4. 単元の実際 習得 (1) 三部構成のモデル文 ゲームなんてやめなさい を提示し 子どもの意識とのズレを生む 実践を行った4 年生のクラス 38 名全員が何らかのゲームをもっていることを確認し 子どもがゲームについて感じている楽しさを十分掘り起こす その上で はじめ なか おわり の形式で書かれ

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文章構成の在り方を実感できる「読むこと」の学習指導

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1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

6 年 No.22 my summer vacation. 1/8 単元の目標 主な言語材料 過去の表し方に気付く 夏休みの思い出について, 楽しかったことなどを伝え合う 夏休みの思い出について, 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり, 他者に伝えるなどの目的

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

トコラージュ というメディアの形態を提案する 本単元では 説明文の 構成メモ をフォトコラージュの形でまとめる このことにより 資料を活用して説明文を書くことが容易になる フォトコラージュとは次に示すように 2 枚以上の写真と それに対する説明文を対応させた情報伝達の形式である 本学級では 社会科の

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校


7 児童の実態 書くこと に関わる活動では これまでに 読書生活について考えよう の単元において アンケートを作成して自分が知りたい情報を集め それを整理して表やグラフにして表すとともに 自分の考えや感想を交えて報告書の形に表す活動を行った また 新聞を作ろう の単元では 社会科の学習と関連して ご

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Taro-5年研究のまとめ

6 年 No.8 You can see Daibutsu! 1/7 単元の目標 主な言語材料 本時の目標 できることを紹介する表現や感情を表す表現が分かる 修学旅行でできることについて具体物などを見せながら伝え合う 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり でき

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

(2) 児童観児童は1 年生 1 月に おはなしをつくろう で 昔話をもとにして 人物と出来事を考えて簡単に物語を書く学習を行っている また 2 年生の1 学期には じゅんじょよく書こう の学習で はじめ 中 おわり の構成を考え 自分の経験を伝える文章を書く学習をしてきている この学習を通して 順

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

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平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

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H27 国語

第1学年国語科学習指導案

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ことが大切である 本単元では, 児童にとってもっとも身近な存在である父親や児童が選んだ相手に手紙や暑中見舞いを出すことで, 気持ちを伝える学習ができるように工夫する この学習を通し, 障害児学級の児童の感情表現を豊かにし, 人とのかかわりを広げることにつながっていくと考える (4) 個に応じた支援に

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6 年 No.8 You can see Daibutsu! 1/7 単元の目標 主な言語材料 できることを紹介する表現や感情を表す表現が分かる 修学旅行でできることについて具体物などを見せながら伝え合う 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり できることについ

の繰り返し の双括型を用いる その理由として 自の意見を冒頭部と終結部に提示することで 自の考えを一貫して述べさせたいと考えるからである 説得力のある意見文にするためには 自の考えの根拠となる資料が大切である そして 取材に関しては 総合的な学習の時間と関連させて 図書室やインターネットで調べたり

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Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

国語科学習指導案

ICTを軸にした小中連携

国語科第 1 学年熊野町立熊野中学校指導者森島登紀子 単元名 根拠を明確にして書こう 本単元で育成する資質 能力 自ら考え判断する力, 読解力 情報収集能力 1 日 時平成 29 年 11 月 16 日 5 校時 2 場 所 1 年 3 組教室 3 学年 学級第 1 学年 3 組 (27 名男子 1

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第4学年国語科学習指導案.doc

た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

第○学年○組 国語科学習指導案

(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

価 がら読んでいる 語句には性質や役割の上で類別 規 文章を読んで考えたこ があることを理解している 準 とを発表し合い 一人 指示語や接続語が文と文との意 一人の感じ方につい 味のつながりに果たす役割を理 て 違いのあることに 解し 使っている 気付いている 学 登場人物の思いを想像し 時代の状況

3 学校教育におけるJSLカリキュラム(中学校編)(国語科)4.指導案 12 学校案内パンフレットを作ろう-共同編集・制作-

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

解答類型

るようにしていく 深く考える力教材文で述べられているロボットや, 図鑑や事典などで収集したロボットのそれぞれの違いやよさを比較するために, ベン図 を用いて視覚的に理解を促す また, 自分の既有のロボットについての認識と教材文を結び付けて考えさせることにより, ロボットのよさに気付かせていきたいが,

