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補足 : 妊娠 21 週までの分娩は 流産 と呼び 救命は不可能です 妊娠 22 週 36 週までの分娩は 早産 となりますが 特に妊娠 26 週まで の早産では 赤ちゃんの未熟性が強く 注意を要します 2. 診断 どうなったら TTTS か? (1) 一絨毛膜性双胎であること (2) 羊水過多と羊

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2. 診断 どうなったら TTTS か? 以下の基準を満たすと TTTS と診断します (1) 一絨毛膜性双胎であること (2) 羊水過多と羊水過少が同時に存在すること a) 羊水過多 :( 尿が多すぎる ) b) 羊水過少 :( 尿が作られない ) 参考 ; 重症度分類 (Quintero 分類

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その最初の日と最後の日を記入して下さい なお 他の施設で上記人工授精を施行し妊娠した方で 自施設で超音波断層法を用いて 妊娠週日を算出した場合は (1) の方法に準じて懐胎時期を推定して下さい (3)(1) にも (2) にも当てはまらない場合 1 会員各自が適切と考えられる方法を用いて各自の裁量の

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15 第1章妊娠出産子育てをめぐる妻の年齢要因

診療のガイドライン産科編2014(A4)/fujgs2014‐114(大扉)

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桜町病院対応病名小分類別 診療科別 手術数 (2017/04/ /03/31) D12 D39 Ⅳ G64 女性生殖器の性状不詳又は不明の新生物 D48 その他及び部位不明の性状不詳又は不明の新生物 Ⅲ 総数 構成比 (%) 該当無し Ⅰ 感染症及び寄生虫症 Ⅱ 新生物 C54 子宮体部

児に対する母体の甲状腺機能低下症の影響を小さくするためにも 甲状腺機能低下症を甲状腺ホル モン薬の補充でしっかりとコントロールしておくのが無難と考えられます 3) 胎児 新生児の甲状腺機能低下症 胎児の甲状腺が生まれながらに ( 先天的に ) 欠損してしまう病気があります 通常 妊娠 8-10 週頃

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AID 4 6 AID ; 4 : ; 4 : ; 44 : ; 45 : ; 46 :

表 Ⅰ-3 分娩週数別件数 分娩週数 件数 % 満 28 週 満 29 週 満 30 週 満 31 週 満 32 週 満 33 週 満 34 週 満 35 週 満 36 週 満 37


します また 血小板減少症などの診断にもなります 血糖糖尿病が妊娠をきっかけに発見されたり 既に糖尿病に罹っていて 妊娠中に発見されることがあります 既に糖尿病と分かっていて妊娠された場合を糖尿病合併妊娠 妊娠中にはじめて対糖能低下 ( 糖尿病の傾向 ) が指摘された場合を妊娠糖尿病といいます 糖尿

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子宮収縮薬による陣痛誘発 陣痛促進に際しての留意点 改訂 2011 年版 平成 23 年 4 月日本産科婦人科学会日本産婦人科医会 以下は 内は本書の裏表紙 本書( 子宮収縮薬による陣痛誘発 陣痛促進に際しての留意点 : 改訂 2011 年版 ) は その作成を委嘱された産婦人科診療ガイドライン産科

第 1 章序論 研究の背景妊婦の 10% は妊娠 42 週以降まで妊娠が継続すると言われている (Olesen 2003; Roos 2010) また デンマークの Olesen ら (2003) は 正期産での周産期死亡は 0.3% だが 妊娠 42 週以降では 0.4% と報告している 過期産に

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症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

正常波形外来健診時(妊娠35 週)頻脈基線細変動減少入院時 児娩出前1. 脳性麻痺発症の主たる原因別事例編 事例 33 原因が明らかではないまたは特定困難 1 産科医療補償制度脳性麻痺事例の胎児心拍数陣痛図脳性麻痺発症の主たる原因別事例編 概要 在胎週数 分娩経過 36 週リスク因子帝王切開既往出生

原因分析がすべて終了した出生年別統計原因分析がすべて終了した 2010 年出生児の概況 2019 年 3 月 29 日時点本集計の対象事例は 本制度の補償対象となった脳性麻痺事例のうち 原因分析がすべて終了した 2010 年出生児の事例 382 件である 注 ) 表に記載している割合は 計算過程にお

