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基礎知識 実施関係 効果関係 安全性 内閣答弁書 フッティー ( フッ化物洗口の推進イメージキャラクター ) 北海道教育委員会 ( 平成 26 年 2 月 )

目 次 基礎知識 1 実施関係 4 効果関係 9 安全性 11 内閣答弁書 16

< 基礎知識 > Q1 フッ素とはどのようなものですか? A1 自然界に広く分布している元素です 土壌中に280ppm 海水中に1.3ppm 含まれ 水道水や飲食物 ( 海産物 肉 野菜 果物 緑茶 紅茶 ビールなど ) にも含まれている自然環境物質です 身体の中の骨や歯 唾液 血液 内臓などにも存在します ただし フッ素は他の元素との反応性が極めて高いため 元素単独のかたちでは存在せず 自然界では必ず他の何らかの元素と結合したフッ化物として存在しています Q2 フッ化物はなぜむし歯を予防するのですか? A2 歯質に作用することにより 結晶性の改善や再石灰化を促進し 酸に溶けにくい丈夫な質の歯を形 成するからです Q3 フッ化物によるむし歯予防にはどんな方法がありますか? A3 代表的なものとして 水道水フロリデーションやフッ化物洗口 フッ化物塗布 フッ化物配合歯磨剤 などがあります Q4 何歳頃から始めて いつまで続ければいいのでしょうか? A4 4 歳頃から第二大臼歯の萌出完了期である 14 歳頃 ( 中学 3 年生 ) まで続けるのが理想です また フッ化物には 成人や高齢者に対しても むし歯再発の抑制効果や歯根面にできるむし歯の 予防効果が期待できます Q5 むし歯予防のためのフッ化物利用について専門機関はどのような見解を持っていますか? A5 むし歯予防のためのフッ化物利用については 予防効果が高く安全であることが 科学的 学術的に保証されており 内外の専門機関が一致して推奨しています 特にWHO( 世界保健機関 ) は過去 3 回 (1969 1975 1978 年 ) にわたり 加盟各国に対してフッ化物利用によるむし歯予防を実践するよう勧告しています 我が国でも 1972 年に日本口腔衛生学会がフッ化物利用について 有効かつ安全であるという見解を示しています 1

さらには日本歯科医師会や日本歯科医学会などの専門学会も一致してフッ化物の利用を推奨しています また 1985 年には国会へ提出された議員からの質問主意書に対し 政府は 歯みがき 甘味の制限と併せてフッ化物の応用を行うことが最適のむし歯予防と考えている と答弁しています 厚生労働省は 平成 15 年に フッ化物洗口ガイドライン を公表し 各都道府県へ通知するなどしてフッ化物洗口の普及を図っています 文部科学省も 都道府県教育委員会に対して本ガイドラインの周知を図っており また 生きる力をはぐくむ学校での歯 口の健康つくり の中で 学校でのフッ化物洗口を公衆衛生手法として位置付け 適切に実施する必要性を述べています Q6 フッ化物洗口の実施に賛否両論あるのですか? A6 国内外の専門機関 専門団体が一致してフッ化物利用を推奨しており 学術的な賛否両論はないものといえます むし歯予防に対するフッ化物利用の有効性 ( 効果 ) 安全性については 50 年以上にわたり専門学会や各種の国際機関及び専門団体において幾度となく再評価され 証明されています ただし 次のような理由等でフッ化物利用の専門家ではない医療職 評論家 市民運動を行う団体等からの反対意見はあります 1 科学的な証明に乏しい情報を基にした危険説 2 個人で実施するのはかまわないが 学校で実施すべきではないという意見 3 長期間過量に摂取した場合の害として歯のフッ素症及び骨硬化症があることから 適量でも危険であるという意見 4WHOは 6 歳未満のフッ化物洗口を推奨していないという理由 Q7 現在 日本国内で フロリデーション ( 水道水フッ化物添加 ) を実施している地域はあ りますか? A7 現在 日本国内で実施しているところはありませんが 過去に3 地域で実施されたことがあります 1 京都山科地区で1952 年から1965 年までの13 年間にわたり 我が国初のフロリデーションが実施されました 2 三重県朝日町で1967 年から1971 年まで実施されました 3 沖縄本島で1957 年から実施されていましたが 日本への復帰に伴い1973 年に終了しました 現在でも 国内のいくつかの米軍基地でフロリデーションが実施されています 米国内と同じ上水道処理の基準に従って実施されているようです 平成 12 年には 厚生省 日本歯科医師会から 自治体の合意があればフロリデーションを支援するという見解が出されました 2

Q8 お茶 ( 緑茶 ウーロン茶 紅茶など ) にはフッ素が多く含まれていると聞きましたが お茶を利用して むし歯予防ができませんか? A8 お茶にはむし歯予防効果を十分に期待できません お茶には比較的多くのフッ化物 ( フッ素 ) が含まれています しかし 試薬や製剤を溶解させた洗口液と比べると フッ化物イオンとしての濃度が格段に低いので十分なむし歯予防効果を期待することはできません さらにお茶にはカフェインが多く含まれていますので 歯の形成期の頃の小児にはお勧めできません 3

