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HPV ワクチン接種被害者の 救済 実態と意義 問題点 2017 年 5 月 20 日第 43 回日本保健医療社会学会京都 佛教大学報告者 : 片平洌彦 ( かたひら きよひこ ) 榎宏朗 ( えのき ひろあき ) 健和会臨床 社会薬学研究所 katahirakiyohiko@gmail.com 1

研究の背景 (1) 日本には スモン事件の時に制度化された 医薬品副作用被害者救済制度 があり 医薬品の副作用による被害者と認定されれば 医療費 医療手当 年金等が支給される この適用情報は 医薬品 医療機器総合機構 (PMDA) の HP に掲載されている (2) これとは別に 予防接種法 による救済制度があり その適用情報は厚生労働省の 疾病 障害認定審査会 の議事録で報告されている HPV ワクチンについては 2013 年 4 月から開始された 定期接種 で受けた場合の被害なら市町村への申請で それ以外の場合なら PMDA への申請によって審査される 2

3 厚労省 HP 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業による健康被害の救済について ( 依頼 ) 平成 27 年 12 月 1 日より http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku kansenshou28/dl/yobou151201 1.pdf

予防接種健康被害救済制度 厚労省 HP http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku kansenshou20/kenkouhigai_kyusai/ (2017 年 5 月 16 日閲覧 ) 4

目的 本研究は 被害者に対するこれらの制度の適用状況を明らかにして その実態と問題点を考察することを目的にした 5

対象と方法 1. 健康被害救済制度への申請の場合 PMDAのHPで 副作用救済給付の決定のお知らせ の頁から情報を収集した 対象は2011 年 7 月 ~2017 年 4 月の期間に申請結果が決定されたHPVワクチン ( サーバリックス ガーダシル ) による副反応被害者について調べた 調査項目は 整理番号 性別 請求時年齢 医薬品販売名 同一般名 副作用名称等 給付の内容 不支給理由 6

対象と方法 2. 予防接種法による救済申請の場合 厚生労働省 HPの 疾病 障害認定審査会 ( 感染症 予防接種分科会 ) の 審議結果 の記載を元にして 認定 否認 保留 の区分毎に人数を集計した この 審議結果 には 最初にその人数の表が記され その下に審査を受けた申請者別に 性別 接種時年齢 ワクチン名 疾病名 障害名 給付内容 否認( 理由 ) が記されている 7

結果のまとめ HPV ワクチン接種後被害者の救済状況 (2017 年 5 月 16 日現在 ) 救済制度名窓口開始年月審査数認定保留不支給 1. 医薬品副作用被害救済制度 2. 予防接種被害救済制度 PMDA 2011 年 7 月 482 人 222 人 0 人 260 人 厚労省 2015 年 9 月 28 人 16 人 6 人 6 人 510 人 238 人 6 人 266 人 8

結果 (1) サーバリックスの場合 (PMDA 審査 ) *389 人申請 うち給付決定は 178 人 (45.8%) * 給付内容は殆どが医療費 医療手当 * 少数だが 障害年金が 25 人 (1 級が 6 人 2 級が 12 人 障害児童養育年金 1 級 2 人 2 級 5 人 ) * 不支給決定は 211 人 (54.2%) * その理由は 投与された医薬品により発病したとは認められない は 117 人 ( 不支給中 55.5%) 入院を必要とする程度の医療とは認められない は 86 人 ( 同 40.8%) で 判定不能 が 2 人 政令で定める程度の障害とは認められない が 6 人 9

サーバリックスの場合の給付決定事例紹介 1. 障害年金 1 級 15 1056 性別 : 女請求時年齢 :20~29 副作用名称等 : 疾病 倦怠感 疼痛 しびれ 脱力 月経不整 めまい 認知機能低下 感覚過敏 睡眠障害 発熱 嘔気 (11 病名 ) 障害 脱力による肢体機能障害給付の内容 : 医療手当 障害年金 2. 障害児養育年金 1 級 15 1357 性別 : 女請求時年齢 :10~19 副作用名称等 : 障害 筋肉痛 関節痛 腰痛 疼痛 脱力 倦怠感 けいれんによる体幹及び肢体機能障害給付の内容 : 障害児養育年金 1 級 10

