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平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

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各教科 科目において 基礎的 基本的な知識 技能の習得とともに 知識 技能を活用する学習活動を重視すること 各教科 科目において 義務教育と高等学校との間の系統性を重視した円滑な接続を図ること 豊かな心や健やかな体の育成のため 道徳教育の充実や健やかな心身の育成についての指導の充実を図ること 生きる

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5


管理職等育成プログラム(完成版8月28日)

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

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第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

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(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

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幼児の実態を捉えると共に 幼児が自分たちで生活をつくり出す保育の在り方を探り 主体的 に生活する子どもを育むための教育課程及び指導計画を作成する 3 研究の計画 <1 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉える 教育課程 指導計画を見直す <2 年次 > 主体的に生活する幼児の姿を捉え その要因につ

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい


平成30年度学校組織マネジメント指導者養成研修 実施要項

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

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p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

平成 26 年度 高知県学力定着状況調査結果の概要 速報版 平成 27 年 2 月 高知県教育委員会

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

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「標準的な研修プログラム《

①H28公表資料p.1~2

新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申のポイント等)

目次 教員養成 研修外国語 ( 英語 ) コア カリキュラム ダイジェスト版 について p. 1 教員養成 研修外国語 ( 英語 ) コア カリキュラムの位置付けについて p. 1 小学校教員養成課程外国語 ( 英語 ) コア カリキュラム構造図 p. 2 学習項目と到達目標 p. 3 中 高等学校

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~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

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どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

TSRマネジメントレポート2014表紙

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

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教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

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中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

算数でも 知識 (A) 問題 活用 (B) 問題とも 全領域で全国平均を上回りました A 問題では 14 問中 12 問が全国平均を上回り うち8 問が5ポイント以上上回りました 下回った2 問は 直径と円周の長さの関係理解 と 除法で表す2 量関係の理解 でした B 問題では 10 問中 9 問が

資料1 児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ(第1~第3回)における主な意見等

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メディアデザイン学科ディプロマ ポリシー メディアデザイン学科は 科学的市民 の育成という教育理念のもとに以下の資質や能力を身につけ 所定の授業 科目を履修して卒業に必要な単位を修得した学生に 学士 ( 工学 ) の学位を授与します 1. コミュニケーション力論理的な思考力 記述力 発表と議論の能力

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1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

平成28年度 小学校外国語活動 2_研究の実際(1)方向性

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

基礎を育てることを主なねらいとしている 現在 地方自治体を取り巻く状況は 少子高齢化 情報化 グローバル化 経済の変動などによ り急速に変化している また 地方分権を推進する法律がつくられ 各地方自治体は 財政の健全 化や組織の改編 市町村合併等の新しい枠組みづくりに取り組んでいる さらに 子育て支

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Transcription:

神奈川県 カリキュラム マネジメントで改善 充実の好循環へ チーム学校が パワーになる! カリキュラム マネジメントに関連するこれまでの神奈川県の取組 肯定感 平成 29 年 7 月 神奈川県立総合教育センター

カリキュラム マネジメントとは カリキュラム マネジメントとは 各学校の教育 標を達成するため 教育課程を実施し 評価して 改善していくことです 教育目標の設定にあたって 各学校において教育目標を設定するにあたっては 教育基本法などの法律に定められている教育の目的や目標 かながわ教育ビジョン 等を踏まえたうえで 地域や学校の実態に即したものとする必要があります 教育課程とは 教育課程とは 学校教育の目的や目標を達成するために 子どもの心身の発達に応じ 教育の内容を授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画です 教科 科目のみならず 総合的な学習の時間 学校行事等 すべての教育活動が含まれます 幼稚園 小学校 中学校 高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について ( 答申 ) ( 平成 28 年 12 月 21 日中央教育審議会 ) より抜粋 これからの時代に求められる資質 能力を育むために 各教科等の学習とともに 教科等横断的な視点に立った学習が重要であり 各教科等における学習の充実はもとより 教科等間のつながりを捉えた学習を進める必要がある 教科等の内容について カリキュラム マネジメント を通じて相互の関連付けや横断を図り 必要な教育内容を組織的に配列し 各教科等の内容と教育課程全体とを往還させるとともに 人材や予算 時間 情報 教育内容といった必要な資源を再配分することが求められる 特に高等学校においては 教科 科目選択の幅の広さを生かしながら 生徒に育成する資質 能力を明らかにし 具体的な教育課程を編成していくことが求められる カリキュラム マネジメントの 3 つのポイント 1 各教科等の教育内容を相互の関係で捉え ( 1) 学校教育 標を踏まえた教科等横断的な視点で その 標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと 2 教育内容の質の向上に向けて 供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき 教育課程を編成し 実施し 評価して改善を図る 連の ( 2) PDCAサイクルを確 すること 3 教育内容と 教育活動に必要な 的 物的資源等を 地域等の外部の資源も含めて活 しながら効果的に組み合わせること ( 1) ここに示された 学校教育目標 は 単年度の学校の目標を指しています 本県の学校評価システムにおいては 各県立学校は 4 年間の学校教育計画の中で中期的な視点に立って 育みたい生徒像を具現化するための目標や方針として 学校教育目標 を設定し さらに 4 年間を見通した目標を 5 つの視点で設定しています また 各学校は当該年度に重点的に取り組む目標を 1 年間の目標 として設定しています ( 2) 本県においては 学校の現状と課題の把握を意味する Research を加えた R-PDCA サイクル の確立を推進しています 2