< 実施関係 > Q1 フッ化物洗口を学校や施設で集団実施することは法に抵触しませんか? A1 問題ありません 1985 年に国会において 学校におけるフッ化物水溶液による洗口は 学校保健法の第 2 条に規定する学校保健安全計画に位置付けられ 学校における保健管理の一環として実施されているものである という政府見解が示されており 学校保健安全法 ( 学校保健法から改正 ) 第 5 条及び第 14 条の規定に基づき 学校保健計画 に位置付け 健康診断の事後措置として実施することになります Q2 学校等で教員や職員がフッ化物洗口の薬剤を調製し 洗口液を作成することは法に抵触 しませんか? A2 問題ありません 1985 年に国会において 学校の養護教諭がフッ化ナトリウムを含有する医薬品をその使用方法に従い 溶解 希釈する行為は 薬事法及び薬剤師法に抵触するものではない という政府見解が示されており 法的に問題はありません Q3 フッ化物洗口は家庭で実施できないものですか? A3 各家庭で実施した場合 長期間の継続実施が難しくなります 市販の製剤( 医薬品 ) であるミラノールやオラブリスを歯科医院で処方してもらうことにより 家庭でもフッ化物洗口を実施することは可能です しかし 現実には 家庭で何年もの間 継続して実施することが困難であることが こうした方法の指導や実践経験がある方々から再三指摘されております 実施を各家庭に委ねてしまうと ごく一部の家庭でしか継続されない むし歯になりやすい人ほど このような方法を選択しない というこれまでと同じ状況になることが懸念されます Q4 フッ化物洗口を実施するしないは学校設置者 学校長が判断すべきではないのでしょう か? A4 日本における集団フッ化物洗口については 市町村長または市町村教育委員会教育長が実施を 判断し 保育所 幼稚園 学校等で実施されているケースが多くなっています この他に 学校長等の判断により 独自 ( 単独 ) で取り組んでいる施設 学校もあります Q5 フッ化物洗口の実施までの標準的な流れはどうなりますか? 4

A5 次の流れで実施します 1フッ化物洗口の導入について 学校歯科医 保健福祉担当課 教育委員会 学校長等が一緒に企画案を練り 合意形成を行います 必要に応じて 地元の歯科医師会や保健所にも協力を求めます 2 次に 教職員を対象とした勉強会などを開催して むし歯の状況や歯 口腔の健康の重要性 フッ化物洗口のメリット等について共通理解を図ります 3 次に 保護者を対象に勉強会や説明会を開催し 歯 口腔の健康の大切さやフッ化物洗口の効果と安全性 実施方法などについて説明します 質疑応答の時間を十分に確保し 学校での実施について保護者の理解を求めます この際の講師は 学校歯科医が望ましいですが 歯科医師会や保健所にも依頼できます 4 保護者説明会の後 保護者に対して 学校でのフッ化物洗口の実施希望調査を行い 実施の同意を確認し さらに 子どもをフッ化物洗口に参加させるかどうかについても確認します 参加を希望しない子どもには 真水を使ってうがいをさせるなどの配慮をすることを説明します 5 最後に 学校歯科医と相談し フッ化物洗口実施の指示を受け 管理方法や洗口手順等を十分に確認します 6 子どもが慣れるように 水道水で ブクブクうがい の練習を行い 全員がうまく吐き出せるようになってからフッ化物洗口を実施します Q6 学校で実施する場合 いつ行うのが最も効果的ですか? A6 洗口後に約 30 分間飲食物を摂取しないような時間帯が望ましいです 洗口後約 30 分以内に飲食物を摂取すると 口の中に存在するフッ化物が失われ その予防効果が期待できなくなります 学校であれば 授業と授業の間や始業前に実施し そのまま授業に入るなどの対応も行われています 昼休み以外の休み時間でも実施は可能なので それぞれの学校の実情に合わせて選ぶことができます Q7 学校で実施する場合 強制的に参加しなければならないのですか? A7 実施するかどうか自由に選択することが可能です 学校等で実施する場合 あらかじめ保護者に希望の有無を文書等で確認しますので 実施するか どうか自由に選択することができます Q8 なぜ 学校などの集団でフッ化物洗口を行った方がよいのですか? A8 永久歯のむし歯予防にとってもっとも重要な学童期に できるだけすべての子どもたちに対してむし 歯を予防する機会を平等に設ける必要があるからです 5

