再生可能エネルギーの自立に向けた取組の加速化 1 FIT 制度の創設当初は 量 の拡大を重視し 固定価格と買取義務に依拠した売電モデルの下で 高コストで大量 多様なプレーヤーが再生可能エネルギー発電事業に参入 世界的に脱炭素化へのモメンタムが高まり 再生可能エネルギーがコスト競争力のある主力電源とな

Similar documents
バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

日本市場における 2020/2030 年に向けた太陽光発電導入量予測 のポイント 2020 年までの短 中期の太陽光発電システム導入量を予測 FIT 制度や電力事業をめぐる動き等を高精度に分析して導入量予測を提示しました 2030 年までの長期の太陽光発電システム導入量を予測省エネルギー スマート社

検討の背景 ~ 再生可能エネルギーを取り巻く状況の変貌 ~ 1 世界における状況変化 再エネの発電コストが急速に低減し 導入量が急増 他の電源と比べてもコスト競争力のある電源に 日本における状況変化 発電コストは国際水準と比較して依然として高い状況 再エネの導入拡大により 国民負担が増大 2030

エネルギー規制 制度改革アクションプラン (11 月 1 日 ) の概要 重点課題と詳細リスト 現時点で政府が取り組むこととしている又は検討中の事項を 実施 検討事項詳細リスト (77 項目 ) として取りまとめ その中から 3つの柱で計 26 項目の重点課題を特定 1 電力システムの改革 (9 項

資料 2 接続可能量 (2017 年度算定値 ) の算定について 平成 29 年 9 月資源エネルギー庁

今回の調査の背景と狙いについて当社では国のエネルギー基本計画の中で ZEH 普及に関する方針が明記された 200 年より 実 邸のエネルギー収支を調査し 結果から見えてくる課題を解決することが ZEH の拡大につなが ると考え PV 搭載住宅のエネルギー収支実邸調査 を実施してきました 205 年

. 石垣島における電力系統の概要 Copyright The Okinawa Electric Power Company, Incorporated. All Rights Reserved.

Microsoft PowerPoint - ä¹šå·žéł»å−łï¼ıㅊㅬㇼㅳè³⁄挎+报本語; [äº™æ‘łã…¢ã…¼ã…›]

申込代行事業者さまへのお知らせについて

電解水素製造の経済性 再エネからの水素製造 - 余剰電力の特定 - 再エネの水素製造への利用方法 エネルギー貯蔵としての再エネ水素 まとめ Copyright 215, IEEJ, All rights reserved 2

1. はじめに 1 需要曲線の考え方については 第 8 回検討会 (2/1) 第 9 回検討会 (3/5) において 事務局案を提示してご議論いただいている 本日は これまでの議論を踏まえて 需要曲線の設計に必要となる考え方について整理を行う 具体的には 需要曲線の設計にあたり 目標調達量 目標調達

次世代エネルギーシステムの提言 2011 年 9 月 16 日 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター Copyright (C) 2011 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved.[tv1.0]

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1



スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

力率 1.0(100%) の場合 100% の定格出力まで有効電力として発電し 出力できます 力率 0.95(95%) の場合は 定格出力の 95% 以上は有効電力として出力できません 太陽光発電所への影響 パワコンの最大出力が 95% になるので 最大出力付近ではピークカットされます パワコンの出

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

<4D F736F F D F CD94AD93648BA689EF938A8D65815E8C6E939D CC897E8A8A89BB814592E197F589BB82CC8EE691678

FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5

資料 1 申込代行事業者さまにご確認 ご対応いただく内容 1. 同封資料の内容について ご確認をお願いいたします 1 今回 当社からご確認させていただく対象は ( 資料 2) 今回確認の対象となる発電所一覧 に記載している発電所です 複数の発電所を申込みいただいた申込代行事業者さまについては ダイレ

