資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

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H28秋_24地方税財源

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1. 口座管理機関 ( 証券会社 ) の意見概要 A 案 ( 部会資料 23: 配当金参考案ベース ) と B 案 ( 部会資料 23: 共通番号参考案ベース ) のいずれが望ましいか 口座管理機 関 ( 証券会社 ) で構成される日証協の WG で意見照会したところ 次頁のとおり各観点において様々

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

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地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

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消防災第 71 号 平成 22 年 2 月 24 日 各都道府県消防防災主管部長殿 総務省消防庁国民保護 防災部防災課長 ( 公印省略 ) 公務員の消防団への入団促進について ( 通知 ) 消防団員は 普段はそれぞれに他の職業をもつ地域住民により構成され 非常災害が発生した際に 自らの地域は自らで守

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道州制基本法案(骨子)

市町村合併の推進状況について

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

1 一般市 町村等 ( 人口 20 万未満 ) におけるシステム共同化の課題の検討 資料 10 現状で 自治体クラウドによるシステム共同化が比較的進んでいる一般市 町村等 ( 人口 20 万未満 ) について システム共同化に至っていない団体は どのような点を課題と認識しているのか 一方で その課題

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資料3

規制の事前評価の実施に関するガイドライン(素案)

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農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要

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別紙2

スライド 1

災害救助法による応急救助の実施概念図

県と市町村の役割分担の基準

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私立幼稚園の新制度への円滑移行について

目 次 1 林地台帳の公表 情報提供 1-1 公表 情報提供の範囲 1-2 公表の方法 1-3 情報提供の方法 2 林地台帳の修正 更新 2-1 修正申出の方法 2-2 情報の修正 更新手順 3 林地台帳管理システム 3-1 管理システムの機能 3-2 林地台帳情報と森林資源情報の連携 4. 運用マ

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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スライド 1

改正法律一覧 (15 法律 ) 2 法律重複 A 地方公共団体への事務 権限の移譲 (3 法律 ) 毒物及び劇物取締法 1 毒物又は劇物の原体の事業者の登録等に係る事務 権限を国から都道府県へ移譲 就学前の子どもに関する教育 保育等の総合的な提供の推進に関する法律 子ども 子育て支援法 2 幼保連携

避難所講演資料

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

事務連絡 平成 29 年 10 月 25 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 平成 28 年熊本地震の被災地域での建設工事等における 予定価格の適切な設定等について 公共工事の予定価格の設定については 市場における労務及び資材等の最新の実勢価格を適切に反映させつつ 実際の施工

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

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平成27年国勢調査の5つのポイントと12の新たな取り組み

緊急緊急消防援助隊について消防援助隊の概要 目的 地震等の大規模 特殊災害発生時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保 創設の経緯等 阪神 淡路大震災での教訓を踏まえ 平成 7 年に創設 平成 15 年 6 月消防組織法の改正により法制化 平成 16 年 4 月

事務連絡平成 24 年 4 月 20 日 都道府県各指定都市介護保険担当主管部 ( 局 ) 御中中核市 厚生労働省老健局総務課高齢者支援課振興課老人保健課 大規模災害時における被災施設から他施設への避難 職員派遣 在宅介護者に対する安全確保対策等について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東

各委員提出資料

そもそも議会側から招集請求をしているにも関わらず 長がこれに応じないことは想定されていないが 今 そういう事態が生じていることから 何らかの法的な手当てを考え 解決を図るべきではないか 長が議会の招集請求に応じない場合の問題解決について 幾つかの考え方がある 一つは 住民なりその自治体の中で解消すべ

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(3) 続いて 部会構成員で議論を行った 論点ごとの主な意見等は以下のとおりである ( : 部会構成員の意見 ) 1 総論的な事項 ⅰ 権限移譲等を検討するに当たっては マクロ的な課題 ( 農地の総量確保の仕組みなど ) とミクロ的な課題 ( 個々の農地転用 農振除外など ) に整理して考えるべきで

