普天間飛行場代替施設の建設は 2014 年までの完成が目標とされる 普天間飛行場代替施設への移設は 同施設が完全に運用上の能力を備えた時に実施される 普天間飛行場の能力を代替することに関連する 航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急 時の使用のための施設整備は 実地調査実施の後 普天間飛行場の返還の

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日米同盟:

駐留軍関係離職者等臨時措置法の改正について ( 報告 ) 駐留軍関係離職者等臨時措置法の改正について労働政策審議会職業安定分科 会雇用対策基本問題部会において審議した結果 下記のとおり結論を得たので 報告する 平成 29 年 12 月 7 日 雇用対策基本問題部会 部会長鎌田耕一 職業安定分科会 分

平和と安定に寄与する在日米軍の抑止力の維持と沖縄の負担軽減が両立する方向で対応することに合意する 2 防衛庁と沖縄県は 平成 18 年 5 月 1 日に日米安全保障協議委員会において承認された政府案を基本として 1 普天間飛行場の危険性の除去 2 周辺住民の生活の安全 3 自然環境の保全 4 同事業

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となる( 別 添 の2006 年 4 月 28 日 付 概 念 図 参 照 ) この 施 設 は 合 意 され た 運 用 上 の 能 力 を 確 保 するとともに 安 全 性 騒 音 及 び 環 境 への 影 響 という 問 題 に 対 処 するものである 合 意 された 支 援 施 設 を 含

日米合同委員会合意事案概要 件名 FAC2001 三沢飛行場の一部土地の共同使用について承認年月日平 施設 区域名称 FAC2001 三沢飛行場合意対象所在地青森県三沢市合意対象面積等土地 : 約 2,300m2水域等 : - 建物 : - 工作物 : - 附帯施設 : - 事案内

また 前提となる衝突や紛争といった脅威が不明確であり 在日米軍 海兵隊の出動が見込まれる事例をはじめ 具体的な説明がなく 抽象的である このような内容では 県外移設 ができない理由が説明されているとは言えず 県民の納得のいくものではない 鳩山前総理は 昨年 5 月の記者会見において 何とか県外に見つ

基地跡地利用の現状について

Taro-合同委員会合意

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CV-22 オスプレイの横田飛行場への配備について CV-22 の配備について 平成 30 年 9 月 19 日北関東防衛局 スケジュール 米側からは 5 機のCV-22を本年 10 月 1 日に配備し 残り5 機については 具体的な配備の計画は未定ですが 2024 年頃までに10 機の配備を行う予

1 検査の背景 日本国政府は 日米安全保障条約 日米地位協定 特別協定等に基づき 日本国の安全に寄与するなどのために 日本国政府の負担の下 日本国内の施設等を合衆国政府に提供するなどしており 在日米軍が日本国内各地に配置されている また 日本国政府の負担の下に 在沖縄駐留米軍に関する沖縄県民の負担を

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4章日米同盟の強化254 平成 28 年版防衛白書第第 Ⅱ 部 わが国の安全保障 防衛政策と日米同盟 図表 Ⅱ 在日米軍の配置図 (2) 米軍が必要とする労務の需要の充足 在日米軍は 同軍を維持するために労働力 ( 労 務 ) を必要としており その需要は 地位協定により わが国の援助を

岩国基地問題に関する要望 岩国基地周辺の安全性の確保と航空機の騒音軽減を図るための沖合移設事業は 平成 23 年 3 月末に完了いたしましたが 岩国基地には 現在も約 60 機の航空機が所属するとともに 基地内外には5,300 人を超える米軍人 軍属 家族が居住しており 基地周辺の自治体といたしまし

第4章日米同盟の強化在日米軍の駐留 が国政府が雇用している 防衛省は その人事管理 給与支払 衛生管理 福利厚生などに関する業務を行うことにより 在日米軍の駐留を支援している 3 在日米軍関係経費在日米軍関係経費には 在日米軍駐留経費負担 沖縄県民の負担を軽減するためにSACO 最終報告の内容を実施

