市原 市住 生活 基本 計画 概 要版 未来の世代へつなごう いちはらの豊かな住生活 市 原 市 平成２２年３月
1. 住生活基本計画策定の目的等 目的 本市では住生活基本法の趣旨 国 県の住宅施策の方針や社会情勢の変化を踏まえ まちづくりや福祉などの関連政策と連携し 市民 関係する事業者 行政が様々な分野で協働し 本市の地域特性に相応しい住宅施策を推進するため 市原市住生活基本計画 を策定します 計画の位置付け 市原市基本構想 基本計画 ともに輝く元気なふるさといちはら 連携する市の計画等 都市計画マスタープラン 中心市街地活性化基本計画 景観計画 地域福祉計画 環境基本計画 地域防災計画ほか 市原市住生活基本計画 ( 平成 22~27 年度 ) 国 県の計画など 住生活基本法 住生活基本計画 ( 全国計画 ) 千葉県住生活基本計画 計画の位置付け 市民の住生活の安定 向上のための施策を総合的かつ計画的に推進するための共通目標 指針 計画期間は平成 22 年度から平成 27 年度の 6 年間とし その後必要に応じて見直します 2. 市原市の現状 1
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3. 市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 市民ニーズの把握 ( 市民アンケート調査 ) 地域別年齢別の構成比を考慮し 市内より無作為抽出した 1,000 世帯を対象としました ( 平成 20 年 10 月下旬 ~11 月下旬実施, 有効回答数 381 票 回答率 38.1% ) 住宅 住環境の問題点 防犯性 結露 防災性 バリアフリー化 老朽化 と続いており 設備面に関する事項が多くなっています 交通の利便性について 教育施設や文化施設が遠い 病院 福祉施設が遠い と続いており 施設利用面における不便さが挙げられています リフォームに関する不安 費用に関すること 悪質業者の存在 が挙げられており 全体的にリフォームに関する情報の少なさに関連している不安がうかがえます 持ち家取得に関する不安 金額面や業者の質など 上述のリフォームと同様 情報の少なさや不透明さについての不安が多いことがわかります 子育てのしやすい住環境 住環境ではもちろん 子育てにおいても防犯対策について重要視されていることがうかがえます 老後の住まい方について 在宅介護サービスの充実等現在の住宅に住みながら受けられるサービスに対する要望が多い傾向がうかがえます 3
今後 5 年間で優先すべき施策 防災性 高齢者や子育て等の福祉関連の他 省エネ省資源に配慮した住まいづくりが多く挙げられています 長期的にみて取り組むべき施策 自然環境や歴史と調和した住まい まちづくり 地域住民によるまちのルールづくり など 地域のアイデンティティーに関する項目が多く挙げられています 住宅市場の動向 ( 不動産事業者ヒアリング調査 ) 五井駅 姉ヶ崎駅 八幡宿駅周辺の他 ちはら台地区において不動産取引を行っている事業者を対象としました 市場動向について 駅徒歩圏内であれば需要はあり 駅前の区画整理事業によるインフラ整備で 需要は期待できる 高齢者について 高齢者等に対しては 現実として賃貸市場は敬遠している傾向にある 高齢者については 特に千葉市方面からの需要が期待でき バリアフリー等高齢者仕様での物件が必要となる 空き家について 空き家にならないためにはペット可など何らかの工夫が必要である その他 社宅について 今の社宅は仕様が古く 狭いものが多いため 今のニーズに合わず 入居者はいずれ退去すると考えられます 良い物件の条件は 駅に近い 買い物に便利 セキュリティなどである 4
4. 住宅政策上の課題 課題のまとめ ここでは 先にみた 市原市の現状 と 市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 より 市原市の住宅全般に関する課題をあげ 整理します 1. 住宅の安全 安心など (1) 住宅の安全性の確保本市には築年数が30 年を超えた住宅が多く存在しています 新耐震基準以前に建築された住宅は耐震性に問題があり 今後 耐震補強などにより耐震化を促進していくことが求められています また 防犯対策においても 住宅で可能な対応を進めることが必要です (2) バリアフリー化への対応これから増えていく高齢者 特に1 人世帯の高齢者の居住の安定を図るためには これまで未対応であった住宅に対しバリアフリー化を積極的に進め 転倒事故などを未然に防止していくことが求められています (3) 住宅が適切に維持管理できる仕組みづくり住宅を長く使用するためには 適切な維持管理と定期的な改修工事が必要です また 悪質業者によるトラブルも発生しており 確実に維持管理していける仕組みづくりが求められています 住宅の安全性や質を向上させます 2. 