サーバリックスの場合の不支給決定事例紹介 1. 理由 : 入院を必要とする程度の医療とは認められない 16 1324 性別 : 女請求時年齢 :10~19 歳副作用名称等 : 疾病 注射部位反応( 疼痛 ) 発熱 倦怠感 脱力感 下痢 便秘 認知機能低下 しびれ 感覚過敏 頭痛 感覚異常 眼痛 睡眠障害 意識消失 動悸 嘔気 悪寒 食欲不振 体重減少 不随意運動 疼痛 ( 合計 21 病名 ) 2. 理由 : 投与された医薬品により発病したものとは認められない 16 1236 性別 : 女請求時年齢 :10~19 歳診断書に記載された疾病の名称または症状 ( 合計 13 病名 ) 膝関節痛 頭痛 筋痛 だるさ しびれ 生理異常 光過敏 動悸 睡眠障害 立ち眩み 下痢便秘の反復 記憶障害 失認請求内容 : 医療費 医療手当 11

結果 (2) ガーダシルの場合 (PMDA 審査 ) *93 人申請 うち給付決定は 44 人 (47.3%) * 殆どが 医療費 医療手当 で 障害年金 2 級 が 2 人 * 不支給決定が 49 人 (52.7%) * 不支給理由は 25 人 (51.0%) が 投与された医薬品により発病したとは認められない 22 人 (44.9%) が 入院を必要とする程度の医療とは認められない で 2 人が 障害でない 12

ガーダシルの場合 :1) 給付決定事例 障害年金 2 級 16-0673 性別 : 女請求時年齢 :40~49 歳副作用名称等 : 疾病 疲労感 睡眠障害 過呼吸 下痢 動悸 感覚異常 脱力 頭痛 四肢の疼痛 しびれ けいれん 眼振 左上下肢麻痺 体幹失調 耳鳴 めまい 嗅覚異常 (17 病名 ) 障害 平衡機能障害及び肢体機能障害給付の内容 : 医療費 医療手当 障害年金 2 級 13

ガーダシルの場合 :2) 不支給決定事例 1. 入院を必要とする程度の医療とは認められない 16 1406 性別 : 女請求時年齢 :10~19 歳副作用名称等 : 疾病 嘔気 嘔吐 睡眠障害 めまい 自律神経障害 倦怠感 頭痛 発熱 筋痛 関節痛 感覚過敏 認知機能低下 月経困難症 立ちくらみ 不随意運動 腰痛 腹痛 軟便 過呼吸 (19 病名 ) 2. 投与された医薬品により発病したものとは認められない 16 1260 性別 : 女請求時年齢 :10~19 歳診断書に記載された疾病の名称または症状 : 腕のしびれ 倦怠感 食思不振 知覚麻痺 < 肘 ~ 指先 > 生理不順 生理痛 立ちくらみ 下肢のしびれ 集中力低下 持続的 発作的頭痛 関節痛 (11 病名 ) 14

結果 (3) 予防接種被害救済制度では 厚生労働省疾病 障害認定審査会 ( 感染症 予防接種審査分科会 ) において 第 109 回 (2015 年 9 月 18 日 )~ 第 118 回 (2017 年 2 月 17 日 ) の間に 8 回の審査が行なわれた その結果 この期間での認定 16 人 保留 6 人 否認 6 人であった 認定されたのは 12~15 歳の女子で 疾病名 障害名の数は1~8( この8 症状は2 名で 共に 変動する頭痛 めまい 上下肢筋力低下 感覚障害 記憶力低下 学習障害 視力障害 認知障害 であった ) 保留の理由は記載無し 否認 6 人の内 5 人はその理由が 予防接種と疾病との因果関係について否認する明確な根拠はないが 通常の医学的見地によれば否定する論拠があるため (???) 1 人は 予防接種と疾病との因果関係について否定する明確な根拠がある とされていた 15

考察 (1) 意義その 1: 接種と被害症状との因果関係を公的に認定 * 第一に 厚生労働省の 1 部会である 疾病 障害認定審査会 ( 及び PMDA という独法の関係機関 ) が HPV ワクチン投与とその後発現した諸症状との間の因果関係を 医療機関の診断 申請に基づき 救済対象 として認定したこと * この事実からは 日本政府の公式機関により 少なくとも HPV ワクチン接種とその後の諸症状発現との因果関係を公的に認めた ( 否定できない ) という見解が示されたと言える * その後の諸症状 ( 副作用症状等 ) の中には 西岡 横田医師らが諸論文で報告しているように 多種多様な症状 ( 今回の中では 最高 25 症状 : 整理番号 16-0613( 次のスライド ) や 急性散在性脳脊髄炎 <ADEM>: 整理番号 16-0586 なども含まれている!) 16