岩国基地問題に関する要望 岩国基地周辺の安全性の確保と航空機の騒音軽減を図るための沖合移設事業は 本年 3 月末に完了いたしましたが 基地を抱える周辺自治体といたしましては その存在や運用に伴う 航空機騒音 事故への不安 米軍人等による犯罪など 基地に起因する諸問題がすべて解決したとは言えません ま

Taro-文書1

日本語パンフ(最終セット)修正

2. 安全基準 (1) 日米合意による普天間飛行場の安全基準 年 3 月日米合同委員会合意 普天間飛行場における航空機騒音規制措置 日米両政府は 1996 年 3 月 普天間飛行場における航空機騒音規制措置 を日米合意したが 実際の普天間飛行場の運用において以下の通り全く遵守さ れてい

それぞれについて 現地の状況はおおむね次のようなことです 1 岩国市も山口県も 普天間基地の移設の見通しが立たないうちの先行移駐は認めない としてきましたが 政府から 2+2 の前記共同声明を伝えられ 沖縄の負担軽減を目に見える形で実現したい と迫られた福田良彦市長は 11 月に沖縄を視察し 12

平成30年度国の予算編成に対する東京都の提案要求

日米地位協定の環境補足協定

第 134 号沖縄防衛局広報平成 23 年 9 月 1 日 (2) ギンバル訓練場 ( 約 60ha) の全部返還 金武町に所在するギンバル訓練場の全部返還が 7 月 31 日に実現しました 土地所有者及び金武町長をはじめとする地元の方々のこれまでの御理解 御協力及び早期返還の実現のために尽力してい

日本国政府は 日米安全保障条約や日米地位協定 特別協定等に基づき 日本国の安全に寄与するなどのために 日本国政府の負担の下 日本国内の施設等をアメリカ合衆国政府 ( 在日米軍 ) に対して提供するなどしている また 在沖縄駐留米軍に関する沖縄県民の負担を軽減することを目的としたSACO 最終報告に基

日本は BMD には欠かせない早期警戒衛星からの情報を米軍に頼っている そのこともあり 今後は グアムを含めた日本駐留の米 BMD 部隊を束ねる防空作戦司令部が日本国内にできたこ とで BMD での日米一体化をさらに進めることが課題である BMD での日米一体化における課題は どこにあるか 日米防衛

2007 年 7 月に 沖縄本島中部の10 市町村長でグアム調査を行った その際に グアムのアンダーセン空軍基地副司令官に沖縄の海兵隊航空部隊の施設建設予定地を案内され 65 機から70 機の海兵隊航空機が来ることになっているが 機数については動いていて確定していない との説明を受けた 2008 年

日本は 2004 年 12 月に 平成 17 年度以降に係る防衛計画の大綱 ( 以下 新大綱 ) を策定し 将来の防衛力の構想を明らかにした これに沿って自衛隊はさまざまな変革を進めつつある 第 1 は 組織 制度の改革による既存の能力の有効活用である それを端的に表しているのが 新大綱で示された

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JEGS は英語版が正文である JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても その定義は必ずしも一致するとは限らない 2018JEGS バージョン 1.1 日本環境管理基準 国防省 日本環境管理基準 2018 年 4 月 バージョン 1.1 ( 改訂 :2018 年 12 月 )

か A: これは 受け入れがたい内容 という私の発言にすべて帰着することだと思っています Q: それは控訴する方向ということでよろしいでしょうか A: あくまでも 受け入れがたい内容 でありますので 関係機関と調整の上 適切に対応してまいりたいと思います Q: 飛行差止めに関してなのですが これは戦

朝日 TV 2015/4/18-19 原発政策安倍内閣は 今後の電力供給のあり方について検討しているなかで 2030 年時点で 電力の 2 割程度を 原子力発電で賄う方針を示しています あなたは これを支持しますか 支持しませんか? 支持する 29% 支持しない 53% わからない 答えない 18%

H24年度総合要請文(374あて)

【提出用】宮本徹議員要求資料

スライド 1

横田基地対策に関する要望書(在日米軍第374空輸航空司令部への要望事項)