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版 知る前契約 計画 に関する FAQ 集 2015 年 9 月 16 日 有価証券の取引等の規制に関する内閣府令が改正され いわゆる 知る前契約 計画 に係るインサイダー取引規制の適用除外の範囲が拡大されています 日本取引所自主規制法人に寄せられる 知る前契約 計画 に関する主な

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〇用語 個人情報保護法 個人情報の保護に関する法律のこと 現行保護法 現行の個人情報の保護に関する法律のこと 改正法 保護法 法 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律 ( 平成 27 年 9 月 9 日法律第 65 号

03-1知事会提言かがみ文

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

平成 30 年度事業報告 一般財団法人自治体衛星通信機構 当機構は 地方公共団体等において通信衛星を共同利用するための設備を設置し 運用することによって 防災情報及び行政情報の伝送を行うネットワークの整備促進を図り もって地域社会における情報通信の高度化及び地域の振興に寄与することを目的として平成

税源配分及び財政調整 < 税源配分 > 特別区と大阪府の事務分担に応じて財源を配分するとともに 特別区間の税源偏在の解消を図るために必要な税財源を大阪府の税源として配分 特別区税 大阪府が賦課徴収する税を除く市町村税( 個人市町村民税 市町村たばこ税 軽自動車税等 ) 大阪府税 市町村税のうち法人市

既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

特定個人情報の取扱いの対応について

大規模災害時における罹災証明書の交付等に関する実態調査-平成28年熊本地震を中心として-

平成 26 年地方分権改革に関する提案募集要項 内閣府地方分権改革推進室 1 趣旨内閣府地方分権改革推進室では 地方分権改革に関する提案募集の実施方針 ( 平成 26 年 4 月 30 日地方分権改革推進本部決定 ) に基づき 地方分権改革に関する全国的な制度改正に係る提案を募集します 2 提案の主

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介護保険施設等における利用者の安全確保及び非常災害時の体制整備の強化・徹底について

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このような周辺状況の変化に対応し 諸課題の解決を図るべく 基本法及び第三次循環型社会形成推進基本計画に沿って 廃棄物処理法やリサイクルの推進に係る諸法等に基づく制度の適切な実施と相まって 改めて大量生産 大量消費 大量廃棄型の従来の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し 社会における高度な物質循

新たな外国人材受入れ制度の検討経緯及び概要 平成 30 年 7 月 12 日 経済産業省 製造産業局 今年 2 月 20 日の経済財政諮問会議において 総理から以下の指示 安倍政権として いわゆる移民政策をとる考えはありません この点は堅持します 他方で 5 年間のアベノミクスによって 有効求人倍率

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各省庁等における業務継続計画に係る取組状況調査 調査の目的 各省庁等における現在の業務継続計画に係る取組状況を把握し 東日本大震災等を受けた 今後の業務継続計画の改善策を検討するための資料とする 調査の対象 中央省庁業務継続連絡調整会議構成機関 オブザーバー機関 29 機関 構成員 :23 機関内閣

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

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資料 4 平成 26 年報告書に提言された取組のうち 回収率目標達成アクションプラン以外の取組状況について 平成 29 年 12 月 4 日 経 済 産 業 省 環 境 省

九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

地方財政論

1 地域主権改革 Q1-6 市町村の人口規模はどのぐらいが適正かについて どういう議論があるのですか A1-6. 市町村の適正な人口規模について 大阪府自治制度研究会 においては 次のような検証 とりまとめがされています 検証 効率的な行政運営 備えるべき組織体制 望ましい行政サービス提供の 3 つ

Ⅱ. 主な内容 第 1 部公益法人の概況 1. 法人数 平成 29 年 12 月 1 日の公益法人は 9,493 法人 ( 前年比 +35) である 公益法人数の変動は 公益認定又は移行認定により増加し 法人の解散 公益認定の取消し及び合併に伴う減少がある ( 注 ) 公益認定 : 一般法人で公益認

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なお 本通知は 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 245 条の 4 第 1 項の規 定に基づく技術的助言として発出するものであることを申し添える 2