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様式 3 論文内容の要旨 氏名 ( 神﨑光子 ) 論文題名 周産期における家族機能が母親の抑うつ 育児自己効力感 育児関連のストレス反応に及ぼす影響 論文内容の要旨 緒言 女性にとって周産期は 妊娠 分娩 産褥各期の身体的変化だけでなく 心理的 社会的にも変化が著しいため うつ病を中心とした気分障害

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2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

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化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

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妊婦の推定感染経路 2 番目は 妊婦さんの推定感染経路です 2011 年は中国 ベトナムなど海外で感染した夫や本人です 海外からの感染に注意が必要でした ところが 2012 年は夫 同僚から妊婦さんへの感染が認められたので 同居家族 同僚のワクチン接種を勧めるよう喚起しました さらに 2013 年に

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わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

体外受精についての同意書 ( 保管用 ) 卵管性 男性 免疫性 原因不明不妊のため 体外受精を施行します 体外受精の具体的な治療法については マニュアルをご参照ください 当施設での体外受精の妊娠率については別刷りの表をご参照ください 1) 現時点では体外受精により出生した児とそれ以外の児との先天異常

8. 妊娠期から育児期まで継続したケア 9. 他職種 他施設等との連携 2. 助産師に求められる実践能力 助産師の役割と機能を踏まえ 助産師に求められる実践能力として 下記の4つの能力を設定した Ⅰ. 助産における倫理的課題に対応する能力 Ⅱ. マタニティケア能力 Ⅲ. 性と生殖のケア能力 Ⅳ. 専

産科学試験解説

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

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甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成

1) 専門研修基幹施設 藤田保健衛生大学病院 ( 総合型研修病院 ) 指導責任者 藤井多久磨 良性から悪性までの全ての婦人科疾患 母体 胎児救命を含む全ての周産期疾患 腹 腔鏡から体外受精まであらゆる生殖内分泌疾患 女性ヘルスケアなど非常に豊富な症 例をそれぞれの専門家による指導にて研修することがで

2008年10月2日

産科 妊娠悪阻 2. 常位胎盤早剥離 子宮内胎児死亡 (22 週以降 ) 5 その他 23 合計,802 3) 手術症例件数手術術式別件数 手術術式 件数 帝王切開術 52 流産手術 * 9 鉗子分娩 吸引分娩 46 骨盤位娩出術 0 頚管縫縮術 ** 3 * 自然流産 :6

当院で分娩を希望されるみなさまへ

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婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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以下の欄に 必要事項をご記入いただき 当てはまる に をご記入ください ご記入日 : 平成年月日 回答者 : 1 本人 2 代理 ( 続柄 ) ふりがなご本人氏名 : 生年月日 : 1 昭和 2 平成年月日 連絡先 記入漏れなどの確認のために 調査担当者が直接お尋ねすることがあり その際に必要となり

医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する

12_モニタリングの実施に関する手順書 

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3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

等の実施に関する達 ( 平成 20 年 12 月 25 日付 20 達第 8 号 ) の規定により指名した Ⅲ. 機構における調査の概略 1. 出血性脳血管障害について分娩時の出血性脳血管障害の発症に関して 産婦人科診療ガイドライン産科編 2011( 日本産科婦人科学会 日本産婦人科医会 ) では

目 次 Ⅰ 子育てのサポート 1 妊娠前 妊娠中のサポート 1 生理休暇 2 不妊治療の受診 3 妊娠障害 ( つわり ) 休暇 4 健康診査及び保健指導に係る休暇 5 危険有害業務の就業制限 6 深夜勤務及び時間外勤務の制限 7 通勤緩和措置 8 職員の休息等 2 出産前後のサポート 1 産前 産

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CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

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平成 29 年 8 月 1 日 平成 30 年 7 月 31 日に母子手帳を交付された方に お尋ねしています 必要事項をご記入いただき あてはまる に をつけてください ご記入日 : 平成 年 月 日 回答者 : 1 本人 2 代理 ( 続柄 ) 見問 1. 母子手帳の交付年月日 交付市区町村名をご