ンターの建設を 廃止 したほか 予算の縮減 等見直しを求めるものが 12 要求どおり 等が3 政治の判断を待つ が1 という結果となった 12 月 15 日 事業仕分けの結果等を踏まえ 予算編成の基本方針 が閣議決定された また 平成 21 年中に行われる見込みであった 防衛計画の大綱 ( 以下 防

Microsoft PowerPoint 経済効果公表時資料

視察前の グァム統合軍事開発計画分析 注: グァム統合軍事開発計画とは 2006 年 9 月に米国防総省がHPで公開した計画 沖縄と米本土から9,700 人の海兵隊とその家族 8,550 人がグァムに移転するとされている 日米両政府はHP 掲載後 1 週間で 正式な決定ではない としてHP 上から削

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20総合要望書

平成 25 年 10 月 30 日 外務副大臣及び防衛大臣政務官が来県し 15 機の KC -130 の移駐時期について 2014 年 ( 平成 26 年 )6 月か ら 9 月の間の移駐を申し出 平成 25 年 12 月 16 日 県及び地元市町が KC-130 の移駐時期を容認 平成 26 年

米軍 16 米海兵隊 CH-53E 重輸送ヘリスーパースタリオン ( 普天間基地 ) 米軍 17 米海兵隊 C-20 要人輸送機ガルフストリーム ( 普天間基地 ) 米軍 18 米海軍艦載機 F/A-18E スーパーホーネット戦闘攻撃機 ( 岩国基地 ) NF 411 番機米軍 19 米海軍艦載機

ぞれの 能 力 に 基 づいて 適 切 な 貢 献 を 行 い 実 効 的 な 態 勢 確 立 のために 必 要 な 措 置 をとる 迅 速 かつ 実 効 的 な 対 応 のためには 柔 軟 な 能 力 が 必 要 緊 密 な 日 米 間 の 協 力 及 び 政 策 調 整 が 有 益 定 期 的

制海権を握る 常続監視.11 式短距離地対空誘導弾.P3C 改 SH-60K SH-60J 改新哨戒ヘリの開発. イージス システム搭載護衛艦 ( DDG ) の建造. 護衛艦の延伸. 潜水艦の建造 艦齢延伸.12 式地対艦誘導弾. 海上作戦センター横須賀新庁舎. 可変深度ソーナーシステムの開発.

防衛関係予算のポイント 30 年度予算編成の基本的な考え方 1. 中期防対象経費については 中期防衛力整備計画 に沿って 周辺海空域における安全確保 島嶼部に対する攻撃への対応 弾道ミサイル攻撃等への対応等に重点化を図るとともに 装備品の調達の効率化等を通じてメリハリある予算とする 2. 防衛関係費

平成29年度横田基地対策に関する要請書

2 各国の動向 米国 : 世界最大の総合的な国力 中露等との 戦略的競争 同盟国等に対し 防衛のコミットメントを維持するとともに 責任分担の増加を要求 NATO: ハイブリッド戦 への対応 国防費を増加 中国 : 透明性を欠いた軍事力の強化 新領域の優勢確保を重視 一方的な現状変更の試み 東シナ海で

平成27年度横田基地対策に関する要望書

自衛隊の原子力災害派遣に関する達

その他 ( 環境影響評価対象外 ) 1 頂いたご意見の中には 本環境影響評価手続きにおける検討対象外のご意見もございましたので 以下のとおりお示しします 1 2 ~ 5 国内の人口は今後大幅に減少していくのに福岡空港の航空機の離着陸回数を増やす必要はなく ヘリポート新設の理由は認められない 本来の目

辺野古新基地建設事業に関するファクトシート 2015 年 4 月 14 日 FoE Japan 作成 1. 事業の目的辺野古崎とこれに隣接する大浦湾と辺野古湾に一部埋立てにより 住宅や学校に密接に位置する普天間飛行場の代替施設を整備し 同飛行場の移設 返還を進めることを目的とする 2. 事業の概容