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高齢者の場合には自分から積極的に相談に行くケースは少なく 表面化率は一層低いと考えなければならないこと したがって PIO-NETデータはきわめて重要なデータとして尊重すべきものであるとの意見があったことを追加頂きたい 2 理由などこの点については 調査会でも意見が出されています また 国民生活セン

「犯罪被害者等の安全・安心の確保」への取組状況及び今後の方針

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個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

資料 3 平成 28 年経済センサス - 活動調査の実施時期 経済センサス 活動調査は 我が国の全産業分野における事業所及び企業の経済活動の実態を全国及び地域別に明らかにするとともに 事業所及び企業を調査対象とする各種統計調査の精度向上に資する母集団情報を得ることを目的に 平成 24 年に総務省統計

国費投入の必要性 事業の効率性 事業の有効性 関連事業 事業所管部局による点検 改善 項目 評価 評価に関する説明 事業の目的は国民や社会のニーズを的確に反映しているか 被災者の資力やニーズを踏まえた効率的 効果的な住まいの確保策に関する調査等を行っている 地方自治体 民間等に委ねることができない事

つに分けて契約した事態について内部牽制が機能していなかった イ 監査の状況 監事 監査室 経理課総務監査係等 公認会計士の各監査機関等において 監査対象の重複 漏れが極力生じないよう 各監査機関等が監査計画を調整するなどして 効率的 効果的な監 査を行うことが必要だが いずれの監査機関等も 本件の契

この制度は 2003 年 9 月 2 日から施行され 旧 地方自治法 244 条の2による管理委託を行ってきた 公の施設 の場合は 3 年間 ( 経過措置 ) の間に自治体が指定管理者制度に移行することになっている 現時点で 指定管理者制度導入のため 1 指定の手続きについて一般ルールとして定めた自

国家公務員の大幅な削減(常勤約3 7千人 非常勤約6 9千人)社会保険庁の抜本改革について 社会保険庁の問題点 国民の視点に 立っていない サービス 予算執行 の無駄 非効率な 業務運営 保険料徴収 の不徹底 内部統制 ( ガバナンス ) の不足 個人情報の不適 切な取り扱い 業務改革緊急対応プログ

ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災

はじめに 道では 北海道行政基本条例 に基づき 道政の基本的な方向を総合的に示す計画として 新 北海道総合計画 を策定し 政策展開の基本方向の一つとして 安心で心豊かな北海道ライフスタイル を掲げ 安全 安心な生活の確保 に向け 防災 減災の体制づくり を進めています 保健福祉部では 特に 子ども

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柔軟で弾力的な給付設計について

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資料 1 第 3 回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答 疑問点 1. 東日本大震災と熊本地震の状況 回答 平成 26 年 地方分権改革に関する提案募集 での議論 平成 27 年 1 月 30 日の閣議決定において 災害救助法の改正は必要ないとされたところ それ以降の法改正を検討する環境の変化は生じておらず また平成 29 年 6 月の 中間整理 以降の状況が不透明である 東日本大震災と熊本地震の状況について それぞれ宮城県と仙台市 熊本県と熊本市に確認したところ 事務委任によって救助に支障が生じたかどうかについては 県と市双方の主張があり 何が事実であったかを確定することは困難である しかし 認識の齟齬やそれに基づく対応が生じたこと自体は事実であり 大規模災害発生時に数多くの事務処理を迫られる中で 被災者と直接向き合って事務を執行する政令指定都市と 財源を負担し責任を有する都道府県との間では 今後も容易に起こり得ると考えられるところである そこで 現行の 事務委任 に加えて 地域の実情に応じて取り得る選択肢の一つとして 大規模災害時の被災者の万全を期すために 財政負担を含めて事務処理能力があり 都道府県と調整 連携体制がとれる政令指定都市について 権限移譲することを提案したものである なお 中間整理以降 関係者のご意見を伺った上で 内閣府としてこの案を提案させていただいたところである 2. 東日本大震災と熊本地震の状況に対する評価 東日本大震災と熊本地震の状況に対する評価 の中で 新たな制度構築を提案しているが 被災者に向き合って事務を執行するのは 政令指定都市特有のものではなく 基礎自治体である市町村が対応する共通のものであるため 政令指定都市に限り権限移譲する論拠に乏しい 災害救助法が適用されない災害であれば 救助の事務は基本的に市町村の事務であり 災害救助法が適用される災害に限って国や県が財源負担を伴い 都道府県が救助の実施主体となる制度となっている 事務の性格からすれば 市町村が救助の実施主体となることは否定できないが 大規模災害に対応すべき自治体の規模を考えたときに 小さな市町村では財政面等の要因により難しいことから 県と同様の一定の規模の財政力を持つ政令指定都市に限定して権限移譲するといったスキームを提示したところである 1