実施を各家庭に委ねてしまうと ごく一部の家庭でしか継続されない むし歯になりやすい人ほ ど このような方法を選択しない という状況が生じやすく 同じ子どもなのに家庭状況等の差によっ て歯の健康に格差が生じてしまいます Q9 学校等でフッ化物洗口を行うとき 参加を希望しない保護者の児童等にはどう対応すれ ばよいでしょうか? A9 参加は任意であるため 希望しないという意思を尊重するとともに その保護者の児童等に対する配慮が必要です 例えば水道水を用意し フッ化物洗口を行う児童等と同時に水道水による洗口を行うなどの工夫が必要です Q10 夏休みなどの長期休暇中に フッ化物洗口をしなくても大丈夫でしょうか? A10 長期休暇中に中断しても高いむし歯予防効果が得られています Q11 フッ化物洗口に用いる薬剤にはどのようなものがありますか? A11 市販薬と試薬があります 市販の製剤( 医薬品 ) はフッ化ナトリウム顆粒のものとしてミラノールとオラブリスがあります 経費は高くなりますが 計量する手間がかからず 少人数の集団である保育所や幼稚園で実施する場合に向いています 試薬を使う場合 フッ化ナトリウム試薬を使います 歯科医師や医師が直接または歯科医師や医師の指示を受けた薬剤師がフッ化ナトリウムを計量し 分包する作業が必要となりますが 市販の医薬品と比べ経費は安くなります Q12 フッ化物洗口を実施するためには 流し台が必ず必要ですか? A12 流し台がなくても実施することができます フッ化物洗口は通常 教室において学級単位で行われますが 口の中に残った溶液をそのまま各自のコップに吐き出すという方法により 流し台がないところでも実施が可能です 洗口終了後の溶液の処理方法としては 各自が洗口液を自分のコップに吐き出し 個々に流し台に持って行き捨てるか もしくは学級ごとにバケツに集めてから一括して捨てることになります Q13 フッ化物洗口に使用する児童生徒のコップはどのようなものを用意する必要があります か? 6

A13 ガラス製でないコップが必要です 児童生徒が使用するフッ化物洗口用のコップはプラスチック製又は紙製のものを用います コップを落として割ってしまう可能性を考え ガラス製はお勧めできません Q14 フッ化物洗口導入前に洗口の練習は必要ですか? A14 必要です 洗口の導入前には あらかじめ水道水を用いてブクブクうがいの練習を行い 飲み込まずに吐き出し が出来るようになるまで行います Q15 フッ化ナトリウムや洗口液を取り扱う際に気を付けることはどんなことですか? A15 適切な保管 管理が必要です フッ化ナトリウム試薬は歯科医師 医師が直接計量するか または 歯科医師 医師の指示によって薬剤師が計量 分包しなければなりません 分包された試薬及び市販製剤( ミラノールやオラブリス ) は 各学校 施設において他の物と区別して保管し ( 法的義務はありませんが ) 施錠をして管理する必要があります フッ化物洗口を実施する場合は 保管してあった薬剤を学校 施設職員が指示書に基づき水道水に溶解 希釈して洗口液を調製 ( 作製 ) します 用法どおり溶解したフッ化物濃度 1% 以下となる洗口液は劇薬から除外され 他の物と区別して保管するという規制の対象外となります Q16 学校 施設でフッ化物洗口の薬剤を保管せずに実施する方法はありませんか? A16 学校 施設外で洗口の薬剤を調製し 洗口液を作製してから 学校 施設へ洗口液を搬入する方法があります あらかじめ学校 施設外で歯科医師 医師または歯科医師 医師の指示によって薬剤師が洗口液を調製 ( 作製 ) してから 学校 施設へ搬入することにより各学校 施設では薬剤の保管は行わずに洗口を実施している事例もあります Q17 フッ化物洗口液の保管はどれくらいできるのでしょうか? A17 洗口液の保管は長くても 1 週間をめどとするとよいでしょう 夏場の暑い時期には冷蔵庫などで保管することが望まれます 目安としては 1 週間が経過すれば 残った洗口液は全部捨てるようにしましょう 7

Q18 フッ化物洗口を実施するのに要する器具 器材 費用等はどうですか? A18 実施する施設 対象者数 洗口頻度及び使用する洗口剤により変わりますが 一般的には 週 1 回法でフッ化ナトリウム試薬を使用した場合 年間約 200 円程度 製剤を使用した場合は約 800 円程度です ただし フッ化ナトリウム試薬を使用した場合 初年度は器材を購入するため 用具代を含め1 人当たり300 円 ~350 円くらい必要です Q19 フッ化物洗口を行う前に 歯をみがく必要がありますか? 給食後 歯をみがいて さらにフッ化物洗口を実施するには時間が不足です A19 洗口直前の歯みがきは不要であり 昼休み以外の時間帯でも洗口の実施は可能です 8