6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

2 単元の目標 暮らしの中の 和 と 洋 の違いに関心を持ち, くらしの中の和と洋なるほど新聞 を作るために, 目的に応じて引用したり要約したりしようとする 国語への関心 意欲 態度 目的に応じて, 中心となる語や文をとらえて段落相互の関係や事実と意見との関係を考え, 文章を読むことができる 読むこ

4 全体計画 ( 総時数 6 時間 ) 主な学習活動 時数 教師のかかわり 評価の観点 ( 求める子どもの姿 ) 新聞について興味をもち, 投 1 新聞への興味をもつことができるよう 関心 意欲 態度 書の特徴を知る に, 実際の新聞をもとに, 投書の内容 新聞について興味をもち, を取り上げる 投

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

PISA 型読解力と国語科の融合 -PISA 型読解力とワークシート- ( ア ) 情報を取り出す PISA 型読解力ア情報の取り出しイ解釈ウ熟考 評価エ論述 情報を取り出す力 とは 文章の中から無目的あるいは雑多に取り出すことではない 目的つまりこの場合は学習課題に沿って 自己の判断を加えながらよ

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国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

たい 単元を貫く言語活動として, ポップカード で友達におすすめの本を紹介するという活動を位置 付ける もうすぐ雨に で習得した学びを活用し, 自分で選んだ本の紹介文を書いていく 作品の テーマを読み取りまとめる言語活動は, 読書に対する興味 関心を広げることにつながると考える (4) 単元の指導計

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平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

平成26年度調査研究活動報告書

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

<小学校 生活科>

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

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第5学年  算数科学習指導案

検印

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

6 年 No.12 英語劇をしよう (2/7) 英語での 桃太郎 のお話を理解し 音読する 導 あいさつをす 挨拶の後 Rows and Columns を交え 天気や時 入 候の確認 既習事項の確認をす (T1,T2) ペンマンシップ ペンマンシップ教材を用いて アルファベットの ジングル絵カー

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

【授業 1】

(2) 指導の実際 1 話すこと 聞くこと の実践ア協働による教材研究の柱 モデルの提示について対話のためのスキルの定着や対話の深まりを目指し, 教師や代表グループによる対話のモデルを提示し, 気付いたことや発見したことを基に自分たちの対話や話合いの様子を振り返らせ, 学びの充実を図るようにする 共

3 学校教育におけるJSLカリキュラム(中学校編)(国語科)4.指導案 6 報告文を書いて発表しよう

3 特別支援学級における学習指導案 特別支援学級においても 学習指導案は授業の設計図としての働きに変わりはありません しかし 特別支援学級では 児童生徒の実態から指導の内容や計画を考えることに大きな意味があります 通常の学級の学習指導案では 例えば 単元について は学習指導要領に沿った指導計画に基づ

難聴児童の伝える力を 高めるための指導の工夫 -iPadを活用した取り組みを通して-

第 3 学年算数科学習指導案 日時対象学校名授業者会場 平成 27 年 7 月 8 日 ( 水 )5 校時 13:40~14:25 第 3 学年均等割クラス 19 名町田市立町田第六小学校 2 階 3 年 1 組教室 1 単元名 かけ算の筆算 ( 学校図書 みんなと学ぶ小学校算数 3 年上 ) 2

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

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算数でも 知識 (A) 問題 活用 (B) 問題とも 全領域で全国平均を上回りました A 問題では 14 問中 12 問が全国平均を上回り うち8 問が5ポイント以上上回りました 下回った2 問は 直径と円周の長さの関係理解 と 除法で表す2 量関係の理解 でした B 問題では 10 問中 9 問が

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

(2) 記録用サポートブックの作り方 記録用サポートブックは 一般様式 を使って書きます 一般様式 は 項目 本人の状況 支援方法 の 3 つの枠からできています 様式一般様式支援者 : 場所 : 日付 : < 項目 > 例 ) 話を聞く( 授業中 ) 使い ポイント 方 気になるな 困ったな と思

4 学習指導案 第 5 学年 1 組図工科学習指導案 1 題材名 4 コマで考えて交流しよう 平成 21 年 10 月 15 日 在籍児童数 32 名 2 題材について (1) 児童の実態本学級の児童は図工が大好きである ほとんどの子が夢中になって作品づくりに取り組んでいる しかし どんどん進められ

指導方法等の改善計画について

6 指導計画 (7 時間扱い ) (1) 単元の 1: 字手紙 のねらいの確認と受取人決定指導計画 2: 手紙の基本知識の確認と書くことの内容の整理 3: 時候の挨拶作成 ひと文字練習と下書き 4: ひと文字練習と下書き 5: 相互評価 推敲 ( 本時 ) 6: 推敲および清書 7: 清書と宛名書き