目次 1. 北海道胆振東部地震における大規模停電発生後の一連の対応 1-1 一定の供給力の積み上げ 1-2 節電要請による需給バランスの維持 1-3 発電所の復旧による需給の安定化 1-4 再生可能エネルギーの活用状況 2. 大規模な台風 豪雨への対応 1

電力レジリエンス ワーキンググループの目的及び概要設置の経緯 目的 座長大山力 〇委員市村拓斗大橋弘小野透 金子祥三熊田亜紀子崎田裕子首藤由紀曽我美紀子松村敏弘山田真澄 平成 30 年北海道胆振東部地震を始めとした一連の災害によって 大規模停電等 電力供給に大きな被害が発生 様々な課題が明らかになる

PowerPoint プレゼンテーション

( 太陽光 風力については 1/2~5/6 の間で設定 中小水力 地熱 バイオマスについては 1/3~2/3 の間で設定 )) 7 適用又は延長期間 2 年間 ( 平成 31 年度末まで ) 8 必要性等 1 政策目的及びその根拠 租税特別措置等により実現しようとする政策目的 長期エネルギー需給見通

1. 目的 実施計画 高度なエネルギーマネジメント技術により 需要家側のエネルギーリソースを統合的に制御することで バーチャルパワープラントの構築を図る < 高度なエネルギーマネジメント技術 > 蓄熱槽を活用した DR 複数建物 DR 多彩なエネルギーリソースのアグリゲーション < 便益 > 系統安

□120714システム選択(伴さん).ppt

PowerPoint プレゼンテーション

1. はじめに 検討の背景 本小委員会におけるこれまでの検討と中間整理の位置付け 再生可能エネルギーの主力電源化に向けて... 4 Ⅰ. コスト競争力の強化 国際水準を目指した徹底的なコスト低減 自立化に向けた FI

1. 入札制度について (1) 総論 (1-1) 保証金における不可抗力事由の取扱い (1-2) 旧制度下の認定案件の失効状況 (2) バイオマス発電について (2-1) バイオマス液体燃料区分の取扱い ( 新規のバイオマス燃料種の取扱いを含む ) (2-2)2018 年度の入札量 (2-3) 石炭

電中研における次世代のグリッド技術開発

Q4. 出力制御を実施した場合 公平に制御されていることは どのように確認出来るのか A. 再エネの出力制御を実施した場合は 電力広域的運営推進機関による妥当性の検証を受けることになっています ( 月単位で 検証を実施 ) なお 九州エリアの離島 ( 壱岐 種子島 徳之島 ) では 既に出力制御を実

ドイツで大規模ハイブリッド蓄電池システム実証事業を開始へ

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

Microsoft Word - 報告書.doc

太陽光発電について 太陽光発電とは シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し 太陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方法 太陽光発電システムは太陽電池モジュールや架台 パワーコンディショナー等からなるシステム品であり 住宅に設置する場合は工事が必要 住宅用では 4kW 程度の出

報告書の主な内容 2012 年度冬季の電力需給の結果分析 2012 年度冬季電力需給の事前想定と実績とを比較 検証 2013 年度夏季の電力需給の見通し 需要面と供給面の精査を行い 各電力会社の需給バランスについて安定供給が可能であるかを検証 電力需給検証小委員会としての要請 2013 年度夏季の電

スライド 1

熱効率( 既存の発電技術 コンバインドサイクル発電 今後の技術開発 1700 級 ( 約 57%) %)(送電端 HV 級 ( 約 50%) 1500 級 ( 約 52%

PowerPoint プレゼンテーション

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 1. 地球温暖化対策の推進 1-2 国内における温室効果ガスの排出抑制 租税特別措置等により達成しようとする目標 2030 年の電源構成における再生可能エネルギーの割合を 22~24% とする 租税特別措置等による達成目標に係る測定指

スライド 1

市町村から国への要望一覧 事項名要望内容改善案 ( 省庁名を記入してください ) いつまでに実施するか 効果 ( 現状との数値比較等 ) 再生可能エネルギーの導入促進 要望事項 1 政府は将来を見据えた責任あるエネルギー政策を実行するためにも エネルギー基本計画に掲げている再生可能エネルギーの導入量