何ができるようになるか に付けさせるべき資質 能 の育成に向けた教育活動の充実学びを や社会に かそうとする 学びに向かう 間性 の涵養 きて働く 知識 技能 の習得未知の状況にも対応できる 思考 判断 表現 等 の育成 子どもの発達をどのように支援するか 徒の発達の 援 特別な配慮を必要とする 徒への指導 何が身に付いたか 学習評価を通じた学習指導の改善 知識 技能 思考 判断 表現 主体的に学習に取り組む態度 何を学ぶか 育成すべき資質 能 を踏まえた教育課程の編成 どのように学ぶか 主体的 対話的で深い学びの視点からの学習課程の改善 実施するために何が必要か 学習指導要領等の理念を実現するために必要な 策学校の指導体制の充実家庭や地域と連携 協働した教育活動の実践 社会に開かれた教育課程 学校の教育 標達成のイメージ ( 授業改善 ) 各学校が 社会との関わりを考え 社会とのつながりを意識した教育課程を編成し 社会と共有 連携しながら実施していくことです 平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申では 次の 3 つの側面が示されています R-PDCA サイクルによる着実な業務の改善 教育目標 = 目指す生徒像 1 社会や世界の状況を幅広く視野に入れ よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち 教育課程を介してその目標を社会と共有していくこと 2 これからの社会を創り出していく子供たちが 社会や世界に向き合い関わり合い 自分の人生を切り拓いていくために求められる資質 能力とは何かを 教育課程において明確化し育んでいくこと 3 教育課程の実施に当たって 地域の人的 物的資源を活用したり 放課後や土曜日等を活用した社会教育との連携を図ったりし 学校教育を学校内に閉じずに その目指すところを社会と共有 連携しながら実現させること C P 観点別学習状況の評価 生徒による授業評価 生徒学力調査等により実施状況を評価 教育目標の設定 教育課程の編成 指導計画の作成 見直しなど 入学してくる生徒の現状 R D A 観点別学習状況の評価 生徒による授業評価 生徒学力調査等で課題等を把握 学習指導の改善 教材研究への反映など 主体的 対話的で深い学びの視点からの学習の充実など 3