< 効果関係 > Q1 フッ化物洗口を実施することで どのくらいむし歯が減っているのですか? A1 平均で 40~80% のむし歯が減ることが報告されています 保育所 幼稚園の年中組から開始し 中学校卒業まで継続することが理想的です 昭和 62 年からフッ化物洗口を実施している旧穂別町では 導入当時の昭和 62 年の12 歳児の一人平均むし歯数が5.3 本 ( 全国 4.5 本 ) でありましたが 平成 5 年には3.4 本 ( 全国 4.1 本 ) 平成 10 年には1.6 本 ( 全国 3.1 本 ) に 平成 17 年には0.8 本 ( 全国 1.8 本 ) と 全国平均の半数以下になりました また 昭和 57 年度 ( 昭和 58 年 1 月 ) からフッ化物洗口を実施している伊達市においては 昭和 61 年の12 歳児の一人平均むし歯数が3.1 本でありました ( 開始当時のデータは保存されていませんが 3.1 本よりも多かったと推察されます ) が 平成 17 年には1.8 本に減少しています 昭和 56 年から県行政がフッ化物洗口を推進した新潟県では 平成 24 年の12 歳児の一人平均むし歯数が0.6 本と 平成 12 年から24 年まで 13 年連続で全国トップとなっています また 3 歳児の一人平均むし歯数が平成 3 年から平成 11 年まで全国ワースト1の状態が続いていた佐賀県では 平成 11 年から保育所 幼稚園におけるフッ化物洗口普及事業を開始し 平成 14 年からは小学校にも拡大しました 平成 22 年度には 県内の小学校の98.3% がフッ化物洗口を実施しており 平成 24 年の12 歳児の平均むし歯数は0.8 本となり 全国で4 番目にむし歯が少ない都道府県となっています Q2 小学校や中学校卒業までフッ化物洗口を実施しても それ以降実施しなければ急にむし 歯が増えるということはありませんか? A2 むし歯になるリスクが高いのは 歯が生えてから数年間であることから 幼少期にフッ化物洗口を 実施して得られた効果は 大人になってからも持続します Q3 フッ化物洗口を実施すると 歯科治療費も節約することができますか? A3 費用対効果に優れた方法であることから 予防に要する費用を上回る歯科治療費の節減が期待 できます 市町村の立場では 長期間の実施により国保医療費の抑制が期待できます Q4 歯みがきだけでむし歯予防はできないのでしょうか? A4 歯みがきだけでは不十分です 9

歯のかみ合わせの溝や歯と歯の間は 歯ブラシの毛先が届きにくく むし歯になりやすいので 歯みがきだけではむし歯を十分に予防することは困難です より効果的なむし歯予防のためには フッ化物の応用 を中心に 甘味の適正摂取 と 歯みがきの励行 を組み合わせることが重要です しかし 歯みがきは歯肉炎 歯周病予防には効果的です Q5 フッ化物洗口は 10 年ぐらいやらないと効果が出ない と聞きましたが 高学年の子ど もたちでもやる必要があるのですか? A5 効果がはっきりと現れてくるのは 実施してから2~3 年後です 特に 上顎の前歯では2~3 年でほとんどむし歯が発生しないようになります 小中学校の子どもの場合 平均すると一人につき1 年に0.5 本 ~1 本のむし歯ができているのが現状ですが それを50% 以下に抑えられます 高学年の子どもであっても これから生える歯には十分な効果が期待できます 特に小学校高学年から中学校 1~2 年頃までに生える第二大臼歯は 口の中の奥の方に位置することもあり 比較的むし歯になるリスクが高いことから フッ化物洗口によるむし歯予防が重要と考えられます Q6 道内の一部の市町村では 過去にフッ化物塗布が行われていましたが 現在は行われて いないところがあります フッ化物がむし歯に有効であるならば なぜ行われていない のですか? A6 一部の市町村において フッ化物塗布が行われなくなった主な理由は マンパワーや財源の問題であり 有効性や安全性ではありません 北海道では 平成 11 年度まで 3 歳児歯科健診とフッ化物塗布事業について 道立保健所が実施主体となって 実施を希望する各市町村に職員が出向いて実施してきた経緯があります 地域保健法が平成 7 年 4 月に全面施行され 道ではフッ化物塗布事業については 平成 9 年度以降 市町村が実施することとし 3 年間の経過措置期間を設け 平成 11 年度をもって道の事業としてのフッ化物塗布は終了しました しかしながら フッ化物塗布は法的な実施義務がないことから 一部の市町村では道立保健所から事業を引き継いで実施することが見送られることとなりました 道立保健所からの事業引継が見送られることとなった市町村の理由は 主にマンパワーや財源の問題であり 有効性や安全性に問題が生じて事業が中止されたものではありません 10

