①180612_G7シャルルボワサミット結果報告(循環部会用セット)

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これまでの G7 コミットメント及び持続可能な開発のための世界的な枠組み を定める 2030 アジェンダに沿って行動する必要性を認識しつつ, 我々 G7 首 脳は, 以下にコミットする 強靱な沿岸及び沿岸部コミュニティ 1. より良い適応計画, 緊急事態への備え及び回復の支援 我々は, 政策ギャップ

1 3: 気候変動については 環境と経済成長との好循環を実現する好機として G7 が世界の脱炭素化を牽引することが重要であり 我が国としても脱炭素化に向けた骨太な長期戦略を創り上げていく 2: 資源循環については 先進事例の共有を国内外で進めることが重要であり 我が国としては世界循環経済フォーラム

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界

【資料3】海洋プラスチック問題について

CONNEX Basic Principles

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弱な他の国々が 強靱で完全に競争的なエネルギー システムを追及することに対しても 支援する 6. 我々は 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) の締約国が第 21 回締約国会議 (COP21) において 産業革命以前と比べ 世界の平均気温上昇を 2 よりも十分低く保持すること 及び世界の平均気温上

2. 気候変動 1 7. カナダ フランス ドイツ イタリア 日本及び英国の環境大臣と 環境及び気候担当の欧州委員は 効果的かつ緊急に気候変動に対処するための 及び その影響に適応するための世界的な手段であり続けるパリ協定を迅速に かつ効果的に実施するという 強固なコミットメントを再確認する 我々は

平成19年6月  日

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ANNUAL REPORT

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海洋プラスチックごみ対策の推進に関する関係閣僚会議議事要旨 1 日時 令和元年 5 月 31 日 ( 金 ) 午前 8 時 25 分 ~ 午前 8 時 40 分 2 場所 総理大臣官邸 4 階大会議室 3 出席者安倍内閣総理大臣 菅内閣官房長官 原田環境大臣 ( 司会 ) 宮腰内閣府特命担当大臣 (

の自由 妨げられない通商活動 自制と 1982 年の国連海洋法条約 (UNCLOS) を含む国際法の普遍的な原則に従った紛争の平和的手段による解決を推進することの重要性を強調した 我々は ARF や ASEAN 海洋フォーラム拡大会合等を通じた情報共有や能力構築を含む 海洋安全保障及び海上の安全に関

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

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Security declaration

(3) 我が国の取り組み我が国は高度経済成長期以降 政府 自治体 民間企業 市民が協力し 収集 運搬 リサイクル 最終処分の適正化など 様々な取組を行ってきており エンドオブパイプ方式としての排出基準の設定や 他国に先駆けて3R( 廃棄物の発生抑制 (Reduce) 資源や製品の再使用(Reuse)

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第 4 章計画のめざすところ 4.1. 基本理念 本計画の基本理念は 西東京市環境基本条例第 3 条の基本理念と共有します 基本理念 環境の保全等は 市民が健康で心豊かに生活できる環境を守り より良好な環境を確保し これ を将来の世代に引き継ぐことを目的として行われなければならない 環境の保全等は

参考資料3(第1回検討会資料3)

⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

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のような事象でさえ わずか数分前の警告によって生命を救えることもある リスクの発生を定期的に再検討することが重要である たとえば 気候変動やその他の変化の結果として極端な気象現象 ( 暴風雨 熱波 野火など ) の発生頻度や激しさが高まる可能性があり 新たな地球物理学的データやその他のデータによって

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12年~16年

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(1) 住民は有料化をどう考えているか 循環型社会の形成に関する世論調査 ( 内閣府平成 13 年 ) ごみ問題にどの程度関心があるか 非常に関心がある (32) ある程度関心がある (58) あまり関心がない (8) まったく関心がない わからない (2) ごみの有料化 に対してどのように思うか

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

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Transcription:

G7 シャルルボワサミット結果報告 ( 気候変動及び海洋関係 ) 2018 年 6 月 12 日 ( 火 ) 6 月 8 日 ( 金 ) 9 日 ( 土 ) の 2 日間に渡って カナダ ケベック州シャルルボワにおいて G7 首脳会合が開催された 気候変動及び海洋に関する結果は以下のとおり 1. コミュニケ サミットの結果は 9 日に シャルルボワ G7 首脳コミュニケ の形で採択された 気候変動 エネルギー関連については G7 全ての国が 低排出な未来を実現するための道は各国がそれぞれ描くことができることを認識する 気候変動枠組条約第 24 回締約国会合において共通の実施指針を採択できることを期待 する一方 米国以外の国が 今世紀後半に世界的な炭素中立的経済を実現するために 大気汚染 水質汚濁及び温室効果ガス排出を低減させるとのコミットメントを再確認するとともに パリ協定を野心的な行動を通じて実施するとの強固なコミットメントを再確認 するものとなった ( 参考 1 を参照 ) 海洋関連については G7 全ての国が海洋環境の保全に関する 健全な海洋及び強靱な沿岸部コミュニティのためのシャルルボワ ブループリント を承認し 海洋の知識を向上し 持続可能な海洋と漁業を促進し 強靱な沿岸及び沿岸コミュニティを支援し 海洋のプラスチック廃棄物や海洋ごみに対処 するとした また カナダ及び欧州各国が G7 海洋プラスチック憲章 を承認するものとなった ( 参考 2 を参照 ) 2. セッションにおける議論 9 日の 気候変動 クリーンエネルギー のセッションにおいて 気候変動 エネルギー問題について各首脳で議論が行われた ( 注 : トランプ大統領は米朝会談に向け サミットを途中退出したため欠席 ) 安倍総理より 概要以下の発言を行った - 1 -

気候変動問題は 全ての国が取り組むべき喫緊の国際社会の共通課題 パリ協定に掲げられた二度目標達成に国際社会全体が向かうよう G7 が脱炭素化を実現していく姿勢を示していくことが重要 我が国としても世界の脱炭素化を牽引 パリ協定の着実な実施に向け 2020 年の期限に十分に先立って長期戦略を発表 長期戦略策定に向け 環境と成長の好循環をもたらし ビジネス主導の技術革新を促す これまでの常識にとらわれない新たなビジョンを策定すべく 検討作業を加速 我が国が有する高い技術力を活用し 革新的技術の開発やそれを普及させるための更なるイノベーションを進め 温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すのみならず 世界全体の排出削減に最大限貢献し 世界の経済成長と気候変動対策の両立を牽引 9 日の 海洋に関するアウトリーチ のセッションにおいて 特に沿岸部の強靱性の構築 海洋の健全性の強化 海洋プラスチックごみ対策等について 12 の招待国及び 4 つの招待国際機関を交え 各首脳間で議論が行われた ( 注 : トランプ大統領は米朝会談に向け サミットを途中退出したため欠席 ) 安倍総理より 概要以下の発言を行った 海洋ごみ対策は 海洋環境の保全のため 喫緊の課題 一カ国だけの努力 更には G7 や先進国だけの努力で解決できるものではなく 途上国を含む世界全体の課題として対処することが必要 プラスチックごみの削減には 伊勢志摩サミットでも推進してきたリデュース リユース リサイクルの 3R や 廃棄物処理に関する能力の向上等の対策を国際的に広げていくことが不可欠 日本としても そのための環境インフラの導入支援の協力を推進 日本が議長を務める来年の G20 でも これらの問題に取り組む意向 3. サミット後の記者会見での安倍総理の発言 ( 抜粋 ) サミット後の記者会見において 安倍総理より冒頭以下の発言があった 経済成長で得られた果実を教育や福祉に分配することを通じて しっかりと国民全体に広く均霑 ( きんてん ) していく 更には 環境との調和を図るために投資する そのことによって次なる経済成長が可能となる 持続的な成長を実現するため そうした 好循環 を作り上げていく取組が必要 私からそのことを訴え 他のリーダー達から賛同を得ることが出来た - 2 -

