与党の平成 29 年度税制改正大綱 ( 平成 28 年 12 月 8 日 ) に記載された事項 森林吸収源対策の財源確保に係る森林環境税 ( 仮称 ) の創設について 第一 平成 29 年度税制改正の基本的考え方 6 森林吸収源対策 2020 年度及び2020 年以降の温室効果ガス削減目標の達成に向

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平成 28 年 12 月 農林水産省 平成 29 年度税制改正主要事項 1. 新規 拡充事項 (1) 生産資材価格の引下げ及び農産物の流通加工構造の改革のための法整備を前提とした次の措置の創設 ( 所得税 法人税 登録免許税 ) 1 同法の認定を受けた事業再編事業者が事業再編計画に記載された機械装置

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

平成 29 年 12 月 22 日林野庁 平成 30 年度林野庁税制改正事項 新規 拡充事項 森林吸収源対策に係る地方財源を確保するため 次期通常国会における森林関連法令の見直しを踏まえ 森林環境税 ( 仮称 ) 及び森林環境譲与税 ( 仮称 ) を創設する 木質バイオマス発電設備等の再生可能エネル

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平成23年度税制改正の主要項目

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

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平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

森林環境税 ( 仮称 ) は国税とし 都市 地方を通じて 国民一人一人が等しく負担を分かち合って 国民皆で 温室効果ガス吸収源等としての重要な役割を担う森林を支える仕組みとして 個人住民税均等割の枠組みを活用し 市町村が個人住民税均等割と併せて賦課徴収を行う 森林環境税 ( 仮称 ) は 地方の固有

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

平成18年度地方税制改正(案)について

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

スライド 1

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

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平成20年2月

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土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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平成20年度税制改正(地方税)要望事項

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

②平成29年度環境省関係税制改正について

所令要綱

平成16年版 真島のわかる社労士

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与


3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

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(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

公益法人の寄附金税制について

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

1-1 林地台帳の記載事項 1 林地台帳には 法改正案に規定されているものに加え 市町村の行政事務の円滑化や の施業集約化の効率化に資する情報を記載 ( 省令 通知で規定 ) 追加的な情報としては 経営計画の認定状況 保安林等法指定状況等を想定 ( これらはすでに市町村や 都道府県が有している情報

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ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

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平成 31 年度税制改正に関する内閣府主管項目のポイント 1 子ども 子育て支援の推進 子ども 子育て支援における制度の見直しに伴う税制上の所要の措置 ( 国税 地方税 ) 経済財政運営と改革の基本方針 ( 平成 30 年 6 月 15 日閣議決定 ) において 3 歳から 5 歳まで (0 歳から

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

平成 28 年度税制改正に関する内閣府 主要望のポイント 1 少子化対策の推進 ( 新設 2 件 拡充 1 件 ) 三世代同居に係る税制上の軽減措置の創設 ( 国税 ) 高齢者や若い世代の希望に応じた家族関係や地域とのつながり 子育て世代の子育ての態様について各人の希望を実現するため 一定の条件を満

な公益的機能は 国民に広く恩恵を与えるものであり 適切な森林の整備等を進めていくことは 我が国の国土や国民の命を守ることにつながります しかしながら 森林整備を進めるに当たっては 所有者の経営意欲の低下や所有者不明森林の増加 境界未確定の森林の存在や担い手の不足等が大きな課題となっています 今回の新

所得税確定申告セミナー

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地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

新とする理由⑴ 政策目的 車体課税については 平成 23 年度税制改正大綱において エコカー減税の期限到来時までに 地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況を踏まえつつ 当分の間として適用される税率の取扱いを含め 簡素化 グリーン化 負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討 することとされて

地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

15 18 定率減税の縮減 (15% 控除 7.5% 控除 (2 万円上限 )) 資本金等の額 ( 税法に規定する資本金等の額又は連結個別資本金等の額 ) が 50 億円超 800,000 円 10 億円超 50 億円以下 540,000 円 1 億円超 10 億円以下 130,000 円 1 千万