解成学校の教育目標の達成に向け 問題発見 解決能力 の育成に 教科等横断的に取り組む場合の例 カリキュラム マネジメントの 3 つのポイント 1 各教科等の教育内容を相互の関係で捉え 学校教育目標を踏まえた教科等横断的な視点で その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと 例 国語 地理歴史 公民 数学 理科 外国語 情報 総合的な学習の時間 学校の教育目標 より良い社会の実現に主体的に取り組むための問題発見 解決能力の育成 言葉を通じて伝え合う力 構成 表現形式を評価する力出典を明示して文章や図表などを引用し 説明や意見を書く活動 概念等を活用して多面的 多角的に考察したり 課題を把握し その解決に向けて構想したりする力社会に見られる複雑な課題を把握して 身に付けた判断基準を根拠に解決に向けて構想する活動 合意形成や社会参画を視野に入れながら構想したことを論拠を基に議論する力複数の資料を活用して課題を把握し その解決策を導くための工夫について話し合う活動 既習の内容を基にして問題を解決し 思考の過程を振り返ってその本質や他の事象との関係を認識し 統合的 発展的に考察する力集めたデータを統計的な処理で分析し その特徴を既習内容と照らし合わせて考察する活動 観察 実験し 得られた結果を分析して解釈するなど 科学的に探究する力と科学的な根拠を基に考えを表現する力観察 実験によって得られた結果を 分析 解釈して発表し 互いに評価し合う活動 知識や得た情報を活用して 自分の意見や考えを外国語で形成 整理 再構築する力課題について英語で書かれた資料を検索 収集し 概要や意見をまとめ 英語で意見交換する活動 問題の発見 解決に向けて 必要な情報の収集 判断 表現 処理 創造に情報技術を活用する力あるテーマに関して集めた資料やデータを 情報技術を活用して整理 分析する活動 探究することを通して身に付ける 課題を見いだし解決する力 地域の課題を探究し その解決策を発信する活動 問題発見決能力の育各学校においては 徒の発達の段階を考慮し 語能 情報活 能 問題発 解決能 等の ( ) 学習の基盤となる資質 能 を育成していくことができるよう 教科等横断的な視点から教育課程の編成を図ることが重要です なお 各教科及び総合的な学習の時間で育成した資質 能 を相互に関連付け 他の教科で育成した資質 能 が別の教科等の学習にいかされるようにすることが 切です ( ) 学習の基盤となる資質 能 と学習活動の関係については 平成 28 年 12 の中央教育審議会答申の中で 次のような例が挙げられています 語活動を通じて育成される 語能 ( 読解 や語彙 等を含む ) 語活動やICTを活 した学習活動等を通じて育成される 情報活 能 問題解決的な学習を通じて育成される 問題発 解決能 体験活動を通じて育成される 体験から学び実践する 対話的な学び を通じて育成される 多様な他者と協働する 通し振り返る学習を通じて育成される 学習を 通し振り返る など 4

2 教育内容の質の向上に向けて 子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき 教育課程を編成し 実施し 評価して改善を図る一連のR-PDCAサイクルを確立すること R( 調査 ) 学校の実態と課題の把握 A( 改善 ) 更なる改善の実施 P( 計画 ) 実施計画の立案 C( 評価 ) D( 実施 ) 実施状況の評価 実施計画に基づく実践 < 授業改善についてのR-PDCAサイクルの例 > Research( 調査 ): 徒学 調査 観点別学習状況の評価 徒による授業評価 などを活 し 学校の実態と課題を把握します Plan ( 計画 ): 課題解決に向けて 具体的にどのような授業改善を うか検討し 実施計画を てます Do ( 実践 ): 実施計画に基づいた授業を実践します Check Action ( 評価 ): 観点別学習状況の評価 徒による授業評価 などを活 して 授業改善の評価を います ( 改善 ): 評価の結果を分析して整理し 次の授業実践 (D) につなげます また 次年度の授業改善に向けて 更なる課題の把握 (R) へと発展させます 3 教育内容と 教育活動に必要な人的 物的資源等を 地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること 内部の資源の活用の例としては 学校として授業の内容を保障することにつながるように 各教員が授業で用いた教材やワークシート等を教科として整理し 教員間で共有することが挙げられます また 地域等の外部の資源の活用としては 地域と連携した体験的学習活動や インターンシップの実施などがあります 学校内外の様々な人的 物的資源を効果的に活用していきましょう 神奈川県では 平成 31 年度までに すべての県立高校をコミュニティ スクールに指定します 学校と地域が互いに連携し 教育に対する課題や目的を共有しながら 多様な教育活動を展開しましょう 5