抗ヒスタミン薬の比較では 抗ヒスタミン薬は どれが優れているのでしょう? あるいはどの薬が良く効くのでしょうか? 我が国で市販されている主たる第二世代の抗ヒスタミン薬の臨床治験成績に基づき 慢性蕁麻疹に対する投与 2 週間後の効果を比較検討すると いずれの薬剤も高い効果を示し 中でもエピナスチンなら

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方法について教えてください A 妊娠中の接種に関する有効性および安全性が確立されていないため 3 回接種を完了する前に妊娠していることがわかった場合には一旦接種を中断し 出産後に残りの接種を行うようにしてください 接種が中断しても 最初から接種し直す必要はありません 具体的には 1 回目接種後に妊娠

ⅱ カフェイン カテキン混合溶液投与実験方法 1 マウスを茶抽出液 2g 3g 4g 相当分の3つの実験群と対照群にわける 各群のマウスは 6 匹ずつとし 合計 24 匹を使用 2 実験前 8 時間絶食させる 3 各マウスの血糖値の初期値を計測する 4 それぞれ茶抽出液 2g 3g 4g 分のカフェ

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Management of Postterm Pregnancy 過期妊娠の管理について

過期妊娠 定義 42 週 (294 日 または分娩予定日 [EDD]+ 14 日 ) 以降に伸びた妊娠 頻度 : 約 7% 正確な妊娠週数の決定週数の決定が重要

目的 過期妊娠の管理方法 妊娠中の検診 分娩誘発 これら 2つの管理方法についてエビデンスを調べ 勧告を提供する

過期妊娠の要因 延長した妊娠の原因として最も多いものは 妊娠週数の間違い 過期妊娠が本当に存在するときは 通常 原因不明 要因として考えられるもの 初産初産 または前の妊娠が過期妊娠 ( 最多 ) 胎盤サルファターゼ欠損症や胎児の無脳症 ( まれ ) 他に 男性男性側の要因 側の要因 遺伝的な素質

妊娠期間の評価 妊娠初期が最もが最も正確 妊娠後期では児の個体差のため 信頼性が低い低い 最終月経最終月経 ( 規則的な月経周期の女性 ) 超音波検査 妊娠初期の頭殿長 妊娠中期の大横径または頭囲 大腿骨長 最終月経から推定した妊娠週数が超音波検査の評価とずれた場合は 超音波による妊娠週数の評価を使用する

胎児に対する危険 周産期死亡率 ( 死産と早期新生児死亡 ) 正期産 :2~3 人 /1,000 42 週を超える妊娠 :4~7 人 /1,000 約 2 倍 43 週以降の妊娠では 6 倍以上に増加 過期妊娠は 出産時の臍帯動脈 ph 値 と 5 分のアプガースコア のリスクファクター 妊娠満 41 週 (42( 週 294 日 EDD + 14 日 ) までに 出産に向かう傾向であった

胎児に対する危険 過期妊娠は巨大児の発生率が高い ( 過期産 2.5-10% 対正期産 0.8-1% 1%) 予防的措置としての分娩誘発を支持するエビデンスはない 巨大児に伴う合併症 遅延分娩 児頭骨盤不適合 肩甲難産

胎児に対する危険 過期妊娠の胎児の約 20% に未成熟未成熟症候群未成熟 dysmaturity 症候群 症候群 : 胎盤機能不全による慢性の子宮内発育制限に似た特徴を持つ児 分娩前および分娩時の胎児のリスクリスクが増加 羊水過少による臍帯圧迫胎便吸引短期的な新生児合併症 ( 例えば低血糖 痙攣 seizures 呼吸機能不全など )

胎児に対する危険 長期的な後遺症のリスクが高いかは不明 追跡調査では 一般的な知能指数 身体的な発達や罹患率の差はない 生後 1 年以内の死亡率が高い 原因の一部は明らかに周産期合併症 ( 例えば胎便吸引症候群 ) だが ほとんどは不明

異常分娩異常分娩の増加 妊婦に対する危険 ( 過期産 9-12% 対正期産 2-7% 7%) 巨大児に関連した高度の会陰損傷高度の会陰損傷の増加の増加 ( 過期産 3.3% 対正期産 2.6%) 帝王切開帝王切開の割合の倍増 帝王切開は 子宮内膜炎や出血 血栓塞栓性疾患などの合併症の合併症の増加増加と関連 妊婦の精神面への影響 過期妊娠は 妊婦にとって相当な不安の源