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目 次 < 子ども 子育て > 1 < 健康 医療 > 2 < 医療保険 > 4 < 介護 > 4 < 雇用 > 5 < 年金 > 5 < 生活衛生 > 5 < その他 > 7 * 印を付している項目は他省庁が主管で要望をしている項目

3 車体課税 自動車取得税の見直し 自動車取得税の税率 ( 一定税率 ) を以下のとおり引下げ ( 平成 26 年 4 月 1 日以降 ) 自家用自動車 ( 軽自動車を除く ) 5%( ) 3%( ) 営業用自動車 軽自動車 3%( ) 2%( ) いわゆる エコカー減税 について 環境性能に優れた

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平成21年度 環境省重点施策

スライド 1

法人税 faq

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改正前改正案速報 5. 改正の内容 (1) 研究開発税制の見直し ( 大企業の場合 ) 総額型 上乗せ措置 税額控除額 = 試験研究費の総額 税額控除率 (6%14%: 試験研究費の増減割合に応じて ) 控除上限額 法人税額 25% 高水準型 税額控除額 = 試験研究費の額のうち平均売上金額 10%

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Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

目次 ページ はじめに 奄美群島の税制特例制度 ( 国税 ) の概要 対象となる業種 対象となる設備投資 事業者 設備投資の規模等の要件 他の国税の優遇措置との比較 ( 例 : 過疎税制 ) 奄美群島の税制特例制度 ( 地方税 ) の概要奄美群島税制まとめ

Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

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第 5 章 N

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平成20年度税制改正(地方税)要望事項

利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

2019年度 文部科学省税制改正の概要

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102 第 4 章 農業 農地の承継時の特例 資価格は 国税庁 HPの路線価ページから確認できます なお 平成 30 年度税制改正において 対象となる農地の範囲等が改正されました 詳細は 後記 6を参照してください 3 適用要件 (1) 被相続人この特例の対象となる被相続人は 次のいずれかに該当する

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

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債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

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平成 28 年 12 月 22 日林野庁 平成 29 年度 林野庁税制改正事項 新規 拡充事項 山林に係る相続税の納税猶予制度について 次の見直しを行う ( 相続税 ) 1 森林経営計画に定められている区域に存する山林のうち同一の小流域内に存するものの面積が5ha未満である一定の山林を 納税猶予の適用対象に加える 2 猶予期間中に身体障害等のやむを得ない事情により林業経営の継続が困難となったときは 一定の推定相続人に林業経営の全てを委託した場合であっても 納税猶予の継続を認める 3 災害による森林被害のため経営の規模の拡大を行うことが困難である場合には 当初認定起算日等から15 年 ( 現行 :10 年 ) を経過する日までに経営の規模の拡大が完了していれば 納税猶予の取消事由に該当しないこととする 相続税等の財産評価の適正化のため 実態を踏まえて 杉及びひのきについて 現行評価額を全体的に引き下げるとともに 松について 原則として 標準価額を定めず個別に評価する見直しを行う ( 相続税 ) 森林法等の一部を改正する法律の施行に伴い 次の措置を講ずる ( 複数税目 ) 1 森林経営計画の認定基準見直しに伴う措置 2 国立研究開発法人森林総合研究所の名称変更等に伴う措置 中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却 (30%) 又は税額控除 (7%)[ 中小企業投資促進税制 ] について 上乗せ措置 ( 生産性向上設備等に係る即時償却等 ) は中小企業経営強化税制として改組し 全ての器具備品及び建物附属設備を対象とするとともに その他は対象資産から器具備品を除外した上で その適用期限を2 年延長する ( 所得税 法人税 ) 森林組合等の上部団体への出資に係る受取配当等の益金不算入制度の見直し ( 森林組合等の各事業年度において その保有する連合会等の普通出資につき支払を受ける配当等の額がある場合には その配当等の額のうち益金の額に算入しない金額は その出資保有割合にかかわらず その配当等の額の100 分の50 相当額とする措置を講ずること ) を行う ( 法人税 ) 延長事項 農林漁業用軽油に係る石油石炭税 ( 地球温暖化対策のための課税の特例による上乗せ分 ) の還付措置の適用期限を3 年延長する ( 石油石炭税 ) 特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却 (30%) 又は税額控除 (7%)[ 商業 サービス業 農林水産業活性化税制 ] の適用期限を2 年延長する ( 所得税 法人税 ) 森林組合等の貸倒引当金の特例について 割増率を10%( 現行 :12%) に引き下げた上 その適用期限を2 年延長する ( 法人税 ) 中小企業者等に係る法人税の軽減税率の特例 ( 森林組合等について所得の金額のうち年 800 万円以下の部分に対する税率を19% 15% とする措置 ) の適用期限を2 年延長する ( 法人税 ) ( 独 ) 農林漁業信用基金が受ける抵当権の設定登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置 (0.4% 0.15%) の適用期限を2 年延長する ( 登録免許税 ) - 1 -

