( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

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大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

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第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

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アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

●東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案

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一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

- 1 - 参照条文建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令案建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令(平成七年政令第四百二十九号)(抄) (通行障害建築物の要件)第四条法第五条第三項第二号の政令で定める建築物は そのいずれかの部分の高さが 当該部分から前面道路の境界線までの水平

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二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

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個人情報保護規程

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個人情報の保護に関する規程(案)

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第 4 条公共の場所に向けて防犯カメラを設置しようとするもので次に掲げるものは, 規則で定めるところにより, 防犯カメラの設置及び運用に関する基準 ( 以下 設置運用基準 という ) を定めなければならない (1) 市 (2) 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 260 条の2

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大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

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山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 平成二十八年山梨県告示第九十九号 ) 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針を次のとおり定める 平成二十八年三月二十四日 山梨県知事 後 藤 斎 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 趣旨 ) 第一条 この技術指針は 山梨県世界遺産富士山の保全に係る

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

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新規文書1

山県市地域防災計画【 改訂版】

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当該イ又はロに定める者 に改め 同号に次のように加える イ製造業者等であつて その主たる事務所並びに事業所 工場及び店舗が一の都道府県の区域内のみにあるもの(ロに規定する指定都市内製造業者等を除く 以下この条において 都道府県内製造業者等 という )当該都道府県の知事ロ製造業者等であつて その主たる

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

11

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社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

安全管理規程

1 はじめに 本市では 平成 17 年に 鹿児島市安心安全まちづくり条例 を定め 地域の安全は地域で守る を基本理念に 市と市民 事業者等が連携 協働し 安心して安全に暮らせるまちづくりを進めてきました これまでに防犯パトロール隊や青色防犯パトロール車による防犯活動をはじめ 安心安全ネットワーク会議

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平成 28 年度 県民 Webアンケート 第 6 回自主防災の取り組みについて 実施期間 2016/9/15~2016/9/21 アンケート会員数 224 人回収数 191 件 ( 回収率 85.3%) 近年 全国各地で自然災害が多発しており 奈良県でもいつ大きな災害に見舞われるかわかりません 災害

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

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防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン

ア建築物の部材等が落下し 飛散するおそれのある状態イ建築物の老朽化又は台風等の自然災害により 倒壊又は損傷するおそれのある状態ウ建築物の外壁 窓等が剥落し 建築物の外部から内部が見通せる状態エ竹木その他の土地の定着物が 道路との境界線を越え通行の妨げになっている状態オ物が大量に堆積されている状態カね

個人情報保護規程例 本文

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

五有価証券 ( 証券取引法第二条第一項に規定する有価証券又は同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう ) を取得させる行為 ( 代理又は媒介に該当するもの並びに同条第十七項に規定する有価証券先物取引 ( 第十号において 有価証券先物取引 という ) 及び同条第二十一項に規定する有価証券先

第2章

練馬区空き家等対策に関する基本的な方針

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事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

基づく事業協同組合並びにこれらに準ずる団体 ⑶ 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 244 条の2 第 3 項に規定する指定管理者 ( 以下 指定管理者 という ) ⑷ 地方自治法第 260 条の2 第 1 項に規定する地縁による団体及び町会 自治会その他これらに準ずる団体 ⑸

4 回答者属性 (1) 性別 人数割合 (%) 男性 女性 49.4% 0.4% 男性 5 女性 % 2 0.4% (2) 年代別 人数割合 (%) 20 代 % 30 代 % 40 代 % 50 代 % 60~6

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

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万八千六百円 ) 3 現に機関登録を受けている者が他の機関登録を受けようとする場合における法第十四条第一項の政令で定める額は 前二項の規定にかかわらず 同条第一項の農林水産省令で定める各区分について 当該各区分が次の各号に掲げる区分のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める額とする 一法第二条第二項

かにするとともに 県の施策の基本となる事項を定めることにより 食の安全 安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進し もって県民の健康の保護並びに消費者に信頼される安全 安心な食品の生産及び供給の拡大に寄与することを目的とする ( 定義 ) 第 2 条この条例において 食品 とは 全ての飲食物

法律第三十三号(平二一・五・一)

及びその周辺の地域における自然的条件 建築物の建築その他の土地利用の状況等を勘案し 集落の一体性を確保するために特に必要と認められるときは この限りでない (2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており か

新旧対照表

災害時要援護者支援マニュアル策定ガイドライン

スライド 1

( 権限の委任等 ) 第十五条内閣総理大臣は, この法律の規定による権限 ( 政令で定めるものを除く ) を消費者庁長官に委任する 2 及び3 略 4 この法律に規定する農林水産大臣の権限に属する事務の一部は, 政令で定めるところにより, 都道府県知事又は地方自治法 ( 昭和二十二年法律第六十七号

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- 1 - 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律目次第一章総則 ( 第一条 第六条 ) 第二章公共建築物における木材の利用の促進に関する施策 ( 第七条 第十六条 ) 第三章公共建築物における木材の利用以外の木材の利用の促進に関する施策 ( 第十七条 第二十条 ) 附則第一章総則 ( 目

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

サンプル(26文字)

によっては認識することができない方式で作られる記録であって 電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう 二及び三において同じ )をいうものとすること 二この法律において 電子契約 とは 事業者が一方の当事者となる契約であって 電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法に

町田市土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

個人情報保護制度の体系 個人情報の保護に関する法律 ( 個人情報保護法 ) 基本理念国及び地方公共団体の責務 施策基本方針の策定等 ( 第 1 章 ~ 第 3 章 ) 個人情報取扱事業者の義務等 ( 第 4 章 ~ 第 6 章 ) 個人情報保護委員会ガイドライン等 基本法制 行政機関

二頁第三条第三項中 国家公安委員会 を 前項に定めるもののほか 国家公安委員会 に改め 同項を同条第五項とし 同条第二項の次に次の二項を加える 3国家公安委員会は 毎年 犯罪による収益の移転に係る手口その他の犯罪による収益の移転の状況に関する調査及び分析を行った上で 特定事業者その他の事業者が行う取

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~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

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1青森県防災ヘリコプター運航管理要綱

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東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 第六条 ) 第二章障害を理由とする差別に関する相談及び紛争の防止又は解決のための体制等第一節障害を理由とする差別の禁止 ( 第七条 ) 第二節障害を理由とする差別に関する相談体制 ( 第八条 ) 第三節障害を理由

則な食事 肥満や生活習慣病の増加 過度の痩身志向などの問題に加え 新たな 食 の安全上の問題や 食 の海外への依存の問題が生じており 食 に関する情報が社会に氾濫する中で 人々は 食生活の改善の面からも 食 の安全の確保の面からも 自ら 食 のあり方を学ぶことが求められている また 豊かな緑と水に恵

Transcription:

岐阜県地震防災対策推進条例 平成十七年三月二十三日条例第十三号 改正 平成二十七年三月二十四日条例第三十一号 目次前文第一章総則 ( 第一条 第七条 ) 第二章予防対策第一節地震災害に強い安全な地域社会づくり ( 第八条 第十条 ) 第二節地域防災力の育成及び強化 ( 第十一条 第十七条 ) 第三章応急対策第一節応急体制の確立 ( 第十八条 第二十条 ) 第二節緊急輸送対策 ( 第二十一条 第二十二条 ) 第三節帰宅困難者等に対する支援 ( 第二十三条 第二十四条 ) 第四節その他地震災害の拡大を防止するための対策 ( 第二十五条 第二十八条 ) 附則 岐阜県は 明治二十四年の濃尾地震において 五千人近い死者を出すという甚大な被害を受けた そして今 東海地震や東南海 南海地震 さらには県内の活断層による地震発生の可能性が高まっている これまで 岐阜県では 平成七年の阪神 淡路大震災を教訓に 地震防災対策を進めてきた しかし 地震による被害を最小限にとどめるためには 県はもとより 県民 事業者 市町村が相互の信頼関係に基づき 地震防災対策の実施について協働し 連携することが必要である すなわち 自らの生命は自ら守る という自助の考え方 自らの地域は皆で守る という共助の考え方及び行政が担うべき公助の考え方を基に 県民 事業者 市町村及び県が危機意識を共有しつつ それぞれの役割と責務を自覚して 地震防災対策を着実に推進していくことが重要である ここに 私たちは 地震災害から尊い生命を守るために共に力を合わせ 一体となって地震防災対策に取り組むことを決意し この条例を制定する 第一章総則 ( 目的 ) 第一条この条例は 地震災害から県民の生命 身体及び財産を守るため 地震防災対策に関し 県の責務並びに市町村 県民及び事業者の役割を明らかにするとともに 県が実施する施策の基本となる事項を定めることにより 県 市町村 県民及び事業者による相互の信頼関係に基づく協働体制を確立し 地震災害に強い安全な地域社会づくりの実現を図ることを目的とする ( 定義 ) 第二条この条例において 次の各号に掲げる用語の意義は それぞれ当該各号に定めるところによる 一地震防災地震災害を未然に防止し 地震災害が発生した場合における被害の拡大を防ぐことをいう 二防災関係機関国 災害対策基本法 ( 昭和三十六年法律第二百二十三号 ) 第二条第五号に規定する指定公共機関 同条第六号に規定する指定地方公共機関 公共的団体及び防災上重要な施設の管理者をいう 三事業者県 市町村及び防災関係機関以外の事業を行う法人並びに個人をいう 四自主防災組織県民がその居住する地域において 自主的に結成する防災組織をいう 1/5

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防災対策に反映させなければならない ( 市町村の役割 ) 第四条市町村は 基礎的な地方公共団体として 当該市町村の住民の生命 身体及び財産を地震災害から守るため 県 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策の推進に努めるものとする ( 県民の役割 ) 第五条県民は 県及び市町村が実施する地震防災対策の円滑な推進に協力するよう努めるものとする 2 県民は 自主防災組織等が実施する防災訓練その他の活動に積極的に参加し 地震防災対策に関する知識の習得に努めるものとする 3 県民は 地震災害に備え あらかじめ次に掲げる対策を講ずるよう努めるものとする 一建築物その他の工作物 ( 以下この条及び次条において 建築物等 という ) が所在する土地の地形及び地質の状況を把握しておくこと 二建築物等の耐震性を確保すること 三家具の転倒の防止策をとること 四初期消火に必要な消火器等を備えること 五食料 飲料水及び医薬品を備えること 六避難場所及び避難所の位置並びに避難の経路及び方法を確認すること 七地震災害発生時における通勤 通学先等からの帰宅方法及び家族間の連絡方法を確認すること 八前各号に掲げるほか 地震災害に備え自らの安全確保に必要なこと ( 事業者の役割 ) 第六条事業者は 地域の一員として 県及び市町村が実施する地震防災対策の円滑な推進に協力するよう努めるものとする 2 事業者は 地域の自主防災組織等が実施する防災訓練その他の地震防災の活動に協力するよう努めるものとする 3 事業者は 地震災害に備え あらかじめ次に掲げる対策を講ずるよう努めるものとする 一事業の用に供する建築物等が所在する土地の地形及び地質の状況を把握しておくこと 二事業の用に供する建築物等の耐震性を確保すること 三地震防災の活動の責任者を定めることその他地震防災の活動に関する組織を整備すること 四従業員が地震発生時にとるべき行動を明確にすること 五防災訓練 地震防災に関する研修等を実施すること 六応急的な措置に必要な資材及び機材を整備し 並びに食料 飲料水及び医薬品を備えること ( 行動計画 ) 第七条知事は 地震防災対策を総合的かつ計画的に推進するため 地震防災に関する施策の実施に係る総合的な計画 ( 以下 行動計画 という ) を策定しなければならない 2 行動計画には 次に掲げる事項を定める 一地震防災に関する施策の目標二地震防災に関する施策の概要三前二号に掲げるもののほか 地震防災対策を総合的かつ計画的に推進するため必要な事項 3 知事は 地震防災に関する施策の実施状況を点検し 必要に応じ 行動計画の見直しを行うものとする 2/5

第二章予防対策第一節地震災害に強い安全な地域社会づくり ( 地震災害に強い安全な地域社会づくりの推進 ) 第八条県は 市町村その他防災関係機関と連携して 道路 公園 河川等の基盤施設の整備 学校その他の公共施設の耐震化及び非常電源設備等の整備を通じて 地震災害に強い安全な地域社会づくりに努めなければならない ( 建築物の耐震性の確保 ) 第九条建築物の所有者は 当該建築物が地震により倒壊すること等により 歩行者等に危害を及ぼし 又は避難若しくは緊急物資の輸送等を阻害することがないようにするため 当該建築物について 必要な耐震診断を行うとともに その診断結果に応じ耐震改修を行うよう努めるものとする ( 工作物等の耐震性の確保 ) 第十条屋外に広告板その他の工作物及び自動販売機 ( 以下この条において 工作物等 という ) を設置し 又は設置しようとする者は 当該工作物等が地震により落下し 又は転倒すること等により 歩行者等に危害を及ぼし 又は避難若しくは緊急物資の輸送等を阻害することがないようにするため 当該工作物等の耐震性を点検し その耐震性を確保するよう努めるものとする 第二節地域防災力の育成及び強化 ( 自主防災組織の結成とその活動への支援 ) 第十一条県は 地域における地震防災対策の効果的な実施に資するため 市町村と連携して 自主防災組織が結成され 当該自主防災組織の活動が活発に行われるよう支援に努めなければならない ( 災害ボランティアコーディネーターの育成 ) 第十二条県は 市町村等と連携して 災害ボランティアコーディネーター ( ボランティアによる地震防災の活動が円滑に行われるようボランティア相互間の調整を行う者をいう ) の育成に努めなければならない ( 地域防災協働隊の育成の支援 ) 第十三条県は 地震災害発生時において地域に密着した地震防災の活動が円滑かつ効果的に実施されるよう 市町村と連携して 地域防災協働隊 ( 自主防災組織 ボランティア 事業者 公共的団体その他関係行政機関が概ね小学校の通学区域を単位とし 連帯感をもって 相互に連携しながら それぞれの地震防災の活動を行う仕組みをいう ) の育成の支援に努めなければならない ( 地震防災に関する知識の普及等 ) 第十四条県は 県民が地震災害に備え 適切な対策を講ずることができるようにするため 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震及び地震防災に関する知識の普及並びに防災意識の高揚を図るよう努めなければならない ( 地震防災に関する教育の実施 ) 第十五条学校教育法 ( 昭和二十二年法律第二十六号 ) 第一条に規定する学校 ( 大学を除く ) 児童福祉法 ( 昭和二十二年法律第百六十四号 ) 第三十九条第一項に規定する保育所及び就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律 ( 平成十八年法律第七十七号 ) 第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園の設置者は 生徒 児童及び幼児が地震及び地震防災に関する理解を深めるとともに 地震災害発生時において自らの安全を確保できるように 地震及び地震防災に関する教育の実施に努めるものとする ( 防災訓練の実施 ) 第十六条県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 積極的に防災訓練を行う 3/5