目標の達成に向けたカリキュラム マネジメントを進める中で カリキュラム マネジメントを通して学校の課題の改善を図るには 学校の教育課程に関する現状を把握することが 切です 観点別学習状況の評価 や 徒による授業評価 の結果を分析し 学校として 徒に に付けさせたい の育成状況を的確に把握しましょう そこから複数の課題を 出し 重要度や優先順位による絞り込みを い 改善に取り組みましょう 課題解決策を検討し実行する目標の設定課題の抽出課題解決のための方策の立案課題解決策の実行目標の達成数値による課題の 具体的な目標の設定 見える化 期限を決めた迅速な実行 学校の教育 標の達成に向けて カリキュラム マネジメント を推進するためには 取り組むべき 標が明確で具体的であることが 切です 様々な分析 法などを活 することで 標の達成に向けた課題の抽出 明確化が可能になり より良い解決 策の 案 実 につながります ここでは 課題の抽出に役 つ 法や 課題解決を推進するためのファシリテーションについて紹介します ファシリテーション (facilitation) とは 促進する 容易にする 円滑にする スムーズに運ばせる という意味で 人々の活動が容易にできるよう支援し うまくことが運ぶようにかじ取りすることです 具体的には 集団による問題解決 アイディア創造 合意形成 教育 学習 変革 自己表現 成長など あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味しています ファシリテーター (facilitator) とはファシリテーションを担う人であり 日本語では 協働促進者 または 共創支援者 と呼ばれるいわゆる裏方のリーダーです 会議では メンバーの参加を促進し プロセスのかじ取りをするなど 中立的な立場でチームのプロセスを管理し チームワークを引き出し そのチームの成果が最大となるように支援する役割を担います 場のデザインのスキル 対人関係のスキル 構造化のスキル 合意形成のスキル ファシリテーションの 4 つのスキル 共有 発散 収束 決定 場をつくり つなげる 受け止めて 引き出す かみ合わせて 整理する まとめて 分かち合う 目的 目標を設定し 合意する 話しやすい雰囲気をつくる 進め方を設定する 傾聴で安心感 信頼感を与える 質問で意見を引き出す 柔らかく主張して 話し合いを方向づける あいまいな主張を明確にする 全体像をつかみ 多彩な視点から議論する 議論を描く 図解を活用する 対立をチャンスと捉える 適切な対立解消方法を選択する 言葉の奥の本音を探る 教職員研修の手引き 2017- 効果的な運営のための知識 技術 - ( 独立行政法人教職員支援機構 ) より抜粋 6

課題を焦点化する 組織の現状や課題の抽出 分類などの作業は 効率的 合理的に進めることが重要です その際 ある枠組み ( フレームワーク ) に従って情報を整理することで課題を可視化し 課題解決のための取組につなげる 思考整理フレームワーク が役に立ちます ここでは 2 つのフレームワークを紹介します ロジックツリー 課題解決や目標達成のために必要な要素を ( ) モレなくダブりなく 網羅的に出していくためのツールです 要素を分解 具体化することで 全体像を把握しやすくなります SWOT 分析 組織の 内部環境 である 1 強み (Strength)2 弱み (Weakness) と 外部環境 である 3 機会 (Opportunity) 4 脅威 (Threat) を マトリクス状に配置して可視化することで 課題を俯瞰 分析するためのツールです ( 例 ) より良い授業を行うために 主体別の取組をあげていくロジックツリー 教材研究 ( 例 ) 自校の内外の状況を配置した SWOT 分析 外部環境 内部環境 教員 指導方法の研究 学校目標の設定 [Opportunity] 地域貢献活動への参加 公開授業や学校行事等を通した情報発信の推進 近隣地域における豊富な人的資源 [Strength] 国際理解教育の実績 主体的 対話的で深い学びの視点に基づく組織的な授業改善の推進 学校行事 部活動への積極的な取組 良い授業を行う 管理職 保護者 教育課程の編成 教員への指導 教育方針への理解 家庭での学習支援 [Threat ] 地域住民の高齢化による行事等の減少 PTA 総会や PTA 主催行事への出席者数の減少 入学者選抜における志願者数の減少 [Weakness] 生徒のキャリア意識に基づいた進路決定に対する意欲が低い 人間関係づくりにおける生徒のコミュニケーション能力の不足 ( ) モレなくダブりなく 要素を出していく際 ある部分が重複していたり 逆に抜けてしまったりすることがないよう 抜けや漏れをできる限りおさえることが必要です この考え方を MECE( ミッシー ) と呼ぶことがあります (Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive の頭文字 ) これらのフレームワークは教職員が業務改善に活 するだけでなく 徒が課題解決に向けて思考を整理するときなどにも応 できる可能性があります 課題を絞り込みましょう! 目標とのギャップが課題だね ワークショップ型の研修や会議を開催する こうしたら? 数値化すると課題が見える 会議のグラウンドルール ( 例 ) 1. 楽しく参加する 2. 積極的に聞く 話す 書く 3. 発言は最後まで聞く 4. 建設的な意見を出す ( 反対するときは代案を出す ) 5. 開始時間 終了時間を厳守する 6. 会議の場は安全なシェルター ( 何でも言える ) ファシリテーターを中 に 会議を効率的に進 させて 課題解決に取り組みましょう あ! それはいい考えだね! 総合教育センターでは 間企業の研修 法を取り れた ファシリテーター養成のための研修講座 を実施しています 7