3. 現行の委任方式の限界と見直しの方向性 現行の委任方式の限界 と記載されているが 災害時の迅速な救助活動のためには 救助主体は 一元化し シンプルに対応する必要があり 現行制度で対応できるため 現行制度を堅持していくべきものではないか 今回の見直しは 地域の実情において取り得る選択肢の一つとして 財政力等がある政令指定都市の資源を 都道府県の広域調整権のもとに 有効に活用するシステムとして提案したものであり 災害救助法の事務の主体は分かれるが 資源配分を含め都道府県の広域調整のもと 効率的に執行することが可能となると考えている なお 今回の見直しによっては 都道府県の役割に何ら変更が加えられるものではなく 災害対応における指揮系統が二元化されるものではない 災害時は 国においても 権限を一元的に行使しているわけではなく 各種法令に基づき各省庁が権限を行使しており とりまとめ官庁 ( 内閣官房 内閣府防災担当 ) が調整を行っていることが実態である 同様に 都道府県レベルにおいても 警察や市町村等がそれぞれ対応しており 都道府県の防災部局などのとりまとめ部署が調整を行っていることが実態である 広域的な災害の場合 近隣の市町村との均衡を図るとともに各資源が政令指定都市に集中していることから 権限委譲した政令指定都市との調整を図らねばならず 事務負担の軽減にならず 救助の妨げになる可能性もある 権限移譲が行われた政令指定都市と他の市町村との公平均衡という面は重要であるが 大規模災害時には人命を守ることが最優先であり 真に必要かつ緊急性が高い地域について重点的に救助活動を行う必要性については否定されないものである そうした中で 救助内容に地域間格差が生じないように いかに災害対応を進めていくのかについては まさに都道府県の資源配分機能に求められているところである 現時点においても 都道府県は政令指定都市を含めた被災市町村の意向を確認しつつ 国と特別基準に関する協議等を行っており 今回の権限移譲で発生する都道府県と権限移譲された政令指定都市との間の調整事務が 追加で新たな負担として生じるとは考えにくく むしろ 特別基準に関する国との協議事務が都道府県の経由事務からなくなることから 事務負担は軽減されることとなると考えられるところである 2