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自治体向けパンフレット(業者提出用).indd

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

自衛隊に導入いたしまして船舶として運用することから 陸上自衛隊の使用する船舶につきましても 海上自衛隊の使用する船舶と同様に船舶安全法等の適用を除外することなどを内容としてございます また 先ほどございましたように 本法案に直接の規定ではございませんが 平成二十九年度末におきまして 万が一島嶼部を占

Security declaration

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2 新中期防の意義 防衛力整備は 最終的には各年度の予算に従い行われるが 国の防衛が国家存立の基盤であるとともに 装備品の研究開発や導入 施設整備 隊員の教育 部隊の練成などは短期になし得ないことなどを考えれば 防衛力整備は 具体的な中期的見通しに立って 継続的かつ計画的に行うことが必要である この

アンへの海兵隊移転の環境影響評価 / 海外環境影響評価書ドラフト によるとグアムのアンダーセン航空基地のノースランプ地区に海兵隊回転翼部隊としてMV-22オスプレイ2 個中隊 24 機を含めCH53E 大型ヘリ4 機 AH-1 小型攻撃ヘリ4 機 UH-1 小型多目的ヘリ3 機の合計 37 機が配備

(3) 平成 24 年 4 月 1 日沖縄防衛局広報第 138 号 第 15 回防衛セミナーの開催 沖縄防衛局では 2 月 16 日 沖縄県立博物館 美術館 3 階講堂において 113 名の方々に来場していただき 第 15 回防衛セミナーを開催しました 今回の防衛セミナーは 平成 3 年 ペルシャ湾

復命書 平成 30 年 8 月 20 日 座間市議会議長京免康彦殿 基地政策特別委員会委員長沖本浩二 副委員長松橋淳郎 委委委委委 員竹田陽介員髙波貴志員安海のぞみ員星野久美子員上沢本尚 次のとおり報告します 1 視察日時平成 30 年 6 月 26 日 ( 火 ) 2 視察先在日米陸軍キャンプ座間

横田基地対策に関する要望書

目 次 1. 日米オスプレイの共通整備基盤について 2 日米オスプレイの配備先と共通整備基盤の位置関係 2. オスプレイとは 3 飛行モードと特徴 3. 共通整備基盤を確立することの意義 4 具体的なメリット 4. 共通整備基盤の具体的な内容 5 木更津駐屯地を共通整備基盤の設置場所とした理由 共通

岩国基地問題に関する要望 山口県及び基地周辺 2 市 2 町は 国の外交 防衛政策を尊重し これに協力していますが 一方では 長年にわたり その存在や運用に伴う 航空機騒音 事故への不安 米軍人等による犯罪など 基地に起因する諸問題を抱えています また 岩国基地周辺の安全性の確保と航空機の騒音軽減を

議 決 承認申請者第 1 施設団副団長 陸将補安田 茂 主 文 本件承認申請は 承認すべきものと認定する 事実関係 1 承認申請者陸将補安田茂 ( 以下 申請者 という ) は 平成 25 年 8 月 1 日付で自衛隊を退職し 平成 25 年 9 月 17 日付で 株式会社日立製作所に就職する予定で

Taro-合同委員会合意

この審査において点検を行っているのは 次の項目である 政策の実施により得ようとする効果はどの程度のものかなど 具体的に特定され ているか ( 事前評価の結果の妥当性の検証について ) 事前評価については 政策効果が発現した段階においてその結果の妥当性を検証すること等により得られた知見を以後の事前評価

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F-35BとFA-18ホーネットの騒音を比較すると 離陸時は 約 2デシベルF-35Bの方が大きくなるが 着陸時は 約 11デシベルF-35Bの方が小さくなる 岩国飛行場に配備されている航空機の機数は 現在より4 機減少することになり 飛行回数も減少するものと考えている 岩国飛行場における航空機の標

News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

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航空隊及び教育航空隊の編制に関する訓令

大綱コンセプトの変遷 初めて策定した 51 大綱 (1976 年策定 ) においては 自らが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないよう 必要最小限度の防衛力を保有するという考え方 すなわち 基盤的防衛力構想 を採用 その後 東西冷戦の終結といった国際情勢の変化 より安定した安全保