与党の平成 29 年度税制改正大綱 ( 平成 28 年 12 月 8 日 ) に記載された事項 森林吸収源対策の財源確保に係る森林環境税 ( 仮称 ) の創設について 第一 平成 29 年度税制改正の基本的考え方 6 森林吸収源対策 2020 年度及び2020 年以降の温室効果ガス削減目標の達成に向けて 森林吸収源対策及び地方の地球温暖化対策に関する安定的な財源の確保について 以下の措置を講ずる (1) エネルギー起源 CO2の排出抑制のための木質バイオマスのエネルギー利用や木材のマテリアル利用を普及していくことは 森林吸収源対策の推進にも寄与することから 地球温暖化対策のための税について その本格的な普及に向けたモデル事業や技術開発 調査への活用の充実を図るため 経済産業省 環境省 林野庁の3 省庁は 引き続き連携して取り組む (2) 森林整備や木材利用を推進することは 地球温暖化防止のみならず 国土の保全や地方創生 快適な生活環境の創出などにつながり その効果は広く国民一人一人が恩恵を受けるものである しかしながら 森林現場には 森林所有者の特定困難や境界の不明 担い手の不足といった 林業 山村の疲弊により長年にわたり積み重ねられてきた根本的な課題がある その対策に当たっては 森林現場に近く所有者に最も身近な存在である市町村の果たす役割が重要となる このため 市町村による林地台帳の整備を着実に進めるとともに 公益的機能の発揮が求められながらも 自然的 社会的条件が不利であることにより所有者等による自発的な間伐等が見込めない森林の整備等に関する市町村の役割を明確にしつつ 地方公共団体の意見も踏まえながら 必要な森林関連法令の見直しを行うこととし 以下のような施策の具体化を進める 1 市町村から所有者に対する間伐への取組要請などの働きかけの強化 2 所有者の権利行使の制限等の一定の要件の下で 所有者負担を軽減した形で市町村自らが間伐等を実施 3 要間伐森林制度を拡充し 所有者が不明の場合等においても市町村が間伐を代行 4 寄附の受入れによる公的な管理の強化 5 地域における民間の林業技術者の活用等による市町村の体制支援このような施策を講じることにより市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため 個人住民税均等割の枠組みの活用を含め都市 地方を通じて国民に等しく負担を求めることを基本とする森林環境税 ( 仮称 ) の創設に向けて 地方公共団体の意見も踏まえながら 具体的な仕組み等について総合的に検討し 平成 30 年度税制改正において結論を得る - 2 -

