医師等の確保対策に関する行政評価・監視結果報告書 第4-1

Similar documents
Microsoft PowerPoint - å½fi报説柔ㅂㅯㅼㅚ㇤ㅳㅋ.pptx

H まで経過措置注意喚起

届出上の注意 1 届出前 1 ヶ月の各病棟の勤務計画表 ( 勤務実績 ) 及び 2 つの勤務帯が重複する各勤務帯の申し送りの時間が分かる書類を添付すること 2 7 対 1 特別入院基本料及び 10 対 1 特別入院基本料を算定する場合には 看護職員の採用活動状況等に関する書類を添付すること

概要

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

Microsoft Word - (厚生局医療課長事務連絡)平成30年度診療報酬改定において経過措置を設けた施設基準の取扱いについて

2018 年 3 月 15 日 株式会社千早ティー スリー 代表取締役谷口仁志 平成 30 年度診療報酬改定における重症度 医療 看護必要度関連の変更について 拝啓時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます さて 平成 30 年度診療報酬改定における施設基準等が 3 月 5 日に公開され 重症度

起 案 書

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

平成30 年度診療報酬改定において経過措置を設けた施設基準の取扱いについて(保険局医療課:H )

事務連絡 平成 26 年 9 月 5 日 地方厚生 ( 支 ) 局医療課都道府県民生主管部 ( 局 ) 国民健康保険主管課 ( 部 ) 都道府県後期高齢者医療主管部 ( 局 ) 後期高齢者医療主管課 ( 部 ) 御中 厚生労働省保険局医療課 疑義解釈資料の送付について ( その 9) 診療報酬の算定

< F2D95CA8E86824F82502E6A7464>

平成 24 年度診療報酬説明会リハビリテーション関連 平成 24 年 4 月 21 日 公益社団法人 高知県理学療法士協会 医療部

Microsoft Word - 【各団体宛】1703○○事務連絡(震災特例延長)関係団体宛

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

Microsoft PowerPoint - (最新版)0311付.pptx

Microsoft Word - Q&A(訪問リハ).doc

01 表紙 老人保健課

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

スライド 1

Microsoft Word - 退院後生活環境相談員

Microsoft Word - 01介護報酬請求の留意点

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

医科診療報酬点数表関係 別添 1 在宅患者支援療養病床初期加算 在宅患者支援病床初期加算 問 1 療養病棟入院基本料の注 6の在宅患者支援療養病床初期加算及び地域包括ケア病棟入院料の注 5の在宅患者支援病床初期加算の算定要件に 人生の最終段階における医療 ケアの決定プロセスに関するガイドライン 等の

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

Microsoft Word - ① 鏡.docx

17★ 訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(平成十二年三月三十日 老企 厚生労働省老人保健福祉局企画課長通知)

お問い合わせは、病院所在地の厚生(支)局又は都道府県事務所あてにお願いします

< F2D E38E748E9696B18DEC8BC695E28F958ED288E790AC>

Microsoft PowerPoint - 参考資料

<4D F736F F D BD90AC E938C966B926E95FB91BE95BD976D89AB926E906B8B7982D192B796EC8CA7966B959482CC926E906B82CC94ED8DD082C994BA82A495DB8CAF906697C38AD68C CC8EE688B582A282C982C282A282C C

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

別添 2 租税特別措置法施行令第 39 条の25 第 1 項第 1 号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たすものである旨の証明願平成年月日厚生労働大臣殿 租税特別措置法施行令第 39 条の25 第 1 項第 1 号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める下記の基準を満た

< F2D8E9696B D BB82CC C429>

別紙 常勤医師等の取扱いについて 1. 一日平均患者数の計算における診療日数 (1) 入院患者数ア通常の年は 365 日である イ病院に休止した期間がある場合は その期間を除く (2) 外来患者数ア実外来診療日数 ( 各科別の年間の外来診療日数で除すのではなく 病院の実外来診療日数で除すこと ) イ

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

別表第 17( 第 21 条関係 ) 種類支給される職員の範囲支給額 1 放射線業務手当 2 病棟指導手当 3 死後処置手当 4 夜間看護等手当 循環器 呼吸器病センター及びがんセンターに所属する職員 ( 放月額 7,000 円射線科医師及び診療放射線技術者を除く ) がエックス線の照射補助作業に従