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航空法第137条第3項の覚書並びに航空交通管制職員試験及び千歳飛行場、名古屋空港に対する協定に関する通達

企画部長

ている これに加えて 中国は 軍の艦艇や航空機による太平洋への進出を常 態化させ 我が国の北方を含む形で活動領域を一層拡大するなど より 前方の海空域における活動を拡大 活発化させている こうした中国の軍事動向等については 我が国として強く懸念してお り 今後も強い関心を持って注視していく必要がある

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わが国の次期大綱では そういった戦略環境の大きなランドスライド ( 地滑り ) にともない 第 1 に基盤的防衛力構想から脱却した 日本の戦略の根底的見直し 第 2 に 今ある危機 への対処のための 南西シフト に言及しなければならない 基盤的防衛力構想からの脱却 - 日本の戦略の根底的見直し 日本

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要請結果概要 協議会会員等が 外務省 防衛省 及び駐日米国大使館で要請活動を実施 ( 他は郵送等 ) 外務省 ( 薗浦健太郎外務副大臣 ) 防衛省 ( 若宮健嗣防衛副大臣 ) 駐日米国大使館 ( ロバート G ラプソン政務担当公使 ) 外務省として 空母艦載機移駐に全力で取り組みたい 現在 厚木基地

( 別紙 ) 中期防衛力整備計画 ( 平成 23 年度 ~ 平成 27 年度 ) Ⅰ 計画の方針平成 23 年度から平成 27 年度までの防衛力整備に当たっては 平成 23 年度以降に係る防衛計画の大綱 ( 平成 22 年 12 月 17 日安全保障会議及び閣議決定 ) に従い 即応性 機動性 柔軟

1/5 総括調査票 事案名 (36) 予備自衛官制度の運用 調査対象予算額 平成 24 年度 :8,049 百万円平成 23 年度 :8,081 百万円 所管防衛省組織防衛本省会計一般会計 調査区分 取りまとめ財務局 本省調査 - 1 調査事案の概要 事案の概要 予備自衛官制度は いざという時に必要

本市への年度別交付額一覧 ( 単位 : 千円 ) 年 度 S41 年 S42 年 S43 年 S44 年 S45 年 合 計 74,967 85,067 93, , ,078 年 度 S46 年 S47 年 S48 年 S49 年 S50 年 合 計 174, ,

防衛力整備計画の系譜 ( 年度 ) 33 ~ ~ ~ ~ 元

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平成25年度横田基地対策に関する要望書

横田基地対策に関する要望書(在日米軍への要望事項)

特集平成 30 年度予算特集 2 図表 1 防衛関係予算の推移 ( 億円 ) 54,000 52,000 50,000 48,000 中期防対象経費 (SACO 米軍再編経費等を除く防衛関係費) SACO 米軍再編経費 政府専用機関連経費 50,541 49,801 (+1.5%) ,8

日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁とカンボジア王国労働職業訓練省との間の在留資格 特定技能 を有する外国人に係る制度の適正な運用のための情報連携の基本的枠組みに関する協力覚書 ( 仮訳 ) 日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁 ( 以下 日本の省庁 と総称する ) 並びにカンボジア王国

Transcription:

再編実施のための日米のロードマップ ( 仮訳 ) 平成 18 年 5 月 1 日 ライス国務長官ラムズフェルド国防長官麻生外務大臣額賀防衛庁長官 概観 2005 年 10 月 29 日 日米安全保障協議委員会の構成員たる閣僚は その文書 日米同盟 : 未来のための変革と再編 において 在日米軍及び関連する自衛隊の再編に関する勧告を承認した その文書において 閣僚は それぞれの事務当局に対して これらの個別的かつ相互に関連する具体案を最終的に取りまとめ 具体的な実施日程を含めた計画を 2006 年 3 月までに作成するよう 指示した この作業は完了し この文書に反映されている 再編案の最終取りまとめ 個別の再編案は統一的なパッケージとなっている これらの再編を実施することにより 同盟関係にとって死活的に重要な在日米軍のプレゼンスが確保されることとなる これらの案の実施における施設整備に要する建設費その他の費用は 明示されない限り日本国政府が負担するものである 米国政府は これらの案の実施により生ずる運用上の費用を負担する 両政府は 再編に関連する費用を 地元の負担を軽減しつつ抑止力を維持するという 2005 年 10 月 29 日の日米安全保障協議委員会文書におけるコミットメントに従って負担する 実施に関する主な詳細 1. 沖縄における再編 (a) 普天間飛行場代替施設 日本及び米国は 普天間飛行場代替施設を 辺野古岬とこれに隣接する大浦湾と辺野古湾の水域を結ぶ形で設置し Ⅴ 字型に配置される2 本の滑走路はそれぞれ 1,600 メートルの長さを有し 2つの 100 メートルのオーバーランを有する 各滑走路の在る部分の施設の長さは 護岸を除いて 1,800 メートルとなる ( 別添の 2006 年 4 月 28 日付概念図参照 (PDF)) この施設は 合意された運用上の能力を確保するとともに 安全性 騒音及び環境への影響という問題に対処するものである 合意された支援施設を含めた普天間飛行場代替施設をキャンプ シュワブ区域に設置するた め キャンプ シュワブの施設及び隣接する水域の再編成などの必要な調整が行われる - 1 -

普天間飛行場代替施設の建設は 2014 年までの完成が目標とされる 普天間飛行場代替施設への移設は 同施設が完全に運用上の能力を備えた時に実施される 普天間飛行場の能力を代替することに関連する 航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急 時の使用のための施設整備は 実地調査実施の後 普天間飛行場の返還の前に 必要に応じ て 行われる 民間施設の緊急時における使用を改善するための所要が 二国間の計画検討作業の文脈で検 討され 普天間飛行場の返還を実現するために適切な措置がとられる 普天間飛行場代替施設の工法は 原則として 埋立てとなる 米国政府は この施設から戦闘機を運用する計画を有していない (b) 兵力削減とグアムへの移転 約 8,000 名の第 3 海兵機動展開部隊の要員と その家族約 9,000 名は 部隊の一体性を維持するような形で 2014 年までに沖縄からグアムに移転する 移転する部隊は 第 3 海兵機動展開部隊の指揮部隊 第 3 海兵師団司令部 第 3 海兵後方群 ( 戦務支援群から改称 ) 司令部 第 1 海兵航空団司令部及び第 12 海兵連隊司令部を含む 対象となる部隊は キャンプ コートニー キャンプ ハンセン 普天間飛行場 キャンプ 瑞慶覧及び牧港補給地区といった施設から移転する 沖縄に残る米海兵隊の兵力は 司令部 陸上 航空 戦闘支援及び基地支援能力といった海 兵空地任務部隊の要素から構成される 第 3 海兵機動展開部隊のグアムへの移転のための施設及びインフラの整備費算定額 102.7 億ドルのうち 日本は これらの兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ これらの兵力の移転が可能となるよう グアムにおける施設及びインフラ整備のため 28 億ドルの直接的な財政支援を含め 60.9 億ドル (2008 米会計年度の価格 ) を提供する 米国は グアムへの移転のための施設及びインフラ整備費の残りを負担する これは 2008 米会計年度の価格で算定して 財政支出 31.8 億ドルと道路のための約 10 億ドルから成る (c) 土地の返還及び施設の共同使用 普天間飛行場代替施設への移転 普天間飛行場の返還及びグアムへの第 3 海兵機動展開部隊 要員の移転に続いて 沖縄に残る施設 区域が統合され 嘉手納飛行場以南の相当規模の土地 - 2 -

