Microsoft Word - 小学校第6学年理科指導案「水溶液の性質」

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第 6 学年理科学習指導案指導者千葉市立小中台小学校本間希世 1 研究主題 (1) 市教研統一テーマ 自ら学び 心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成 (2) 部会テーマ 個を生かした学習指導の進め方 小中合同主題 教材の本質にもとづき 児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導方法

第6学年 理科学習指導案

6年 ゆで卵を取り出そう

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単元の系統 粒子 学年 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー 小学校ものの重さ 年 形と重さ 体積と重さ 4 年 空気と水の性質 空気の圧縮 水の圧縮 金属 水 空気と温度 温度と体積の変化 温まり方の違い 水の三態変化 5 年 ものの溶け方 物が水に溶ける量の限度 物が水に溶

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7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

に見えない世界の中でどのような化学的変化が起こったのかという推論が必要になる さらに 洗剤などの日常生活用品に付いている 酸性 中性 アルカリ性などの言葉が 初めて学習に出てくることで 実験で扱う水溶液と 生活の中にある様々な水溶液とを関連付けて考えることができるようにしたい そして 水溶液の学習を

いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

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小学校理科の観察,実験の手引き 第5学年A(1) 物の溶け方

ア 単元の指導内容と身に付けさせたい力 この単元では, いろいろな水溶液を使い その性質や金属を変化させる様子を調べ, 水溶液に は 1 酸性 アルカリ性及び中性のものがあること 2 気体が溶けているものがあること 3 金 属を変化させるものがあることなど 水溶液の性質や働きについての考えを児童がも

FdData理科3年

FdText理科1年

1. 単元名水よう液の性質 2. 単元目標いろいろな水溶液が金属と反応する様子を調べたり リトマス紙などを使って物質を3つの性質にまとめたり 水溶液にとけているものを調べたりする活動を通して 水溶液の性質について推論する能力を育むとともに その性質やはたらきについての考えをもつことができるようにする

理科科学習指導案

小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

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Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

とである そこで, 紫キャベツを使った料理にレモンをかけると色が変わることを取り上げたり, 湖沼の水質の中和やあくとりなどの例を用いたりして, 興味 関心を高めるようにしたい なお,1 学年の いろいろな気体の性質,2 学年の 化学変化と原子 分子 ( 化学式と化学反応式 ),3 学年の 酸 アルカ

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FdText理科1年

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

FdData理科3年

第4学年理科学習指導案

小学校理科の観察,実験の手引き 第6学年B(2) 植物の養分と水の通り道

群教セ G04-03 平 集 理科 - 中 生徒が解決の見通しを持って実験方法を立案する理科授業 モデル図やグラフを使った予想の共有と タブレット端末の活用を通して 特別研修員奈良達也 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 平成 29 年 3 月公示の新学習指導要領では 内容のイとして思考 判断

授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

理科学習指導案

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見いださせる 3 章 化学変化と電池 本章では電解質水溶液と2 種類の金属を用いて電池をつくる実験を行い 電流が取り出せることを見いださせる このとき化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解させる また 電極での電子の授受をイオンのモデルで表し 電池のしくみを微視的視点でとらえさせる

2年D組 理科学習指導案

英語科学習指導案

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

事例 2-2

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

Taro-22 No19 大網中(中和と塩

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

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FdText理科1年

水溶液を薄める際の計算方法薄める前の塩酸の濃度 % 体積 密度 = 薄めた後の塩酸の濃度 % 体積 密度であるから 3% の塩酸 200mL 作る場合は 35% XmL 密度 =3% 200mL 密度 X=17.1mL ここでは薄める前と薄めた後の塩酸の密度は同じくらいとして計算した よって 水に濃

(2) 本単元に関わる生徒の実態及び指導方針 1 既習の学習内容 水溶液には酸性 中性 アルカリ性のものがあること 金属を変化させる水溶液があること( 小 6) 気体の発生と性質 物質への水への溶解について( 第 1 学年 ) 物質が原子や分子でできていること( 第 2 学年 ) 電流が電子の流れで

学習評価の進め方(小学校理科)

Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

※ 教科 理科テキスト 小6 1学期 4月 ものの燃え方

がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

決するための学習の見通しをもたせ, 単元を貫く課題を意識させ, 目的意識をもたせた授業を展開していきたい 本単元では, 理科での学習内容が日常生活で見られる事象に関連することに気付かせたい 日常生活の事象から酸とアルカリの性質を粒子で考え中和反応をイオンのモデルと関連付けて理解させたい それを通して

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国語科学習指導案様式(案)

第 6 学年 1 組理科学習指導案単元名 : 瀬野川の生き物のつながり 生き物のくらしと環境 男子 18 名女子 21 名計 39 名 単元について 指導者澄川和生 単元観本単元は, 小学校学習指導要領解説理科編第 6 学年 内容 B(3) の 動物や植物の生活を観察したり, 資料を活用したりして調

第4学年理科学習指導案

2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

第4学年理科学習指導案

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第3類危険物の物質別詳細 練習問題

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

調査研究「教科等で考える異校種間の連携の工夫」〔理科〕

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

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彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

理科学習指導案(形式)

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

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FdData理科3年

(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自

理科第 5 学年北広島町立八重小学校指導者岡部良 単元名 もののとけ方 本単元で育成する資質 能力 根拠をもとにした思考 判断 表現力 1 単元について 単元観 本単元は, 小学校理科学習指導要領のA 物質 エネルギー (1) 物の溶け方 物を水に溶かし, 水の温度や量による溶け方の違いを調べ, 物

Microsoft PowerPoint - H29小学校理科

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第 4 学年 1 組理科学習指導案平成 22 年 10 月 25 日 ( 月 )5 校時在籍児童数 29 名場所理科室指導者青木眞智子 1 単元名空気と水のふしぎ 2 単元について (1) 児童観児童は 第 3 学年の光や電気そして磁石の学習を通して それらの性質を調べたりその性質を利用したものづく

関心 意欲 態度科学的思考力観察 実験の技能 表現第 5 学年理科学習指導案平成 16 年 6 月 15 日 ( 火 ) 第 3 校時指導者宇多幹子場所理科室 1 単元名 植物の発芽と成長 2 単元の目標と評価規準 植物の発芽と成長を, それにかかわる条件に着目しながら調べる活動を通して, 見いだし

Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

5 年理科実践事例 1. 単 元 もののとけ方 ( 啓林館 5 年下 ) 2. 指導時期 1 月 ~2 月上旬 3. 目 標 ものを水に溶かし その変化の様子を 水の温度や量などの条件に目を向けながら調べたり ものを水に溶かしたときの全体の重さを調べ たりする活動を通して ものが水に溶けるときの規則

教師の持つ指導ポイント 評価規準 中国地方の送電線網の図を利用し, 発電所からの電力を消費地に届けていることを示す その際, 送電の途中では, 電線の抵抗のために電線が発熱して電気エネルギーが損失することを, 本単元の内容をもとに考察させる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) エネルギーは変換の際

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

単元における観察 実験の位置付け 学習活動備考 少量の食塩を水に入れ 溶ける様子を観察する活動 小さじとすり切り棒 ガラス棒 メスシリンダーの使い方の学習食塩を水に入れて溶かそう 実験 1 食塩が水に溶ける量を調べる溶ける量には限度があり どんなにかき混ぜても溶け残る 水の量を増やしたら食塩の溶け残

第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

2 原子やイオンのつ 3 原子が電気的に中性 3 原子の構造について くりに関心をもっ になる理由を 原子 説明している て説明を聞こうと の構造から指摘して 4 陽イオンや陰イオン する いる の違いを説明でき 4 イオンは原子が電子 イオンをイオン式で を失ったり 受け取っ 表している たりして

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

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中学 1 年理科まとめ講座 第 1 分野 1. 身のまわりの物質 物質のすがた 水溶液 状態変化 基本の解説と問題 講師 : 仲谷のぼる 1 (C)2013 Prisola International Inc.

5 指導について (1) 単元について 3 年磁石の性質 4 年電気の働き 5 年電流の働き ( 本単元 ) 磁石に引きつけら 乾電池の数とつな 鉄心の磁化 極の変化 れる物 ぎ方 電磁石の強さ 異極と同極 光電池の働き 電気の通り道 電気を通すつなぎ方 電気を通す物 6 年電気の利用 中学 2 年

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2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H

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FdData理科3年

第4学年1組 理科学習指導案

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画像, 映像などの気象情報や天気と1 日の気温の変化の仕方に興味 関心をもち, 自ら気象情報を収集して天気を予想したり天気の観測をしたりしようとしている 気象情報を活用して, 天気の変化を予想することができる 1 日の気温の変化の仕方を適切に測り, 記録することができる 天気の変化は気象情報を用いて

基礎化学 Ⅰ 第 5 講原子量とモル数 第 5 講原子量とモル数 1 原子量 (1) 相対質量 まず, 大きさの復習から 原子 ピンポン玉 原子の直径は, 約 1 億分の 1cm ( 第 1 講 ) 原子とピンポン玉の関係は, ピンポン玉と地球の関係と同じくらいの大きさです 地球 では, 原子 1

での生活では, 理科の学習という意識が薄くなっている 理科の学習が自分の生活に役に立っていると 感じている児童は多いが, 便利にしてくれると感じている児童は少ない このことから理科で学習した 内容が, 生活の中で生かされていることを実感できるような指導を行っていきたい ( 学習活動への意識に関するこ

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第 6 学年 理科学習指導案 単元名 水溶液の性質 単元目標いろいろな水溶液を使い, その性質や金属を変化させる様子を推論しながら調べ, 見いだした問題を計画的に追求する活動を通して, 水溶液の性質や働きについての見方や考え方をもつことができるようにする 単元の評価規準 < 自然象への関心 意欲 態度 > いろいろな水溶液の液生や溶けている物及び金属を変化させる様子に興味 関心をもち, 自ら水溶液の性質や働きを調べようとしている 水溶液の性質や働きを適用し, 身の回りにある水溶液を見直そうとしている < 科学的な思考 表現 > 水溶液の性質や働きについて予想や仮説をもち, 推論しながら追求し, 表現している 水溶液の性質や働きについて, 自ら行った実験の結果と予想や仮説を照らし合わせて推論し, 自分の考えを表現している < 観察 実験の技能 > 水溶液の性質を調べる工夫をし, リトマス紙や加熱器具などを適切に使って, 安全に実験をしている 水溶液の性質を調べ, その過程や結果を記録している < 自然事象についての知識 理解 > 水溶液には, 酸性, アルカリ性及び中性のものがあることを理解している 水溶液には, 気体が溶けているものがあることを理解している 水溶液には, 金属を変化させるものがあることを理解している 指導場の立場 (1) 単元について第 6 学年内容 A 物質 エネルギー の (2) 水溶液の性質 には, いろいろな水溶液を使い, その性質や金属を変化させる様子を調べ, 水溶液の性質や働きについての考えをもつことができるようにする が示され, ア水溶液には, 酸性, アルカリ性及び中性のものがあること イ水溶液には, 気体が溶けているものがあること ウ水溶液には, 金属を変化させているものがあること という具体的な内容が取り上げられている いろいろな水溶液の性質や金属を変化させる様子について興味 関心をもって追求する活動を通して, 水溶液の性質について推論する能力を育てるとともに, それらについての理解を図り, 水溶液の性質や働きについての見方や考え方をもつことができるようにすることがねらいである 本単元では 水溶液の違いを調べたり, 水溶液で金属を変化させたりする活動を通して, 水溶

液にはどのような性質や働きがあるのか ということを問題とすることができる そして, 水溶液の性質を指示薬の色の変化から3つの性質にまとめたり, 水溶液を加熱し溶けている物を調べたり, 金属を溶かしたり, 溶けている物を取り出したりして調べたりするなど, 水溶液の性質について推論しながら追求する学習活動を十分に行うことができる 指導にあたっては, 推論したことを図や絵, 文を用いて表現するようにすることが考えられる 本内容は, 第 5 学年 A(1) 物の溶け方 の学習を踏まえて, 粒子 についての基本的な見方や概念を柱とした内容のうち 粒子の結合, 粒子の保存性 にかかわるものであり, 中学校第 1 分野 (2) 身の回りの物質 の学習につながるものである (2) 児童について 省略しています (3) 学習指導の工夫について第 1 次では, 見た目や臭い, また, 第 5 学年の学習を振り返り, 蒸発させると溶けているものを取り出すことができることを生かして,5 種類の水溶液を判別することから始める この実験を通し, 固体が取り出せないものがあることを知り, 気体が溶けていることに気づかせたい さらに, 今までの知識や実験の技能が活かせることで, 学習への関心を強めさせたい 第 2 次では, リトマス紙での水溶液の性質の調べ方を指導する リトマス紙の色の変化を整理する中で, 水溶液の性質が3つの仲間に分けることができるということに気づかせたい また, この学習の発展として, 身近な材料 ( 紫キャベツ, 紅いも, なすなど ) を指示薬として水溶液の性質を調べる学習を行う この活動を通して, 理科の学習をより身近なものに感じさせたい 第 3 次では, 水溶液と金属の関係を調べていく実験を行う 透明な水溶液の中で起こる現象を扱うため, 見えない部分で起きている現象をイメージしたり, 金属の質的変化について十分に説明したりするために, 推論したことを図や絵, 文を用いて表現するようにする

単元計画 第 1 次 水溶液にとけているもの 学習な学習活動 教師の支援 ( 安全への配慮 ) フェノールフタレインの入ったグラスに, 水酸化ナトリウ 色が変化した理由などを話し合 ム水溶液を入れ, 色の変化を見る 次に塩酸を加え, 色が わせて, 水の性質の違いに興味を 透明になる現象を見せる 持たせる グラスの中に何か薬品が入っているのだろうか 見た目は透明だが, 種類 ( 性質 ) 水溶液の種類がちがうのではないか がちがうことを押さえる 5 つの水溶液の性質を調べよう 1 2 5 種類の水溶液 ( 塩酸 炭酸水 食塩水 水酸化ナトリウ ム アンモニア水 ) を提示し, その種類を見分ける方法に ついて考える よく観察して, 違いを見つけたらいい においをかいでみるといい 蒸発させて, 何が溶けているか調べてみるといい 上記の方法で水溶液の特徴を調べ, まとめる 水溶液 観察 におい 蒸発 A: 塩酸 無色透明 あり 残らない B: 炭酸水 泡が出る なし 残らない C: 食塩水 無色透明 なし 白いもの D: アンモニア水 無色透明 あり 残らない E: 水酸化ナトリウム 無色透明 なし 白いもの 教科書などをもとに, 水溶液を扱うときの注意事項を確認する 実験は, 机の上を整頓し, 必要ない物は机の下に片付けるようにする 蒸発させることが危険な水溶液 ( 水酸化ナトリウム水溶液 ) に関しては, 教師が演示実験を行う まとめる 水溶液は見た目, におい, 蒸発させることで種類を見分けることができるものと, できないものがある 前の学習を振り返る 見た目で判断できるものがある 水溶液の種類は, においで見分けることができるものがあった 水溶液に溶けているものを取り出すことで, 種類を見分けることができるものがあった 塩酸 炭酸水 アンモニア水は何も残らなかったよ 蒸発させたとき, 何も残らない水溶液があることを確認し, 何が溶けているか投げかけることで, 次の学習課題を設定する 前の学習を振り返ると共に, 蒸発させたときに, 何も残らなかった水溶液には, なにが溶けているのか考えさせるようにする 塩酸 炭酸水 アンモニア水の中で, 炭酸水を取り上げ, 調べていくようにする

炭酸水に溶けているものを調べよう 3 4 溶けているものを予想し, それを調べる方法を考える 溶けているものについて 蒸発させたときに何も残らなかったから, 溶けている物は, 空気中に出ていったんじゃないかな 炭酸水からは泡が出ているから, 気体が溶けていると思うよ 調べる方法 炭酸水からでる気体を集めてみよう 酸素や二酸化炭素なら, 線香の火や, 石灰水を使って調べることができるよ 火を近づけたら危険な気体もあるので, まず, 石灰水で調べよう 炭酸水から, 泡 ( 気体 ) が出ることに注目させ, 気体が溶けていることを確認する これまで学習してきたことをふり返り, 知っている気体 ( 窒素, 酸素, 二酸化炭素 ) と, その気体を調べる方法を確認するようにする 未知の気体に点火することは危険がともなうことを意識させる 実験をし, 結果をまとめる 石灰水が白く濁った 線香に火を入れたら, すぐに消えた まとめる 炭酸水には, 二酸化炭素が溶けている 二酸化炭素を水に溶かしてみよう 実験結果を根拠にしながら出て きた気体が何であるかまとめる よう助言する 水を入れたペットボトルに, ボンベの二酸化炭素を入れて, よく振る ペットボトルがへこんだ 二酸化炭素が溶けたら, 容器がへこむんだ ペットボトルがへこむ現象をイ メージ図に表し, 交流する まとめる 二酸化炭素は, 水に溶ける 第 2 次 水溶液の仲間分け 主な学習活動 水溶液を見分ける方法が他にないか考える 最初の実験で, 水溶液の色が変わったのが利用できないかな 塩酸は塩化水素, アンモニア水はアンモニアという気体が溶けていることを知らせる 教師の支援 導入実験を振り返り, 水溶液の性質によって, 色が変わる薬品があることを想起させる

リトマス紙の使い方を説明する リトマス紙を使って,5 つの水溶液の性質を調べよう 水溶液の性質を調べる方法の一 つに, リトマス紙を使って調べる 方法があることを知らせる 1 2 リトマス紙に5つの水溶液をつけて, 色の変化を調べ, 結果をまとめる 水溶液 赤色のリトマス紙 青色のリトマス紙 塩酸 変化なし 赤色に変化 炭酸水 変化なし 赤色に変化 食塩水 変化なし 変化なし アンモニア水 青色に変化 変化なし 水酸化ナトリウム 青色に変化 変化なし まとめる 塩酸 炭酸水は, 青色のリトマス紙を赤色に変化させた 食塩水は. リトマス紙の色を変化させなかった アンモニア水 石灰水は, 赤色のリトマス紙を青色に変 化させた 水溶液は3つの仲間に分けることができそうだ リトマス紙の使い方を, 演示しながら十分に説明する 実物投影機で手元を拡大しながら説明する 水溶液が手や目につかないようにすることを確認する 水溶液が混ざらないように, 実験ごとにガラス棒をよく洗うことを確認する リトマス紙の色の変化で, 水溶液を3つの仲間に分けることができるよう整理する 水溶液は, 酸性 中性 アルカリ性の3つの性質に仲間分けできることを知らせる 酸性 中性 アルカリ性を見分ける方法確認する リトマス紙酸性 : 青 赤中性 : 変化なしアルカリ性 : 赤 青 リトマス紙の色の変化で, 水溶液の3つの性質を仲間分けしたものを, 酸性 中性 アルカリ性ということを知らせる 3 リトマス紙以外にも, 身近な材料をもちいて, 水溶液の酸性 中性 アルカリ性を調べる方法があることを知らせる 身近な材料を使って酸性 中性 アルカリ性を見分けよう 5 種類の水溶液を用いて実験し, 結果をまとめる 紫キャベツの他に, 紅いもや入手が簡単で, 準備の手間が必要ないナスの漬け物の汁を利用する 5 種類の水溶液以外にも, 児童が水溶液であると考えるものをあらかじめ準備させておくことも考えられる

塩酸 炭酸水 食塩水 アンモニア 水酸化ナ トリウム ナス 赤 ピンク 紫 緑 黄 紫キャベツ 赤 ピンク 紫 緑 黄 紅芋 赤 ピンク 紫 緑 黄 まとめる 植物の汁の中には, 酸性 中性 アルカリ性によって色 が変わる物がある 第 3 次 水溶液と金属 主な学習活動 腐食した金属像の写真を見て気づいたことを話し合う 表面が溶けたようになっているよ 酸性雨が原因じゃないかな 酸性雨が金属やコンクリートを溶かすって聞いたことがあるよ 酸性の水溶液は, 金属を溶かすのだろうか 1 金属に, 酸性の水溶液 ( 塩酸 ) を加えてみよう 教師の支援 腐食した金属像などの画像を見せ, その原因などを話し合わせ, 酸性雨などの金属を変化させる水溶液に興味を持たせる このとき, 酸性雨そのものは簡単な説明にとどめ, 金属を変化させる水溶液が存在するという認識をもたせる 2 金属に塩酸を加えると, どのように変化するのか調べる 実験をし, 結果をまとめる 鉄とアルミニウムから泡が出てきた 泡の量がどんどん増えていく 試験管が熱くなった 金属はなくなってしまった まとめる金属に塩酸を加えると, 熱や泡を出して溶ける 塩酸に溶けた鉄はどうなったのか, イメージ図にかき, 考えを交流し, その考えを確かめる方法を考える 酸性の水溶液の中で, 塩酸を取り上げ, 塩酸が金属を変化させるか調べるようにする 身近にある金属として, スチールウールとアルミニウムを提示する 金属が溶けていく様子や発生する気体の様子, 手触りで感じる温度変化などを記録させる 個々の自由なイメージをもとに, 図をかかせ考えを交流する 金属が小さな粒子に分かれて溶け出すイメージを持たせたい 第 1 次の学習を活かし, 予想を確かめる計画を考えさせる

前にかいたイメージ図をもとに, 溶けた金属の行方の予想と確かめる方法を確認する みえないくらい小さくなっている 気体になって, 空気中に出て行った 蒸発させれば確かめることができる 塩酸に溶けた鉄はどうなったのか調べよう 3 本)4 実験をし, 結果をまとめる 実験 1 塩酸の中に溶けていたけど, 見た目は鉄とは違う 出てきた金属はもとの鉄と同じ性質をもっているのだろうか 析出した物質の性質も鉄とは異なるか調べる方法を考え < 方法 > 磁石をちかづけてみる 塩酸に溶かしてみる 実験 2 磁石に引きつけられない 塩酸に溶かしても泡や熱が出ない イメージ図の付け足し, 修正をする 出てきた金属はもとの金属とは性質がちがう 塩酸に溶けたアルミニウムはどうなったか予想をする 塩酸に溶けたアルミニウムはどうなったのか調べよう 実験を行う 前と同じように実験 1と実験 2をおこなう まとめる アルミニウムは塩酸によって 別のものに変化する アルミニウムも鉄と同じ結果が得られることから 一般化させる ( もとの金属に含まれる不純物や金属の酸化の状態, 塩酸の保管状態などにより, 教科書と同じ色にならない場合がある この実験では, もとの金属の色と異なることが分かればよいとする 金属の性質の学習を思い出し, その性質を調べる方法を考えるようにする 予想と結果を比較し, イメージ図の付け足しや修正をするようにする 前の学習を想起し, 予想を立てるようにする 前の学習と合わせて, 塩酸は金属を別のものに変化させる と

薄い塩酸に金属を入れるとどうなったか確認する 泡と熱を出しながら溶けた 溶けて, 別の物に変化した 塩酸以外にも, 金属を変化させる水溶液があるか調べよう 5 塩酸以外の水溶液で実験する 中性の水溶液は, 金属を変化させないと思う アルカリ性の水溶液は, 金属を変化させそうだ 実験をし, まとめる 水溶液 鉄 アルミニウム 炭酸水 溶ける 溶ける 食塩水 溶けない 溶けない アンモニア水 溶けない 溶ける 石灰水 溶けない 溶ける 塩酸に金属を溶かしたときと比較するため, 泡の出る様子や温度変化などに注目するよう助言する まとめる酸性の水溶液は, 鉄 アルミニウムを溶かす アルカリ性の水溶液は, アルミニウムを溶かす 中性の水溶液は, どちらも溶かさない 水溶液によって, 溶かす金属に違いがあることをおさえる 酸性 中性 アルカリ性で, 溶かす金属が違うことをおさえる

本案塩酸に鉄を溶かした水溶液を蒸発させて溶けている物質を取り出したり, その物質の性質を目標調べたりする活動を通して, 塩酸が鉄を別の物質に変化させたことを見いだすことができる 学習課題教師の支援評価 1 めあての確認 をする 前までの実験を想起させ, めあてを確認するようにする 塩酸に溶けた鉄はどうなったのか調べよう 前にかいたイメージ図をもとに, 溶けた金属の行方の予想 と確かめる方法を確認する < 予想される児童のイメージ図 > A B C A: 水溶液の中には 塩素と鉄があり 水を蒸発させる とそれが組み合わさった別の物が出てくる B: 鉄は 泡となって空気中に出て行ったので 水を蒸発させてもなにも残らない C: 食塩と同じように水の中で 見えないくらい小さくなっているので 水を蒸発させたら 鉄が出てくる 2 実験をする 実験 1 < 確かめるための方法 > 金属を溶かした液から水を蒸発させる 前の実験で, うすい塩酸に鉄を溶かしてできた液を使用する 水分を蒸発させる際, 強火で加熱すると粒が飛んで危険である また, すぐに褐色に変化してしまう できるだけ弱火で熱し, 加熱のしすぎに気をつけるようにする もとの金属に含まれる不純物や金属の酸化の状態, 塩酸の保管状態などにより, 教科書と同じ色 ( 薄い黄色 ) にならない場合がある この実験では, もとの金属の色と異なることが分かればよいとする

安全上の注意事項 液や粉が目に入らないように, 必ず安全眼鏡を着用させる 水分を蒸発させる際, 塩化水素が発生するため, 窓を開け, 換気扇を回し, 換気を十分におこなう 実験 1 の結果 を確認する 実験 2 実験 1の結果を実物投影機で拡大提示し, 出てきた物質が見た目は明らかに鉄とは異なることを確認する 析出した物質の性質も鉄とは異なるか調べるための方法を考える < 方法 > 磁石を近づけてみる 塩酸に溶かしてみる 電気を通してみる 析出させる物質 ( 塩化鉄 ) の量を考え, 電気を通す方法が困難である場合, 電気を通す方法は扱わないようにする 蒸発皿に残った物の性質を調べ, 結果を記録している 技 ( 行動 記録 ) 実験 2 の結果 を確認する 3 考察をする もとの鉄と, 析出した物質の性質を比較し易くするために, もとの鉄で実験をした場合の結果を確認しておく また, 並べて板書をするようにする 色磁石を近づける薄い塩酸に加える 泡を出して溶ける 鉄銀色引きつけられる発熱する 析出し泡を出さずに溶ける 黄色引きつけられないた物質発熱しない イメージ図の付け足し, 修正をし, 発表する <イメージ図の例 > 鉄は 塩酸によって別のものに変化した 予想を振り返りながら, 実験結果から考察できることを図や文で説明することができる 思 表 ( 発言 記録 ) 4 次への見通 しをもつ 鉄以外の金属についての話題を取り上げることにより, 次 への見通しをもち易くする