いろいろな衣装を知ろう

(4) ものごとを最後までやり遂げて, うれしかったことがありますか (5) 難しいことでも, 失敗を恐れないで挑戦していますか

平成19年度全国学力・学習状況調査の結果をふまえた指導改善策

Microsoft Word - 原稿【市教委指摘訂正済】

あったらいいな ! こんなあそび場 (わたしの町大好き)

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

ひょうごつまずきポイント指導事例集について 次ページ 示 ポイント 過去 全国学力 学習状況調査 結果 うち 特 課題 あた問題をも 作成したひう 状況調査 等 結果 明 したも あ 各学年 領域 共通 内容 い た4ページ~5ページポイントをも 各領域 やそ 学習内容を整理した系統表を掲載しい 各

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平成29年度 中学校国語科教育

Transcription:

段落の構成 はじめ なか おわり と その役割を理解して文章を書く子どもの育成 ~ 子どもの 書きたい! を引き出す課題づくりを通して ~ 新潟市立内野小学校教諭山田綾子 1. はじめに 24 年度 自校で行った学習指導改善調査の結果を分析したところ 段落構成 の項目の正答率が低かった 三部構成で文章を書くことに慣れていない実態が見える 段落を区切って書くことで 内容が整理され 書き手の主張が伝わりやすいことを子どもに知らせるには 段落構成を可視化して示すことが必要だと考えた 本単元は 三部構成の文章の書き方に慣れていない 4 年生の子どもに はじめ なか おわり を意識した三部構成の文章を書かせたいと願って構想した 教師自作の ゲームなんてやめなさい! を示すことで 子どもの 書きたい! 気持ちを引き出し さらに三部構成の 書かれ方 に目を向けさせるよう仕組んだ実践である 2. 本実践のキーワード 1 子どもの 書きたい! を引き出す課題づくり 2 はじめ なか おわり の型( モデル ) の提示 3 習得した型 ( モデル ) を活用して書く 子どもの実態 メモや資料をもとに 三部構成を意識して文章を書くことができない 三部構成のモデル文 ゲームなんてやめなさい を提示し 先生の考えに反論するために書くという相手意識 目的意識を高める モデル文に沿って反論の意見文 1 を書くことで 三部構成の書き方を理解する 総合学習と関連させ 世界の恵まれない子どもたち について調べたメモをもとに 習得した三部構成の型を活用して意見文 2を書き 習熟する めざす子どもの姿 自分で集めた資料の中から目的に応じてメモを取捨選択し 三部構成を意識して文章が書けるようになる 3. つけたい力 三部構成の形式のよさに気付き はじめ なか おわり を使って 意見文を書く力 自分で集めた資料の中から 自分の伝えたいことに合う事実を選んで書く力

4. 単元の実際 習得 (1) 三部構成のモデル文 ゲームなんてやめなさい を提示し 子どもの意識とのズレを生む 実践を行った4 年生のクラス 38 名全員が何らかのゲームをもっていることを確認し 子どもがゲームについて感じている楽しさを十分掘り起こす その上で はじめ なか おわり の形式で書かれたことが明らかにわかる自作資料 ゲームなんてやめなさい を提示した ゲームなんてなくなればいい という教師の主張に子どもたちは大いに反応し 反論するために 書きたい! という子どもたちの気持ちを引き出すことができた これまでの ゲームをする生活は当たりまえ という生活経験とズレのある課題を提示することで 先生を説得するという 書く目的を生むことができたと考える 提示した教師のモデル文

自作のモデル文の なか の部分には 1( ゲームの ) 値段が高い2 視力が低下する3( ゲームをする ) 時間がもったいないという3つの理由が述べてある 子どもは それぞれの理由について勢いよく反論する言葉を述べ続けた 値段が高いという理由に反論します どんなに値段が高くても お金に替えられない楽しさがゲームにはあると思います 先生は視力が低下すると( モデル文に ) 書いているけど 時間ごとに休憩して目を休めているから視力は悪くならないと思います また 教師がモデル文で述べた1 値段 2 視力低下 3 時間の3つの観点とは別に他の理由を挙げて反論する子どももいた 友達ができる 登場人物を育てるゲームでは 親の苦労がわかる 学習ソフトを使うと頭がよくなる ストレス解消になる 5お父さんと話が合うようになる (2) モデル文の書かれ方に着目させ はじめ なか おわりの構成に気付かせる モデル文の内容を 3 つに分けなさい と発問し モデル文に線を引かせた はじめ なか おわりの構成になっていることに気付いた子どもに空欄の構成メモ枠を提示し どのようなキーワードで事実の部分が書かれているかに着目させる (3) モデル文に反論する形式で構成メモを書き 意見文を書く ゲームなんてなくなればいいと思っている先生を説得する文章を書いてみなさい と投げかけ 構想メモを考えさせた なか の部分の3つの理由は モデル文の3つの理由に反論する形でもよいし 自分で考えた理由から選んでもよいこととした モデル文に反論する 意見文 1

