Microsoft Word 教育課程の編成

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新しい幼稚園教育要領について

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

乳児期からの幼児教育について 大阪総合保育大学 大方美香

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1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

幼児の実態を捉えると共に 幼児が自分たちで生活をつくり出す保育の在り方を探り 主体的 に生活する子どもを育むための教育課程及び指導計画を作成する 3 研究の計画 <1 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉える 教育課程 指導計画を見直す <2 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉え その要因につ

幼児期の教育と小学校教育との円滑な接続の在り方について ( 報告 ) ( 概要 ) 子どもの発達や学びの連続性を踏まえた幼児期の教育 ( 幼稚園 保育所 認定こども園における教育 ) と児童期の教育 ( 小学校における教育 ) の円滑な接続の在り方について検討し 以下のとおり 報告をとりまとめた 1

目 次 1 実施方針策定の趣旨 P. 1 2 振興計画に基づく取組みと求められる対応 P. 1 (1)Ⅰ 期期間中の取組み (2) 新制度のもと求められる対応 3 当面の実施方針 P. 2 (1) 基本となる考え方 (2) 当面の実施方針 4 新制度のもとでの市立幼稚園 P. 3 (1) 市立幼稚園

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

Taro-自立活動とは

第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

認定こども園こども要録について


平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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1 幼児期の教育 保育と小学校教育の違い 幼児期の教育 保育と小学校の教育では 発達の段階の違いだけでなく 教育課程等の違いもあります まずは相互を理解することが必要です 幼児期の教育 保育と小学校教育との間には このように教育課程や指導方法の相違点がある一方で 5 歳児から小学校低学年までの発達の

基本方針 これまでも幼稚園は幼稚園教育要領に 保育園は保育所保育指針に基づいた幼児教育 保育を展開してきた また 平成 20 年 3 月の大幅な改定により 3 歳児から5 歳児の教育に関する内容では整合性が図られている しかし 統一されたカリキュラムがないことで 幼稚園と保育園の内容に違いがあるかの

第 1 章 札幌市幼児教育振興計画の策定 本計画は 主に幼稚園教育を対象とする 本計画は 平成 18 年度から概ね10 年間を計画期間とし 今後はこの方向性に基づいて早期に具体的な施策 ( アクションプログラム ) を打ち出していく 本計画は 社会情勢の変化などに対応し 必要に応じて計画の見直しを行

3 平成 29 年 3 月に幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育 保育要領が改訂され 来年度から全面実施されます 新幼稚園教育要領等では 改訂の基本的な方針として 1) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 の明確化 健康な心と体 自立心 協同性 道徳性 規範意識の芽生え 社会生

ハンドブックp10-14:東京都教育委員会

PowerPoint プレゼンテーション

幼稚園と小学校の連携の在り方について 学びの連続性 の視点に立って考察する 3 研究内容と考察 (1) 学びの連続性 に立った幼稚園と小学校の連携とは何か中教審の答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について は 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえ 今後の幼児教育の方向性と

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

工業教育資料347号

Taro-renkei.jtd

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

ICTを軸にした小中連携

1 小学校入学前の子どもの学びとは 幼児期の生活のほとんどは 遊びによって占められています 子どもは遊びを中心として 頭も心も体も動かして様々な対象と直接関わりながら 総合的に学んでいます (1) 幼児教育と子どもの学び 幼稚園の遊びの一場面子どもたちがものを転がす遊びに集中しています 子どもたちは

ポイント 1: 幼児教育と小学校教育の特徴や違いを理解する 保幼小の円滑な接続に向けて まずは 幼児教育と小学校教育の特徴や違いを理解することが重要です 幼児教育 幼児期の教育では 幼児の自発的な活動としての 遊び を通して 様々な体験や学びの芽生えを積み重ねることができるよう 保育者が環境を構成し

子ども・子育て支援新制度における教育委員会の役割について 3

H30全国HP

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はじめに 我が国においては 障害者の権利に関する条約 を踏まえ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い 人々の多様な在り方を相互に認め合える 共生社会 を目指し 障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みである インクルーシブ教育システム の理念のもと 特別支援教育を推進していく必要があります

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

幼保連携型認定こども園教育・保育要領 中央説明会

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1 一日の生活の連続性及びリズムの多様性への配慮 (1) 全体的な計画の作成幼保連携型認定こども園教育保育要領第 1 章総則では 幼保連携型認定こども園の 全体的な計画 の作成について示されています 全体的な計画は 保育所保育指針における保育課程 幼稚園教育要領における教育課程に当たります また 全

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

高松っ子いきいきプラン策定の趣旨 本プランは, 就学前の子どもが幼稚園 保育所 幼保一体化施設など, どこに在籍していても, 等しく質の高い教育 保育を受けられるよう, 各施設が積み上げてきたものを生かしつつ, 今後, 重点的に取り組むための方針や具体的な取り組みを示しています さらに小学校との連携

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

123

愛媛県学力向上5か年計画

農山漁村での宿泊体験活動の教育効果について

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

保育の内容の見直しを行い 改善を図ること 指導計画を作成することは子どもの生活を見通してデザインしていくことですが それは 保育の過程 という考え方で理解することができます 保育実践は子どもの生活実態を理解することから始まります そしてその生活を見通して作成した指導計画をもとに 保育を柔軟に実践して

24 京都教育大学教育実践研究紀要 第17号 内容 発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されてい る そこでは ヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に 系統だった指導と学習 評価 筆記テストのみならず スピーチ イン

(2) 施設の状況 幼稚園施設は 昭和 50 年前後に建築され 築 30 年以上が経過しています ( 表 2) ( 表 2) 公立幼稚園施設一覧 施設名称 竣工年月 構造 階数 酒匂幼稚園 昭和 48 年 2 月 鉄筋コンクリート造 ( 一部鉄骨造 ) 地上 2 階 東富水幼稚園 昭和 46 年 3

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

はじめに P1 Ⅰ 豊後大野市幼児教育の現状と課題 P2~3 1 幼児数の変遷... P2 2 幼児教育の現状... P2~3 3 幼児教育の課題... P3 Ⅱ 豊後大野市幼児教育の基本方針 P4~7 1 豊後大野市幼児教育の基本... P4 2 豊後大野市幼児教育のねらい... P5 (1) 育

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

平成 29 年度児童発達支援センターバンビ事業計画 1. 基本方針 児童発達支援センターバンビは相模原市南区の発達障害児の療育を遂行するため 以下の基本理 念 療育基本指針に則りサービスを提供する 1) 基本理念 1 児童一人ひとりに対する丁寧な 根拠 ある療育相模原療育園の医療スタッフとの連携によ

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

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第4章 道徳

Microsoft PowerPoint - H29小学校理科

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

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各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

第2節 茨木市の現況

17 石川県 事業計画書

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

幼稚園 保育所ができること 一緒にやりましょう! 幼稚園 保育所は 子ども同士がふれあう以外に 保護者同士が交流できる場でもあります ここでは 各幼稚園 保育所が保護者と連携するとともに 保護者同士のふれあい つながりづくりに向けた取組みを記載しています 1 ( 幼稚園 保育所 ) 幼稚園 保育所と

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教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

人間関係を深めるとともに, 児童が自己の生き方についての考えを深め, 家庭や地域社会との連携を図りながら, 集団宿泊活動やボランティア活動, 自然体験活動などの豊かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない その際, 特に児童が基本的な生活習慣, 社会生活上の

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

教育と法Ⅰ(学習指導要領と教育課程の編成)

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し


授業概要と課題 第 1 回 オリエンテェーション 授業内容の説明と予定 指定された幼児さんびか 聖書絵本について事後学習する 第 2 回 宗教教育について 宗教と教育の関係を考える 次回の授業内容を事前学習し 聖書劇で扱う絵本を選択する 第 3 回 キリスト教保育とは 1 キリスト教保育の理念と目的

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

Microsoft Word - 推進ビジョン(奥付:推進室)

訂されている 幼稚園 小 中学校学習指導要領改訂の基本的な考え方として 次の 3つがあげられる 1. 子供たちに求められる資質 能力を明確にし それらを社会と共有していくという社会に開かれた教育課程を実現していく 2. 現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で 知識の理解の質を高めていく 3

学校体育と幼児期運動指針の概要について

61.8%

ICT による新しい学び 急速な情報通信技術 (ICT) の進展やグローバル化など 変化の激しい社会を生きる子供たちに 確かな学力 豊かな心 健やかな体の調和のとれた 生きる力 を育成することがますます重要になってきています 2

Transcription:

教育課程の編成 1 幼稚園教育要領 保育所保育指針に基づく教育 < 幼稚園教育要領 保育所保育指針 > 幼稚園 保育所 ( 以下, 幼稚園等という ) は, 就学前の教育 保育の専門施設であり, 人間形成の基礎を培う極めて重要な役割 を担っている 両施設は, 相互に内容の整合を図って策 定されている幼稚園教育要領及び保育所 保育指針 ( 以下, 教育要領等という ) に 基づいて, 教育 保育を行うこととなる 教育要領等は 5 領域で構成され, それぞ れに ねらい と 内容 が示されている 文部科学省厚生労働省幼幼稚園教育要領と保育所保育指針 健康人間関係環境言葉表現 5 領域保育所保育指針稚園教育要領5 領域幼稚園と保育所の関係 心身の健康に関する領域 : 健康 人とのかかわりに関する領域 : 人間関係 身近な環境とのかかわりに関する領域 : 環境 言葉の獲得に関する領域 : 言葉 感性と表現に関する領域 : 表現 幼稚園教育要領から 3 保育所の持つ機能のうち, 教育に関するものは, 幼稚園教育要領に準ずることが望ましいこと このことは, 保育所に収容する幼児のうち幼稚園該当年齢の幼児のみを対象とすること 文部省 厚生省共同通知 ( 昭和 38 年 ) 一部抜粋 5 領域のねらいと内容 領域 健康 人間関係 環境 言葉 表現 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅰ Ⅱ Ⅲ ねらい ( 発達を捉える視点 ) 明るく伸び伸びと行動し, 充実感を味わう 自分の体を十分に動かし, 進んで運動しようとする 健康, 安全な生活に必要な習慣や態度を身に付ける 幼稚園生活を楽しみ, 自分の力で行動することの充実感を味わう 進んで身近な人とかかわり, 愛情や信頼感をもつ 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける 内容項目数 Ⅰ 身近な環境に親しみ, 自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ Ⅱ 身近な環境に自分からかかわり, 発見を楽しんだり, 考えたりし, それを生活に取り入れようとする 11 Ⅲ 身近な事象を見たり, 考えたり, 扱ったりする中で, 物の性質や数量, 文字などに対する感覚を豊かにする Ⅰ 自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう Ⅱ 人の言葉や話などをよく聞き, 自分の経験したことや考えたことを話し, 伝え合う喜びを味わう 10 Ⅲ 日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに, 絵本や物語などに親しみ, 先生や友達と心を通わせる Ⅰ いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ Ⅱ 感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ 8 Ⅲ 生活の中でイメージを豊かにし, 様々な表現を楽しむ 計 50 9 12 ねらい は, 幼稚園教育全体を通して幼児に育つことが期待される生きる力の基礎となる心情, 意欲, 態度などであり, 内容 は, ねらい を達成するために教師が指導し, 幼児が身に付けていくことが望まれる事項である - 幼稚園教育要領から -

育課作成する必要がある 教2 教育課程の編成と評価 (1) 教育課程の編成と改善教育課程は, 各幼稚園の教育理念や目標をより具体的に明示したものであり, それぞれの園の実情に応じて独自に編成するものである 各幼稚園では幼稚園教育要領や幼児教育の動向等を踏まえ, 教育課程をより実効あるものとするための改善に取り組む必要がある 教育課程編成の手順 ( 例示 ) 係法幼児期から児童期への発達理解関令 幼稚園教育要領 幼稚園教育要領解説編成にあたっての基本的な考え方の共通理解 教育目標の設定 計画 幼児期の発達理解 幼児の実態の把握保護者や地域の実態の把握教育課題の把握 評幼児の発達過程を見通すねらい及び内容の組織化教育目標達成の道筋の予測具体的ねらいと内容の設定環境構成の在り方の検討年間を見通した環境構成の在り方の検討等教育週数, 教育時間の設定各学年 時期等に応じた時間等の検討実践 価改善 保育所では, 幼稚園の教育課程と同様に保育計画が作成される (2) 指導計画の作成と改善指導計画は, 教育課程を具体的に実施していくための計画であり, 長期と短期の指導計画があるが, その形式や内容は各園で独自に工夫し, 発達の期や幼児一人一人の生活に応じて適切に機能するよう作成する必要がある 長期の指導計画長期の指導計画は, 各幼稚園の作成する教育課程に基づいて幼児の生活を長期的に見通しながら, 具体的な指導の内容を大まかにとらえたものである 作成に当たっては, それまでの実践の 短期の指導計画 反省や蓄積された記録などを生かし, それぞれの時期にふさわしい生活が展開されるよう作成することが大切である 保育所では, 幼稚園と同様に指導計画が作成される 短期の指導計画は, 教育課程に示されたねらいや内容を, 幼児それぞれの発達の時期にふさわしい生活を展開する中で達成されるようにするための具体的な計 画である 作成に当たっては, 毎日の幼児の生活する姿に応じて, ねらいや内容, 環境の構成, 活動の展開などについて具体的に

指導計画も教育課程と同様に, 計画の作成 (P), 指導の実際 (D), 反省や評価 (C), 新たな指導計画の作成 (A) というマネジメントサイクルによって, 教育活動の一層の充実に向けた改善を図らなければならない そのため, 教員は, 保育記録を基に幼児一人一人の内面を見取り, 一人一人の発達の状況を評価する必要がある また, 多くの教員の見方を参考にし, 保育の在り方や幼児へのかかわり方などについて協議しながら, 絶えず計画の修正や環境の再構成を行い, 幼児にとってより楽しく充実した園生活が展開される計画を探らなければならない そして, この評価 改善の積み重ねを長期の指導計画や教育課程の評価 改善につなげることが必要である (3) 指導と評価幼稚園等での教育は, 教育要領等に基づいて, 意図的 計画的に行われるものであり, 常に計画と実践に対する評価がなされることによって展開される 幼稚園等における評価は, 幼児の育ちの評価であると同時に, 指導の評価でもあり, 自らの保育を振り返ることにより, 保育と幼児の発達との関係を分析し, 指導の改善を図ることが大切である そのためには, 教育課程 指導計画に設定したねらいや内容が, 教育要領等の5 領域に示されているねらいを総合的に達成するよう具体化したものであることを踏まえ, 指導の過程で幼児に身に付きつつある力を日や週 期のねらいに即して適宜評価していく必要がある また,5 領域のねらいが幼稚園修了までにはぐくむことが期待される心情, 意欲, 態度などであることを踏まえ, 幼児の発達の姿を5 領域のねらい 内容から評価する必要があり, これが指導要録に総括されなければならない (4) 保護者への説明幼稚園等における教育 保育は, 遊びを通しての総合的な指導 によってなされるという特色があり, 保護者には保育や子どもの育ちの実際について理解しにくい面もある また, そのことが, 小学校就学前の教育に対する不安を生んでいることも考えられる 幼稚園等においては, その教育 保育の充実を図る意味から, また, 家庭との連携を図った取組みを進める上でも, 教育要領等に基づく指導の実際と幼児の発達の状況について分かりやすく説明する責任がある 評価の流れとポイント 幼稚園教育要領 教育課程 指導計画 日のねらいに基づく評価 日々の保育の実践は, その日の保育のねらい 内容に基づき, 具体的な幼児の育ちの姿を評価することとなる その際, 予想される具体的な幼児の育ちの姿を評価項目として設定するなどし, 育ちを適切に見取る必要がある 期のねらいに基づく評価 中期の計画は, 幼児の発達を見通してねらい 内容を設定し, 評価することとなる その際, 学期ごとの幼児の育ちの変化 状況について具体的に評価し, 育ちの変化を集約していく必要がある 教育要領のねらいに基づく評価 幼児の育ちを長期で評価する場合, 教育要領のねらいに基づいた評価をすることとなる 学期ごとの幼児の育ちの変化や特徴のまとめを総括し, 発達の姿を捉える必要がある その際, 発達の状況や指導上参考となる事項を明らかにすることが大切である

3 幼児の育ちの課題に基づく取組み幼稚園等における教育 保育は, 幼児期の発達の特性を踏まえ, 幼児期から児童期への発達を促す営みであり, 幼児期の生活体験や学びが小学校以降の教育の基盤となっていくことを踏まえ, 小学校教育への連続性を図る視点からの取組みが強く求められる 本県教育委員会が県内の年長児を対象に実施した 幼児教育調査 では, 幼児の育ちの課題として大きく二つのことが明らかになった 1 他者との関係を結ぶ基礎となる コミュニケーション が苦手である 2 生活の基盤である 睡眠 食事 等の 基本的生活習慣 の定着が不十分である 協コミュニケ 基本的生活習慣同睡的人とコミュニケーションする力は, 他基本的生活習慣, とりわけ毎日の生活学び者との豊かな出会いとかかわり合いの中のリズムである 睡眠 食事 等は, 健で身に付くものである 家康 体力, 生活の意欲等, 生活に大きな日々の保育では, 友達同士が深くつな庭連影響を及ぼすものである 幼児期にそのがりあって, ともに遊びを創り出す 協ション伝定着を図ることは, 大きな課題である え同的な学び や聞く 話すなどの 伝えこれは, 主として家庭教育による部分食合合う力 の育成を念頭においた指導を心が大きいが, 幼稚園等においても家庭とう事力がける必要がある の連携により取組みの充実を図ることが大切である これらの課題は, 社会性の育成や個の自立を図る上での基となるものであり, 家庭との連携も図りながら, より綿密で具体的な取組みを進める必要がある また, 調査では, 保育者と保護者の間に子どもに対する見方にギャップがあることも分かった 幼稚園等と家庭では幼児の生活する場面や環境が異なることを考慮しても, 見方のギャップがあることは, 家庭と連携した取組みを困難にすることも考えられる その意味で, 幼稚園等においては, 自園の教育 保育の方針や具体的な子どもの姿等をていねいに伝え相互理解を図ることが大切である, 教育要領と保育指針のねらいや内容を踏まえ,5つの領域ごとに設問を構成し, 年長幼児の育ち眠幼児教育調査ではの状況について把握した 各幼稚園等においても, この調査を活用するなどして, 幼児の育ちの状況を把握し, 小学校以降への接続を見通した取組みを進める必要がある 幼児教育調査自己点検 自己評価 Do ( 実践 ) 幼教稚稚園教育要領育情報公開子課家園指Plan ど表言環人健程庭 5領間導( 計画 ) も 保域関保計現葉境係康育の地育画Action 姿幼域所:http://www.pref.hiroshima.jp/kyouiku/hotline/youji/01_hoiku/h15_y_chosa/kekka/index.html 携参照 保育所保育指針 計画( 改善 ) Check ( 計画 ) 相互理解

