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第1章 財務諸表

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円貨建て債券が 15 年変動利付国債である場合には その利子は 10 年国債の金利の上昇 低下に連動して増減しますので このような特性から 15 年変動利付国債の価格は 必ずしも上記のような金利水準の変化に対応して変動するわけではありません 円貨建て債券の発行体または債券の発行体または円貨建て債券の

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五有価証券 ( 証券取引法第二条第一項に規定する有価証券又は同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう ) を取得させる行為 ( 代理又は媒介に該当するもの並びに同条第十七項に規定する有価証券先物取引 ( 第十号において 有価証券先物取引 という ) 及び同条第二十一項に規定する有価証券先

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各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

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Transcription:

金融市場論 2007 基本概念の確認 問題 ( ) 内に当てはまる語句を記入しなさい (1) 経済活動おける金融取引の役割について 1 金融取引とは (1) が将来時点における返済約定と引き換えに (2) の手許で現在遊休している資金の提供を受けることである 2 これにより (3) は 現在利用可能な資金の中かから当面必要な額だけを支出し 残余については将来支出可能なかたちで持ち越すことができる 3 また (4) にとっても (5) から資金の提供を受けることができれば 現時点における支出を手許の資金量以上に拡大することができる 4 しかし 金融取引が成立するためには (6) が完全に一致する相手を見出すことが前提となる 5 また 仮に (7) が一致したとしても 金融取引は現在から将来にわたる取引であり 将来どのような事態が生じるのかを 完全に (8) することはできない このため 金融取引の成立は それほど容易ではない (2) 金融取引における情報の不完全性について 金融取引に際して 貸し手の主たる関心事は 大凡 以下の二点に集約される a) 貸し出した元本および利息が約定どおりに支払われるか否か b) 約定どおり返済されるまでの間 現在手にしている購買力を手放しても差し支えないか しかし 一般に これらの事柄は貸し手にとって よくわからない のが実情である とりわけ a) については 次の二通りの意味で よくわからない ことが多い ひとつは 約定どおり元本と利息が支払われる可能性がどのくらいあるかを判断するための情報が不足しているという意味で よくわからない ということである こうした貸し手と借り手の間の情報ギャップのことを (9) という 借り手の将来所得や返済努力についての情報は そうした可能性を判断するうえで欠かせないものであるが 貸し手は当の借り手以上に正確にそれを知ることができない もうひとつは 例えそうした情報を完全に入手できたとしても 借り手の将来所得がどうなるかは 神のみぞ知る ということである 貸し手と借り手の間にある (10) が解消されたとしても それによって明らかになるのは 貸し出した元本と利息が約定どおり支払われる可能性がどのくらいあるかであって 借り手の将来所得に関する (11) は依然として残されている これに対して b) は 同じ (12) でも 貸し手の将来支出に関する (13) である すなわち 貸し手自身 いつどれだけの支出が必要になるかわからないので 貸し出した元本が利息とともに支払われるまでの間 現在手にしている購買力を手放しも大丈夫かという懸念が生じる こうした金融取引における 情報の不完全性 と それに起因

する金融取引上の困難を整理したものが 以下の図である 金融取引における情報の不完全性 (15) (15) (14) (14) 逆選択 の可能性 (16) (16) モラル ハザード の可能性 (18) (18) (17) (17) 貸し手と借り手の間のリスク選好の不一致 (19) (19) 貸し手と借り手の間の流動性選好の不一致 問 情報の不完全性 に起因する以下の困難について 簡潔に説明しなさい 逆選択 モラル ハザード (3) 金融システムの存在意義について 1 上記の図のように 金融取引に際しては 4 つの困難があり これらはいずれも その解消ないし緩和に (20) を要する もし この (21) が取引を成立させることから得られる (22) を上回るならば 金融取引は成立しない 2 しかし このことを逆からいうと もし何らかの方法でこの (23) を節約することができれば 金融取引が成立する可能性は高まることになる 3 金融システムが存在することの意義は まさにこの点に求められる 金融システムとは 金融取引に伴う困難を 貸し手と借り手が直接的に取引する場合よりも少ない (24) で解消ないし緩和する制度的な機構として存在する (4) 資金移転のチャネルについて 1 金融システム を類型化する際に 貯蓄超過主体と投資超過主体の間を流れる資金のルートに着目するならば それは (25) のルートと (26) のルートに区分することができる 2(27) とは 資金が最終的な貸し手 ( 貯蓄超過主体 ) から最終的な借り手 ( 投資超過主体 ) へ 直接的に流れる場合をいう 3 これに対して (28) とは 最終的な貸し手 ( 貯蓄超過主体 ) と最終的な借り手 ( 投資超過主体 ) との間に金融仲介機関が介在する資金の流れをいう 4 以下の図は こうした資金移転のチャネルを示したものである