山林についての相続税の納税猶予制度の拡充 相続税 1 月 16 日補足資料 制度の概要 一定面積以上の森林を自ら経営する森林所有者を対象に 森林経営計画が定められている区域内にある山林 ( 林地 立木 ) を その相続人が相続等により一括して取得し 引き続き同計画に基づいて経営を継続する場合は 相続税額のうち対象となる山林に係る部分の課税価格の80% に対応する相続税の納税猶予の適用を受けることができる制度 被相続人森林施業の集約化や路網整備等による林業経営の効率化を通じた効率的 安定的な林業経営の確立の取組 拡充の背景 相続 経営継続 納税猶予で支援 相続人引き続いて規模拡大 ( 維持 ) 路網整備 ( 維持 ) を図りつつ 計画に従った森林経営を継続 国産材の安定供給体制の構築のため 森林施業及び林地の集約化による面的なまとまりをもった林業経営の確立等の施策の推進が重要 ( 森林 林業基本計画平成 28 年 5 月 24 日閣議決定 ) そのため 本特例措置の一層の活用により 林業経営の効率化 継続確保を図り 上記施策の実現による林業 木材産業の成長産業化の早期実現を推進する必要 拡充内容の概要 現行一つの小流域内に存する山林が 5ha 未満である場合 当該山林は納税猶予の対象外となる 措置後一つの小流域内に存する 5ha 未満の山林のうち 一定の要件を満たす山林を納税猶予の対象に加える 現行森林経営計画の作成者本人が経営を行えなくなった場合には 森林経営計画が取り消されるため 納税猶予は打切りとなる 措置後森林経営計画の作成者が身体障害等で経営の継続が困難となった場合には 推定相続人に経営の全てを委託することで納税猶予を継続できる 現行森林経営計画の認定を受けてから 10 年間で 経営の規模拡大 ( 面積ベースで 30% 以上 上限は 150ha ) をできない場合 納税猶予は打切りとなる 措置後災害による森林被害のため規模拡大が困難である場合には 規模拡大の取組期間を延長する (10 年 15 年 )

相続税の立木評価に関する標準伐期等の見直し 相続税 贈与税関係 ( 財産評価基本通達の改正 ) 1 月 16 日補足資料 立木評価の概要及び見直しの背景 改正内容 ( 案 ) 立木の評価に関しては 国税庁長官通達の財産評価基本通達 ( 以下 評価通達 ) により 樹齢別 樹種別の標準価額 (1ha 当たりの標準的な評価額 ) 地域別 樹種別の標準伐期 ( 標準的な主伐樹齢 ) 等が定められている 平成 16 年に行われた評価手法の適正化から 10 年以上が経過し 標準価額を算出する因子である植林費や育林費 立木価格等が大幅に変わるとともに 木材の需給状況等により主要樹種の標準伐期年数も変化している このため 平成 25 年度林業経営統計調査 平成 28 年 4 月に都道府県を通じて実施した山林の伐採及び譲渡に係る林齢調査結果等を踏まえ 実態と合うように立木の評価を見直すため 評価通達の改正を行う 1 幼齢立木の標準価額の引下げ樹齢 1 年以下の立木の標準価額杉 49 千円 ( 現行 98 千円 ) ひのき 60 千円 ( 現行 134 千円 ) 2 切替樹齢 ( 市場価値が生じる林齢 ) の修正と切替樹齢の立木の標準価額の引下げ杉 37 年,98 千円 ( 現行 39 年,178 千円 ) ひのき 33 年,119 千円 ( 現行 32 年,201 千円 ) 3 標準伐期年数の後倒し杉 60~70 年 ( 現行 50~60 年 ) ひのき 70~75 年 ( 現行 60~65 年 ) 4 標準伐期以降の利率の引下げ標準伐期以降から標準伐期の2 倍の樹齢までの立木の標準価額を算出する際の利率 1.5%( 現行 2.0%) 5 松については標準価額を定めず個別に評価する

参考 財産評価基本通達の改正に伴う立木の標準価額グラフの変化 ( イメージ図 ) ( 標準価額 ) 改正 3 標準伐期年数の後倒し 改正 2 切替樹齢の修正と切替樹齢の立木の標準価額の引下げ 改正 4 標準伐期以降の利率の引下げ 改正 1 幼齢立木の標準価額の引下げ 切替樹齢 標準伐期年数 現行 改正後 ( 樹齢 )