住宅をとりまく様々な環境など (1) 安全 安心が感じられる住環境の形成近年 相次いで起こった大規模地震などの災害により 市民の防災意識は高まり 災害に強いまちづくりが求められています また 空き巣やひったくりなど様々な犯罪に対しても地域全体で防犯対策を進めることが必要です (2) 魅力ある住環境の維持保全近年分譲された住宅地域においては 良好な街並みや緑地の確保など計画的に開発された地域も多く こうした魅力ある住環境を適切に維持していくことが重要です 暮らしやすい住環境づくりを進めます 5
3. 子育て世帯や高齢者など 住宅に困窮する人の増加など (1) 住宅セーフティネットの構築社会の中で 自力で住宅の確保が困難な低額所得者 高齢者 障がい者 子育て世帯 その他住宅の確保に特に配慮を要する人たちの居住の安定が求められています そのためには 公的賃貸住宅を有効に活用していく必要があります (2) 市営住宅の適切な維持管理と更新等 930 戸の市営住宅のうち435 戸が昭和 40 年代に建築されており 一部建物の老朽化が進んでいることから 適切に更新 修繕を行うことが必要です (3) 民間賃貸住宅における居住の安定の確保高齢者等に対しては 入居制限を受けやすいなどの面があり 居住の安定の確保が求められています こうした高齢者等に対応する安定した居住環境の整備を進めていくことが必要となります 住宅セーフティネットの機能を向上させます 4. 地域でのコミュニティ活動など (1) 地域での良好なコミュニティの形成いろいろな生活の場面で助け合いによって地域の様々な問題に対応することが求められています 地域のコミュニティを育成します 5. 市の特性を生かした多様な住まいづくりへの対応など (1) 多様な住まい方を実現していく環境づくり少子高齢化の進行に伴って 比較的早い時期に整備された住宅地では夫婦世帯や 1 人世帯による居住が増加しており 空き家も増加していく傾向にあります 自然環境に恵まれた地域でゆとりをもって暮らしたり 利便性の高い駅前の地域で暮らすなど 多様な住まい方ができる環境づくりが必要です (2) 市原の特性を活かしたまちづくり まちなか居住の促進 住宅団地の活性化 小湊鐵道駅周辺の活性化 市の特性を活かして住まい方を工夫します 6
5. 計画策定に係る基本的な方針 住宅施策の展開方針 基本理念 市では 住生活基本計画を 豊かな住生活実現のため 住宅に関連する施策を概観し 相互作用を意識するための総合的な計画とするものとし 計画を確実に進めていくことにより つくっては短期間に壊す 社会から いいものをつくって大切に使い続けていく 社会へと徐々に移行していくことを方向づけるために 以下の基本理念を設定します 未来の世代へつなごういちはらの豊かな住生活 基本方針及び目標 この理念を達成するために 以下の6つの基本方針を設定します さらに 基本方針ごとにより具体化した目標設定を行い 目標を達成するための基本施策等を体系化したうえで計画的に推進していくことが必要です なお 本市の場合 広域で分散型の市街地構造であることから この広域な地域特性を活かしながらまちづくり事業と連携して施策を展開するものとします 1. 安全で良質な住まいづくり 防犯性 防災性についてより配慮した住まいづくりを促進し 安心 安全な住環境の形成を促進します 進行する高齢社会を踏まえ バリアフリー化を積極的に進め 高齢者や障がい者の安全を確保していきます 住宅に関わるすべてのものに環境に配慮した考え方を取り入れると同時に 長期にわたり適正に維持管理し 有効に活用していきます 目標 1-1 安全な住まいづくりの促進目標 1-2 住宅の適正な維持管理目標 1-3 地球環境に配慮した住まいづくり 2. 良好な住環境づくり 災害に対しても地域で対応していけるまちづくりを促進します 地域独自の魅力ある住宅市街地を形成していきます 目標 2-1 災害に強い居住環境の形成目標 2-2 魅力ある住宅市街地の形成 7