スライド 1

Microsoft PowerPoint METI.ppt [互換モード]

houkokusyo1-9

Microsoft PowerPoint - new_ NEDOフォーラムTS-9第3部(山田)r2公開用.pptx

1 タウンメガソーラーの実現 7 2 街の発展を想定したメガソーラー整備及び連結 8 3 北九州水素タウン 9 4 風の道に沿った小型風力発電の導入 10 5 工場廃熱の活用 ( 工場廃熱の植物工場等利用 ) 11 6 工場廃熱の活用 ( バイナリー発電 ) 12 7 次世代 BDF の開発などバイ

Q 切り替えする手続きが面倒じゃないの? A 新しく契約する電力会社へ申し込みをするだけで 今の電力会社へ連絡はせずに切り替えができます また Web でも簡単に申し込み手続きができるようになります Q 停電が増えたり 電気が不安定になったりしないの? A 新電力と契約した場合でも 電気を送る電線や

マートシティ 省エネルギー対策の推進 <ビル 工場等における省エネルギー対策の推進 > 大規模事業所が対象のキャップ & トレード制度 * ( 以下 C&T 制度 という ) について 2020 年度からの第 3 計画期間に向け 専門家による検討会の設置に係る準備等を実施 新規 東京 2020 大会

PowerPoint プレゼンテーション

「節電対策パンフレット」(家庭向け)

表紙

南早来変電所大型蓄電システム実証事業

議事要旨 (1) 再生可能エネルギーの自立に向けた取組の加速化 ( 多様な自立モデルについて ) 委員 自立ができるようなツールや枠組の部分に 可能性がある部分を残しておくことが重要 現時点でできないからといってアウトフォーカスするのではなく 事業者 製造者などが努力をすることで技術革新が起こる状態

第 21 回系統 WG プレゼン資料資料 1 九州本土における再エネ出力制御の実施状況について 年 4 月 2 6 日 九州電力株式会社

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

資料1 :住宅(家庭部門)の中期の対策・施策検討

Ⅰ. 認定制度 1. 認定制度 の現状 2. 認定時期について 3. 認定案件の適正な事業実施に向けて 4. 調達価格の決定時期

スライド 1

200kW 未満 272 万円 /kw 以下 200kW 以上 1,000kW 未満 109 万円 /kw 以下 1,000kW 以上 3 万 kw 未満 39 万円 /kw 以下 4 木質バイオマス発電設備 (2 万 kw 未満 木質バイオマス燃料の年間利用率 80% 以上と見込まれるもの ) <

1. 第 1 回委員会 (2017 年 12 月 18 日 ) における議論 2. 欧州における洋上風力発電の現状 3. 我が国における洋上風力発電の導入について

Microsoft Word 後藤佑介.doc

別添 表 1 供給力確保に向けた緊急設置電源 ( その 1) 設置場所 定格出力 2 発電開始 2 運転開始 公表日 3 姉崎火力発電所 約 0.6 万 kw (0.14 万 kw 4 台 ) 平成 23 年 4 月 24 日平成 23 年 4 月 27 日 平成 23 年 4 月 15 日 袖ケ浦

05JPOWER_p1-40PDF.p....

<4D F736F F D20927E EC091D492B28DB8838A838A815B83588DC58F4994C52E646F63>

( 別添 ) 平成 30 年 9 月 8 日 経済産業大臣世耕弘成 平成 30 年北海道胆振東部地震による節電への協力依頼について 平成 30 年 9 月 6 日に発生した平成 30 年北海道胆振東部地震の影響により 北海道電力管内において相当の供給力不足が発生することから 経済産業省として 9 月

