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PwC Deals 米国メディア テレコム業界 2018 年第 1 四半期の M&A に関するインサイト プライベートエクイティによる投資がセクターの取引金額を牽引 エグゼクティブサマリー 新記録が樹立された 20 年に続き 2018 年第 1 四半期も M&A の勢いは止まらず 8 四半期連続の増加となっている 注目の大型 M&A 案件に対する政府の判断が待たれる中 政治や規制環境を取り巻く情勢は不透明だが 噂では数多くの大型 M&A 案件が動き始めており プレミアムコンテンツの獲得や技術力の強化のために大規模な投資を行う傾向も衰えていない ドライパウダーと呼ばれる まだ投資に回されていない市場資金の積み上がりも プライベートエクイティの関心を同セクターに集める結果となっている PE 投資は今四半期に初めて大型案件リストの上位に並んだ これは これまでシナジー効果を狙う企業同士によって争われてきた評価倍率の高い企業の買収に PE も参加する意欲があることを示唆している TTMT( テクノロジー メディア テレコム ) セクターに戻ってくるプライベートエクイティの急増は 投資家に成長機会が到来したことを告げています また 買収対象分野が拡大するにつれ マルチプルがさらに上昇することを示唆している可能性があります バート スピーゲル PwC 米国メディア テレコムディールパートナー 主要なトレンドとハイライト 取引金額は2018 年第 1 四半期に再度 2 年ぶりの高水準に達し は244 件と前期比 33% の増加となった 2018 年第 1 四半期対 20 年第 1 四半期 2018 年第 1 四半期対 20 年第 4 四半期 公表された取引金額は20 年第 4 四半期から53% 減少したが 20 年第 1 四半期と比較すると288% 増加した 大型案件は 公表された取引金額の約 73% を占めていた 取引金額 2018 年第 1 四半期 (376 億米ドル ) 20 年第 4 四半期 (795 億米ドル ) 20 年第 1 四半期 (97 億米ドル ) 288% -53% 2018 年第 1 四半期に公表された 10 億米ドル超の取引は 4 件あり そのうち最大のものは (Blackstoneが率いる) 投資家グループがThomson ReutersのF&R( ファイナンシャル & リスク ) 部門を買収した0 億米ドルの案件であった 2018 年第 1 四半期にが最も多かったのは 広告 マーケティングおよびインターネット 情報のサブセクターであり それぞれ 件と47 件であった 2018 年第 1 四半期 (244 件 ) 20 年第 4 四半期 (183 件 ) 20 年第 1 四半期 (236 件 ) 4% 33% 出典 :Thomson Reuters および PwC による分析

2018 年第 1 四半期のハイライトと 2018 年の展望 最大規模の取引 0 億米ドル 2018 年第 1 四半期に金額が開示された M&Aの中では Blackstone Groupが率いる投資家グループがThomson Reuters のF&R( ファイナンシャル & リスク ) 部門の 55% の株式を取得した案件が最大のものとなった BlackstoneがF&Rに対する持分を取得したという事実は 2018 年第 1 四半期に同セクター全体にわたって広く見られた PE 投資の傾向を反映している 大型案件 (50 億米ドル以上 ) 2018 年第 1 四半期は 50 億米ドルを超える取引が 2 件公表された この 2 件の総額は 275 億米ドルで 当四半期の取引総額の 73% を占めている これに比べ 20 年第 1 四半期は大型案件がなく 20 年第 4 四半期は 1 件 ( 総額 684 億米ドル ) であった さらに 2018 年第 1 四半期は 10 億から 50 億米ドルの高額取 引が他に 2 件あり 公表された取引総額の 8% を占める結果と なっている 2 メディアおよびテレコムセクターにおけるM&Aの見通し 以下は M&Aの件数を増やすだけでなく 今後もメディアおよびテレコムセクターを形作っていくと思われる主要なテーマである データ & アナリティクス : 2018 年は ビッグデータ の可用性が変化し 有意義で実行可能なデータ分析方法の必要性が増すだろう それにより データ & アナリティクス分野に注目が集まるだろう 長年にわたり いかにしてより多くのデータを入手するかが問われてきたが テレビや映画などの分野では その鍵は配信業者が握っている 既存のメディア会社は データを収集し ソーシャルメディアから得た洞察を活用する能力を強化して自社のニーズをある程度満たそうと システムやインフラへの投資を開始した プライバシーがより注目され プラットフォームがデータの提供先を制限するにつれ 企業は自社のデータ分析機能をさらに強化するだけでなく 既存の情報と組み合わせることのできる独自のデータセットを取得して より顧客に接近するため 買収先を模索するようになるだろう 拡大するコンテンツおよびIPポートフォリオ : メディアおよびテレコムセクターでは コンテンツその他のIP( 知的財産 ) へのアクセス獲得を焦点とした大規模なM&Aが 2018 年も引き続き見出しを飾るだろう テレコム企業も従来のメディア企業も 