カリキュラム マネジメント Q&A Q カリキュラム マネジメント は 新たな取組ですか? A カリキュラム マネジメント は 今回の学習指導要領改訂のポイントの一つではありますが 今までにない新たな取組というわけではありません これまでも 主に管理職を中心に 学校の教育目標の達成を目ざしたマネジメントが行われています その中では 各グループや教科が目標を設定し それに則って 各教職員が個々の取組を行っています 例えば 授業を行う際には 科目の目標の実現のために年間指導計画を立て それを実践していく中で 指導方法を評価し改善しています 今後は 学校として身に付けさせるべき資質 能力を学校の教育目標として具体化させるとともに 教職員一人ひとりが 目標の実現に向けて 教科等横断的な視点を持って授業を計画 実施する等 学校の教育活動全体を意識した取組をさらに充実させていくことが重要です Q A カリキュラム マネジメント を推進するために 一人ひとりの教職員は何をすればよいのでしょうか? カリキュラム マネジメント は 一部の教職員 例えば管理職だけで行うものではありません 全ての教職員が 学校の教育目標の実現のために 日々の取組を行うことが大切です 学校全体として 生徒や学校 地域の実態を適切に把握し 教育内容や時間の適切な配分 必要な人的 物的体制の確保 実施状況に基づく改善などを通して 教育課程に基づく教育活動の質を向上させ 学習の効果の最大化を図るカリキュラム マネジメントに努めなければなりません そのためには まず一人ひとりが 学校という組織の中での自分の役割を自覚する必要があります 経験年数や所属グループ 教科等により 果たすべき役割は異なります 例えば 授業について考えてみましょう 自分の教科 科目や単元が 学校の教育活動全体の中でどのような意味を持っているのかを意識することが大切です 授業の内容は 学校の教育目標を踏まえたものになっていますか? 学校として 生徒に身に付けさせたい力を育むことを目ざした授業になっていますか? このようなことを意識しながら 日々の授業に取り組みましょう また グループ業務についても同様に 自分の分担が全体の業務にどのように関わり どのような意味を持つのか 常に意識しておく必要があります 総括教諭であれば 学校の教育目標の達成に向けて グループ内の教職員の業務を統括し管理すること さらに 他のグループとの連関等を意識し 調整していくなど 学校経営的な視点を持って業務を行うことが求められます Q カリキュラム マネジメント と R-PDCA サイクルはどのように関わっていますか? A カリキュラム マネジメント は 全ての教職員が参加することによって 学校の特色を作り上げていく 営み です つまり 一度計画して終わりというものではなく 常に 実施 評価 改善という不断の見直しを図ることそのものが カリキュラム マネジメント なのであり その循環が R-PDCA サイクルなのです そこでは 学校全体の大きなサイクルだけではなく グループや教科による取組はもちろん 一人ひとりの教職員の取組についても R-PDCA サイクルを意識することが重要です また このような不断の見直しを図り R-PDCA サイクルを実施していくためには その実施状況を把握するための調査結果や各種データを どのように活用するかも重要です 特に 学習評価については 生徒の学びの結果としての評価に留まらず カリキュラム マネジメント の中で 教育課程や学習 指導方法に対する評価と結び付け 授業改善や組織運営の改善に向けた 学校教育全体のサイクルの中で捉えていくことが求められます ( 参考資料 ) 幼稚園 小学校 中学校 高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について ( 答申 ) 平成 28 年 12 月 21 日中央教育審議会 教職員研修の手引き 2017 - 効果的な運営のための知識 技術 - ( 独立行政法人教職員支援機構 ) 平成 28 年度カリキュラム マネジメント指導者養成研修 講義資料 ( 独立行政法人教員研修センター ) 8