家庭の節電 1 節電のお願い 2015 年度夏季の節電へのご協力のお願い 2015 年度夏季の電力需給は 老朽火力の最大限の活用を前提に 北海道電力管内でも安定供給に最低限必要とされる予備率 3% 以上を確保できる見通しです しかし 老朽火力を含む発電所のトラブルは増加傾向にある等 予断を許さない状

参考 :SWITCH モデルの概要 SW ITCH モデル は既存の発電所 系統 需要データを基にして 各地域における将来の自然エネルギーの普及 ( 設備容量 ) をシミュレーションし 発電コストや CO 排出量などを計算するモデルです このモデルでは さらに需要と気象の時間変動データから 自然エネ

携帯電話の料金その他の提供条件に関する タスクフォース 取りまとめ 平成 27 年 12 月 16 日

資料 3 太陽光発電設備の廃棄対策について 2018 年 11 月 21 日資源エネルギー庁


White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan

PowerPoint プレゼンテーション

北海道エリアについては まさにレジリエンス強化対策をとっている中で不幸にも地震が起きたということが分かってきた 道東の 3 ルートの送電線事故と苫東厚真の事故対応 災害規模からいってやむを得ないという報告を受け止める 今は電力システム改革の途中段階という認識 再生可能エネルギーの接続も増えてきている

UIプロジェクトX

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法改正に関する意見書

発電単価 [JPY/kWh] 差が大きい ピークシフトによる経済的価値が大きい Time 0 時 23 時 30 分 発電単価 [JPY/kWh] 差が小さい ピークシフトしても経済的価値

4 木質バイオマス発電設備 (2 万 kw 未満 木質バイオマス燃料の年間利用率 80% 以上と見込まれるもの ) < 下記要件のいずれかを満たすもの > 年間稼働率 80% 以上と見込まれるもの kw あたりの資本費一定以下 2,000kW 未満 62 万円 /kw 以下 2,000kW 以上 2

1. 調整力公募について 本年 4 月に施行された第 2 弾の改正電事法により 新しいライセンス制度が導入されたことを受け 一般送配電事業者が電力供給区域の周波数制御 需給バランス調整を行うこととなっている そのために必要な調整力を調達するにあたって 一般送配電事業者は原則として公募の方法で調達する

平成 30 年度地方税制改正 ( 税負担軽減措置等 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 その他 ) No 8 府省庁名環境省 対象税目個人住民税法人住民税事業税不動産取得税固定資産税事業所税その他 ( ) 要望項目名 要望内容 ( 概要 ) 再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置の延長

RIETI Highlight Vol.66

厄 1 No [ 今回確認の対象となる発電所一覧 ] No. 適用ルール ご契約者さま 発電場所所在地 定格出 (kw) 1 新ルール さま 市 町大字 番地 20 2 指定ルール同上同上 10 [ 担当事業所 ]( 出 制御機能付 PCS の仕様確認依頼書

再生可能エネルギー 入力支援システム操作マニュアル

本日の内容 1 太陽光発電を取り巻く現状と九州工業大学及び G-motty の取組み状況 2 日射量シミュレーションサービスの内容と今後の電力の流れ

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D203033A28AC28BAB96E291E882C6B4C8D9B7DEB05F89FC92E894C55F88F38DFC B8CDD8AB B83685D>

ストレージパリティが生み出す新たなビジネス New business created by Energy storage parity

富士フイルムホールディングス、電力と蒸気を自然エネルギー由来100%に

Microsoft Word - ガイドブック.doc

Microsoft PowerPoint _04_槌屋.ppt [互換モード]

の長嶋修氏 東日本大震災からおよそ 1 年が経過して 震災を一つのリスクと捉えて 冷静に住宅を選ぶ人が増えているようだ また 同時に 購入者の意識の変化に伴い 耐震性や耐久性に対する 業界側の意識も大きく変わった 購入者への情報提供を丁寧に行うことにより 安心感を醸成するよう意識するようになった と

