平成 23 年 4 月 24 日平成 23 年 4 月 27 日 平成 23 年 4 月 15 日 袖ケ浦

Microsoft Word - 報告書.doc

Microsoft Word - 報告書.doc

次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0]

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

東北ゴム株式会社本社工場の公害防止に関する協定書

PowerPoint プレゼンテーション

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通

つがる市小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備建設に関するガイドライン 平成 29 年 11 月 15 日公表 1 目的本ガイドラインは つがる市 ( 以下 市 という ) において小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備及び設備建設に伴う送電線等の付帯設備 ( 以下 小形風力発電設備等 という

対策名 1 温室効果ガスの排出の抑制等に資する設備の選択キ未利用エネルギーの活用のための設備導水 送水 配水等における管路の残存圧力等を利用した小水力発電設備の導入 概要 地形の高低差から生じる水の位置エネルギーがある場所や導水管路 送水管路 配水池入口等で余剰圧力が利用できる場所 あるいは弁の開度

別添 4 レファレンスアプローチと部門別アプローチの比較とエネルギー収支 A4.2. CO 2 排出量の差異について 1990~2012 年度における CO 2 排出量の差異の変動幅は -1.92%(2002 年度 )~1.96%(2008 年度 ) となっている なお エネルギーとして利用された廃

資料3-1 温室効果ガス「見える化」の役割について

電気事業分科会資料

AISIN GROUP REPORT 2011

EN-S-041: 園芸用施設における炭酸ガス施用システムの導入 削減方法 園芸用施設における CO2 施用について 別途設置している空調用ボイラーの排気ガス等から CO2 を回収し施用するシステムを導入することで 化石燃料方式により施用していた CO2 を削減する 適用条件 1 プロジェクト実施前

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

化学産業と化学技術の環境貢献 本稿は 化学装置 2010 年 3 月号に筆者が掲載した報文 化学産業 の環境経営と環境貢献 の一部を加筆 削除 修正したものである 環境企画 松村眞 はじめに 環境対策には 環境負荷物質の発生を抑制する上流の分野と やむを得ずに作られてしまう環境負荷物質を無害化する下

スライド 1

参考資料3(第1回検討会資料3)

<4D F736F F F696E74202D203033A28AC28BAB96E291E882C6B4C8D9B7DEB05F89FC92E894C55F88F38DFC B8CDD8AB B83685D>

お知らせ

スライド 1

NHK環境報告書2008

ここに議題名を入力

( 仮称 ) 横須賀火力発電所新 1 2 号機建設計画に係る環境影響評価方法書に対する意見 株式会社 JERA 代表取締役社長垣見祐二から送付がありました ( 仮称 ) 横須賀火力発電所新 1 2 号機建設計画に係る環境影響評価方法書に対する環境影響評価法第 10 条第 1 項の規定に基づく意見は

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word 後藤佑介.doc

1

今回の調査の背景と狙いについて当社では国のエネルギー基本計画の中で ZEH 普及に関する方針が明記された 200 年より 実 邸のエネルギー収支を調査し 結果から見えてくる課題を解決することが ZEH の拡大につなが ると考え PV 搭載住宅のエネルギー収支実邸調査 を実施してきました 205 年

□120714システム選択(伴さん).ppt

01


社会環境報告書2013

平成 27 年度補正予算中小企業等の省エネ 生産性革命投資促進事業費補助金 設備別省エネルギー効果計算の手引き 省エネルギー効果計算について 平成 28 年 7 月 2.0 版

Microsoft PowerPoint METI.ppt [互換モード]

PowerPoint プレゼンテーション

(1) 住民は有料化をどう考えているか 循環型社会の形成に関する世論調査 ( 内閣府平成 13 年 ) ごみ問題にどの程度関心があるか 非常に関心がある (32) ある程度関心がある (58) あまり関心がない (8) まったく関心がない わからない (2) ごみの有料化 に対してどのように思うか

23 年のエネルギーミックス 一次エネルギー供給構成 発電構成 6 原油換算百万 kl 億 kwh % 24% 再生可能 ( 含水力 ) 原子力 % 1% ,666 9,88 1,65 17% 程度の省エネ 再生可能 22~24

Microsoft PowerPoint _04_槌屋.ppt [互換モード]

<372E926E8B8589B BB91CE8DF42E786C73>

Trung Tâm Phát Triển Sáng Tạo Xanh

PowerPoint プレゼンテーション

< B689C193878D488FEA30332E786C73>

問題意識 民生部門 ( 業務部門と家庭部門 ) の温室効果ガス排出量削減が喫緊の課題 民生部門対策が進まなければ 他部門の対策強化や 海外からの排出クレジット取得に頼らざるを得ない 民生部門対策において IT の重要性が増大 ( 利用拡大に伴う排出量増加と省エネポテンシャル ) IT を有効に活用し

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word 磁気ディスク装置_Version 1.1(p)

中国国内需給動向と中露石油ガス貿易

富士フイルムホールディングス、電力と蒸気を自然エネルギー由来100%に

<4D F736F F D20945C91E38E735F AC48DB895F18D908F912E76332E E8196BC82A082E8816A2E646F63>

Transcription:

資料 1-3 小規模火力発電等の環境保全に関する検討会関連団体ヒアリング第 2 回 ( ご意見要旨 ) 新電力 A 社 火力発電所の開発に当たっては 発電方法 インフラ 系統 アセスメントの有無が主な検討事項である 計画中の小規模石炭火力の効率は 発電端 LHV で約 43% で超々臨界 (USC) の効率と 1~ 2% 差であり 法に基づく環境アセスメントで用いられている BAT の参考表 の 20 万 kw 級と同等である 商業的に利用可能な高効率なものを用いることは 環境や地元への配慮であり また設備費用が高くなっても効率よく発電できるため経済的にも合理的である 小規模火力発電は大規模なものと比べ微粉炭焚でも高い比率でバイオマスを混焼できる 日本では実績がないが ヨーロッパでは 20~30% 混焼した実績がある バイオマスを主燃料とした発電とすると 規模は数千 kw から最大でも 5~7 万 kw が限界である エネルギーミックスで示された 2030 年度のバイオマス利用量を専焼だけで達成するには 立地制約等からハードルが高い 小規模石炭火力は混焼率を高めることでバイオマス利用量の増加に貢献できる 2. 小規模火力発電に係る大気環境保全対策 地元では説明会を丁寧に実施し 地元の理解を得た上で計画を進めることとしている 大気汚染については公害防止協定や大気汚染防止法 温暖化については検討が進められている省エネ法で対応可能 3. 小規模火力発電の環境保全 仮に小規模火力発電が法に基づく環境アセスの対象となった場合 時間 (3~4 年 ) 労力 カネ ( 数億円程度 ) が発生し 事業の実現が困難になり 実質的に禁止されることと同義になる 電力システム改革の電力自由化を絵に描いた餅にしないためにも新電力のベース電源確保という競争環境への配慮を御願いしたい 1

日本製紙連合会 紙パルプ産業は 消費電力量のうち自家発電の比率が 76% と他の産業と比べても高い 製紙工場では パルプ設備や製紙設備で蒸気を使うため 10-13MPa で発生させた高圧蒸気を背圧タービン ( タービンの排気 ( 発電後の圧力 温度が低下した蒸気 ) を熱利用に用いる ) や抽気タービン ( タービンの途中から圧力がまだ高い蒸気の一部を取り出し熱利用に用いる ) で使用することで エネルギーの利用効率を高めている タービン発電機の規模を平均すると 2 万 1 千 kw で 発電用ボイラーの燃料は重油 石炭 ガス 廃タイヤ 廃材 バーク ペーパースラッジ RPF RDF 廃プラスチックなどを利用している 売電については FIT 制度に対応したバイオマス発電設備や石炭火力を主体とした売電用発電設備が増加する可能性はある その場合 規模は小規模火力発電になることも考えられる 一般に 売電用のみの発電設備であれば 復水タービンを使用するため熱需要に充てる蒸気は発生させない 売電時において 電力業界の 自主的枠組み に参加するか否かは 個別各社の状況による 2. 小規模火力発電への環境アセス適用について 小規模火力発電が環境アセスの対象となると 計画から設備完成までの時間が長くなり 老朽化した発電設備の更新が適切なタイミングでできないため 生産活動の安定性に支障を及ぼしうるだけでなく 更新による効率向上や SOx NOx ばいじん等の低減効果も期待できない したがって 小規模火力発電設備に対しては 環境アセスの対象外とすべきである 3. 小規模火力発電の環境保全のための意見聴取 情報交流の取組み 自主的な環境影響評価を実施している例があり ここでは 地域住民を対象とした説明会を実施するとともに 市議会の勉強会にて説明を行っている 4. 環境アセス制度全般 環境アセスは 透明性を確保することと 情報を関係者にスピーディに開示することが必要である また 温室効果ガスを環境アセスの対象とすることを再検討すべき 2

5. 小規模火力ガイドライン ( 事例とりまとめ ) ガイドライン という名称は 規制の一種と捉えられ 遵守すべきものと誤解される恐れがある また 行政指導指針 に該当すると考えられるのに 行政手続法に則った手続きが取られていないのも問題である 3

( 一社 ) 日本化学工業協会 化学業界の自家発電は基本的にコジェネレーションを行っており 効率を高めることが競争力に直結するため 総合効率としては 80~90% 程度ある 化学業界は危険物を扱っていることから 停電は重大事故につながるため 保安上重要な機器は 必ず自家発電と買電の 2 系統入力を行っている 自家発電がないと化学プラントは存在し得ない 自家発により工場内の負荷変動を吸収等することで費用を節減することが 結果的に電力系統の効率化にも貢献している 個社の状況はわからないが 感覚としては売電を主目的に小規模火力発電の新設や燃料転換を行う事業者はほとんどいない 大気汚染対策については ばい煙は脱硝 除じん 脱硫を行って高い煙突から排出し 大気汚染防止法の規制基準を満たすように設定している 化学業界では地域とのコミュニケーションとして レスポンシブル ケア活動 を実施しており ボイラーの新設などに当たっては地元住民と話し合っている CO 2 削減については 経団連の低炭素社会実行計画 (Phase1,2) で化学業界全体の削減計画の中で行動しており 約束草案とも整合している CO 2 は一件毎に判断するものではない 環境アセス制度は Sox NOx ばい塵等の企業努力で低減できるものに焦点をあてるべきで これで CO 2 の問題を論じるべきではない 2. 小規模火力発電の環境保全 小規模火力発電に環境アセスを適用する場合 5 年もかかるとするとタイムリーな投資判断 実行に支障が生じる 3. 燃料転換の環境保全 燃料転換を行う要因は投資回収であるが 感覚としては オイルが 1 バレル ( 約 159L) 40 ドルになると投資回収はかなり難しい 多くはないと思うが インフラが整っているケースでは 老朽化した重油火力から石炭への転換はありうる 4