( 参考 1) コミュニケの抜粋 ( 気候変動 エネルギー関係 ) 23. 健全な惑星及び持続可能な経済成長は互恵的であるがゆえに 我々は 市民に多くの雇用を生み出す 持続可能で 強靱な未来へのグローバルな取組を追求している 我々は 低排出な未来を実現するための道は各国がそれぞれ描くことができることを認識する 我々は 気候変動枠組条約第 24 回締約国会合において共通の実施指針を採択できることを期待している 24. カナダ フランス ドイツ イタリア 日本 イギリス及び欧州連合は 野心的な気候行動 ( 中略 ) を通して パリ協定を実施するとの強固なコミットメントを再確認する 我々は 市場におけるクリーンエネルギー技術の開発を通したエネルギー転換が主要な役割を果たすこと 持続可能で強靱で低炭素なエネルギーシステムの一部として カーボンプライシング 技術協力及びイノベーションが経済成長を促進し続け 環境を守るために重要であること並びに適応能力への資金提供が重要であることについて 議論した 我々は 今世紀後半に世界的な炭素中立的経済を実現するために 大気汚染 水質汚濁及び温室効果ガス排出を低減させるとの我々の市民に対する約束を再確認する 26. 米国は エネルギーインフラ 技術への官民の投資を増加させながら 世界の海洋及び環境の健全性を向上させる形でエネルギー安全保障及び経済成長を推進し続ける 米国は その他の国による化石燃料へのよりクリーンで効率的なアクセス及び利用並びに再生可能エネルギー及びその他のクリーンエネルギー源の普及を支援すべくこれらの国々と緊密に連携するよう努める 米国は 市場におけるクリーンエネルギー技術の開発を通したエネルギー転換が主要な役割を果たすと考えており また 持続可能で強靱でクリーンなエネルギーシステムの一部として 技術協力及びイノベーションが 経済成長を促進し続け 環境を保護するために重要であると考えている - 3 -

( 参考 2) コミュニケの抜粋 ( 海洋関係 ) 27. 我々は 健全な海洋環境を保護し 海洋資源の持続可能な利用を確保するための具体的な行動について議論を行った 我々は 健全な海洋及び強靱な沿岸部コミュニティのためのシャルルボワ ブループリント ( 別添 1) を承認し 海洋の知識を向上し 持続可能な海洋と漁業を促進し 強靱な沿岸及び沿岸コミュニティを支援し 海洋のプラスチック廃棄物や海洋ごみに対処する プラスチックが経済及び日々の生活において重要な役割を果たす一方で プラスチックの製造 使用 管理及び廃棄に関する現行のアプローチが 海洋環境 生活及び潜在的には人間の健康に重大な脅威をもたらすことを認識し カナダ フランス ドイツ イタリア イギリス及び欧州連合の首脳は G7 海洋プラスチック憲章 ( 別添 2) を承認した ( 参考 3) 参加者 議題等 1. 参加者日 : 安倍総理 米 : トランプ大統領 仏 : マクロン大統領 独 : メルケル首相 英 : メイ首相 伊 : コンテ首相 加 : トルドー首相 ( 議長 ) EU: トゥスク欧州理事会議長及びユンカー欧州委員会委員長 2. 日程 議題 6 月 8 日 ( 金 ) セッション 1 皆が裨益する経済成長 ( 世界経済 貿易 開発等 ) セッション 2 経済成長 将来の仕事 ( イノベーション 雇用等 ) セッション 3 平和で安全な世界 ( 外交 安全保障 ) 6 月 9 日 ( 土 ) セッション 4 ジェンダー平等及び女性のエンパワーメント セッション 5 気候変動 クリーンエネルギー アウトリーチセッション 海洋 ( ) 海洋のセッションには 12 の招待国及び 4 つの招待国際機関も参加 12 カ国 アルゼンチン (G20 議長国 ) ジャマイカ ハイチ ( カリコム議長 ) セネガル 南アフリカ ルワンダ (AU 議長国 ) ケニア セーシェル バングラデシュ ベトナム マーシャル諸島 ノルウェー 4 機関 国連 IMF 世銀 OECD - 4 -