< 安全性 > Q1 洗口液を誤って飲み込んだ場合 身体に害を及ぼすことはありますか? また 歯のフッ素症になりませんか? A1 1 回分を飲み込んでも安全です 体重 30kgの小学生の場合 急性中毒量は60mgであるのに対し 週 1 回法の洗口液 10mlに含まれるフッ化物量は9mgであるので 6~7 人分以上を一度に飲み込まない限り急性中毒量には達しません また フッ化物の慢性中毒として歯のフッ素症と骨硬化症がありますが 使用するフッ化物の量や適用期間からみてフッ化物洗口で発生する可能性はありません Q2 病気によっては フッ化物洗口を適用してはいけない場合がありますか? A2 特にありません フッ化物洗口は うがいが適切に行われる限り 身体が弱い人や障がいをもっている人が特別にフッ化物の影響を受けやすいということはありません 服薬中にフッ化物洗口を実施しても問題はありません Q3 フッ化物でアレルギー反応を起こす人はいますか? A3 フッ化物そのものがアレルギーの原因となることはありません 市販の歯磨剤の 9 割以上がフッ化物配合歯磨剤でありますが これまでにアレルギー反応を生じた という信頼に足る報告はありません 平成 24 年 3 月現在 全国 8,500 以上の保育所 幼稚園 学校等で約 89 万人が集団フッ化物洗口を実施しておりますが これまでアレルギーが発生したという報告は皆無であります 食物アレルギーを引き起こすアレルゲンは人間の生体にとって異種のタンパク質であるのに対し フッ化物は無機質であり 理論的にもアレルギーの原因物質となる可能性は非常に低いと考えられます 平成 16 年に浜松市で市販製剤のミラノールを使用した5 歳の女児に発疹が見られたという報告がありました しかし パッチテストを実施した結果 洗口液についてはすべて陰性という判定であり フッ化物洗口によるものではないことが確認されました Q4 口の中にキズや口内炎があるときに フッ化物洗口を行っても大丈夫ですか? A4 口の中のキズや口内炎に影響することはありません ただし 水がしみたり 口をブクブク動かすことで口の中のキズや口内炎に我慢できないような痛み 11

が出るようであれば それらの症状が軽減するまで無理して行うことはありません Q5 フッ化物洗口には劇薬を用いると聞きましたが 大丈夫でしょうか? A5 むし歯予防のために調製されたフッ化物洗口液は劇薬ではありません 市販製剤であるミラノールやオラブリスは薬事法施行規則に基づき劇薬扱いとなり フッ化ナトリウム試薬も粉末では劇薬に相当します しかし 洗口に用いられる溶液は 粉末を水で溶解し フッ化物濃度が1% 以下となることから 劇薬指定から除外されます 同様の例にカフェインがあり 高濃度では劇薬指定となりますが 市販のドリンク剤は劇薬指定から除外されます (2.5% 以下の濃度から劇薬指定から除外されます ) 劇物 とは 一般に 毒物及び劇物取締法 によって指定されているものをいい 薬事法上の毒薬 劇薬とは全く異なる分類です フッ化ナトリウム試薬は 毒物及び劇物取締法 によって指定されている 劇物 には当たりません また 試薬であるため薬事法の適用からも除外されています しかし 粉末状態の試薬は その性質自体は薬事法上の劇薬に相当することから より安全に管理 実施するために 鍵のかかる場所で薬剤を保管することを推奨しています ミラノールやオラブリスは 粉末の状態では 薬事法上の劇薬に当たりますが 洗口液の状態ではフッ化物濃度が1% 以下であることから劇薬には該当しません 市販のドリンク剤のカフェイン濃度は0.05% 程度の製品が多いです Q6 口の中に金属性の詰め物や矯正治療の針金などが入っている場合にフッ化物が何らかの 影響を与えますか? A6 悪影響を与えることはありません 洗口液のフッ化物濃度は低濃度なので 金属に作用して腐食させるようなことはありません Q7 WHO( 世界保健機関 ) は 6 歳未満の児童にはフッ化物洗口を実施すべきではないと いっていますが 就学前児がフッ化物洗口を実施しても問題はありませんか? A7 日本においては問題はありません 1994 年に公表されたWHOのテクニカルレポートの中に フッ化物洗口は 6 歳未満の幼児には推奨されない という記述があります しかしながら その前後の記述をみると 水道水フロリデーションなどの全身応用と重複してフッ化物洗口を実施し さらに毎回全量誤飲した場合を想定していることがわかります 全身応用が実施されていない日本には該当しないと解釈できます 日本口腔衛生学会では フッ化物洗口法は 就学前から小 中学校まで一貫して応用すると特に有効であり 幼児においても安全に実施することができる我が国の実情に適合したフッ化物応用法としてフッ化物洗口法の普及を推奨する という見解を1996 年に発表しています 12

