レスキューフレーム(簡易起重機)訓練中引揚作業時、救助者、要救助者落下事故

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目次 直轄工事における事故発生状況 1 ( 平成 16 年度 ~ 平成 28 年度 ) 2 直轄工事における事故発生状況 2 ( 平成 21 年度 ~ 平成 28 年度 ) 3 直轄工事における事故発生状況 3 ( 平成 28 年 ) 4 事例 1 重機事故 ( クレーン関係 ) 労働災害 5 事例

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レスキューフレーム ( 簡易起重機 ) 訓練中引揚作業時 救助者 要救助者落下事故事故 ヒヤリハットの別 _ 事故, 負傷の程度 _ 軽傷 消防ヒヤリハットデータベース事例情報シート 事例概要について 1. 事故 ヒヤリハットの別事故 (No.08F0063) 2. 体験した事例の名称レスキューフレーム ( 簡易起重機 ) 訓練中引揚作業時 救助者 要救助者落下事故 3. 体験した事例の中心的要素レスキューフレームを使用し 低所よりの引揚救助訓練を実施時において 動滑車の作業効率から救助者 要救助者の同時引揚を行った その引揚作業中救助者が地上より離れた時 レスキューフレーム基底部が約 30cm 動いたため 基底部を元の位置に戻し ロープの弛みを直した 再度引揚作業を開始し約 3m 救助者達を引揚げた時 レスキューフレーム基底部が後方に約 1m60cm 移動し 後部頂点が跳ね上がり 前部頂点が約 1m50cm 下方に下がった事から 救助者たちが約 1m 落下し バスケット担架内に収容されていた要救助者役の隊員がバスケ 4. 体験した事例の原因 理由レスキューフレームの物理的な構造把握が出来ていなかったこと 救出ロープを後ろに引いてしまい 救出ロープが支持点に対して角度が浅くなったこと 体験した事例の直接的原因について 1. 体験した事例の直接的な原因状況判断に問題があった 行動の意志決定に問題があった 行動の実行に問題があった 体験した事例について 1. 発生日時 平成 20 年 3 月 13 日 午後 3 時頃 2. 発生した当時の天候 晴 3. 発生した活動現場屋外 : 車庫屋上にレスキューフレームを設置 4. 体験した事例の種類回答者が 他人を負傷させた 5. 事故の程度 ( ヒヤリハットの場軽傷合 仮に負傷したときの程度 ) 6. どのようなことが起きたのか墜落 転落 ( 起きそうになったのか ) 7. 事例体験時の活動演習訓練 [ 救助 ( 通常時の訓練 ) ] 8.(7の活動中 ) どのような作業中に発生したか 9. 同様の体験は これまでにどの程度の頻度で体験していますか 低所救助訓練 初めて体験した 事例情報シート (2008) 1