絶えず変化する環境の中で競争力を維持するため コンテンツやIP 独占権への大規模投資を続けている ハリウッドの伝統的な大手メディアのみならず シリコンバレーの 新参者 もその例外ではない テクノロジーとインフラの強化 : コンテンツも重要だが 今最も注目されているのはユーザーエクスペリエンスである 企業がデータアナリティクスへの投資を継続し コンテンツやIPのポートフォリオを構築するにつれ 豊かでシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供するサービスラインナップやプラットフォーム そして環境を実現するために 技術力やインフラを一層強化することも必要になってくる IoT 人工知能 VR( 仮想現実 ) やAR( 拡張現実 ) といった次の段階のエクスペリエンスが消費者に提供されるようになれば テクノロジーへの投資はセクター全体に拡大するだろう 2018 年はインバウンドもアウトバウンドも M&A が増加 2018 年第 1 四半期には 国境を越えた M&A 活動が過去 2 年 間で最高に達し インバウンドが 37 件 アウトバウンドが 56 件とそれぞれ新記録を達成した 米国の税制改革が本セ クターに与える影響は不明だが 第 1 四半期を見る限り 国 境を越えた活動は力強いスタートを切ったようである インバウンド M&A は 米国の総の約 % を占めて いる その中心となっているのは すべてのサブセクター において カナダからの対米投資である 公表済み M&A のうち 英国への投資がで 21% 取 引金額で 98% と アウトバウンド M&A の中心を占めてい る これは主に Comcast が 308 億米ドルで Sky Plc. を買収し た案件によるものである インバウンド M&A のと金額 取引金額 ( 単位 :10 億米ドル ) 取引金額 ( 単位 :10 億米ドル ) 20 2018 $6,391.0 $3,701.0 $1,449.0 $1,550.0 $1,373.0 36 32 23 37 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 $50 アウトバウンドM&Aのと金額 $0 20 2018 $33,7.0 $8,984.0 $3,553.0 $3,706.0 $932.0 47 45 42 42 56 ($3,500.0) 公表済公表済取引金額 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 2

2018 年第 1 四半期の M&A の主な特徴 サブセクター別公表および金額 2018 年第 1 四半期サブセクター別公表済 M&A 取引金額 ( 単位 :100 万米ドル ) 前四半期と同様 最も件数が多かったのは広告 マーケ ティングおよびインターネット 情報の各サブセクターで あり それぞれ総の 33% と 19% を占めている 47 4 インターネット 情報 ケーブルテレビ 10,522 21,167 金額面では 大型案件の成立により インターネット 情 通信 2,333 報およびケーブルテレビの各サブセクターが他を牽引して 映画 コンテンツ 1,500 いる 広告 マーケティング @ 905 ほとんどのサブセクターで件数が増加したが 映画 コン 32 出版 698 テンおよびビデオゲームの各サブセクターは例外で 20 年第 4 四半期から緩やかに減少している 放送サブセクターは 地方テレビ局の案件により 133% と最大の成長を見せた 1 放送レクリエーション レジャービデオゲーム 392 45 5 音楽 0 メディア 通信セクターにおける M&A の取引金額と件数 $300 取引金額 ( 単位 :10 億米ドル ) $200 $100 $50 2016 20 2018 $125.3 $79.5 $48.6 $37.6 $.6 $18.2 $18.0 $10.3 $9.7 5 182 138 182 236 219 238 183 244 $0 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 $0.0 $120.0 $100.0 l $.0 $60.0 $40.0 $20.0 $0.0 2018 年第 1 四半期のは 33% 増加したが 取引金額は大型案件の減少により低下 2018 年第 1 四半期のは 244 件と 再び過去 2 年間の最高値を記 録した は 20 年第 4 四半期から大幅に減少したが 大型案 件が金額を左右する傾向は変わらず 第 1 四半期に公表された取引総額 の 73% は Thomson Reuters の F&R 部門の案件および Altice の案件で占め られている 公表 公表取引金額 主な公表案件 2018 年第 1 四半期に公表された10 億米ドル超のM&Aは以下の4 件であった : Blackstone Groupが率いる投資家グループ /Thomson ReutersのF&R 部門 ( インターネット 情報 ) (0 億米ドル ): Blackstone Group LPは カナダ年金制度投資委員会とシンガポール政府投資公社を含む投資家グループを率い Thomson Reutersの F&R( ファイナンシャル & リスク ) 部門の株式 55% を取得した Thomson