直接金融と間接金融 : 概念図 (29) (29) 資金の流れ証券の流れ (33) (34) (35) (31) (30) (32) (31) (30) (32) (37) (36) (5) 金融取引の形態について 金融システム を類型化するもうひとつの方法は 取引形態の側面から (38) と (39) に分けてみることである (40) とは 不特定多数の取引参加者が 規格化された証券の競り合いによって取引する形態をいい 需給の調整は価格をシグナルとして行われる 株式市場や債券市場はこの典型例である これに対して (41) は 取引参加者がお互いに相手を特定化し 取引条件を個別的に設定する取引形態をいう 貸出取引では 金融機関が個々の借り手の信用度を評価し 金額や適用利率 期間 担保 保証の有無などの貸出条件を決定している (6) 金融システム の型について 金融システムシステムの諸類型の諸類型と進化 (46) (44) (45) (42) (43) 個人間貸借企業間信用 金融仲介機関における貸出取引預金取引 株式発行債券発行 金融仲介機関における市場運用債権流動化 (47)

1 上記の図は 資金移転のチャネルを縦軸 金融取引の形態を横軸とするマトリックスから 金融システム の型を区分したものである このうち (42) と (45) によって特徴づけられる金融システムを (46) と呼び 金融仲介機関が仲立ちとなって資金移転の円滑化を図るシステムを (47) と呼ぶ 2 戦後 わが国の経済においては 久しく (48) が主要な役割を果たしてきたが 資金不足の経済 から 資金余剰の経済 への移行や 1972 年に解禁された株式の時価発行 1975 年以降の国債の大量発行等を契機とする市場機能の形成を通して (49) の果たす役割が高まった 他方 (48) の枠内においても 資金調達面では (44) に依りながらも 運用面では (45) のウエイトを高めるという形で いわゆる (49) の進展が見られる (7) 金融仲介の基本機能について 金融仲介の基本機能を整理したものが 以下の図である 金融仲介の基本機能 (52) (52) (50) (50) (53) (53) 金融仲介機能 (54) (54) (51) (51) (55) (55) (8) 情報の非対称性と金融仲介機能について 金融仲介機関が最終的な貸し手に代わって (56) を購入しているということは さもなければ最終的な貸し手が直面したであろう情報の非対称性に 金融仲介機関自らが直面していることを意味する このことを可能にしているのが 金融仲介機関の (57) であり これにより 最終的な借り手の返済能力を (58) したり 債務の履行に向けた返済努力を (59) する費用を節約することができる (9) 不確実性と金融仲介機能について 貸し手と借り手の間には 不確実性に起因して リスクや流動性に関する選好の不一致が存在する それにも関わらず 金融仲介によって最終的な貸し手から最終的な借り手に資金を移転できるのは 金融仲介機関が最終的な借り手の発行する (60) を 最終的な貸し手の好みそうな (61) に変換しているからである この機能を (62) という 金融仲介機関はいわば 相対的に (63) が高く (64) の低い (65) を 相対的に (66) が低く (67) が高い (68) に変換する機能を持っている

(10) 証券会社の機能について 問 以下に掲げる証券会社の機能に関して 簡潔に説明しなさい ブローカー機能 ディーラー機能 アンダーライター機能 (11) 金融仲介機関と証券会社の機能比較について 以下の図は 金融仲介機関と証券会社の機能を比較したものである 金融仲介機関と証券会社 : 機能比較 金融仲介機関 証券会社 逆選択 情報生産 ( 審査 ) (69) (75) (76) モラルハザード 情報生産 ( 監視 ) リスク選好の不一致 リスク負担 流動性選好の不一致 流動性の創出 (70) (71) (72) (73) (74) (77) (78) 流通市場の形成 (79) (80) (12) 金融システムのアーキテクチャーについて 1 金融システムのタイプは大別して (81) と (82) に区分することができる これらふたつの金融システムは それぞれに長所と短所をもっており いずれのタイプが優れているとは 一概に言えない 2 例えば 最適な経営判断に必要な情報が複雑な場合には 事前的な情報生産が相対的に重要になるため 複眼的かつ反復的なスクリーニングを行うことのできる (83) の方が望ましい しかし 経営判断にコンセンサスが得られやすく 情報生産の主たる目的が執行プロセスのモニタリングにあるような状況では (84) の方が情報生産の重複を回避できる点で望ましい 3 また リスク負担の側面に着目するならば (85) は 資産価格の変動による影響を銀行が負担しているため 本源的な資金提供者は資産価格の変動による影響を直接には受けなという利点を持っている しかし 資産価格の変動が金融仲介機関のリスク負担能力を超過したときには 金融システム自体が崩壊しかねないリスクを孕んでいる 他方 (86) では 本源的な資金提供者が 値洗い されるタイプの証券を保有しているため 資産価格の変動に伴うリスクを直接的に負担している しかし それゆえに 資産価格の変動が金融システム自体の崩壊につながりにくい 4 このように 金融システムのパフォーマンスは 金融システムを巡る環境に応じて その優劣が変化する このため 金融システムのあり方を考える際には システム間の関係を (87) として捉える一方 (88) として捉えることも重要である

穴埋め問題の解答 1 45 2 46 3 47 4 48 5 49 6 50 7 51 8 52 9 53 10 54 11 55 12 56 13 57 14 58 15 59 16 60 17 61 18 62 19 63 20 64 21 65 22 66 23 67 24 68 25 69 26 70 27 71 28 72 29 73 30 74 31 75 32 76 33 77 34 78 35 79 36 80 37 81 38 82 39 83 40 84 41 85 42 86 43 87 44 88 記述問題の解答 (1/2)

記述問題の解答 (2/2) 学生番号評点 氏 名