入院時生活療養費の見直し内容について(厚生労働省保険局保険課:H29.4.7)

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

過去 3 年の間に請求した介護給付費について にチェックをしてください 下線は 平成 30 年度改正 (4) 当該計画で定めた指定介護予防通所リハビリテーションの実施期間中に指定介護予防通所リハビリテーションの提供を終了した日前 1 月以内にリハビリテーション会議を開催し リハビリテーションの目標の

WIC-1

< F2D817994AD8F6F94C5817A8E9696B D BB>

平成18年4月制度改正にかかる請求明細書・給付管理票の記載例について

別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1

<4D F736F F F696E74202D C FC89408AEE967B97BF82C982C282A282C42E >

1 1 調査の目的 調査の概要 1 平成 28 年 4 月より レセプトの電子請求を行っている保険医療機関及び保険薬局について 公費負担医療に係る給付により自己負担がない患者 ( 全額公費負担の患者を除く ) から求めがあった場合にも明細書の発行が義務づけられたことを踏まえ 保険医療機関 保険薬局及

300401採用公募・HP原稿

スライド 1

<様式2> 個人情報ファイル簿(単票)

< F2D89FC82DF82E993FC8D6594C C192E C394EF816A>

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 【資料4-3】0316_PM_ショート

深夜勤務の制限 5 妊産婦の時間外 休日 妊娠中の女性が 母体または胎児の健康保持のため 深夜勤務や時間外勤務等の制限を所属長に請求できます 病院助手専攻医臨床研修医 6 妊娠中の休息 妊娠中の女性は 勤務時間規程に規定する 職務に専念する義務の免除 を利用して 母体または胎児の健康保持のため 勤務

Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

PowerPoint プレゼンテーション

02 基本診療料施設基準通知  現在版

Microsoft Word - 【資料4-13】0317_PM_通リハ

平成 30 年度診療報酬改定に向けた検討について H29/1/16WG 厚労省提出資料 平成 30 年度診療報酬改定に向けた検討の方向性 平成 30 年度診療報酬改定に向けて 以下の遠隔医療形態モデルも参考に 委員からご指摘のあった初診に関する取扱いも含め 対面診療に比べて患者に対する医療サービスの

Microsoft Word - 第10回消費税分科会資料税1-1(1月6日段階暫定)④

= 掲載済 12 短期入所生活介護 (P107~P121) 13 短期入所療養介護 (P122~P131) 16 福祉用具貸与 (P153~P158) 17 (P159~P170) 18 入居者生活介護 地域密着型入居者生活介護 (P171~P183) 20 介護老人福祉施設 地域密着型介護老人福祉

<4D F736F F D2089EE8CEC95F18F5682CC89FC92E882C982C282A282C A836E A816A8F4390B394C52E646F63>

病床規模は 300 床未満の病院が全体で 82.5% と中小規模の病院が大半を占め 一般病院で 81.7% 療養型病院で 93.4% 精神科病院で 64.0% だった ( 図表 3) 平成 28 年医療施設 ( 動態 ) 調査によると 299 床以下の病院の割合は全体の 82.1% であることから

3 電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求により療養の給付費等の請求を行うこと ( 以下 レセプト電子請求 という ) が義務付けられた保険医療機関 ( 正当な理由を有する400 床未満の病院及び診療所を除く なお 400 床未満の病院にあっては 平成 27 年度末までに限る

H21年事業年度業務実績評価

1 目的

厚生労働省による 平成 30 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1) に対する 八王子介護支援専門員連絡協議会からの質問内容と八王子市からの回答 Q1 訪問看護ステーションによるリハビリのみの提供の場合の考え方について厚労省 Q&A(Vol.1) での該当項目問 21 問 22 問 23 A

スライド 1

場合であること この場合 保険薬局において 加入の保険及び被用者保険の被保険者等にあっては事業所名 国民健康保険の被保険者及び後期高齢者医療制度の被保険者にあっては住所を確認するとともに 調剤録に記載しておくこと 2 保険医療機関の記載がない場合処方せんの交付を受けた場所を患者に確認すること なお