( 一社 ) 日本鉄鋼連盟 鉄鋼業における発電設備は 自家消費用自家発電 ( 小 ~ 中規模 ) 排熱回収発電 ( 燃料を消費せず排熱によって発電する設備 最大で 4 万 kw 程度 ) 共同火力 ( 大規模 ) IPP ( 大規模 ) に大別できる 自家発電や共同火力の特徴として 副生ガスを主燃料としており 副生ガスの消化設備としての意義をもつため 生産活動と一体不可分であることが挙げられる 例えば 副生ガスを利用している加熱炉の省エネを図ると発電に利用できる副生ガスが増加し 発電用の補助燃料が削減され 温室効果ガスが削減できる また 自家発電や共同火力の特徴として 発熱量の低い副生ガスを燃料とし 定格運転も困難 ( 例えば 設備容量は副生ガス最大量で決定されるが 通常のオペレーションでは 最大量の副生ガスが供給できるとは限らない ) であるために 発電設備単体の効率は高くないが 排熱回収設備との併用やコジェネレーションなど 製鉄所全体で最適運用により 高い総合効率 ( 約 70%) を実現している 自家発電の余剰電力は 製鉄所内の大きな負荷変動に伴う供給インバランスリスクが極めて大きいため 卸供給の拡大の可能性は低いと考えられる 2. 小規模火力発電の環境保全 老朽化した火力発電の更新では 環境影響評価法の 2 種判定手続きにより環境アセスメントが不要と判断された事例が複数あるが そのような場合でも自治体との環境保全に関する協議は当然行われている 仮に小規模火力発電に環境アセスを適用する場合 通常のプロジェクト期間に加えて 3.5 年程度を要することとなり 通常の経営判断の期間をはるかに超える 共同火力や IPP のように電力会社との長期契約がなければ耐えられない経営リスクであり 自家発電では困難である このため 老朽更新が見送られてしまい 環境改善が進まなくなることを危惧する アセス項目に関するフレキシブルな運用 アセス期間の抜本的な短縮をお願いするとともに 環境アセスにおいて CO 2 を評価対象とすることについて再検討をお願いする 環境アセスの対象範囲拡大については 環境影響評価法ではその第一条に 規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業 を対象とすることが明記されていることに加え アセス期間による環境改善効果発揮の遅延や 小規模自家発等の更新抑制による環境改善効果の逸失などが考えられることから 反対する 仮に環境アセスの範囲を拡大する際にも 排熱回収発電設備の新設 更新 自家消費用小規模自家発電設備の新設 更新 副生ガスを主燃料とするボイラーの更新における補助燃料の転換は 対象外としていただきたい 5

3. 燃料転換の環境保全 燃料転換におけるよりよい環境保全のための意見聴取 情報交流としては 協定に基づき地元自治体と協議し また地域住民代表と関係行政をメンバーとする協議会を開催して説明を行い 公表した事例がある 6

北九州市 1. 小規模火力発電の環境影響評価 条例アセスにおいて 7.5 万 kw 以上を対象としている アセス手続の短縮化に努めており 最近行った小規模火力発電の事例では 方法書の縦覧開始から評価書の縦覧開始までで 1 年 8 ヶ月程度であった 評価項目は 参考項目を示さずゼロベースで事業特性 地域特性に応じて選定している 短縮化のための調査項目の絞り込みは行っていないが 既存文献がある場合には活用するような事例がある 2. 小規模火力発電に係る温暖化対策 温室効果ガスについては 国の温暖化対策の目標 計画と整合性のある電力事業者による CO 2 排出削減に取り組む枠組が構築された際には 当該枠組の下で確実に CO 2 排出削減に取り組むこと 市の低炭素社会実現に向けた計画に沿った事業となるよう努めること といった市長意見を述べている 温室効果ガス排出削減対策として 発電効率に加えて 市長意見で近隣企業への蒸気の供給やバイオマスの混焼率を高めることなどを述べており 可能な限り BAT の参考表 に遜色のない水準に近づけるようにしている 3. 小規模火力発電に係る大気環境保全対策 大気環境保全について 協定制度も設けているが 議論を住民等にもオープンにしてより良い技術を選定すること 複数の発電所が立地する場合にも短期的評価で基準を達成するためには複合的影響を評価できることが 協定と異なる環境アセスの意義である 協定値は環境アセスの結果を受けて設定している 7