Q8 フッ化物洗口を学校 施設で実施していて さらに家庭でフッ化物配合歯磨剤を使って も大丈夫ですか? A8 むしろ積極的に推奨すべきです フッ化物洗口とフッ化物配合歯磨剤の併用は 各々を単独で実施する場合よりも高いむし歯予防効果が期待できることから積極的に推奨すべきです フッ化物局所応用のむし歯予防効果を比較すると 高い方から順に 1 洗口と歯磨剤の併用 2 洗口のみ 3 歯磨剤のみになると考えられます フッ化物洗口法と他のフッ化物応用との組み合わせフッ化物洗口法と他の局所応用法を組み合わせて実施しても フッ化物の過剰摂取になることはありません すなわちフッ化物洗口とフッ化物配合歯磨剤及びフッ化物歯面塗布を併用しても 安全性に問題はありません Q9 フッ化物洗口が普及してから現在まで健康被害はなかったのでしょうか? A9 ありません 日本国内でフッ化物洗口が行われるようになってから40 年以上経過していますが フッ化物洗口による健康被害は現在まで報告されておりません また 現在市販されている歯磨剤の90% 以上にフッ化物が含まれています 洗口と同様 歯磨剤に含まれるフッ化物による健康被害は報告されておりません Q10 フッ化物洗口によって もし有害作用が起きた場合の責任は だれが負うのでしょうか? A10 定められた実施手順に従って実施すれば 有害作用は起こることはありません 仮に有害作用が起こった場合 他の一般的な公衆衛生事業と同様 国 道 実施主体である市町 村等のそれぞれの立場に応じた責任で対応することになります 仮に 定められた手順に従って実施したにもかかわらず 有害作用が発生した場合 実施主体で ある市町村等や実施現場となる施設 学校が刑事上の責任を問われることはないと考えられます Q11 平成 13 年に水質汚濁防止法で フッ素及びその化合物 が有害物質として政令で定めら れたそうですが フッ化物洗口液を捨てることで 学校周辺に環境汚染の心配はないの でしょうか? A11 環境汚染の心配はありません フッ化物洗口実施後に児童 生徒が吐き出した洗口液をそのまま排水口へ流しても 給食や掃除 13

などで使用する大量の水で希釈されることにより 学校等から排出される下水中のフッ化物濃度が 著しく高くなることは考えられない ( 最高でも 0.2ppm 程度 ) ため 学校周辺の環境汚染の心配はあり ません 水質汚濁防止法の一律排出基準によると 1 日当たりの平均的な排出水の量が 50 立方メートル 以上である工場又は事業所に係るフッ化物の許容限度は 8ppm となっています Q12 日本弁護士連合会 ( 日弁連 ) が平成 23 年 1 月 21 日付けで発表した 集団フッ素洗口 塗布 の中止を求める意見書 について どう受け止めますか? A12 平成 23 年 1 月 21 日付けで日弁連が公表した 集団フッ素洗口 塗布の中止を求める意見書 については フッ化物利用に反対する市民団体等から日弁連に出されていた 人権救済申立 を受けてまとめられたものと承知しています 意見の趣旨として同会が指摘している問題点につきましては いずれも過去に いくつかの団体等から指摘されており 道議会でも 歯 口腔の健康づくり8020 推進条例の審議の際に 十分に時間をかけて議論されたところです フッ化物洗口の有効性と安全性については WHO 厚生労働省 日本歯科医師会など専門機関 専門団体が一致して認めていることから 厚生労働省が定めた ガイドライン に基づき 引き続き 学校等におけるフッ化物洗口を推進する必要があります ( 参考 ) 平成 23 年 1 月 21 日付けで日弁連が公表した 集団フッ素洗口 塗布の中止を求める意見書 に対する専門学会 機関の見解 < 一般社団法人日本口腔衛生学会の見解 (H23.2.18 発行 )> (1)WHO 他 世界の150を超える医学 歯学 保健専門機関により 適切に行われるフッ化物のむし歯予防方法は 安全で もっとも有効な公衆衛生的方策である と合意されてきている わが国においても 日本口腔衛生学会 (1982 年 ) 日本歯科医学会(1999 年 ) 日本歯科医師会(2000 年 ) 厚生労働省(2000 年 ) 日本学校歯科医会 2005 年 ) により フッ化物の集団応用が推奨され その有用性が一貫して確認されてきている (2) フッ化物洗口に際して飲み込まれるフッ化物は少量で WHOが推奨する水道水フッ化物濃度調整 ( フロリデーション ) の場合に比べても少なく 飲食物およびフッ化物配合歯磨剤からのフッ化物摂取を加えたとしても 一日の適正摂取量 (0.05mg/kg) 以下である 用量用法に従えばフッ化物の過剰摂取の心配が無く 安全性は高い (3) 国内外の広範囲な調査結果から フッ化物洗口のむし歯予防効果は 時代背景 やフッ化物配合歯磨剤の普及状況によって幅があるものの 30~80% の予防率 14

