キャッシュレス決済に関するアンケート調査 調査結果の概要 現在のキャッシュレス決済はクレジットカードが主流で 9 割が所持 スマホを利用した決済の使用者は約 2 割 デビットカードは約 1 割 岐阜県は愛知県や全国より電子マネーの使用が少ない ネットショッピングと高速道路ではクレジットカードが現金に代わる決済手段になっている キャッシュレス決済の利便性 お得感は消費者に高評価 ただし 100% キャッシュレス まではまだ時間がかかりそう キャッシュレス決済普及の課題は 今キャッシュレス決済を利用していない人に利用のきっかけをつくれるか 調査要領 1. 調査方法 インターネットによるアンケート調査 2. 調査内容 キャッシュレス決済手段に対する意識調査 3. 調査期間 2018 年 8 月 2 日 ~8 日 4. 回答状況 有効回答 1,260 名回答者の内訳は図表 1のとおり 図表 1 回答者の内訳 ( 人,%) 地域別 ( 人,%) 年齢別 岐阜県 愛知県 全国 合計 男性 女性 計 構成比 男性 女性 計 構成比男性 女性 計 構成比男性 女性 計 構成比 男性 女性 計 構成比 岐阜県 210 210 420 33.3 20 歳代 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 126 126 252 20.0 愛知県 210 210 420 33.3 30 歳代 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 126 126 252 20.0 全国 210 210 420 33.3 40 歳代 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 126 126 252 20.0 合計 630 630 1,260 100.0 50 歳代 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 126 126 252 20.0 ( 注 ) 端数を四捨五入しているため 60 歳以上 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 42 42 84 6.7 126 126 252 20.0 内訳の合計等が合致しない場合がある 合計 210 210 420 33.3 210 210 420 33.3 210 210 420 33.3 630 630 1,260 100.0 1. 調査の目的 2018 年 4 月 経済産業省は キャッシュレス ビジョン を公表し 2027 年 6 月までにキャッシュレス決済比率を 40% 程度とすることを目標に掲げた 現在のわが国のキャッシュレス決済比率は 18% 程度とされ 韓国の 89% や中国の 60% と比 較して低い 今後 キャッシュレス社会の実現に向けてさまざまな方策が実施されていくものと思われるが 当地域をはじめとする消費者のキャッシュレス決済に対する意識や行動はどのようになっているのか アンケート調査を実施した 2. キャッシュレス決済の浸透度 ~クレジットカードは9 割が使用 モバイル決済とデビットカードは少数 ~ クレジットカード カード型の電子マネー モバイル決済 デビットカードの 4 種類の決済手段 十六総合研究所 1
( 以下 カードなど ) を普段何枚 ( モバイル決済の場合は何種類 ) 使っているかたずねた ( それぞれの決済手段の定義は別表を参照 ) 各決済手段について 1 枚以上使用している人と全く使用していない人の割合は 岐阜県 愛知県 全国でそれぞれ表のようになった クレジットカードを使用している人の割合 ( 以降 便宜的に使用率と表記する ) は岐阜県 89.0% 愛知県 89.0% 全国 86.7% と 岐阜 愛知は全国と比較して若干使用率が高く 約 9 割の人がクレジットカードを使用している結果となった 電子マネーの使用率は 岐阜県 65.7% 愛知県 76.7% 全国 79.0% で 岐阜県での使用率は全国と比較して 13.3 ホ イント低かった モバイル決済の使用率は 岐阜県 22.1% 愛 知県 19.8% 全国 21.0% であった デビットカードの使用率は岐阜県 12.6% 愛知県 14.5% 全国 17.6% と 岐阜 愛知は全国と比較して使用率が低かった 使用している枚数をみると クレジットカードと電子マネーでは 1 枚 ~5 枚以上まで結果が分か 調査対象のキャッシュレス決済手段 クレジットカード カード型の電子マネー ( チャージ可能な IC カードやプリペ イドカード nanaco suica waon など ) モバイル決済 ( スマートフォンを使用した決済方法 おサイ フケータイ Apple Pay アプリによる QR コード読取など ) デビットカード ( 銀行等の預金口座から 買い物と同時に代 金の引き落としを行うカード ) 各決済手段の使用率 ( 全国との比較 ) (%) クレジットカード電子マネーモバイル決済デビットカード 使用 不使用 使用 不使用 使用 不使用 使用 不使用 岐阜県 89.0 11.0 65.7 34.3 22.1 77.9 12.6 87.4 愛知県 89.0 11.0 76.7 23.3 19.8 80.2 14.5 85.5 全国 86.7 13.3 79.0 21.0 21.0 79.0 17.6 82.4 各決済手段の使用率 ( 当地域男女別 年齢階層別 ) (%) クレジットカード電子マネーモバイル決済デビットカード 使用不使用使用不使用使用不使用使用不使用 男性 86.9 13.1 66.2 33.8 25.0 75.0 18.3 81.7 女性 91.2 8.8 76.2 23.8 16.9 83.1 8.8 91.2 20 代 83.9 16.1 82.7 17.3 22.6 77.4 17.3 82.7 30 代 84.5 15.5 65.5 34.5 23.2 76.8 14.3 85.7 40 代 91.1 8.9 70.8 29.2 24.4 75.6 14.3 85.7 50 代 92.9 7.1 72.0 28.0 21.4 78.6 11.9 88.1 60 代以上 92.9 7.1 64.9 35.1 13.1 86.9 10.1 89.9 れたが モバイル決済とデビットカードでは使用していない人が大多数であり 2 枚以上所有して使い分けている人は少数であった 次に 岐阜 愛知 ( 当地域 ) の回答者に絞って男女別でみると 表のようになった クレジットカードと電子マネーは女性の使用率の方が高く 反対にモバイル決済 デビットカードは 男性の使用率が女性を上回った 年齢階層別にみると クレジットカードは年齢が上がるほど使用率が上がり デビットカードは反対に年齢が若いほど使用率が上がった また 電子マネーの使用率は 20 代が最も高く 82.7% であった 若い世代は チャージ式や即時引落としなどの方が お金の管理がしやすいと感じているのかもしれない 十六総合研究所 2
3. 使用頻度 ~ 使用枚数が多いほど使用頻度が高い ~ 次に 前問でカードなどを使用していると回答る人のうち 週に 1 回以上使用する人の割合がした人に 頻度をたずねた クレジットカードの 30.6% であったのに対し 5 枚以上使用している人使用頻度は 週に 1 回以上 と 月に 1 2 回程では 71.6% であった 電子マネーも同様で 1 枚度 で 8 割以上を占めた 電子マネーは両者をあ使用している人では 26.7% が週に 1 回以上使用しわせて約 7 割であった ていたが 5 枚以上使用している人は 83.3% が週使用枚数との関係をみると 概ね 使用枚数がに 1 回以上使用している 多くの種類 枚数を使多い人ほど 使用頻度が高い傾向があった クレっている人はその使用頻度も高く 現金を使わずジットカードについて 1 枚のカードを使用していカードなどを使用したり いくつかの種類を使い分けたりしていると考えられる 4. 場所による違い ~ネットショッピングと高速道路はクレジットカードが現金に代わる決済手段に~ 次に 支払いをする場所によって 決済手段にビットカードは ネットショッピング で 2.4% で違いがあるかを調べた 11 の店や支払いについて あったが その他はほとんど選択されなかった どんな決済手段を使用しているかを複数回答でた一方 決済手段として現金 ( 振込 口座振替含ずねた む ) を選択した人が最も少なかったのは 高速道クレジットカードが最も使用されているのは路料金 で 13.8% であった 次いで ネットショ ネットショッピング で 75.8% であった 2 ッピング で 18.1% ガソリンスタンド 32.1% 位は 高速道路料金 で 64.6% 3 位は ガソリであった クレジットカードが多く利用されていンスタンド で 56.2% であった 電子マネーが最る場所では 現金決済が比較的少なく クレジッも利用されているのは 公共交通機関 で 36.5% トカードへの代替が進んでいる 高速道路の料金 2 位は コンビニエンスストア で 31.4% 3 位は所やネットショッピングでは スムーズに決済を スーパーマーケット で 21.2% であった モバ終えることが他の買い物などに比べて重要になるイル決済は コンビニエンスストア で 7.7% デほか ガソリンスタンドでは専用カードでの割引があることなどが理由と考えられる 十六総合研究所 3