3. 住宅市場を活かした多様な住まいづくり 本市は広域性に特徴があり また 現代社会においては価値観が多様化しています したがって すべての市民が住む場所や個人の住まい方の希望に沿った選択をしていけるような仕組みづくりを進めていきます 関連する事業者や団体等と連携を図ることにより 市民が住宅市場や居住に関する様々な情報をなるべくわかりやすく活用できるような環境づくりを進めます 目標 3-1 ライフスタイルに応じた住まいを選べる仕組みづくり目標 3-2 住情報の有効活用 4. 安定した生活を支える住まいづくり 昭和 40 年代に整備された市営住宅は 老朽化が進み設備面での劣化や居住水準において問題を抱えているため 計画的な更新や適正な維持管理をしていきます 福祉施策も含めて住宅セーフティネット機能を向上させ 安心して暮らせる環境づくりを進めていきます 目標 4-1 公営住宅の適正管理目標 4-2 高齢者 障がい者等の居住の安定確保 5. 住生活を支える地域社会づくり 地域の活性化のために 自治会組織や地域運営組織などと連携し 様々なコミュニティ活動を支援していきます 子育て世帯や高齢者世帯が安心できる生活を確保するため コミュニティ活動そのものや 活動を支えるための環境づくりを推進します 目標 5-1 積極的な地域活動の促進目標 5-2 子育て世帯や高齢者等が安心して暮らせる仕組みづくり 6. いちはらの特性を活かしたまちづくり 市街地や集落 鉄道駅の配置などを踏まえ 都市交流核 地域核 日常生活圏等の各地域への適正な都市機能の集積と連携を推進し 本市の特性を踏まえた集約型都市構造への転換により都市の活力向上と人や環境にやさしいまちの創出を目指します 内陸部を始めとする 比較的早い時期に整備された住宅団地のなかには 近年 人口の減少が見られる地区もあるため 活性化のための取り組みを進めていきます 中部 南部地域を中心とする 人口の減少 少子高齢化 それに伴う行政 福祉サービスのあり方といった諸課題の解決のため 主要な交通軸である小湊鐵道の有効活用に向けた駅周辺の活性化を目指します 目標 6-1 まちなか居住の促進目標 6-2 住宅団地の活性化目標 6-3 小湊鐵道駅周辺の活性化 8
6. 具体的な住宅施策 前項で掲げた目標を達成するための施策を体系的に示します 施策の実施にあたっては 目標や課題解決のための展開の視点を踏まえ 総合的かつ計画的に展開することとします また 優先性 実効性や波及性により 計画全体を先導するような施策を 重点施策 として位置づけ 本計画を効果的なものとします ( 重点施策は太字で示しています ) 基本方針 1. 安全で良質な住まいづくり 目標 1 安全な住まいづくりの促進 1 既存住宅の耐震化促進 2 高齢者等住宅のバリアフリー化の促進 3 住宅の安全性の確保 目標 2 住宅の適正な維持管理 1 住宅リフォームに向けた相談体制の充実目標 3 地球環境に配慮した住まいづくり 1 地球環境に配慮した住宅の普及 促進 2 住宅における自然エネルギー等の利用の促進 基本方針 2. 良好な住環境づくり 目標 1 災害に強い居住環境の形成 1 防災に関する情報提供の推進 2 災害時における体制整備 目標 2 魅力ある住宅市街地の形成 1 景観計画による良好な景観形成 2 交通バリアフリー 交通ネットワークの推進 3まちの緑化の推進 4 協働による地域のまちづくりの促進 5 狭あい道路対策の促進 基本方針 3. 住宅市場を活かした多様な住まいづくり 目標 1 ライフスタイルに応じた住まいを選べる仕組みづくり 1 中古住宅や空き家を有効活用するためのネットワーク化 目標 2 住情報の有効活用 1 住宅に関する情報提供や相談窓口の充実 9
基本方針 4. 安定した生活を支える住まいづくり 目標 1 公営住宅の適正管理 1 市営住宅の建て替えや維持管理に 関する計画の策定 2 市営住宅の入居管理の改善 目標 2 高齢者 障がい者等の居住の安定確保 1 民間賃貸住宅を活用した居住の安定確保 基本方針 5. 住生活を支える地域社会づくり 目標 1 積極的な地域活動の促進 1 地域のコミュニティ活動の支援 2 防犯 防災活動の支援 目標 2 子育て世帯や高齢者等が安心して暮らせる仕組みづくり 1 子育て世帯が安心して暮らせる地域づくり 2 高齢者等が安心して暮らせる地域づくり 基本方針 6. いちはらの特性を活かしたまちづくり 目標 1 まちなか居住の促進 1 多様な施策が連携したまちなか居住の促進 2まちなか居住支援策の検討 目標 2 住宅団地の活性化 1 戸建て住宅団地の空き家有効利用の検討 目標 3 小湊鐵道駅周辺の活性化 1 小湊鐵道駅周辺における土地利用の促進 10
７ 計画の実現に向けて 計画の推進体制の整備 活動展開の充実 １ 取り組み状況の共有と市民意見の反映 住生活基本計画で位置づけた施策の進捗状況を検証しホームページ等を通じて市民に公開し 今後の取り組み課題を検討していきます ２ 持続的な調査研究 学識経験者や住宅関連事業者 関係団体 住まいづくり まちづくりの専門家等と連携し 継 続的に調査研究を行い 新しい知見を得ることにより 住宅行政の充実と推進を図っていきま す 11