副作用 25 病名の事例紹介 16-0613( 平成 28 年度決定 8 月分 ) 性別 : 女請求時年齢 : 10~19 歳医薬品販売名 : ガーダシル水性懸濁筋注シリンジ副作用名称等 : 疾病 頭痛 腹痛 疼痛 ( 右半身 背部 腰部 左臀部 左大腿近位部 肩甲骨周囲 股関節周囲 顔 顎 ) 移動性疼痛 圧痛 感覚異常 倦怠感 めまい 立ちくらみ 食欲低下 認知機能低下 筋力低下 脱力 過呼吸 視覚異常 下痢 嘔気 ( 以上 25 病名 ) 給付の内容 : 医療費 医療手当 17

考察 (2) 意義その 2: 通院のみ でも 医療費等を支給することにしたことその 1 1948 年制定された 予防接種法 は ( 接種 ) 被害者の願い 闘いを反映して ( 栗原敦氏 )1994 年の改正で 第 1 条 ( 目的 ) に 予防接種による健康被害の迅速な救済を図ること が明記された 然しながら MMR 等で被害救済を否認され 接種被害者が行政不服審査法に基づく審査請求を行い 不支給決定を取り消す裁決が出される例が続いた 18

考察 (2) 意義その 2: 通院のみ でも 医療費等を支給することにしたことその 2 HPVV でも 前記のように 通院のみ なので 不支給 決定がされる例が続き 被害者側が異議申し立てを続けた その結果 厚生労働省は 2015 年 12 月 1 日付で 通院についても医療費等相当額を健康管理支援手当てとして支給 するとの通達を出し 被害者は PMDA から送られる書類に記入し 予防接種リサーチセンター に申請すれば 支給されることになったが 手続きが煩雑 との指摘がある 19

考察 (3) 疑問 : 因果関係不認定 で 不支給 の場合の 理由 然しながら 支給 の前提となる 接種との因果関係 が否定された場合は 不支給 とされる しかし この因果関係は診療担当の医師が判断しており そうした判断を認めないのは基本的に不当である 不支給 例の中には 病名が西岡教授が国際学会で提唱した HANS ( 例 :16 1049) や HPVワクチン後神経障害 < 記憶障害 起床困難 学力低下 等と記載されている場合 ( 例 :17 0176) 等も含まれている この理由については 判定部会が 接種から一定期間内に発症した多様な症状である 接種後の局所疼痛により惹起された機能性身体症状 (2015 年 9 月 17 日厚生労働省内会合記録 ) との見解に合致しないと判断するから ( 栗原氏による ) とのことで 西岡教授のようなHPV 研究の世界の第 1 人者の命名を認めないのは 極めて問題 と言えるのではないだろうか 20

不支給事例 投与した医薬品により発病したとは認められない 16 1049 性別 : 女請求時年齢 :10~19 歳使用医薬品名 : サーバリックス 診断書に記載された副作用によるものとみられる疾病の名称または症状 : けいれん発作 全身の脱力 歩行障害 HANS 請求内容 : 医療費 医療手当 17-0176 性別 : 女請求時年齢 :10~19 歳使用医薬品名 : サーバリックス 診断書に記載された副作用によるものとみられる疾病の名称または症状 : HPV ワクチン後神経障害 < 記憶障害 起床困難 学力低下 > 請求内容 : 医療費 医療手当 21

結論 ( まとめ ) その 1 1.HPV ワクチン接種後に種々の副反応症状を起し 2011 年 7 月 ~2017 年 4 月の間に 予防接種法 による 迅速な救済 を申請した 510 人について調べた結果 救済制度 による医療費等の救済給付が支給されたのは 238 人 ( 申請者中 46.7%) 不支給は 266 人 ( 同 52.2%) であった 2. 上記の支給者 238 人については HPV ワクチンとその後の副反応症状との因果関係を認めており この点は評価すべきである 22

結論 ( まとめ ) その 2 3. 然し 不支給者 266 人の不支給理由の多くは 当初は 入院していないから であった この点 被害者側の要請等により 通院でも認める 措置が取られたが その手続きが煩雑 との指摘がある 4. 不支給理由の中に 接種との因果関係が認められない 場合が記載されているが これらは診療担当の医師の診断を認めず 理解困難な判断である とりわけ HANS との記載を認めないのは そもそも因果関係の判断基準を考慮すべき予防接種 ワクチン分科会や疾病 障害認定審査会において HANS について議論されておらず 極めて不当と言わざるを得ない 23