百貨店では比較的高額な買い物が多いことや ショッピングモールなどの専門店では 専用のクレジットカードでのポイント還元など お得に買い物ができる仕組みがあるためと考えられる 反対に 最も現金の割合が高かったのは 飲食店 で 78.5% であった 飲食店では クレジットカードも 40.8% と比較的高い割合であった 金額やどのような飲食店かによって 決済手段を使い分けている人が多いのかもしれない 現金の割合が二番目に高かったのは コンビニエンスストア で 69.8% であった コンビニでは電子マネーの利用が進んでいるが 現金に代わる存在にまではなっていない 3 番目に多かったのは スーパーマーケットで 67.6% であった ここでは クレジットカードが 42.1% 電子マネーが 21.2% と 決済手段は比較的分散している 決済手段別上位 3 位 (%) クレジットカード (ETC) 電子マネーモバイル決済デビットカード 現金 ( 振込 銀行口 座振替含む ) また 百貨店 専門店 でも現金が 45.0% と半 数を下回り クレジットカードが 53.7% となった 1 2 3 ネットショッピング 公共交通機関 コンビニ ネットショッピング 飲食店 75.8 36.5 7.7 2.4 78.5 高速道路料金 コンビニ ドラッグストア 飲食店 コンビニ 64.6 31.4 2.7 2.0 69.8 ガソリンスタンド スーパー ネットショッピング ドラッグストア スーパー 56.2 21.2 2.6 1.7 67.6 5. 考え方 ~ キャッシュレスの利便性 お得感は高評価 ~ 決済手段に対する考え方について それぞれ そう思う そう思わない どちらでもない から選択してもらった そう思う と答えた人が最も多かったのは カードなどはポイントがたまるのでお得だ で 81.0% であった 2 位は カードなどの方が会計がスムーズにできる で 67.7% 3 位は 手数料 を払ってまでカードを持つのはもったいない で 65.5% であった このほかに そう思う が半数を超えたものは 不正利用が心配 (65.0%) 使いすぎが心配 (57.7%) といった不安や 買い物の履歴が残るのが便利 (58.9%) ATM でお金をおろすのは面倒 (56.0%) があった 十六総合研究所 4
そう思わない と答えた人が最も多かったのは 現金だけあればカードなどは必要ない で 53.8% 2 位は スマホで支払ができれば 財布を持ち歩く必要はない で 47.4% 3 位は 現金が使えない店 ( カード払い モバイル決済のみ ) があってもいいと思う で 38.9% であった ポイントがたまるお得感や会計のスムーズさ 利便性を評価する一方で 現金が使えないなど決済手段が限定されることに対してや 不正利用などには否定的な見方をする人が多いことがわかった しかしながら 総じてマイナス面よりプラス面を評価する人が多い結果となった 5. 今後の利用意向 ~ 今利用していない人に利用したいと思わせることができるか~ 4 種類の決済手段について 今使用している人に 今後の利用意向をたずねた クレジットカードは 今より活用したい が岐阜県 20.9% 愛知県 22.5% 全国 21.4% 今と同じくらい利用していきたい が岐阜県 64.7% 愛知県 66.6% 全国 63.5% であった 両者を合わせると岐阜県 85.7% 愛知県 89.1% 全国 84.9% となり 岐阜県と愛知県は全国と比較してクレジットカードの利用に前向きな結果となった 電子マネーは 前向きな利用意向が岐阜県 82.6% 愛知県 88.2% 全国 85.3% となり 岐阜県は愛知県や全国と比較して少なかった しかし 今より活用したい は全国や愛知県と比較して多かった 次に それぞれの決済手段を現在利用していない人の今後の意向をみると いずれの決済手段についても ( 今は利用していないが ) 今より活用したい と答えたのは1 割未満と極めて少なく 今利用していない人が今後利用する可能性は低い 十六総合研究所 5
また 電子マネー モバイル決済 デビットカードの3つは クレジットカードと比較して わからない と答えた人が多かった 仕組みや使い方が十分に知られているクレジットカードに比べて ほかの3 種類は浸透していないためとみられる 今後キャッシュレス化を推進するにあたっては 今 現金以外の決済手段を使っていない人たちに使ってみたいと思ってもらうこと そのためには仕組みをよく知ってもらうことや 不正利用防止などに対しての対策を進めていく必要があるだろう ( 研究員稲田博美 ) 十六総合研究所 6