10. 事例体験者の属性 ( 回答者は当事者 A) 当事者 A 年齢 [ 36 ] 歳 勤続年数 [ 16 ] 年 現場経験年数 [ 15 ] 年 階級 [ 消防司令補 ] 同様の活動 [ 1 年に ] 任務 [ 複数隊の隊長 ] 当事者 B 年齢 [ 27 ] 歳 勤続年数 [ 5 ] 年 現場経験年数 [ 4 ] 年 階級 [ 消防士 ] 同様の活動 [ 過去に 1,2 回程 ] 任務 [ 機関員 ] 当事者 C 年齢 [ 24 ] 歳 勤続年数 [ 2 ] 年 現場経験年数 [ 1 ] 年 階級 [ 消防士 ] 同様の活動 [ 過去に 1,2 回程 ] 任務 [ 隊員 ] その他 ( 当事者が 4 人以上の場合 ) 11. 事例発生の経過 当事者 D 40 歳 21 年 20 年消防士長 1 年に車長当事者 E 38 歳 15 年 14 年消防士長 1 年に機関員当事者 F 39 歳 12 年 9 年消防士長 1 年に機関員当事者 G 35 歳 7 年 6 年消防士 1 年に機関員当事者 H 29 歳 2 年 1 年消防士 1 年に隊員 誰 ( 何 ) がなにをしたその他 備考など 経過 1 当事者 A~I 事故発生時と同場所 同想定にてレスキューフレーム を使用した救出訓練を開始した 当事者 B 救助者当事者 C 要救助者 経過 2 当事者 A~I 1 回目の訓練終了危険事項なし 経過 3 当事者 A~I 2 回目訓練開始 当事者 B 救助者 当事者 C 要救助者 経過 4 当事者 D~I レスキューフレーム設営完了 経過 5 当事者 B 当事者 C をバスケット担架内に収容し 自身とバスケット担架をリフティングキット端末のカラビナに連結 経過 6 当事者 H E 救出ロープを牽引開始 当事者 A 指示 経過 7 レスキューフレ レスキューフレーム後方に 50cm 移動 ーム 経過 8 当事者 D F G レスキューフレーム修正完了 ( バックガイ再設定 ) 当事者 A 修正を指示 経過 9 当事者 H E 救出ロープを再牽引開始 当事者 A 指示引揚作業困難 経過 10 当事者 H E G 牽引困難なため当事者 G 牽引に加わり さらに後方に牽引開始 当事者 A の指示により その事例発生時の状況について 事故の場合 : 事故が起きたのはどうしてだと思うか? ヒヤリハットの場合 : ヒヤリハットで済んだのはどうしてだと思うか? 危険情報を把握 予見できなかった 資機材の操作がうまくいかなかった 指揮者が適切に指示しなかった 他隊 ( 員 ) との連携活動がうまくいかなかった 他隊 ( 員 ) から適切な注意を受けられなかった 心理 体調について a. あせりを感じていた 早く 現場到着や 活動をしなければならないという あせり を感じていた 被害拡大が消防活動を上回っており あせり を感じていた いいえいいえ 事例情報シート (2008) 2

周辺の野次馬などにより あせり を感じていた いいえ b. 注意力が欠如していた 1つの事象に集中し 他の事象への注意力を欠いた はい 活動終息( 鎮火等 ) や活動内容が些細だったため注意力を欠いた いいえ 体調不良や疲れにより注意力を欠いた いいえ 事例情報シート (2008) 3

c. 経験 知識が不足していた 活動内容が 自己の能力や技量を超えていた 活動中に起こりうる危険について認知していなかった 活動に対する経験が不足していた d. 心身の不調があった 体調が悪かった 悩み事があった はいいいえはいいいえいいえ 装備 資機材について e. 資機材の故障 不具合があった 装備 資機材自体に問題があった 装備 資機材の使用方法が誤っていた 装備 資機材の対処能力を超えていた 必要とする装備 資機材がなかった いいえはいはいいいえ 活動環境について f. 障害物や自然環境 ( 雨 濃煙 ) によって視界がさえぎられた 障害物( 建物等 ) のため周囲の状況が見えなかった 特異環境( 煙 暗闇 降雨等 ) のため周囲の状況が見えなかった g. 行動しにくい環境だった 狭隘な場所であった 暑かった( 寒かった ) 野次馬が多かった 現場周辺の地理に不案内だった h. 足場が悪かった 足元が躓いたり滑りやすかった 足元の強度が不足していた いいえいいえいいえいいえいいえいいえいいえいいえ 指揮 管理について i. 適切な指示が得られなかった ( 適切な指示を与えられなかった ) 活動指示が得られなかった ( 無線が通じない等 ) 指示内容に誤り 偏りがあった 指示内容が実施困難であった ( 周辺環境に 隊員技量の把握に欠けた ) k. 関係者間の情報伝達 役割分担が不十分だった 隊員の連携が不十分だった 隊員が不足していた はいはいいいえはいいいえ その他 l. その他の理由があった いいえ 事例情報シート (2008) 4

事故発生後の取り組みについて 注意力欠如 焦り等の対策について 装備 資機材の対策についてレスキューフレームの特性を全員で研究し その物理的な特徴 ( 力が加わる方向と危険性 ) を検証し その結果を消防本部全体の共有フォルダに掲載し注意を促した 活動環境の対策について 指揮 情報伝達の対策について当該事故発生係において 安全確認は指揮者のみではなく 全員で行い 危険が感じられる時は指揮者に意見具申を積極的に行っていくよう再度確認した 事例情報シート (2008) 5