が期待でき 今日もなお有効であるとの評価が得られている (4) 今日 わが国でも小児のむし歯は減少傾向にあり 12 歳児でも2 本以下となったが ( 中略 ) 先進諸外国に比べ依然として高く 約 2 倍のレベルにある また 都道府県格差 地域格差 個人格差も強く残っている 小児期に発生した永久歯のむし歯は 生涯にわたる負担となる また 口腔の健康が全身の健康や生活の質に大きくかかわっていることは医学専門機関の一致する見解となっている したがって 今後とも 小児期における集団フッ化物洗口 歯面塗布をわが国で普及する意義は大きい (5) 本 意見書 に引用されている フッ化物洗口 歯面塗布に関する有害性や副 作用は 国内外の医学 歯学専門機関の見解と相違し 科学情報の誤認や不合理 な論旨が認められる (6) 学校 園等施設において行われるフッ化物洗口 歯面塗布は 児童 教職員 保護者に対して その必要性 有効性 安全な実施方法などの事前説明がなされ 保護者の希望を基にすることとなっており このような情報提供と自己選択を明記したガイドラインに沿って実施されているフッ化物洗口は 学校保健管理の一環として国際的にも広く認められている (7) 厚生労働省は フッ化物洗口ガイドライン (2003 年 ) を示し 公衆衛生特性の高い地域単位での集団フッ化物洗口の有効性と安全性を確認し推奨している フッ化物歯面塗布についても戦後間もない1949 年から今日まで継続して推奨されているう蝕予防手段である 日本口腔衛生学会はこれを全面的に支持するものである ( その他の専門学会 ) 社団法人日本学校歯科医会の見解 (H23.2.25 発行 ) 社団法人日本歯科医師会の見解 (H23.3.9 発行 ) 一般社団法人日本小児歯科学会の見解 (H23.3.18 発行 ) 一般社団法人日本口腔衛生学会と一般社団法人日本障害者歯科学会 (H23.4.11 発行 ) ( 機関 ) NPO 法人日本むし歯予防フッ素推進会議 (H23.2.16 発行 ) 15

< 内閣答弁書 ( 内閣衆質 102 第 11 号昭和 60 年 3 月 1 日 )( 抄 )> Q1 任意で保護者の同意書を得て実施した場合 副作用等についての政府の責任を明確にさ れたい A1 むし歯予防のためのフッ化物の応用については WHO( 世界保健機関 ) の勧告もあり世界各国で 広く活用されており 我が国においても専門団体である日本歯科医師会及び日本口腔衛生学会 は安全かつ有効であるとの見解を示しており その安全性については問題がないと考えている Q2 むし歯の原因をどのように考えているのか? また虫歯予防にはフッ素が最適であると判断しているのか明確にされたい A2 むし歯は多くの要因によって発生するものと考えられているが 基本的には原因菌 砂糖の摂取及びむし歯に対する歯質の抵抗力が問題になる その予防法としては 歯磨き 甘味の制限 フッ化物の応用という方法が一般的であるが WHO 日本歯科医師会及び日本口腔衛生学会においては公衆衛生学的手法としてはフッ化物の応用が最も効果的な方法であるとされており 厚生省としても歯磨き 甘味の制限と併せてフッ化物の応用を行うことが最適のむし歯予防法と考えている Q3 フッ素洗口が各学校において実施されるとき 保健管理の一環として位置付ける こ とのできる法律的根拠を 政府の見解に基づき示されたい A3 学校におけるフッ化物水溶液による洗口は 学校保健法第二条に規定する学校保健安全計画 に位置付けられ 学校における保健管理の一環として実施されているものである Q4 フッ素洗口が 学校保健管理の一環 とするなら フッ素洗口を拒否する児童 生徒保 護者は 学校保健管理上の義務違反となり 何らかの法的制裁を免れないものと思われ る その時の法的根拠と制裁内容について政府の見解を示されたい A4 フッ化物水溶液による洗口は 任意に行われるものであるので それを拒否した場合 学校にお ける保健管理上の義務違反にはならないと考える Q5 フッ素洗口法による フッ素うがい が 学校行事や教科と同じ学校教育であるか 政 府の見解を示されたい また 同じであるとするなら その法的根拠を示されたい A5 フッ化物水溶液の洗口は 学校における保健管理の一環として実施されているものである 16