Clinical Considerations and Recommendations 臨床的考察と勧告

過期妊娠の割合を減少させる介入があるか? 妊娠初期妊娠初期の超音波検査超音波検査に基づく正確正確な妊娠週数の決定 過期妊娠と診断される妊娠の発生率が低下 ( オッズ比 [ OR ] 0.68 95% 信頼区間 [ CI ] 0.57-0.82 0.82) 正期産の時期での乳房または乳頭の刺激乳頭の刺激 差はない 正期産の時期正期産の時期での卵膜卵膜剥離 有用である or 差はない

分娩前の胎児の検査は いつ開始するべきか? モニターされていない過期妊娠患者を含む研究はない ( 倫理的 法医学的考慮のため ) モニタリングの有益性を示すエビデンスはないエビデンスはない 出産前の胎児のモニタリングが過期妊娠の患者に悪い影響を及ぼすというエビデンスもない い この期間に 周産期の罹患率と死亡率が増加 エビデンスはないがはないが 過期妊娠の際に胎児のモニタリングを行うことは 広く容認された一般的な診療

EDD~ 妊娠 42 週未満 この 2 週間の後半の出産で 合併症の割合が高出産で 合併症の割合が高い 無作為試験では 妊娠 40~42 42 週の間の間の胎児のモニタリングによにより周産期の結果が改善するとは示されなかった 胎児のモニタリングモニタリングは この期間にしばしば行われる

どんな種類の妊娠中の検診を実行すべきか? 胎児の健康状態を評価する検査 nonstress test biophysical profile (BPP) 修正された BPP(nonstress test と推定羊水量 ) contraction stress test これらの検査をの検査を組み合わせるが 特定されていない より優れているとされ より優れているとされる検査る検査はない

羊水量の評価胎児の妥協 compromise または羊水過少の所見がある場合は 出産させるべき 過期妊娠における羊水量の低下に関する定義は確立されていないていない 1) ) 垂直羊水ポケットが測定不能か 深さが 2~ 3cm 以下 2) ) 羊水指数が 5 以下

どれくらいの頻度で過期妊娠の患者を 再評価すべきか? 確固とした勧告をすることはできない 多くの開業医は週 2 回の頻度で行の頻度で行っている

頸管が成熟している成熟している過期妊娠の患者に対し ては 分娩誘発と自然分娩の 分娩誘発と自然分娩の待機管理待機管理の どちらがよいのか? 出産は必ずしもたやすいとは限らない 考慮すべき因子 妊娠週数分娩前の胎児の検査結果頸管の状態自然分娩の待機の待機管理と分娩誘発のそれぞれのリスクと利点を理解を理解した後での母親の選択

分娩誘発と 自然分娩の待機待機の結果とを比較している過期妊娠の研究の多くでは 頸管が熟化したが熟化した女性は除外された 自然分娩自然分娩を待機している女性の頸管が熟化熟化すると 分娩の誘発が始められた 自然分娩の待機待機管理を受けている 頸管管理を受けている 頸管が熟化した女性の過期妊娠の研究では 自然分娩の待機待機管理が結果に有害な影響を及ぼしたという兆候はなかったが 頸管熟化の程度熟化の程度によって結果を分けてはいなかった

頸管が熟化したが熟化した過期妊娠の女性に対し 分娩誘発と自然分娩の待機の待機管理のどちらが良いのか決定するには データが不十分 しかし 分娩誘発の失敗とその後の帝王切開の危険度は低い 頸管が熟化したが熟化した過期妊娠には 一般に分娩誘発が行われる

頸管が成熟していが成熟していない過期妊娠の 患者に対し 分娩の誘発と自然分娩の 待機管理のどちら管理のどちらがよいのかか? どちらも 合併症の割合を低くし 周産期の結果を良好にする 子宮頸管熟化薬を用を用いた分娩誘発た分娩誘発が少し有益 誘発の失敗や連続した誘発の減少の減少胎児と母親の罹患率の低下医療費の削減帝王切開の割合の低下