Reutersは45% の株式を保持する また各社は Thomson Reutersから配信されたニュースや論説などに対して F&R 部門が年間 3 億 2500 万米ドルを30 年間にわたって支払うことで合意した この取引により Thomson Reutersは債務を返済するほか 残る事業に投資し 株式を買い戻す資金を得ることになる Altice 社株主 /Altice USA Inc. ( ケーブルテレビ ) (105 億米ドル ): Altice NV 社は Alticeの株主に株式の現物配当を行うことにより 米子会社をスピンオフする計画を発表した スピンオフ後も Alticeの創業者 Patrick Drahi 氏は両社の支配権を保持するが 親会社と子会社はそれぞれの地域で別企業として価値の創造に注力することができる Plantronics Inc./Polycom Inc. ( 通信 ) (20 億米ドル ): オーディオ機器メーカー Plantronics Incは ビデオ会議機器メーカー Polycom 社の買収を発表した これにより Plantronicsのポートフォリオは拡大し 同社の市場地位が強化されることになる GTCR LLCとSycamore Partners LLC/CommerceHub Inc. ( インターネット 情報 ) (11 億米ドル ): プライベートエクイティである GTCRおよびSycamore Partnersは Eコマースプラットフォームを提供するCommerceHub Inc. の株式を取得する取引を発表した 両社は CommerceHubを非公開化する予定である 3

2018 年第 1 四半期の M&A の主な特徴 ( 続き ) 依然として目立つ小規模 M&A 2018 年第 1 四半期の米国における ( 取引規模別 ) メディア 通信セクターで公表された M&A の大半は金額にし 取引金額 て1 億米ドル以下の案件である 2018 年第 1 四半期は 金額が開示された全てののうち 公表金額が1 億米ドル以下のM&Aが62% を占めた 2018 年第 1 四半期にその金額が公表されたM&Aのうち 10 0~1 億米ドル 1.01~5 億米ドル % 75% 0~1 億米ドル 1.01~5 億米ドル 6% 24% 億米ドルを超えるM&Aは 件数では7% にしか過ぎないが 金額にすると81% に達する 5 億 ~10 億米ドル 5% 5 億 ~10 億米ドル 19% 10 億米ドル以上 5% 10 億米ドル以上 50% 総に占める割合 合計取引金額に占める割合 サブセクター別公表済 M&A 236 238 9 219 13 9 12 16 183 33 24 29 6 19 26 12 42 18 21 65 37 51 36 244 32 47 ビデオゲーム音楽ケーブルテレビ放送映画 コンテンツレクリエーション レジャー出版通信インターネット 情報広告 マーケティング セクター間の境界の曖昧化によりが増加 広告 マーケティング : 従来型の広告コングロマリット プライベート エクイティ および自社のデータマーケティング能力の強化を図る非従 来型の企業による活発な投資を受けて は 20 年第 4 四半期 に比べ 33% 増加した ニッチ広告は依然として他のセクターから投資 家を引き寄せている 第 1 四半期は Viacom Pandora GoDaddy な ど 広告ターゲティング機能の社内構築を図る企業による M&A が目 立った インターネット 情報 : インターネット 情報サブセクターは引き続き 高い伸び率を見せ 20 年第 4 四半期比で % 増加した M&A 活動は 情報や e コマースを含むサブセクター全体にわたって堅調だったが デ 69 64 66 ジタルコンテンツや OTT 配信 医療情報資源 小売に関する M&A が多 く IoT がサブセクター全体の増加を促している 20 年第 1 四半期 20 年第 2 四半期 20 年第 3 四半期 20 年第 3 四半期 2018 年第 1 四半期 放送 : 2018 年第 1 四半期の放送関連 M&Aは 地方テレビ局の成長に伴い 133% 増加した HC2 Holdingsは 20 年に数件の放送関連取引 を完了した後も サブセクター内で積極的に取引を継続し 2018 年第 1 四半期のの 3 分の 1 を占める結果となった 規制により 事業 分割が進む可能性が高いため 2018 年も M&A 活動は継続するものと予 想される プライベートエクイティによるおよび金額 プライベートエクイティによる本セクターのは 総の約 20% と 20 年の水準から変化していない 金額の点では興味深い変化があり PEによるM&Aは公表された金額の 55% を占めた これまで本セクターでは 高いマルチプルがストラテジックバイヤーに有利に作用してきたが 第 1 四半期の傾向を見ると プライベートエクイティも本セクターに成長機会を見出していることがわかる インターネット 情報サブセクターでは 件数の面でも金額の面でも プライベートエクイティによる投資が主流となっている 2018 年に占める PE とストラテジックバイヤーの割合 2018 20 2016 % 20% 2018 年取引金額に占める PE とストラテジックバイヤーの割合 45% におけるプライベートエクイティとストラテジックバイヤーの割合 196 685 551 19 48 6 55 12 16 68 19 51 ストラテジックバイヤー プライベートエクイティ 48 191 126 55% ストラテジックバイヤー プライベートエクイティ 50% 60% 70% % 90% 100% 4