4. 具体的な権限移譲の仕組み (1) 指定制度 ( 仮称 ) の創設 権限移譲された政令指定都市と事業執行及び国との特別基準内容について調整しなければならないため かえって調整は困難になるおそれがあり 政令指定都市以外の広域調整に注力できることにはならない 現時点においても 都道府県は政令指定都市を含めた被災市町村の意向を確認しつつ 国と特別基準に関する協議等を行っており 権限移譲された政令指定都市との特別基準内容についての調整は新たな負担とはならないと考えているところである また 政令指定都市に権限移譲することにより 特別基準に関する協議等の事務負担や当該政令指定都市への救助費用の負担がなくなり 他の市町村に人員的にも財政的にも集中できることから 結果的に政令指定都市以外の広域調整に注力できると考えているところである 権限移譲を希望する政令指定都市に限定していることに対する説明がなく そもそも希望の有無及び基準の適合で政令指定都市を災害救助法の救助主体とすべきでない (3) 都道府県の広域調整機能を明確化 救助の主体を分割することにより 都道府県の広域調整機能及び適正な資源配分機能が損なわれるおそれがある 大規模災害に対応できる自治体の規模を考えたときに 組織 財政面などの観点から 都道府県と同様の一定の規模の財政力を持つ政令指定都市に限定して移譲できるスキームを提示したところである しかし 都道府県と政令指定都市の社会的 経済的位置関係も様々であり 人口規模や面積 財政力指数で見ても 20 市の政令指定都市の間には大きな差があるのが実態である このことから 地域の実情において取り得る選択肢の一つとして 都道府県の広域調整権のもとに しっかりと連携できる政令指定都市に限定して権限移譲できるシステムとして提案させていただいたところである 現時点においても 都道府県は政令指定都市を含めた被災市町村の意向を確認しつつ 国と特別基準に関する協議等をすることにより 都道府県の広域調整機能及び適正な資源配分機能を果たしていることが実態である 救助主体の多様化に併せて 今回の提案では 災害救助法の改正により都道府県の広域調整機能を明確化することとしており より一層の広域調整の実施を期待できるものである 3

報告の義務付け等 情報共有の仕組みのみで道府県の広域調整権が担保されるとは考えられず これをもって道府県の広域調整機能が現実に機能するのは難しい 報告 情報共有の仕組みなど 都道府県と政令指定都市の調整 連携体制の詳細について定めることとなる内閣総理大臣の指定基準については 法成立後 関係者による会議を経て策定することとしている 調整 連携体制の具体的なイメージとしては 都道府県と政令指定都市を含めた市町村で平時に協議の場を持ち 予め災害救助に係る資源調達 配分の計画を作成し 災害時には その調整のための協議の場を用い 情報共有 調整を行っていくというものを念頭としているところである 参考資料の 権限移譲後における災害対応の展開 の中で 道府県の 広域 総合調整機能 とあるが 権限委譲後に政令指定都市が実施する 災害救助 について 道府県の 広域 総合調整機能 が優先されるのかが不明確である 今回の権限移譲は 都道府県と政令指定都市がしっかりと連携 調整体制がとれることを前提としたものであり その旨は内閣総理大臣の指定基準にも明示することとしている また 都道府県が食糧や住宅などの資源の調達 配分計画を策定し 政令指定都市はその計画のもとで救助を実施する仕組みとすることとしている そうした中で 資源配分における都道府県の広域調整権のもと 飲食料供給 仮設住宅の整備などの事務について 権限移譲された政令指定都市が実施するものである 5. 救助基準の見直し 今回の資料には 救助基準の見直し について記載されており 道府県としては 罹災証明書発行業務等の対象範囲の拡大や 救助の期間及び基準額の見直しといった運用の改善を図ることが重要であるため 引き続き検討 協議をさせていただきたい 災害救助に関する実務検討会 などを通じて寄せられた救助基準の在り方についての問題提起に対しては 法改正後も 引き続き関係者と意見交換をし 議論を深め 必要があれば 適宜見直しをしてまいりたい 具体的な意見交換の場などについては 今後 調整を図らせていただきたい 4

6. その他 道府県からの理解を得られていないにもかかわらず 移譲ありきの法改正は実施すべきでなく 丁寧で慎重な議論をお願いする また 道府県においては 委任方式により災害救助法でめざす救助は可能と考えており 引き続き 内閣府からの事務連絡にて 事務委任に関する事前の取り決めを行うなど 適切な実施が求められており 各道府県において取組が進むよう働きかけを行っていく 道府県側から出された疑問点等については しっかりと整理をした上で 丁寧にお答えをしつつ 内閣府案に理解が得られるように 引き続き努力してまいりたい 今回の内閣府案は地域の実情において採りうる選択肢を示したものであり 現行の事務委任制度とはあいまって 大規模 広域的災害に備えるものとしてご提案させていただいたことにご理解いただきたい 5