4 就学前教育と小学校の連携 (1) 連携教育の必要性これからの幼児教育においては, 生きる力の基礎をはぐくみ, 一人一人の個性を最大限に生かす教育を展開していくことが求められている そのためには, 幼稚園等と小学校の幼児児童の発達段階や学びの連続性を踏まえ, 幼稚園等と小学校が子どもの発達特性や教育 保育内容及び指導方法等を相互に理解し, より連続性のある魅力ある教育活動を展開することが必要である とりわけ, 学力の定着 向上及び生活指導の充実に向け, 校種間連携を図り, 就学前教 育から小 中 高等学校までを見通した教育課題を検討したり, 幼児児童生徒や教職員の交流を図るなど, 具体的な取組みの推進が求められる なお, 保育所についても, 幼稚園と同様に就学前教育を担う観点から小学校との連携を推進する必要があり, 中学校や高等学校も視野に入れた, 地域ぐるみでの系統的 組織的な取組みが求められている 小学校教育との連携について幼稚園においては, 幼稚園教育が, 小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに配慮し, 幼児期にふさわしい生活を通して創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を養うようにすること 幼稚園教育要領から - (2) 連携教育のポイント幼稚園等での教育 保育内容や方法等は, 小学校とは大きく異なっており, 小学校第 1 学年に入学した時点で, 小学校での生活や学習に適応できにくい状況も生じている その意味で, 保育者は, 幼児が小学校に行けば 新たな生活 に出会うことを見通した教育 保育を行う必要がある また, 小学校教員は, 環境を通して行う 幼児教育をしっかりと理解した上で小学校教育を行うことが大切である このことが子どもの発達や学びの連続性を確保し, 遊びを通して学ぶ幼児期の教育活動から教科学習が中心の小学校以降の教育活動への円滑な接続と双方の教育の質の向上につながるのである 具体的取組み ( 例 ) 推進上の留意点 教育内容の連携 幼稚園 保育所と小学校を結ぶカリキュラム開発 ( 生活規律や挨拶, 道徳性や社会規範, 聞く 話す力等 ) 幼児と児童の交流 合同の行事や招待行事等を実施することにより, 小学校入学への不安を取り除き, 希望をもたせる 教職員の交流 教育内容や指導方法について合同で研修を行ったり保育体験などを通して相互理解を深める 保護者の交流 保護者同士の交流の場を設け, 情報交換などにより小学校生活を見据えた子育てを支援する 各市町においては, 幼稚園 保育所, 併せて, それぞれ公立 私立といった幼児教育の施設があることを踏まえて, 小学校関係者等を含めた連絡協議会を設置するなど共通理解の場をもつことが必要である 幼稚園から小学校への移行を円滑にするとは, 小学校教育の先取りをすることではなく, 就学前までの幼児期にふさわしい教育を行うことである なお, 就学に近い時期には, 小学校生活に対して期待をもてるようにする指導や小学校での学習や生活を念頭に置いた指導も必要である 具体的な取組みを通して, 幼児や児童にどのような変化や成長が見られたか, 教職員の意識や認識の変化を大切にすることが必要である 本県における小学校入学前の幼児は, そのほとんどが幼稚園または保育所に就園しており, 小学校入学と同時に同 じ教育を受けることとなる 幼稚園 保育所 小学校は, 相互にこの現実を踏まえた連携を進める必要がある