< 最も大規模な研究 > 対象 : 妊娠 41 週で 単胎妊娠胎妊娠 低リスクの女性 3,407 人 方法 :4: 日以内に分娩を誘発するか 妊娠 44 週まで自然分娩を待つを待つかに無作為に割り当てた

結果 : 分娩誘発群 帝王切開の割合が低下 (21.2%( 対 24.5%) 患者の満足度満足度が高い 過期妊娠の原因を見極めることはできなかった

< ルーチンの分娩誘発と選択的分娩誘発を比べた 19 の研究 > 結果 : 妊娠 41 週以後のルーチンの分娩誘発 周産期死亡率周産期死亡率が低下 (OR( 0.2 95%CI 0.06-0.7 0.7) 帝王切開の割合帝王切開の割合は増加増加しない (OR 1.02 95%CI 0.75-1.38 1.38) 吸引 鉗子分娩吸引 鉗子分娩の割合や の割合や 鎮痛薬鎮痛薬の使用や 胎児心拍数異常の発生率に対する影響はない 胎便胎便による羊水羊水混濁のリスクは減少 胎便吸引症候群と新生児発作のリスクの差はない

死産の危険度妊娠 41 週では 1.04-1.27 1.27/1,0001,000 人妊娠 42 週以降では 1.55-3.1 3.1/1,0001,000 人

まとめると 妊娠 41 週でのルーチンの分娩誘発は 帝王切開の割合の上昇に付随した母親のリスクを招くことがなく胎児にとって有益である この結論は 一般的に受け入れられてはいない

過期妊娠の管理におけるプロスタグランジン 製剤の役割とは? プロスタグランジン (PG( PG) 頸管成熟を進行させ 分娩を誘発 PGE₂(dinoprostone dinoprostone) ) と PGE₁(misoprostol misoprostol) ) が使われている

< 臨床治験 > ビショップスコアが明らかに変化分娩時間が短縮オキシトシンの量が減少帝王切開の割合が減少 <National Institute of Child Health と Human Development の研究 > 初産婦で持続的な収縮を起こすのに持続的な収縮を起こすのには効果的帝王切開の割合の減少減少や出産までの間隔出産までの間隔の短縮は報告されず

PG の投与量や投与間隔投与量や投与間隔は標準化されていない 高用量の PG( ( 特に PGE₁) 子宮の急速収縮と過剰刺激のリスクの増加 低容量使用時には胎児の健康状態胎児の健康状態を評価 ( 胎児心拍数モニタリング )

過期妊娠の管理において 帝王切開後の 経腟分娩 (VBAC) は有効 は有効かか? VBAC に伴う子宮破裂のリスク 帝王切開の繰り返し (VBAC( でない ) :1.6/1,0001,000 人自然分娩 :5.2/1,000 人 PG なしの誘発誘発分娩 :7.7/1,000 人 PG による誘発分娩 :24.5/1,000 人

妊娠 40 週以降に子宮破裂のリスクが大いに増加するとは思われない妊娠 42 週以降の VBAC の有効性 安全性のエビデンスは少ない よって 強く勧告することはできない

Summary of Recommendations 勧告の概要 (1) 以下の勧告は 優れて一貫した科学的なエビデンスに基づく ( レベル A): 頸管が成熟していない成熟していない過期妊娠過期妊娠患者への対応は 分娩誘発か 自然分娩は 分娩誘発か 自然分娩の待機管理のどちらか プロスタグランジンは 子宮頸管熟化を進めて分娩を誘発する 胎児の妥協 compromise や羊水過少の所見がある場合には 出産させる

Summary of Recommendations 勧告の概要 (2) 以下の勧告は 主に意見の一致と専門家の選択に基づく ( レベル C): モニタリングは妊娠 41 週 (287( 日 ; EDD+7 日 ) ~ 妊娠 42 週 (294( 日 ; EDD+14 日 ) に開始するに開始する 羊水量の評価は妊娠 41 週から 週二回行う行う nonstress test と羊水量の評価 ( 修正された BPP) ) は重要であるは重要である 頸管が熟化しが熟化し 他に合併症のない過期妊娠患者に対しては 迅速な出産を推奨 迅速な出産を推奨する

Management of Postterm Pregnancy 過期妊娠の管理について M6 内野えりか