平成 28 年度までに認定を受けた方の接続の同意を証する書類 新認定制度への移行手続にあたり必要となるもの旧一般電気事業者による買取 ( 高圧 ) 北海道 工事費負担金の額を契約書類に記載している場合 平成 29 年 3 月 31 日以前の接続同意分 1 接続契約成立のお知らせ 1 1をもって接続同

( 記載例 1) 指定ルールのみの記載例 指定ルールが 5 (3kW 5=15kW) ある場合 の毎に記載 ( 容量など内容が同じ場合は 1~5 の記載でも可 ) に切替する場合は 有 紫書部 (ID 出力制御機能に関する仕様 ) は太陽光発電電設備のご購入先等にご確認のうえ記載ください 単位の諸元

(2) 地震発生時の状況地震発生時の運転状況ですが 現在 20 清掃工場で40 炉が稼動していますが 地震発生当日は32 炉が稼動しており 8 炉は定期補修や中間点検のため停止していました 地震後は設備的な故障で停止したのが2 炉ありまして 32 炉稼動していたうち2 炉が停止したというのが地震発生

<4D F736F F D208E9197BF342D318AB4906B C815B834A815B939982CC8EED97DE82C693C192A528819A89EF8B638CE38F4390B38DCF E646F6378>

接続契約締結先 電源接続案件募集プロセスへの参加の有無 東京電力パワーグリッド株式会社 有 ( エリア名 : 栃木県北部 中部エリア ) 無 工事費負担金 20,000,000 円 ( 税抜き ) 連系工事期間 特定 ( 買取 ) 契約締結先 平成 29 年 9 月 25 日 ~ 平成 31 年 1

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

Microsoft PowerPoint - 22_容量市場(松久保)

Transcription:

資料 1 再生可能エネルギーの自立に 向けた取組の加速化について 2018 年 10 月 15 日資源エネルギー庁

再生可能エネルギーの自立に向けた取組の加速化 1 FIT 制度の創設当初は 量 の拡大を重視し 固定価格と買取義務に依拠した売電モデルの下で 高コストで大量 多様なプレーヤーが再生可能エネルギー発電事業に参入 世界的に脱炭素化へのモメンタムが高まり 再生可能エネルギーがコスト競争力のある主力電源となる中 我が国においても 再生可能エネルギーが FIT から自立するための大きな転換が必要 こうした検討を通じて 低コスト かつ 適正 な再生可能エネルギーの量をしっかりと伸ばし 社会に安定的に定着させていくことが重要ではないか 主力電源の要素 FIT 制度創設時 (2012~) 再生可能エネルギーの大量導入時代 コスト競争力 導入拡大優先 量 の拡大による将来的なコストダウン コストダウンの加速化 新規認定案件 既認定案件 第 8 回小委員会で御議論いただいた論点 本日御議論いただきたい論点 資料 2 長期安定性 導入拡大優先 簡易な参入 プレーヤー拡大 主力電源化に向けた大きな転換 適正な事業規律 地域との共生 本日御議論いただきたい論点 資料 3 活用モデル 固定価格 買取義務に依拠した売電モデル 多様な自立モデル 市場売電 / 自家消費 +NW 運用高度化 /BCP 対応 / 再エネとしての価値の活用など 次回以降御議論いただきたい論点