活用 構成メモ を生かした意見文の書き方を活用し意見文を書く (4) 恵まれない世界の子どもたちについて調べ学習をし 習得した型を使って意見文を書く 二分の一成人式を迎えた 4 年生は 子どもの構成メモ 総合学習で二分の一成人式を行う そのタイミングを生かし 世界中の 10 歳の子どもたちの生活について調べ学習を行った 先進国の幸せな 10 歳の子どもと 後進国の困窮した子どもたち ( 少年兵 地雷の脅威 児童労働 ストリートチルドレン等 ) との暮らしぶりの違いに気づかせ 後進国の子どもたちの生活について本 インターネット 家の人へのインタビューなど 調べ学習を行った 必要なことはメモさせ なるべくたくさんの情報を集めさせた その後 意見文を書くために情報を取捨選択し 主張と理由を構成メモにまとめさせ 意見文を書かせた まず なか で述べたいことの要点 ( キーワード ) を付箋に書き 構成メモの中央に張らせる 本やインターネットから調べた大量のメモの中から 付箋に書いた要点を説明するために必要な情報を選ばせ なか の部分にまとめさせた 子どもは この構成メモをもとに 習得した型を使って意見文を書いた

習得した三部構成の型を活用して書いた 意見文 2

5. 成果と課題 1. 成果 子どもが書きたくなる課題 文章を書くことが好きという小学生は少ない したがって 作文を書きたくなる課題づくりが必要だ 子どもはズレを感じた時 自ら考えたり 書いたり 話したりしたくなると考えている 1 友達の考えとズレる 2 既習事項や生活経験とズレる 3 友達の考えとズレる 本単元は 2の生活経験とズレを生む課題を提示して子どもの書きたいという気持ちを掘り起こした 教師の考えに反論したくなる課題を提示することが 子どもの書く必然を生んだのだと思われる 三部構成の仕組みを構成メモによって可視化したことについて 説明文 意見文の構成に気づかせる学習は子どもにとって難しい 長い文章のどこで意味段落が変わるのか 分かりづらいからだ しかし 構成メモで可視化し 書かれ方に目を向けさせることで文書全体が三部構成になっている仕組みについて理解させることができた 構成メモには付箋を用い なか がさらにいくつかの事例で分けられていることにも気づかせることができた 型を示すことの重要性 教師は 本単元で子どもに付けたい力のゴールのイメージをもって授業に臨む しかし子どもはゴールのイメージなど持っていない 何のために学習しているのか明確ではない 本単元の途中 モデル文には型 ( はじめ なか おわり ) があることを見つけさせた時点で 子どもに はじめ なか おわり が明確な意見文を書こうと投げかけた つまり 教師と子どもが 同じゴールイメージをもって できるようになった姿 を共有して授業に臨む できるようになった姿を子どもが明確にもつことで 教師の意図やアドバイスが子どもに分かりやすく 伝わりやすくなる 型を示すことのよさは ここにある はじめ なか おわり を使って書くことのよさや 書きやすさを実感した子どもは 次に文章を書く時 再びこの型を使って書こうとする 単元終了後 1 年間の思い出を綴った文章を書く際 はじめ なか おわりを使って書こう と投げかけた 子どもは自分の考えを表現する手段として三部構成を使った作文を書くことができた 2. 課題 型の習熟について この単元を終えてから 三部構成の型を使った作文や意見文を書くよう 二回 課題を出した その結果 クラスのおよそ 85% の子どもが三部構成の意見文を書くことができるようになった しかし おわり の始まりを表す接続語がなかったり 改行一字下げができなかったりする子どもが まだ数名だが存在する 三部構成の型を使うことを国語授業だけでなく他教科での授業や家庭学習などで使わせることによって 本単元で付いた力を 生きて働く力 として使えるよう一層の活用を図っていくことが必要である