別添 1 健全な海洋及び強靱な沿岸部コミュニティのためのシャルルボワ ブループリント ( 抄 ) 我々の経済 社会 環境に不可欠な海洋の健全性が脅かされている 我々 G7 首脳は 効果的かつ革新的手法の開発 実施を政府のあらゆる層を関与させ 支援することの重要性を強調する 我々は 政策ギャップ ニーズ及びベスト プラクティスを特定 評価するために あらゆる関係者と協働する このブルー プリントを通じ 我々は 国内及び途上国を支援する我々のコミットメントにおいて女性及び女児の広範な参画を確保しつつ イノベーションと経済成長を刺激しながら排出量を削減し 適応能力及び強靭性を強化し 気候変動の影響に対する脆弱性を軽減することで 持続可能で気候に強靭な未来に向けた取組を追求する 過去の G7 のコミットや 2030 アジェンダに沿った行動の必要性を認識し 我々 G7 首脳は 以下のことにコミットする ハリファックスで予定されている環境 エネルギー大臣会合においてこの作業を具現化することを求める ( 強靱な沿岸及び沿岸コミュニティ ) 1. より良い適応計画 緊急事態への備え及び回復の支援 2. 沿岸部の強靱性のための革新的な資金調達の支援 3. 沿岸区域の統合的管理のための能力を向上させるため 地球の観測技術及び関連するアプリケーションを導入するための G7 共同イニシアティブの立ち上げ ( 具体的な行動は ハリファックスで予定されている環境 エネルギー大臣会合で議論 ) ( 海洋に関する知識 : 科学とデータ ) 4. 海洋に関する科学及びデータの入手可能性の向上及び共有の推進 ( 持続可能な海洋と漁業 ) 5. 違法 無報告 無規制 (IUU) 漁業その他の漁業資源の過度の開発の原動力への対処 6. 海洋及び資源の脆弱地域を効果的に保護及び管理するための戦略の支持 ( 海洋プラスチック汚染及び海洋ゴミ ) 7. 海洋プラスチック廃棄物及び海洋ごみの生態系への脅威の緊急性及び廃棄物の流れにおけるプラスチックの価値の損失を認識し 過去の G7 のコミットを基礎に 陸 海域でプラへのライフサイクルアプローチを取り より資源効率的で持続可能なプラ管理に移行することにコミット また 海洋ごみのモニタリング手法の調査及びその影響に関する連携を UN EP と協力し促進 1

G7 海洋プラスチック憲章 ( 抄 ) 別添 2 我々カナダ フランス ドイツ イタリア 英国及び EU の首脳は プラスチックの管理のため より資源効率的かつ持続可能なアプローチに向けて取組を進めることにコミットする プラの回収 リユース リサイクルそして廃棄物削減のための末端での管理を確実なものとするため 陸 海域でプラへのライフサイクルアプローチを採用する 我々は新しいプラのソリューション 技術 代替案に向けたイノベーションを促進し 過去の G7 のコミットや 2030 アジェンダに沿った行動の必要性を認識する プラ廃棄物ゼロのビジョンに向けて 我々は以下の取組により資源効率的なライフサイクルマネージメントアプローチへの移行を加速化することにコミットする 1 持続可能なデザイン 生産及びアフターマーケット 2030 年までに 100% のプラが 再使用可能 リサイクル可能又は実行可能な代替品が存在しない場合には 回収可能となるよう産業界と協力する 代替品が環境に与える影響の全体像を考慮し 使い捨てプラの不必要な使用を大幅に削減する 適用可能な場合には 2030 年までにプラ製品においてリサイクル素材の使用を少なくとも 50% 増加させるべく産業界と協力する 可能な限り 2020 年までに洗い流しの化粧品やパーソナル ケア消費財に含まれるプラ製マイクロビーズの使用を削減するよう産業界と協力するその他 グリーン調達 セカンダリーマーケットの支援等 2 回収 管理などのシステム及びインフラ 2030 年までにプラ包装の最低 55% をリサイクル又は再使用し 2040 年までには全てのプラを 100% 回収するよう産業界及び政府の他のレベルと協力する 全ての発生源からプラが海洋環境に流出することを防ぎ 収集 再使用 リサイクル 回収又は適正な廃棄をするための国内能力を向上させる 国際的取組の加速と海ゴミ対策への投資の促進その他 サプライチェーンアプローチ パートナーとの協働等 3 持続可能なライフスタイル及び教育 消費者が持続可能な決定を行うことを可能とするための表示基準の強化 意識啓発や教育のためのプラットフォームの整備その他 産業界のイニシアティブの支持 女性や若者のリーダーシップなど 4 研究 イノベーション 技術 現在のプラスチック消費の評価等 G7 プラスチックイノベーションチャレンジの立ち上げの呼びかけ 新しい革新的なプラ素材の開発誘導と適切な使用その他 研究促進 モニタリング手法の調和 プラの運命分析等 5 沿岸域における行動 市民認知の向上やデータ収集等の実施のための 2018 の G7 行動年の実施 2015 年の G7 首脳行動計画の加速化等