の返還が可能となる 双方は 2007 年 3 月までに 統合のための詳細な計画を作成する この計画においては 以下の6つの候補施設について 全面的又は部分的な返還が検討される оキャンプ桑江 : 全面返還 оキャンプ瑞慶覧 : 部分返還及び残りの施設とインフラの可能な限りの統合 о 普天間飛行場 : 全面返還 ( 上記の普天間飛行場代替施設の項を参照 ) о 牧港補給地区 : 全面返還 о 那覇港湾施設 : 全面返還 ( 浦添に建設される新たな施設 ( 追加的な集積場を含む ) に移設 ) о 陸軍貯油施設第 1 桑江タンク ファーム : 全面返還 返還対象となる施設に所在する機能及び能力で 沖縄に残る部隊が必要とするすべてのもの は 沖縄の中で移設される これらの移設は 対象施設の返還前に実施される SACO 最終報告の着実な実施の重要性を強調しつつ SACO による移設 返還計画につ いては 再評価が必要となる可能性がある キャンプ ハンセンは 陸上自衛隊の訓練に使用される 施設整備を必要としない共同使用 は 2006 年から可能となる 航空自衛隊は 地元への騒音の影響を考慮しつつ 米軍との共同訓練のために嘉手納飛行場 を使用する (d) 再編案間の関係 全体的なパッケージの中で 沖縄に関連する再編案は 相互に結びついている 特に 嘉手納以南の統合及び土地の返還は 第 3 海兵機動展開部隊要員及びその家族の沖縄 からグアムへの移転完了に懸かっている 沖縄からグアムへの第 3 海兵機動展開部隊の移転は (1) 普天間飛行場代替施設の完成に向 けた具体的な進展 (2) グアムにおける所要の施設及びインフラ整備のための日本の資金的 貢献に懸かっている 2. 米陸軍司令部能力の改善 キャンプ座間の米陸軍司令部は 2008 米会計年度までに改編される その後 陸上自衛隊中央即応集団司令部が 2012 年度 ( 以下 日本国の会計年度 ) までにキャンプ座間に移転する 自衛隊のヘリコプターは キャンプ座間のキャスナー ヘリポートに出入りすることができる - 3 -

在日米陸軍司令部の改編に伴い 戦闘指揮訓練センターその他の支援施設が 米国の資金で 相模総合補給廠内に建設される この改編に関連して キャンプ座間及び相模総合補給廠の効率的かつ効果的な使用のための以下の措置が実施される о 相模総合補給廠の一部は 地元の再開発のため ( 約 15 ヘクタール ) また 道路及び地下を通る線路のため ( 約 2ヘクタール ) に返還される 影響を受ける住宅は相模原住宅地区に移設される о 相模総合補給廠の北西部の野積場の特定の部分 ( 約 35 ヘクタール ) は 緊急時や訓練目的に必要である時を除き 地元の使用に供される оキャンプ座間のチャペル ヒル住宅地区の一部 (1.1 ヘクタール ) は 影響を受ける住宅のキャンプ座間内での移設後に 日本国政府に返還される チャペル ヒル住宅地区における あり得べき追加的な土地返還に関する更なる協議は 適切に行われる 3. 横田飛行場及び空域 航空自衛隊航空総隊司令部及び関連部隊は 2010 年度に横田飛行場に移転する 施設の使用 に関する共同の全体計画は 施設及びインフラの所要を確保するよう作成される 横田飛行場の共同統合運用調整所は 防空及びミサイル防衛に関する調整を併置して行う機 能を含む 日本国政府及び米国政府は 自らが必要とする装備やシステムにつきそれぞれ資 金負担するとともに 双方は 共用する装備やシステムの適切な資金負担について調整する 軍事運用上の所要を満たしつつ 横田空域における民間航空機の航行を円滑化するため 以下の措置が追求される о 民間航空の事業者に対して 横田空域を通過するための既存の手続について情報提供するプログラムを 2006 年度に立ち上げる о 横田空域の一部について 2008 年 9 月までに管制業務を日本に返還する 返還される空域は 2006 年 10 月までに特定される о 横田空域の一部について 軍事上の目的に必要でないときに管制業務の責任を一時的に日本国の当局に移管するための手続を 2006 年度に作成する о 日本における空域の使用に関する 民間及び ( 日本及び米国の ) 軍事上の所要の将来の在り方を満たすような 関連空域の再編成や航空管制手続の変更のための選択肢を包括的に検討する一環として 横田空域全体のあり得べき返還に必要な条件を検討する この検討は 嘉手納レーダー進入管制業務の移管の経験から得られる教訓や 在日米軍と日本の管制官の併置の経験から得られる教訓を考慮する この検討は 2009 年度に完了する 日本国政府及び米国政府は 横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や態様に関する検討を実施し 開始から 12 ヵ月以内に終了する оこの検討は 共同使用が横田飛行場の軍事上の運用や安全及び軍事運用上の能力を損なってはならないとの共通の理解の下で行われる - 4 -