お問い合わせ : 青木義則 PwC アドバイザリー合同会社パートナーディールズ TMT セクターリーダー 0-9446-9982 yoshinori.aoki@pwc.com 著者 Bart Spiegel Partner, PwC s Deals Practice +1 646 818 8112 bart.spiegel@pwc.com Ian Same Director, PwC s Deals Practice +1 646 818 52 ian.same@pwc.com Silpa Velaga Director, PwC s Deals Practice +1 646 818 8169 silpa.velaga@pwc.com 取引を成功に導く人は 他の人が見逃してしまう価値を見出す大局観や 想定外の事態に対応できる柔軟性 競争が激しい環境の中でも有利な条件を勝ち取る積極性 契約が成立した瞬間から直面する課題を思い描く慎重さを兼ね備えています しかし 情報が瞬時に駆け巡るような事業環境では 取引を実効性のあるものとするために 経験豊富なアドバイザーに助言を求める人こそ 真に取引を成功に導くことができるのです PwCのディールズプラクティスは エンタテイメント メディア テレコム企業のクライアントおよび当該分野に注力するプライベートエクイティに対し 買収候補や部門売却候補の特定 詳細なバイサイドのデューデリジェンス実施から 買収後の収益戦略策定 さらには売却 分割 IPOなどのエグジット戦略まで M&Aの重要な決定に関し幅広く助言を提供いたします 当社は世界で20,000 名を超えるディールプロフェッショナルを擁し 貴社のビジネス拠点や取引対象地域がどこであれ テクノロジー分野に豊富なスキルと現地の市場についての知識を兼ね備える最適なチームを展開することができます 取引には一つとして同じものがありませんが 当社のこれまでの豊富な経験を生かして 戦略的 M&Aに関する助言 デューデリジェンス 取引のストラクチャリング M&A 関連の税務 買収後の統合 バリュエーション ポストディールなどのサービスを提供し どのようなトランザクションも支援いたします 当社が提供するソリューションは 個別取引の状況に合わせ 貴社がリスク特性の中で最大の価値を引き出せるように設計した統合型のソリューションです 買収や合弁事業を通じた資本投下 IPOや私募債発行による資金調達 会社分割プロセスを通じた投下資本の回収など 貴社のニーズに合わせて支援することができます エンタテイメント メディア テレコムセクターのM&Aおよび関連サービスに関する詳細情報は pwc.com/us/tmtdeals を セクターのリサーチおよびインサイトについては https://www.pwc.com/jp/ja/industries/em.html および pwc.com/us/tmt をご参照ください データについて 当社は 技術の進歩 新旧メディアの収斂 絶え間なく変わる消費者の好みによって 生じるメディア テレコムセクターの変化に焦点を当てて分析しています 当社の分析は トムソン ロイターが定義するメディア テレコムセクターを主に基本 としていましたが 例外的にテレコムならびにインターネットソフトウェア & サービスおよび E コマースについては 分析の目的上 名称をそれぞれテレコムとインターネット 情報に変更しました また 開示されている全ての取引金額は 別段の記載がない限り トランザクション金額に基づいて決定されたものです 企業価値がトランザクション額を 上回る場合もありますが 当社の分析では考慮されていません 当社は 米国のメディア テレコムのM&A 活動を買収 合併 少数株主持分の統合 株主のスピンオフ 会社分割 リストラクチャリングと定義しています また 買収対象は国内または海外の買収企業 ( 法人およびプライベートエクイティ ) によって買収された米国企業と定義されています 本報告書掲載のクロスボーダーのディールは 米国企業が買収した米国国外に所在する企業の公表済み買収案件に限定されています 取引金額は報告されているトランザクション金額です 買収企業と被買収企業のセクターが異なる場合については 公表済み買収案件は両セク ターのディール報告書にカウントされています 報告書内の取引金額または件数を合算す る際には 重複しているディールを除外する必要があります 2018 PwC. All rights reserved. PwC refers to the PwC network member firms and/or their specified subsidiaries in Japan, and may sometimes refer to the PwC network. Each of such firms and subsidiaries is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details. This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors.