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2. 適用の範囲及び使用方法本剤の適用の範囲及び使用方法は以下のとおり 国内での使用方法 3.0% フェンキノトリオン粒剤 作物名適用雑草名使用時期使用量 移植水稲 水田一年生雑草 ( イネ科雑草を除く ) 及びマツハ イホタルイヘラオモタ カミス カ ヤツリウリカワヒルムシロ 移植後 20~30

(5) 適用方法及び用量 カナマイシンの使用対象動物及び使用方法等を以下に示す 1 国内での使用方法 医薬品対象動物及び使用方法休薬期間 硫酸カナマイシン を有効成分とする 注射剤 硫酸カナマイシン を有効成分とする 鼻腔内投与剤 硫酸カナマイシン 及びベンジルペニ シリンプロカイン を有効成分とす

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3. 答申案 別紙のとおり ( 参考 ) これまでの経緯平成 17 年 11 月 29 日残留基準告示平成 27 年 3 月 ~ 平成 27 年 12 月残留農薬等公示分析法検討会で随時検討平成 28 年 5 月 17 日薬事 食品衛生審議会へ諮問平成 28 年 5 月 18 日厚生労働大臣から食品

(4) 構造式及び物性 分子式 C 28 H 47 NO 4 S 分子量 (5) 適用方法及び用量 チアムリンのの使用対象動物及び使用方法等は以下のとおり 1 国内での使用方法医薬品 対象動物及び使用方法 休薬期間 フマル酸チアムリンを有飼料 1 t 当たり 300 g( 力価 ) 以

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資料 2-1

目次頁 審議の経緯 2 食品安全委員会委員名簿 2 食品安全委員会動物用医薬品専門調査会専門委員名簿 2 要約 3 I. 評価対象動物用医薬品の概要 4 1. 主剤 4 2. 効能 効果 4 3. 用法 用量 4 4. 添加剤等 4 5. 開発の経緯及び使用状況 4 II. 安全性に係る知見の概要

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2-3 分析方法と測定条件ソルビン酸 デヒドロ酢酸の分析は 衛生試験法注解 1) 食品中の食品添加物分析法 2) を参考にして行った 分析方法を図 1 測定条件を表 3に示す 混合群試料 表示群試料について 3 併行で分析し その平均値を結果とした 試料 20g 塩化ナトリウム 60g 水 150m


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員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

輸出先国の残留農薬基準値の調査方法 と結果及び今後の留意点 独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所金谷茶業研究拠点 石川浩一 1

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. 適用の範囲及び使用方法 本剤の適用の範囲及び使用方法は以下のとおり () 国内での使用方法 0.0% フルキサメタミド乳剤作物名適用希釈倍数使用液量使用時期 本剤の使用回数 使用方法 フルキサメタミト を含む農薬の総使用回数 さといも ハスモンヨトウ かんしょ ナカシ ロシタハ だいこん コナカ

(案)

3. 結果 (1) 検体今回実施した調査で使用した検体の内訳は表 1 及び表 2 のとおりである 表 1. 実施件数 ( 単位 : 件 ) 対象国産 対象国以外産 計 野菜類 果実類 食肉 計 米国 カナダ オーストラリア及びニュー

薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

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D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

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写 薬生発 0131 第 1 号 平成 30 年 1 月 31 日 都道府県知事 殿 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 関係手数料令の一部を改正する政令の公布について この度 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確

スライド 1

評価対象農薬の概要 別紙 1 1. 物質概要 一般名 ビール酵母抽出グルカン CAS 1 分子式 (C6H10O5)x 分子量複数の糖が連なった多糖である NO. 該当なし 2 構造式 1 : 平均分子量及び分子量分布 : 可溶化できないため平均分子量及び分子量分布は測定できないが 水溶性成分に係る

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審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 4 月 3 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] ジャドニュ顆粒分包 90 mg 同顆粒分包 360 mg [ 一般名 ] デフェラシロクス [ 申請者 ] ノ

表 1. HPLC/MS/MS MRM パラメータ 表 2. GC/MS/MS MRM パラメータ 表 1 に HPLC/MS/MS 法による MRM パラメータを示します 1 化合物に対し 定量用のトランジション 確認用のトランジションとコーン電圧を設定しています 表 2 には GC/MS/MS

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

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都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

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特定できるものではありませんでした そのため 個人の体質や体調による影響が大きく影響したものであると判断しました よって 当該製品が原因と考えられる健康被害の発生は 確認されませんでした ただし 届出の製品と喫食実績で調査対象とした製品でルテイン量に違いがありましたので 既存情報から喫食経験および安

すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :

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生食用鮮魚介類等の加工時における殺菌料等の使用について 平成 25 年 3 月食品安全部 1. 経緯食品への添加物の使用については 食品衛生法第 11 条第 1 項に基づく 食品 添加物等の規格基準 ( 昭和 34 年厚生省告示第 370 号 以下 規格基準 という ) の第 2 添加物の部において

準 ( 食品添加物に関するコーデックス一般規格 (GSFA 1 )) に規格は設定されていない 米国では 硫酸亜鉛は一般に安全と認められている物質 (GRAS 物質 ) として 食品全般に対して 適正製造規範 (GMP) の下で必要量を食品に使用することが認められており ビールのほか 乳幼児用の栄養

ともに 申請者が承認審査のスケジュールに沿って法令上求められる製造体制を整備することや承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで 更なる迅速な実用化を促すものである この制度では 原則として新規原理 新規作用機序等により 生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して 極めて高い有効

一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

( 問 3) 売却証明書を発行することができるのは どのような市場ですか 売却証明書を発行できるのは 以下の市場において売却した場合です 1 家畜市場家畜取引法 ( 昭和 31 年法律第 123 号 ) 第 2 条第 3 項に規定する家畜市場及び同法第 27 条に規定する臨時市場 2 中央卸売市場

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

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ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

(電子メール施行)

法律 出典 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年 8 月 10 日法律第 145 号 ) 政令 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 36 年 1 月 26 日政令第 11 号 ) 省令 医薬品 医療機器等の品質

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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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参考資料 3 平成 13 年 7 月 24 日 シックハウス ( 室内空気汚染 ) 問題に関する検討会 中間報告書 - 第 6 回 ~ 第 7 回のまとめについて 平成 13 年 7 月 5 日 第 7 回シックハウス ( 室内空気汚染 ) 問題に関する検討会 ( 座長 : 林裕造元国立医薬品食品衛

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平成 29 年 10 月 5 日 薬事 食品衛生審議会 食品衛生分科会長村田勝敬殿 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会 農薬 動物用医薬品部会長穐山浩 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会 農薬 動物用医薬品部会報告について 平成 29 年 8 月 25 日付け厚生労働省発生食 0825 第 3 号を

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2 上記 1と同等以上の精度を有する分析方法として以下に掲げる方法 (1) 廃止前の平成 8 年 3 月 29 日付け基発第 188 号 建築物の耐火等吹付け材の石綿含有率の判定方法について の別紙の第 3の3の 位相差顕微鏡を使用した分散染色法による分散色の確認 による定性分析の方法 ( 以下 分

PSP 省令 と それぞれ略称する 記 1. 改正施行規則について希少疾病用医療機器その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医療機器であり かつ 当該医療機器についての臨床試験の実施に特に長期間を要すると認められるものに係る承認申請をする場合においては 改正 GVP 省令第 9 条の3 第 1

小池良治 水野安晴 小池好子 省略された計算例を示すとともに 計算例の一部についてエクセルを用いた計算手順を示 した Ⅰ 緒言動物用医薬品の残留試験法については 日本 EU 及び米国でガイドラインが異なっていたことから 動物用医薬品の承認審査資料の調和に関する国際協力 (VICH) に 代謝と残留動

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別添 イソプロパノール の規格基準の改正に関する食品健康影響評価について 1. 経緯厚生労働省では 平成 14 年 7 月の薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会における了承事項に従い 1FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議 (JECFA) で国際的に安全性評価が終了し 一定の範囲内で安全性が確認さ

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< 別紙 1: 検査値等略称 > 略称 名称 A/G 比 アルブミン / グロブリン比 ADI 一日摂取許容量 ALT アラニンアミノトランスフェラーゼ ATPase adenosine triphosphatase アデノシントリフォスファターゼ AUC 血中薬物濃度 時間曲線下面積 Cmax E

(5) 適 用 方 法 及 び 用 量 アセトアミノフェンの 使 用 対 象 動 物 及 び 使 用 方 法 等 を 以 下 に 示 す 対 象 動 物 及 び 使 用 方 法 使 用 国 休 薬 期 間 となっているものについては 今 回 薬 事 法 ( 昭 和 35 年 法 律 第 145 号

管下関係業者に周知いただくとともに 適切な指導を行い その実施に遺漏な きようお願いいたします 記 第 1 体外診断用医薬品の製造販売業又は製造業を行う旨の届出等について 1. 届出対象者旧薬事法に基づき 体外診断用医薬品を取り扱う以下の者 (1) 旧薬事法第 12 条第 1 項の第二種医薬品製造販

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一について二について参議院議員竹村泰子君提出小麦と小麦粉の安全性に関する質問に対する答弁書(平成九年三月二十一日内閣参質一三九第一号 以下 政府答弁書 という )は 厚生省がん研究助成金による昭和五十六年度の研究報告を踏まえ 食品衛生調査会から臭素酸カリウムはF三四四ラットに発がん性が認められたこと

第 3 条第 2 項 農薬の登録を保留することができる場合に該当するかどうかの基準 ( 水産動植物被害に係る基準及び水質汚濁に係る基準を除く ) を設定 変更しようとするとき ( 外国製造農薬に係る登録について準用 ) 肥料取締法 ( 食品安全基本法第 24 条第 1 項第 3 号 ) 条 項 食品

札幌市-衛生研究所報37(調査報告05)

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モサプリド 今般の残留基準の検討については 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請がなされたこと及び当該承認に伴い同法に基づく使用基準を設定することについて農林水産大臣から意見聴取があったことから 食品安全委員会による食品健康影響評価の結果を踏まえ 農薬 動物用医薬品部会において審議を行い 以下の報告を取りまとめるものである 1. 概要 (1) 品目名 : モサプリド [ Mosapride ] (2) 用途 : 消化器官用薬モルホリン環を有するベンズアミド化合物で 消化管運動促進薬である セロトニン受容体 4(5-HT 4 R) を刺激してアセチルコリンを遊離させ 胃腸の運動を活発にするものと考えられている 日本では モサプリドクエン酸塩二水和物を有効成分とするヒト用医薬品が承認されている また 動物用医薬品としてイヌの上部消化管 ( 胃及び十二指腸 ) 運動機能低下に伴う食欲不振及び嘔吐の改善を目的としたモサプリドクエン酸塩二水和物の製剤が承認されているが 食用動物に用いる動物用医薬品は承認されていない 海外では 動物用医薬品としては使用されていないが 中国及び韓国ではヒト用医薬品として用いられている (3) 化学名 : モサプリド (RS)-4-amino-5-chloro-2-ethoxy-N-[[4-[(4-fluorophenyl)methyl]-2- morpholinyl]methyl]benzamide(cas) 参考 モサプリドクエン酸塩 (RS)-4-amino-5-chloro-2-ethoxy-N-[[4-[(4-fluorophenyl)methyl]-2- morpholinyl]methyl]benzamide 2-hydroxy-1,2,3-propanetricarboxylate(CAS) (4) 構造式及び物性 分子式 :C 21 H 25 ClFN 3 O 3 分子量 :421.89

参考 モサプリドクエン酸塩 分子式 :C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 分子量 :614.01 (5) 適用方法及び用量モサプリドクエン酸塩の使用対象動物及び使用方法等を以下に示す 医薬品 対象動物及び使用方法 休薬期間となっているものについては 今回医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) に基づく使用基準の設定について意見聴取がなされたものを示している モサプリドクエン酸塩の動物用医薬品としての使用量等 医薬品対象動物及び使用方法休薬期間 モサプリドクエン酸塩を有効 成分とする強制経口投与剤 馬 1 日量として体重 1kg 当たり 2.0mg 以 下の量を強制的に経口投与する 2 日間 2. 対象動物における残留試験 (1) 分析の概要 1 分析対象の化合物 モサプリド デス-p-フルオロベンジルモサプリド( 以下 代謝物 M1という ) 代謝物 M1 2 分析法の概要 試料に内部標準を加え アセトニトリルで抽出し 液体クロマトグラフ タンデム 型質量分析計 (LC-MS/MS) で定量する 定量限界 :0.004 μg/g( モサプリドクエン酸塩として )

(2) 家畜残留試験 ( 動物飼養試験 ) 1 馬 (3 頭 / 時点 / 群 ) にモサプリドクエン酸塩を3 日間強制経口投与 (2mg/kg 体重 ) し 最終投与 1 3 及び5 日後に筋肉 脂肪 肝臓 腎臓及び小腸におけるモサプリドクエン酸塩の残留濃度についてLC-MS/MSにより測定した 表 1: 馬にモサプリドクエン酸塩を強制経口投与した後の食用組織中のモサプリドクエン酸塩及び代謝物 M1の濃度 (μg/g) 最終投与後日数組織 1 3 5 筋肉 0.006±0.002(3) <0.004(3) <0.004(3) モサプリド クエン酸塩 脂肪 0.026±0.020(3) <0.004(2),0.004 <0.004(3) 肝臓 0.133±0.015(3) 0.020±0.005(3) 0.014±0.007(3) 腎臓 0.026±0.020(3) <0.004(3) <0.004(3) 小腸 0.009±0.002(3) <0.004(3) <0.004(3) 筋肉 <0.004(2), 0.008 <0.004(3) <0.004(3) 脂肪 <0.004(2),0.009 <0.004(3) <0.004(3) 代謝物 M1 肝臓 0.035±0.021(3) <0.004(3) <0.004(3) 腎臓 0.023±0.019(3) <0.004(3) <0.004(3) 小腸 <0.004(2),0.011 <0.004(3) <0.004(3) 括弧内は検体数を示す 定量限界 :0.004 μg/g( モサプリドクエン酸塩として )

2 馬 (3 頭 / 時点 / 群 ) にモサプリドクエン酸塩製剤を 3 日間強制経口投与 (2mg/kg 体重 ) し 最終投与 1 3 及び 5 日後に筋肉 脂肪 肝臓 腎臓及び小腸におけるモサプリド クエン酸塩の残留濃度について LC-MS/MS により測定した 表 2: 馬にモサプリドクエン酸塩を強制経口投与した後の食用組織中のモサプリドクエン酸塩及び代謝物 M1の濃度 (μg/g) 最終投与後日数組織 1 3 5 筋肉 0.012±0.005(3) <0.004(3) <0.004(3) モサプリド クエン酸塩 脂肪 0.038±0.018(3) <0.004(3) <0.004(3) 肝臓 0.357±0.046(3) 0.024±0.006(3) 0.012±0.002(3) 腎臓 0.061±0.006(3) <0.004(3) <0.004(3) 小腸 0.024±0.012(3) <0.004(3) <0.004(3) 筋肉 <0.004(3) <0.004(3) <0.004(3) 脂肪 <0.004(3) <0.004(3) <0.004(3) 代謝物 M1 肝臓 0.046±0.038(3) <0.004(3) <0.004(3) 腎臓 0.039±0.028(3) <0.004(3) <0.004(3) 小腸 <0.004(2),0.013 <0.004(3) <0.004(3) 括弧内は検体数を示す 定量限界 :0.004 μg/g( モサプリドクエン酸塩として ) 上記の残留試験結果から 肝臓については 統計学的解析注 ) により最大許容濃度の上限 を算出した 表 3. モサプリドクエン酸塩の最大許容濃度の上限 (μg/g) 肝臓馬 ( 投与後 2 日 ) 1.5 注 ) 薬事法関係事務の取扱について ( 平成 12 年 3 月 31 日付け12 動薬 A 第 418 号農林水産省動物用医薬品検査所長通知 ) に基づき 残留試験結果から 直線回帰分析を用いて最大許容濃度の上限を算出 3.ADIの評価食品安全基本法 ( 平成 15 年法律第 48 号 ) 第 24 条第 1 項の規定に基づき 食品安全委員会あて意見を求めたモサプリドクエン酸塩に係る食品健康影響評価について 以下のとおり評価されている

無毒性量 :3 mg/kg 体重 /day( 発がん性は認められなかった ) ( 動物種 ) ラット ( 投与方法 ) 混餌投与 ( 試験の種類 ) 発がん性試験 ( 期間 ) 104 週間安全係数 :100 ADI:0.03 mg/kg 体重 /day( モサプリドクエン酸塩として ) 4. 諸外国における状況 FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議 (JECFA) において評価されておらず ADI が設定されていない 米国 カナダ 欧州連合 (EU) オーストラリア及びニュージーランドについて調査した結果 いずれの国及び地域においても基準値が設定されていない 5. 基準値案 (1) 残留の規制対象モサプリドとする 家畜残留試験においてモサプリドクエン酸塩及び代謝物 M1の分析が行われているが M1の残留量は低いことから残留の規制対象には含めないこととする なお 残留試験結果は モサプリドクエン酸塩の残留量として示されていることから 残留試験の結果に換算係数 0.687を乗じて基準値案の設定を行った (2) 基準値案別紙 1 のとおりである (3) 暴露評価 1 日当たり摂取する農薬等の量の ADI に対する比は 以下のとおりである 詳細な暴露評価は別紙 2 参照 なお ADI はモサプリドクエン酸塩として評価されていることから 基準値案に換算係数 1.46 を乗じてモサプリドクエン酸塩として試算を行った TMDI 注 ) /ADI(%) 一般 (1 歳以上 ) 0.05 幼小児 (1~6 歳 ) 0.04 妊婦 0.05 高齢者 (65 歳以上 ) 0.05 注 ) 各食品の平均摂取量は 平成 17 年 ~19 年度の食品摂取頻度 摂取量調査の特別集計業務報告書による TMDI 試算は 基準値案 各食品の平均摂取量の総和として計算した

( 別紙 1) 動薬名 モサプリド 食品名 基準値案 基準値現行 承認有無 国際基準 参考基準値 外国基準値 残留試験成績等 その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉 0.02 申 0.012±0.005 その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪 0.06 申 0.038±0.018 その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓 1 申 1.5 その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓 0.06 申 0.026±0.020 その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分 0.04 申 0.024±0.012 残留試験結果は モサプリドクエン酸塩の残留量として示されていることから 残留試験成績に換算係数 0.687 を乗じて基準値案の試算を行った

( 別紙 2) モサプリドクエン酸塩の推定摂取量 ( 単位 :μg/ 人 /day) 食品名 暴露評価に一般幼小児高齢者基準値案妊婦 *1 用いた値 (1 歳以上 ) (1~6 歳 ) (65 歳以上 ) () TMDI () TMDI TMDI TMDI その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉 0.02 0.03 その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪 0.06 0.09 その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓 1 2 0.8 *2 0.2 *2 0.8 *2 0.8 *2 その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓 0.06 0.09 その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分 0.04 0.06 計 0.8 0.2 0.8 0.8 ADI 比 (%) 0.05 0.04 0.05 0.05 TMDI: 理論最大 1 日摂取量 (Theoretical Maximum Daily Intake) *1 基準値案に換算係数 1.46 を乗じてモサプリドクエン酸塩として試算を行った *2 各部位の売り 基準値が最も高い脂肪の値を用いた

( 参考 ) これまでの経緯 平成 26 年 3 月 24 日平成 26 年 3 月 24 日平成 26 年 10 月 14 日平成 26 年 12 月 15 日平成 26 年 12 月 24 日 農林水産大臣から厚生労働大臣あてに動物用医薬品の製造販売の承認及び使用基準の設定について意見聴取厚生労働大臣から食品安全委員会委員長あてに残留基準設定に係る食品健康影響評価について要請食品安全委員会委員長から厚生労働大臣あてに食品健康影響評価について通知薬事 食品衛生審議会へ諮問薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会農薬 動物用医薬品部会 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会農薬 動物用医薬品部会 [ 委員 ] 石井里枝 埼玉県衛生研究所水 食品担当部長 延東真 東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授 大野泰雄 公益財団法人木原記念横浜生命科学振興財団理事長 尾崎博 東京大学大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室教授 斉藤貢一 星薬科大学薬品分析化学教室教授 佐藤清 一般財団法人残留農薬研究所技術顧問 高橋美幸 農業 食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所上席研究員 永山敏廣 明治薬科大学薬学部薬学教育研究センター薬学教育部門教授 根本了 国立医薬品食品衛生研究所食品部第一室長 宮井俊一 一般社団法人日本植物防疫協会技術顧問 山内明子 日本生活協同組合連合会執行役員組織推進本部長 由田克士 大阪市立大学大学院生活科学研究科公衆栄養学教授 吉成浩一 静岡県立大学薬学部衛生分子毒性学分野教授 鰐渕英機 大阪市立大学大学院医学研究科分子病理学教授 ( : 部会長 )

答申 モサプリド 食品名 残留基準値 zzz その他の陸棲哺乳類に属する動物注 1) の筋肉 #N/A 0.02 その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪 #N/A 0.06 その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓 1 その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓 #N/A 0.06 2) #N/A その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分注 0.04 注 1) その他の陸棲哺乳類に属する動物 とは 陸棲哺乳類に属する動物のうち 牛及び豚以外のものをいう #N/A #N/A 注 2) 食用部分 とは 食用に供される部分のうち 筋肉 脂肪 肝臓及び腎臓以外の部分をいう