正誤表 正誤箇所 誤 正 医科 - 基本診療料 -35/47 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注の見直し 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学管理等の 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学

1 届出 施設基準に 病院の一般病棟又は療養病棟の病棟 ( 病室 ) 単位で行うもの とあるが 一般病棟入院基本料や療養病棟入院基本料からの移行のみでなく障害可能である 者施設等入院基本料や亜急性期入院医療管理料 回復期リハビリテーション病棟入院料からの移行は可能か? 2 届出 当院は一般 10 対

Taro-指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準

医療事故調査・支援センター~センターの役割と手引~

1

一般会計負担の考え方

( 保 99) 平成 29 年 9 月 4 日 都道府県医師会 社会保険担当理事殿 日本医師会常任理事 松本純一 被保険者証の氏名表記について 被保険者証の氏名表記につきましては 性同一性障害を有する被保険者又は被扶養者から 被保険者証において通称名の記載を希望する旨の申出があったことから 保険者が

「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について」の一部改正について(厚生労働省健康局長:H )

2. 平成 9 年遠隔診療通知の 別表 に掲げられている遠隔診療の対象及び内 容は 平成 9 年遠隔診療通知の 2 留意事項 (3) イ に示しているとお り 例示であること 3. 平成 9 年遠隔診療通知の 1 基本的考え方 において 診療は 医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本

Microsoft Word - 05FAQ(医科)

<4D F736F F D F955C8E CC093788A7A934B F A7A8CB88A7A944692E88FD8816A>

平成19年度 病院立入検査結果について

( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

Taro-通知訂正案(その5)

退院調整看護師に関する実態調査

Microsoft PowerPoint - 総-1-2  薬剤師の病棟業務.pptx

複数名訪問看護加算 (1 人以上の看護職員等と同 2 人以上による訪問看護を行う場合 行 ) 看護師等と訪問 看護師等と訪問 4,500 円 30 分未満 254 単位 准看護師と訪問 3,800 円 30 分以上 402 単位 看護補助者と訪問 ( 別に厚生労働省が定める場合 看護補助者と訪問 を

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

02_01_「Q&A VOL.1(平成30年3月30日)」


法律第三十三号(平二一・五・一)

Q: 療養病棟が 2 病棟 (60 床 +60 床 ) あり 人員配置が共に施設基準をクリアしている場合には 2 病棟合計の 120 床に対して医療区分 2 3 の割合が 8 割以上となればよいのでしょうか 1 病棟 (60 床 ) 毎に 8 割以上でなければならないのでしょうか A: 療養病棟入院

「平成30 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)(平成30 年3月28 日)」の送付について【介護保険最新情報Vol.633】(厚生労働省老健局老人保健課:H )

別紙

Microsoft Word - 体裁修正 【登録後修正版】説明資料(案)

<4D F736F F D20926E C5E B8FC797E192E88B CC8DC489FC92E88E9696B D2E646F63>

機関と調整する ) 次の 1 から 3 により算出し それを合計して支払いを行うことと なりますので 各保険医療機関においては 別紙様式により 当該保険医療機関等の 平成 23 年 5 月の入院 外来別の診療実日数を併せて届け出るものとなります 1 入院分平成 22 年 11 月 ~ 平成 23 年

< F2D C D838A8BDB92CA926D2E6A7464>

7 時間以上 8 時間未満 922 単位 / 回 介護予防通所リハビリテーション 変更前 変更後 要支援 Ⅰ 1812 単位 / 月 1712 単位 / 月 要支援 Ⅱ 3715 単位 / 月 3615 単位 / 月 リハビリテーションマネジメント加算 (Ⅰ) の見直し リハビリテーションマネジメン

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用

Transcription:

4 医師等の勤務環境の整備 (1) 医師事務作業補助者及び看護補助者の配置状況等調査の結果医師事務作業補助体制加算は 地域の急性期医療を担う保険医療機関 ( 特定機能病院 ( 注 ) を除く ) において 病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制を確保することを目的として 医師 医療関係職員 事務職員等との間での業務の役割分担を推進し 医師の事務作業を補助する専従者 ( 以下 医師事務作業補助者 という ) を配置している体制を評価するものとして 平成 20 年度の診療報酬改定から新設されている 医師事務作業補助者は 医師の指示の下に 診断書などの文書作成補助 診療記録への代行入力 診療に関するデータ整理等の業務を行うこととされている また 急性期看護補助体制加算は 地域の急性期医療を担う保険医療機関において 病院勤務医及び看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制を確保することを目的として 看護業務を補助する看護補助者を配置している体制を評価するものとして 平成 22 年度の診療報酬改定から新設されている 看護補助者は 看護師長及び看護職員の指導の下に 原則として療養生活上の世話 ( 食事 清潔 排泄 入浴 移動等 ) のほか 病室内の環境整備 ベッドメーキング 看護用品及び消耗品の整理整頓等の業務を行うこととされている 中央社会保険医療協議会が実施した 平成 24 年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査 ( 平成 25 年度調査 ) 病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善についての状況調査 ( 速報 ) によると 医師事務作業補助者の配置 増員 や 看護補助者の導入 業務分担 を導入した施設のうち それぞれ約 8 割が 効果があった と回答しており 医師事務作業補助者及び看護補助者の配置は 様々な負担軽減策の中でも効果が大きいものとなっている ( 注 ) 特定機能病院 とは 高度の医療を提供する能力を有していること等の要件に該 説明図表番号図表 4-(1)-1 当し 厚生労働大臣の承認を得た病院をいう ( 医療法第 4 条の 2 第 1 項 ) 今回 142 医療機関における医師事務作業補助体制加算及び急性期看護補助体制加算の届出状況等を調査した結果は それぞれ以下のとおりである ア医師事務作業補助体制加算の届出状況等 ( ア ) 医師事務作業補助体制加算の届出状況平成 25 年度における医師事務作業補助体制加算の届出状況をみると 同加算の対象とならない 23 特定機能病院を除く 119 医療機関 (500 床以上の病院 29 機関 500 床未満の病院 90 機関 ) のうち 104 機関 (500 床以上の病院 29 機関 500 床未満の病院 75 機関 ) が当該届出を行っている 平成 22 年度に当該届出を行った医療機関は 86 機関で全体 (119 機関 ) の約 7 割であったが 25 年度には全体 (119 機関 ) の9 割近くを占めるに至っている 図表 4-(1)-2 図表 4-(1)-3-64 -

また 104 医療機関のうち届出内容を把握できた 101 機関の平成 25 年度の当該加算の取得状況をみると 医師事務作業補助者を届出病床数 25 床ごとに1 人以上配置する 25 対 1 補助体制加算 を取得しているものが 22 機関と最も多く 100 対 1 補助体制加算 を取得しているものが 6 機関と最も少なくなっている ( イ ) 医師事務作業補助者の配置状況平成 25 年度における医師事務作業補助者の配置状況をみると 104 医療機関で計 1,941 人が配置されている また 1 医療機関当たりの配置数は 平成 22 年度の 10.3 人から 25 年度には 18.7 人に増加している 図表 4-(1)-4 図表 4-(1)-3 ( 再掲 ) イ急性期看護補助体制加算の届出状況等 ( ア ) 急性期看護補助体制加算の届出状況平成 25 年度における急性期看護補助体制加算の届出状況をみると 142 医療機関 (500 床以上の病院 52 機関 500 床未満の病院 90 機関 ) のうち 136 機関 (500 床以上の病院 51 機関 500 床未満の病院 85 機関 ) が当該届出を行っている ちなみに 平成 22 年度時点で 全体 (142 機関 ) の8 割を超える 120 医療機関が当該届出を行っていた また 136 医療機関のうち届出内容を把握できた 128 機関の平成 25 年度の当該加算の取得状況をみると 入院患者 50 人に看護補助者 1 人以上を配置する 50 対 1 補助体制加算 を取得しているものが 75 機関と最も多く 75 対 1 補助体制加算 を取得しているものが 12 機関と最も少なくなっている ( イ ) 看護補助者の配置状況平成 25 年度における看護補助者の配置状況をみると 136 医療機関のうち配置数を把握できた 134 機関で計 5,325 人が配置されている また 1 医療機関当たりの配置数は 平成 22 年度の 30.7 人から 25 年度には 39.7 人に増加している 図表 4-(1)-5 図表 4-(1)-6 図表 4-(1)-7 図表 4-(1)-6 ( 再掲 ) 以上のとおり 調査した 142 医療機関のほとんどが医師事務作業補助体制加算及び急性期看護補助体制加算を活用して医師事務作業補助者及び看護補助者を配置していた 当該医療機関からは これら補助者の配置が医師及び看護師等の超過勤務時間の縮減や有給休暇の取得率の向上などにつながったとする意見が聴かれたことから 医師及び看護師等の負担軽減に一定の効果が発現しているものと認められる 図表 4-(1)-8 図表 4-(1)-9-65 -