о 両政府は この検討の結果に基づき協議し その上で軍民共同使用に関する適切な決定を 行う 4. 厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐 第 5 空母航空団の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐は F/A-18 EA-6B E-2C 及 び C-2 航空機から構成され (1) 必要な施設が完成し (2) 訓練空域及び岩国レーダー進入 管制空域の調整が行われた後 2014 年までに完了する 厚木飛行場から行われる継続的な米軍の運用の所要を考慮しつつ 厚木飛行場において 海 上自衛隊 EP-3 OP-3 UP-3 飛行隊等の岩国飛行場からの移駐を受け入れるための必 要な施設が整備される KC-130 飛行隊は 司令部 整備支援施設及び家族支援施設とともに 岩国飛行場を拠点とする 航空機は 訓練及び運用のため 海上自衛隊鹿屋基地及びグアムに定期的にローテーションで展開する KC-130 航空機の展開を支援するため 鹿屋基地において必要な施設が整備される 海兵隊 CH-53D ヘリは 第 3 海兵機動展開部隊の要員が沖縄からグアムに移転する際に 岩 国飛行場からグアムに移転する 訓練空域及び岩国レーダー進入管制空域は 米軍 自衛隊及び民間航空機 ( 隣接する空域内 のものを含む ) の訓練及び運用上の所要を安全に満たすよう 合同委員会を通じて 調整さ れる 恒常的な空母艦載機離発着訓練施設について検討を行うための二国間の枠組みが設けられ 恒常的な施設を 2009 年 7 月又はその後のできるだけ早い時期に選定することを目標とする 将来の民間航空施設の一部が岩国飛行場に設けられる 5. ミサイル防衛 双方が追加的な能力を展開し それぞれの弾道ミサイル防衛能力を向上させることに応じて 緊密な連携が継続される 新たな米軍の X バンド レーダー システムの最適な展開地として航空自衛隊車力分屯基地 が選定された レーダーが運用可能となる 2006 年夏までに 必要な措置や米側の資金負担に よる施設改修が行われる 米国政府は X バンド レーダーのデータを日本国政府と共有する - 5 -

米軍のパトリオット PAC-3 能力が 日本における既存の米軍施設 区域に展開され 可能 な限り早い時期に運用可能となる 6. 訓練移転 双方は 2007 年度からの共同訓練に関する年間計画を作成する 必要に応じて 2006 年度に おける補足的な計画が作成され得る 当分の間 嘉手納飛行場 三沢飛行場及び岩国飛行場の 3 つの米軍施設からの航空機が 千 歳 三沢 百里 小松 築城及び新田原の自衛隊施設から行われる移転訓練に参加する 双 方は 将来の共同訓練 演習のための自衛隊施設の使用拡大に向けて取り組む 日本国政府は 実地調査を行った上で 必要に応じて 自衛隊施設における訓練移転のため のインフラを改善する 移転される訓練については 施設や訓練の所要を考慮して 在日米軍が現在得ることのでき る訓練の質を低下させることはない 一般に 共同訓練は 1 回につき 1~5 機の航空機が 1~7 日間参加するものから始め い ずれ 6~12 機の航空機が 8~14 日間参加するものへと発展させる 共同使用の条件が合同委員会合意で定められている自衛隊施設については 共同訓練の回数 に関する制限を撤廃する 各自衛隊施設の共同使用の合計日数及び 1 回の訓練の期間に関す る制限は維持される 日本国政府及び米国政府は 即応性の維持が優先されることに留意しつつ 共同訓練の費用 を適切に分担する Copyright(C):The Ministry of Foreign Affairs of Japan - 6 -