電コスト系統制約の構築発生可能エネル/ 再投資支援再ギーの主力電源化次世代電力ネットワークの構築再エネの大量導入を支える調整力( 参考 ) エネルギー基本計画を踏まえた論点の全体像 2 本日は コストダウンの加速化と FIT からの自立化 及び 長期安定的な事業運営の確保 のうち 1 既認定案件による国民負担の抑制に向けた対応 2 長期安定的な事業運営の確保に向けた事業規律の強化と地域共生の促進について御議論いただきたい 事業環境日本の課題 欧州の2 倍 これまで国民負担 2 兆円 / 年で再エネ比率 +5%(10% 15%) 今後 +1 兆円 / 年で +9% (15% 24%) が必要 長期安定発電を支える環境が未成熟 洋上風力等の立地制約 中間整理 国際水準を目指した徹底的なコストダウン 規制のリバランス 長期安定電源化 入札制 中長期目標による価格低減ゲームチェンジャーとなりうる技術開発自立化を促す支援制度の在り方検討 新たな再エネ活用モデル 適正な事業実施 / 地域との共生 洋上風力のための海域利用ルールの整備 今後の論点 コストダウンの加速化と FIT からの自立化 本日御議論いただきたい論点 長期安定的な事業運営の確保 既存系統と再エネ立地ポテンシャルの不一致 系統需要の構造的減少 従来の系統運用の下で 増強に要する時間と費用が増大 次世代 NW 投資が滞るおそれ 新 系統利用ルール の創設 ~ ルールに基づく系統の開放へ ~ 既存系統の すき間 の更なる活用 ( 日本版コネクト & マネージ ) 再エネ大量導入時代における NW コスト改革 徹底した情報公開 開示 紛争処理システム アクションプランの着実な実行 変動再エネの導入拡大 当面は火力で調整 将来は蓄電の導入によりカーボン フリー化 広域的 柔軟な調整 発 送 小の役割分担 調整力のカーボン フリー化 火力の柔軟性 / 再エネ自身の調整機能確保市場機能 / 連系線 / 新たな調整機能の活用競争力ある蓄電池開発 水素の活用 産業競争力と技術革新の追求

[Appendix] 北海道胆振東部地震を踏まえた電力需給の状況について ( 再生可能エネルギーを中心に )

平成 30 年北海道胆振東部地震を踏まえた電力需給対策 4 9 月 6 日 ( 木 ) の地震直後に北海道全域に及ぶ大規模停電が発生 9 月 8 日 ( 土 ) までに 道内ほぼ全域への送電を再開 その後 厳しい電力需給状況を乗り切るため 北海道電力において 供給力の最大限の積上げを行うとともに 政府においても 9 月 10 日の週に 節電要請 ( 需要 1 割減のための 節電 2 割目標 の設定 ) 等を実施 9 月 14 日 ( 金 ) までに京極揚水発電所が稼働したことで 需給状況が大幅に改善 9 月 19 日 ( 水 ) には 被災した苫東厚真発電所 1 号機の復旧により 電力需給は安定化 例年のように無理のない範囲での節電の取組へ移行

( 参考 ) 再生可能エネルギー ( 太陽光発電 風力発電 ) の接続復帰経緯 5 再生可能エネルギーを安定的に運用するには出力変動に対応する調整力が必要不可欠なため 調整力の確保状況と並行して段階的に再生可能エネルギーを接続

( 参考 ) 再生可能エネルギー ( 太陽光発電 風力発電 ) の出力の推移 6 再生可能エネルギーは出力最大時は需要比で 20~30% 程度で推移している一方 最大需要時 (18 時台 ) には太陽光の出力が低下するため需要に占める割合は低くなる