図表 4-(1)-1 医師事務作業補助者等に関する通知 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について ( 平成 24 年 3 月 5 日付け保医発 0305 第 1 号厚生労働省保険局医療課長 歯科医療管理官連名通知 )( 抄 ) A207-2 医師事務作業補助体制加算 (1) 医師事務作業補助体制加算は 地域の急性期医療を担う保険医療機関 ( 特定機能病院を除く ) において 病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に対する体制を確保することを目的として 医師 医療関係職員 事務職員等との間での業務の役割分担を推進し 医師の事務作業を補助する専従者 ( 以下 医師事務作業補助者 という ) を配置している体制を評価するものである (2) ( 略 ) (3) 医師事務作業補助者の業務は 医師 ( 歯科医師を含む ) の指示の下に 診断書などの文書作成補助 診療記録への代行入力 医療の質の向上に資する事務作業 ( 診療に関するデータ整理 院内がん登録等の統計 調査 医師の教育や臨床研修のカンファレンスのための準備作業等 ) 並びに行政上の業務 ( 救急医療情報システムへの入力 感染症サーベイランス事業に係る入力等 ) への対応に限定するものであること なお 医師以外の職種の指示の下に行う業務 診療報酬の請求事務 (DPCのコーディングに係る業務を含む ) 窓口 受付業務 医療機関の経営 運営のためのデータ収集業務 看護業務の補助並びに物品運搬業務等については医師事務作業補助者の業務としないこと (4) 医師事務作業補助者は 院内の医師の業務状況等を勘案して配置することとし 病棟における業務以外にも 外来における業務や 医師の指示の下であれば 例えば文書作成業務専門の部屋等における業務も行うことができる A207-3 急性期看護補助体制加算 (1) 急性期看護補助体制加算は 地域の急性期医療を担う保険医療機関において 病院勤務医及び看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制を確保することを目的として 看護業務を補助する看護補助者を配置している体制を評価するものである (2)~(6) ( 略 ) 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて ( 平成 24 年 3 月 5 日付け保医発 0305 第 2 号厚生労働省保険局医療課長 歯科医療管理官連名通知 )( 抄 ) 別添 1 入院基本料等の施設基準等 第 2 病院の入院基本料等に関する施設基準 4 入院患者の数及び看護要員の数等については下記のとおりとする (6) 看護の実施は 次の点に留意する ア ( 略 ) イ 1 病状の観察 2 病状の報告 3 身体の清拭 食事 排泄等の世話等療養上の世 - 66 -

話 4 診察の介補 5 与薬 注射 包帯交換等の治療の介助及び処置 6 検温 血圧測定 検査検体の採取 測定 検査の介助 7 患者 家族に対する療養上の指導等患者の病状に直接影響のある看護は 看護師又は看護師の指示を受けた准看護師が行うものである 看護補助者は 看護師長及び看護職員の指導の下に 原則として療養生活上の世話 ( 食事 清潔 排泄 入浴 移動等 ) のほか 病室内の環境整備 ベッドメーキング 看護用品及び消耗品の整理整頓等の業務を行うこととする ウ~オ ( 略 ) ( 注 ) 下線は当省が付した 図表 4-(1)-2 医師事務作業補助体制加算の届出状況 ( 平成 25 年度 ) ( 単位 : 機関 %) 区分 500 床以上 500 床未満 合計 届出あり 29(100.0) 75( 83.3) 104( 87.4) 届出なし 0( 0.0) 15( 16.7) 15( 12.6) 合計 29(100) 90(100) 119(100) 2 ( ) 内は構成比である 図表 4-(1)-3 医師事務作業補助者の配置状況 ( 単位 : 機関 人 ) 区分 平成 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 届出医療機関数 86 97 102 104 配置数 869 1,393 1,659 1,941 1 医療機関当たりの配置数 10.3 14.5 16.4 18.7 2 届出医療機関数 には 配置数を把握できなかった医療機関( 平成 22 年度 2 機関 23 年度 1 機関 24 年度 1 機関 ) も含む 3 1 医療機関当たりの配置数 は 届出医療機関数から 配置数を把握できなかった医療機関 ( 平成 22 年度 2 機関 23 年度 1 機関 24 年度 1 機関 ) をそれぞれ減じて算出している - 67 -