Q6 フッ素洗口によるフッ素うがいをやらない子供がいることは 望ましい教育の姿ではな いとする見解に対する政府の判断を示されたい A6 フッ化物水溶液による洗口は任意に行われるものであるので フッ素うがい を行わない児童 生徒がいても問題はないと考える Q7 フッ素洗口によるフッ素うがいは 本来任意であり 親権に属するものと思われるが フッ素うがい は 施設設置者である各自治体 法人の権限であるのか 保護者の権 限にあるのか 政府の見解を示されたい A7 フッ化物水溶液による洗口の実施に当たっては 事前に保護者に対し その趣旨の説明を行 い その理解と協力を求めてこれを実施することが望ましいものと考える Q8 学校の養護教員が フッ化ナトリウムを薬剤師 医師 歯科医師から計量してもらい 学校においてポリタンク等に調合する行為は 適法的行為かどうか 政府の見解を示されたい 一般に劇薬指定された薬から普通薬を作る行為は いかなる資格又は免許 許可された者が行うことができるのか 法的根拠を含めて政府の見解を示されたい A8 劇薬から劇薬でない医薬品を業として製造するには 薬事法に基づく製造業の許可が必要で ある しかし 学校の養護教諭がフッ化ナトリウムを含有する医薬品をその使用方法に従い 溶解 希釈する行為は 薬事法及び薬剤師法に抵触するものではない Q9 次記の職務命令は成立するか 成立するとすればその法的根拠を示されたい 各市町村自治体が管内の学校で フッ素洗口 実施を決定し 教育委員会 ( 教育長 ) を通じ管内学校長に実施するよう文書が配布された 1 校長は フッ素利用の安全性等未解決な問題があると判断し 教育委員会 ( 教育長 ) に意見具申を行うとともに 当校ではフッ素洗口を実施しないと決定した場合 職務命令違反となるか否か 2 校長が 教育委員会の文書に基づきフッ素洗口の実施を決定し 口頭で教職員に通知した 教諭の一人又は数人が フッ素洗口に疑義をもち 自己の学校での実施を拒んだ この場合 職務命令違反となるか否か A9 学校におけるフッ化物水溶液による洗口は 学校における保健管理の一環として実施されるものであるが その性格にかんがみ これを実施しようとする市町村教育委員会は 職務命令という手段で行うことは適当ではなく 事前に校長等の教職員はもとより 児童生徒の保護者や学校歯科医 学校薬剤師等にも十分説明し その理解を得て協力体制を確立した上で実施することが望ましいと考える 17

Q10 フッ素洗口実施校でのフッ化ナトリウム粉末の管理は 通常有資格者が計量分包し 保健室に保管されているのが実態である 政府は 劇薬であるフッ化ナトリウムを非資格者のみしかいない施設で常時保管されている状態について 法的に問題がないか見解を示されたい A10 薬事法第四十八条第一項において 業務上劇薬を取り扱う者は これを他の物と区別して貯 蔵し 又はこれを陳列しなければならないことが規定されているが これに従って保管する限 り 同法に抵触しない Q11 フッ素洗口に使用されているフッ化ナトリウム粉末の人における服用量 致死量につい て 示されたい A11 フッ化物水溶液による洗口では フッ化ナトリウムの一回使用量は十一ミリグラムから二十二 ミリグラムであり 七十キログラムの成人の場合のフッ化ナトリウムの致死量は五グラムから十 グラムとの報告がある Q12 政府は フッ素 ( フッ化物 ) が人体並びに環境にとっていかなる物質であると判断され ているか示されたい 政府のフッ素の人体 環境への影響についての基本的見解を示されたい A12 フッ素は 種々の元素と結合し自然界に広く存在する物質であり 適量では人体に必要な栄養素であるといわれているが 大量に環境中に放出された場合 大気汚染による植物等の被害や水質汚濁による魚への被害が生ずるため 環境への排出について規制している なお むし歯予防のために使用されるフッ化物については 微量であるので影響はないものと考える 18

あとがき 本書は 北海道教育委員会が北海道保健福祉部の協力を得て作成したものです 本書をフッ化物洗口を正しく理解するための参考資料としてご活用頂き 学校等におけるフッ化物洗口推進の一助になれば幸いです 記載内容等についてのお問い合わせにつきましては 次の連絡先にお願いします 北海道教育庁学校教育局健康 体育課学校保健 体育グループ (011-231-4111 内線 35-662) 北海道保健福祉部健康安全局地域保健課地域保健グループ (011-231-4111 内線 25-514) 参考資料一覧 北海道フッ化物洗口ガイドブックー実践編ー 北海道 北海道教育委員会 北海道歯科医師会 北海道歯科衛生士会発行 ( 初版 :H21.12 第 2 版 :H23.3) フッ化物洗口マニュアル 北海道歯科医師会発行 (H23.3) フッ化物洗口マニュアル 新潟県 新潟県教育委員会 新潟県歯科医師会 新潟県歯科保健協会発行 (H19.3) 学校におけるフッ化物洗口の円滑な実施に向けてー市町村教育委員会 学校の実践からー 北海道教育委員会発行 (H24.6) フッ素で歯ヂカラ UP! - 歯科からのメッセージー 北海道歯科医師会発行 (H22.5) う蝕予防のためのフッ化物洗口実施マニュアル 厚生労働科学研究 フッ化物応用に関する総合的研究 班編 (H15.3) 政府 ( 内閣 ) の国会答弁第 102 回国会衆議院会議録第 12 号 官報号外 (S60.3.8)

フッティ - ( フッ化物洗口の推進イメージキャラクター ) 北海道教育委員会では 児童生徒のむし歯予防を図るため 北海道や歯科医師会等と連携し 保護者の理解を得ながら 学校におけるフッ化物洗口の普及を促進し 全市町村における就学前から小 中学校までの継続実施を推進しています