災害時における家庭用太陽光発電設備の稼働状況について 7 家庭用太陽光発電設備の多くは 停電時に自立運転を行う機能を備えており 昼間の日照がある時間帯には太陽光により発電された電気を利用することが可能 今般の北海道胆振東部地震後 経済産業省は ホームページやツイッターを通じて 自立運転機能の活用方法を周知 今般の震災においても 自立運転機能等の利用により 停電時においても電力利用を継続できた家庭が約 85% 存在することが太陽光発電協会の調査により推計されている ( 参考 1) 自立運転機能について 自立運転機能の使用方法は 概ね以下のとおりだが メーカーや機種により操作方法が異なる場合があるので 取扱説明書の確認が必要 1 自立運転用コンセント ( 茶色のコンセントが目印 ) の位置を確認し 取扱説明書で 自立運転モード への切り替え方法を確かめる 2 主電源ブレーカーをオフにし 太陽光発電ブレーカーをオフにする 3 自立運転モード に切り替え 自立運転用コンセントに必要な機器を接続して使用する 停電が復旧した際は 必ず元に戻す ( 自立運転モード解除 太陽光発電用ブレーカーをオン 主電源ブレーカーをオンの順で復帰 ) < ソーラーフロンティアの例 > ( 参考 2) 自立運転機能の活用実態調査 太陽光発電協会が 会員企業を通じて 北海道胆振東部地震による停電の際に自立運転機能を活用した実態について サンプル調査を行った結果 住宅用太陽光発電ユーザー 428 件のうち約 85% にあたる 364 件が自立運転機能を活用したと回答 自立運転機能を活用した方の声 冷蔵庫 テレビ 携帯充電が使えた 友達にも充電してあげることができ 喜んでもらえた ( 蓄電機能付き PV ユーザー ) 停電であることに気づかなかった 経産省ツイッター (2018/09/06) ご自宅の屋根などに太陽光発電パネルを設置されている方は 停電時でも住宅用太陽光発電パネルの自立運転機能で電気を使うことが出来ます 自立運転機能の使用方法などは こちらをご覧下さい http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/announce/20180906.pdf

災害時における ZEB の役割 蓄電池の稼働状況について 8 台風 21 号および北海道胆振東部地震による大規模停電においては ZEB( ネット ゼロ エネルギー ビル ) などにおいて電源を確保できた事例が報告されている また 資源エネルギー庁の実証事業により 北海道電力の管内にサイト用蓄電池 (1.5MW) 及びメガソーラー (5MW) を設置 事業終了後 稚内市に譲渡 9 月 6 日 ( 木 )3:08 に地震により 当該蓄電池は系統から自動解列 すぐに系統から独立して 自営線で連系した公園 球場等に電力を供給し 非常電源として活躍 現在も問題なく運転中 ZEB < サービス付高齢者向け住宅における事例 ( 北電管内 )> 平成 25 年度当初予算による支援を受け新築されたサービス付き高齢者向け住宅 ( 入居戸数 :21 戸 ) 新築時 非常時に備え太陽光発電設備が発電した電気を建物内事務所の壁コンセントで使えるように設計していた 地震発生直後に停電となったが 事前に策定していたマニュアルに従い対応したことで 当初設計通り 携帯電話 スマホ等の充電 テレビ ラジオ 冷蔵庫の電源を確保できた ( 実証概要 ) 実証事業名 : 大規模電力供給用太陽光系統安定化等実証研究 ( 平成 18 年度 ~22 年度 :69.8 億円 ) 実証項目 蓄電池から球場等への電力供給 : 大規模 PV の NAS 電池による出力制御技術の開発 ( 北海道電力 明電社 日本気象協会ほか ) 運転開始日 : 平成 21 年 2 月 実証終了後の平成 23 年に稚内市に無償譲渡 ( システム概要 ) 定格出力 :1.5MW 蓄電池容量 :11.8MWh 北海道電力変電所 33kV 連系 屋根 ( 赤枠部分 ) に太陽光パネルを設置 大型蓄電システム施設メガソーラー ( 左 ) と自営線で連系している球場 ( 右上 )

( 参考 ) 災害時における再生可能エネルギーの活用に向けた論点 9 今回の災害時の利用状況を踏まえると 再生可能エネルギーの自立モデルを促進していく上では 下記のような論点があるのではないか 災害時にも発電を継続 / 即時復旧できるよう 再生可能エネルギーのレジリエンス対策を強化すべきではないか 需要家 地域のレジリエンスにつながる自立電源等の導入支援を行うべきではないか 再エネの利活用も踏まえた レジリエンスを高めるための系統運用ルールの在り方の検討を行うべきではないか 再生可能エネルギーが豊富にある地域において その利活用を促す蓄電池の設置及び利用の在り方を整理すべきではないか こうした一連のレジリエンスに関する課題に対応するため 適切な場で議論 審議を行い 具体的な対応策を検討していくべきではないか