図表 4-(1)-4 医師事務作業補助体制加算の取得状況 ( 平成 25 年度 ) ( 機関 ) 25 20 20 22 15 15 10 10 10 9 9 5 6 0 15 対 1 20 対 1 25 対 1 30 対 1 40 対 1 50 対 1 75 対 1 100 対 1 2 104 医療機関のうち加算の届出内容を把握できた 101 機関について作成した 図表 4-(1)-5 急性期看護補助体制加算の届出状況 ( 平成 25 年度 ) ( 単位 : 機関 %) 区分 500 床以上 500 床未満 合計 届出あり 51( 98.1) 85( 94.4) 136( 95.8) 届出なし 1( 1.9) 5( 5.6) 6( 4.2) 合計 52(100) 90(100) 142(100) 2 ( ) 内は構成比である 図表 4-(1)-6 看護補助者の配置状況 ( 単位 : 機関 人 ) 区分 平成 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 届出医療機関数 120 130 134 136 配置数 3,525 4,241 4,788 5,325 1 医療機関当たりの配置数 30.7 33.4 36.5 39.7 2 届出医療機関数 には 配置数を把握できなかった医療機関( 平成 22 年度 5 機関 23 年度 3 機関 24 年度 3 機関 25 年度 2 機関 ) も含む 3 1 医療機関当たりの配置数 は 届出医療機関数から 配置数を把握できなかった医療機関 ( 平成 22 年度 5 機関 23 年度 3 機関 24 年度 3 機関 25 年度 2 機関 ) をそれぞれ減じて算出している - 68 -

図表 4-(1)-7 急性期看護補助体制加算の取得状況 ( 平成 25 年度 ) ( 機関 ) 80 70 60 75 50 40 30 41 20 10 0 25 対 1 50 対 1 75 対 1 12 2 136 医療機関のうち加算の届出内容を把握できた 128 機関について作成した 図表 4-(1)-8 医師事務作業補助者の配置に関する医療機関からの主な意見 電子カルテ操作や各種書類作成などの代行により 医師は診療行為に専念でき 外来診療時間 ( 患者待ち時間 ) を短縮できている 病院全体の医師の超過勤務時間の縮減 ( 平成 24 年 4 月 2,215 時間 25 年 4 月 2,068 時間 ) など医師の負担を軽減することにつながっており 効果を上げている 医師事務作業補助者を配置した平成 20 年から年々医師の休暇取得日率が上昇 ( 平成 20 年 8.9% 24 年 14.0%) している 診断書の発行期間について 配置前は3 週間から1か月程度かかっていたものが 2 週間以内に交付できるようになり 患者等からの交付が遅いといったクレームが激減している ( 注 ) 当省の調査結果による 図表 4-(1)-9 看護補助者の配置に関する医療機関からの主な意見 看護部の時間外手当の総額の減少 ( 平成 21 年度 35,464 千円 22 年度 17,266 千円 ) や年次有給休暇の取得日数の増加 ( 平成 21 年度 4.4 日 24 年度 6.5 日 ) といった負担軽減に役立っている 看護補助者が日常生活の援助を中心とした業務を担うことで 看護師は専門性を必要とする診療の補助業務に専念することができている 従前は看護師が行っていた書類作成や説明事項などの入退院手続 電話対応 簡易なデータ入力等を看護補助者が行うことで 看護師が本来業務に割り当てられる時間が増えている 看護師の離職率が年々下がっており ( 平成 18 年度 19.1% 24 年度 5.4%) その一因として 看護補助者が看護師の負担軽減に役立っていることが考えられる ( 注 ) 当省の調査結果による - 69 -