事故状況概要断面図 レスキューフレーム ディッセンダ - 位置 引き方向 バックガイ支持点 1.6m 基底部が移動した距離 5.4m 1.5m 誘導ロープ 煙道 約 15m 約 10m 安全マット

負傷事例 : レスキューフレーム ( 簡易起重機 ) 訓練中引揚作業時 救助者 要救助者落下事故 ( 同様の体験は 初めて体験した ) (08F0063) 発生日時 : 平成 20 年 3 月 13 日午後 3 時頃 経過 現場の状況 隊員 A 隊員 B( 救助者 ) 隊員 C( 要救助者 ) 隊員 D 隊員 E 隊員 F 隊員 G 隊員 H 機関員 / 消防士 隊員 / 消防士 車長 / 消防士長 機関員 / 消防士長 機関員 / 消防士長 機関員 / 消防士 年齢 27 歳 年齢 24 歳 年齢 40 歳 年齢 38 歳 年齢 39 歳 年齢 35 歳 勤続 5 年 勤続 2 年 勤続 21 年 勤続 15 年 勤続 12 年 勤続 7 年 現場 4 年 現場 1 年 現場 20 年 現場 14 年 現場 9 年 現場 6 年 同様の活動: 過去に 同様の活動: 過去に 同様の活動:1 年に 同様の活動:1 年に 同様の活動:1 年に 同様の活動:1 年に 1 2 回程 1 2 回程 複数隊の隊長 / 消防司令補 年齢 36 歳 勤続 16 年 現場 15 年 同様の活動 :1 年に 隊員 / 消防士 年齢 29 歳 勤続 2 年 現場 1 年 同様の活動 :1 年に 備考 低所よりの引揚救助訓練 事故発生時と同場所 同想定にてレスキューフレームを使用した救出訓練を開始した 隊員 B 救助者隊員 C 要救助者 1 回目の訓練終了 危険事項なし 2 回目訓練開始 隊員 B 救助者隊員 C 要救助者 レスキューフレーム設営完了 隊員 C をバスケット担架内に収容 バスケット担架内に収容される 自身とバスケット担架をリフティングキット端末のカラビナに連結 救出ロープを牽引するよう指示 救出ロープを牽引開始 救出ロープを牽引開始 レスキューフレーム後方に 50cm 移動 レスキューフレーム基底部 約 30cm 移動 基底部を元の位置に戻し ロープの弛みを直すよう指示 レスキューフレーム修正完了 ( バックガイ再設定 ) レスキューフレーム修正完了 ( バックガイ再設定 ) 救出ロープ再牽引指示 救出ロープを再牽引開始するも 引揚作業困難 救出ロープを再牽引開始するも 引揚作業困難 G に牽引に加わるよう指示 牽引困難なため当事者 G 牽引に加わり さらに後方に牽引開始 牽引困難なため当事者 G 牽引に加わり さらに後方に牽引開始 レスキューフレーム後方に 1m60cm 移動し前方に転倒 約 1m 落下 確保ロープにて停止 頭部をバスケット担架にて打ちつけ負傷 ヒヤリハットで済んだのはどうしてだと思うか? 直接的な原因 : 状況判断に問題があった 行動の意志決定に問題があった 行動の実行に問題があった 危険情報を把握 予見できた 資機材の操作がうまくいった 指揮者が適切に指示した 他隊 ( 員 ) との連携活動がうまくいった 他隊 ( 員 ) から適切な注意を受けた ヒヤリハットが起きた背後要因 ( 心理 体調について ) 1 つの事象に集中し 他の事象への注意力を欠いた 活動内容が 自己の能力や技量を超えていた 活動に対する経験が不足していた ( 装備 資機材について ) 装備 資機材の使用方法が誤っていた 装備 資機材の対処能力を超えていた ( 指揮 管理について ) 活動指示が得られなかった ( 無線が通じない等 ) 指示内容に誤り 偏りがあった 隊員の連携が不十分だった