よう努めなければならない ( 岐阜県地震防災の日 ) 第十七条県民及び事業者が 地震及び地震災害に関する意識を高め 地震防災の活動の一層の充実を図るため 岐阜県地震防災の日 ( 以下この条において 地震防災の日 という ) を設ける 2 地震防災の日は 知事が定める 3 地震防災の日には 県民及び事業者は 第五条第三項各号に掲げる対策又は第六条第三項各号に掲げる対策の状況を点検し 及びその一層の充実を図るよう努めるものとする 4 地震防災の日には 県は 地震防災対策の取組の状況を点検するとともに 前項に規定する県民及び事業者の取組が積極的に行われるよう 防災意識の向上を図るための啓発活動を実施するものとする 5 地震防災の日には 市町村は 地震防災対策の取組の状況を点検するとともに 防災意識の向上を図るための啓発活動の実施に努めるものとする 第三章応急対策第一節応急体制の確立 ( 応急体制の確立 ) 第十八条知事は 地震災害が発生した場合においては 迅速かつ的確な避難 救出 医療等の応急対策が講じられるようにするため 速やかに必要な体制を確立しなければならない ( 情報連絡体制の確立 ) 第十九条知事は 地震災害が発生した場合においては 地震及び地震災害に関する情報を県民と共有するため 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 速やかに必要な体制を確立し 迅速かつ的確に情報を提供するものとする ( 応急対策の実施に係る応援等 ) 第二十条知事は 地震災害が発生した場合において 必要があるときは 他の都道府県知事 防災関係機関の長及び応急対策の実施に係る事業者に対し 直ちに応急対策の実施に関する応援又は協力を求めるものとする 2 知事は 地震災害が発生した場合において 市町村長から応急対策の実施に関する応援を求められたときは 速やかにその求めに応じるよう努めなければならない 第二節緊急輸送対策 ( 緊急輸送の確保 ) 第二十一条県は 地震災害が発生した場合においては 迅速に応急対策を実施するため 市町村その他防災関係機関等と連携して 必要な緊急輸送を確保するよう努めなければならない ( 緊急通行車両等の通行の確保 ) 第二十二条県民は 地震災害が発生した場合においては 災害対策基本法 道路交通法 ( 昭和三十五年法律第百五号 ) その他の法令の規定に基づき公安委員会又は警察官が行う車両の通行の禁止その他の道路における交通の規制を遵守するほか 当該交通の規制が行われていない道路においても車両の使用を自粛することにより 救急患者の搬送 緊急物資の輸送等に係る緊急通行車両及び高齢者 障害者等の避難のための車両の通行の確保に協力するよう努めるものとする 第三節帰宅困難者等に対する支援 ( 帰宅困難者等に対する支援 ) 第二十三条県は 地震災害が発生し 又は東海地震に係る警戒宣言 ( 大規模地震対策特別措置法 ( 昭和五十三年法律第七十三号 ) 第九条第一項の規定により内閣総理大臣が発する地震災害に関する警戒宣言をいう ) が発せられたことによって 長期間にわたり交通機関が停止し 又は道路における車両の通行が禁止されること等により 帰宅することが困難となり 又は旅行途中で目的地に到 4/5

達することが困難となった者が円滑に帰宅し 又は避難するために必要な情報を 市町村その他防災関係機関等と連携して提供するよう努めなければならない ( 災害時要援護者対策の支援 ) 第二十四条県は 市町村 自主防災組織等が実施する高齢者 障害者 傷病者 乳幼児等で地震災害発生時に特別な援護を要する者に対する避難誘導 介護支援その他の対策に必要な支援を行うよう努めなければならない 第四節その他地震災害の拡大を防止するための対策 ( 衛生的な生活環境の確保 ) 第二十五条知事は 地震災害が発生した場合においては 市町村その他防災関係機関と連携して 感染症の発生の予防及びまん延の防止 食中毒の発生の予防その他の公衆衛生の確保のために必要な措置を講じなければならない ( 災害ボランティア活動への支援 ) 第二十六条県は 地震災害が発生した場合においては 災害ボランティア活動が円滑に実施されるよう 市町村その他防災関係機関等と連携して 支援に努めなければならない ( 自主避難等 ) 第二十七条県民は 地震及び地震防災に関する情報に留意し 危険を感じたときは自主的に避難するとともに 市町村長等が避難勧告を発したときは 速やかに避難するよう努めるものとする ( 危険度判定 ) 第二十八条地震により被害を受けた建築物及び宅地 ( 以下この条において 被災建築物等 という ) の所有者及び管理者は 当該被災建築物等が余震により倒壊すること等により生ずる災害を防止するため 市町村が実施する危険度判定 ( 被災建築物等の危険度の応急的な判定をいう ) に協力するよう努めるとともに その判定結果に応じ 避難し 又は応急の補強等の対策を実施するよう努めるものとする 附則 ( 施行期日 ) 1 この条例は 平成十七年四月一日から施行する 附則 ( 平成二十七年三月二十四日条例第三十一号 ) この条例は 平成二十七年四月一日から施行する ( 経過措置 ) 2 この条例の施行の際現に知事が地震防災対策を総合的かつ計画的に推進するため策定している地震防災に関する施策の実施に係る総合的な計画は 第七条第一項の規定に基づき策定された行動計画とみなす 5/5