(3) 国内外のガイドライン策定に係る現状 目次 2 0. はじめに 1. シミュレーションの信頼性確保に関わるガイドラインの流れ ~ モデル と 品質 ~ 2. モデリング & シミュレーションにおける V&V モデル ~ASME における V&V ガイドライン策定の動き ~ 3. 品質マネジメン

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第 5 部 : 認定機関に対する要求事項 目次 1 目的 IAF 加盟 ISO/IEC 認定審査員の力量 連絡要員... Error! Bookmark not defined. 2 CB の認定

Transcription:

日本原子力学会 2015 年春の年会 3 月 20 日 ( 金 )13:00~14:30 1 計算科学技術部会セッション シミュレーションの信頼性確保のためのガイドラインの策定 (3) 国内外のガイドライン策定に係る現状 日本原子力研究開発機構田中正暁

(3) 国内外のガイドライン策定に係る現状 目次 2 0. はじめに 1. シミュレーションの信頼性確保に関わるガイドラインの流れ ~ モデル と 品質 ~ 2. モデリング & シミュレーションにおける V&V モデル ~ASME における V&V ガイドライン策定の動き ~ 3. 品質マネジメントにおける V&V 品質 4. おわりに

(3) 国内外のガイドライン策定に係る現状 0. はじめに 3 様々な場面においてシミュレーションが用いられている シミュレーションが有用であるためには計算結果の信頼性確保が重要 シミュレーションの信頼性を確保する方法論として V&V (Verification & Validation) が世界的に広まっている 国内外において V&V に関する標準 ガイドラインが複数の機関から発行されている V&Vでは モデルと 品質 の2つの流れがある モデリング & シミュレーションにおける V&V モデル 品質マネジメントにおける V&V 品質

(3) 国内外のガイドライン策定に係る現状 目次 4 0. はじめに 1. シミュレーションの信頼性確保に関わるガイドラインの流れ ~ モデル と 品質 ~ 2. モデリング & シミュレーションにおける V&V モデル ~ASME における V&V ガイドライン策定の動き ~ 3. 品質マネジメントにおける V&V 品質 4. おわりに

1. シミュレーションの信頼性確保に関わるガイドラインの流れ 5 ~Verification & Validation の定義の変遷 ~ OR( オペレーション リサーチ )(*1, 2) (Society for Computer Simulations, 1979) 複雑なシステムの分析などにおける意思決定という目的に立脚し 実現象との対比での概念モデル 計算モデルという位置付けを意識 - DoD (No.5000.59-1994,5000.61-1996) - AIAA Guide(AIAA G-077-1998(2002)) 数値解の不確かさ 所期のモデル利用目的に照らした不確かさレベルという実用的視点を盛り込む ASME V&V 10/20 が継承 解説付図 2-9( 一部追記 ) IEEE Standard 100-1984 要求仕様が V&V の枠外で定義され曖昧化されたが その反面汎用性があり ソフトウェア工学の視点から品質管理に重点 - ISO 9001 (ISO 9000-3: Quality management and quality assurance standards Part 3: Guidelines for the application of ISO 9001:1994 to the development, supply, installation and maintenance of computer software) - ANS (ANSI/ANS-10.4-1987) モデル V&V の流れ ソフトウェア / プロダクト V&V の流れ ( 品質 V&V) (*1) W. L. Oberkampfand T. G. Trucano, Verification and Validation in Computational Fluid Dynamics, SANDIA REPORT SAND2002-0529 (2002). (*2) W. L. Oberkampf, T. G. Trucanoand C. Hirsch, Verification, validation, and predictive capability in computational engineering and physics, Appl. Mech. Rev., Vol. 57 (2004), pp. 345-384.

1. シミュレーションの信頼性確保に関わるガイドラインの流れ 6 発行元 < モデル V&V に関するガイド > ガイド等 ( 一部略記 ) 発行年 USNRC EMDAP(USNRC REGULATORY GUIDE 1.203) 2005 ASME Guide for V&V in Computational Solid Mechanics(V&V-10) 2006 Illustration of the concept of Computational Solid Mechanics(V&V-10.1) 2012 Standard for V&V in CFD and Heat Transfer(V&V 20) 2009 ANS ANS Guidelines for the V&V of Scientific and Engineering Computer Programs for the Nuclear Industry(ANSI/ANS-10.4-1987 (R1998)) 1998 AIAA Guide for the V&V of CFD Simulations(AIAA G-077-1998 (2002)) 2002 NASA Standard for Models and Simulations(NASA-STD-7009)(NASA-HDBK-7009; 2013) 2008 OECD/NEA Best Practice Guidelines(NEA/CSNI/R (2007) 5) 2007 日本原子力学会 < 品質 V&V に関するガイド > 統計的安全評価の実施基準 :2008(AESJ-SC-S001:2008) 2008 シミュレーションの信頼性確保に関するガイドライン (2015) ASME Quality Assurance Requirements for Nuclear Facility Applications(NQA-1-2012) 2012 日本計算工学会 工学シミュレーションの品質マネジメント ( 第 2 版 )(JSCES S-HQC001:2014) 2014 工学シミュレーションの標準手順 (JSCES S-HQC002:2011) 2011 日本電気協会原子力安全のためのマネジメントシステム規程 (JEAC 4111-2013) 2013 原子力安全推進協会 原子力施設における許認可申請等に係る解析業務の品質向上ガイドライン (JANSI-GQA-01 第 2 版 ) 2014

(3) 国内外のガイドライン策定に係る現状 目次 7 0. はじめに 1. シミュレーションの信頼性確保に関わるガイドラインの流れ ~ モデル と 品質 ~ 2. モデリング & シミュレーションにおける V&V モデル ~ASME における V&V ガイドライン策定の動き ~ 3. 品質マネジメントにおける V&V 品質 4. おわりに

2. モデリング & シミュレーションにおける V&V モデル ~ASMEにおけるV&Vガイドライン策定の動き~ 8 4 つの分野で活動 基礎分野 V&V-10:V&V IN COMPUTATIONAL SOLID MECHANICS V&V-20:V&V IN COMPUTATIONAL FLUID DYNAMICS AND HEAT TRANSFER 応用分野 V&V-30:V&V IN COMPUTATIONAL SIMULATION OF NUCLEAR SYSTEM THERMAL FLUIDS BEHAVIOR V&V-40:V&V IN COMPUTATIONAL MODELING OF MEDICAL DEVICES ASME V&V Symposium(2015 年 5 月 13 日 ~15 日 毎年 5 月第 1 or 2 週 ラスベガス ) アブスト集 プレゼンテーション ( プレゼン資料をホームページで公開 : 希望者 ) http://www.asmeconferences.org/vvs2014/ <Conference Presentations> <Committee Page> 発表者 :W. L. Oberkampf C. J. Roy ら (1 回約 300 件 2 回約 220 件 3 回約 140 件 ) ( 不確かさの定量化方法など V&V の実質的な議論が多く 検証解析結果のみは少ない ) ASME V&V Committee Meeting:Symposium の前々日 前日に開催 (5 月 11, 12 日 ) -1 日目および 2 日目 ( 午前 ): 各委員会個別会合 (V&V-10~40) -2 日目 ( 午後 ): 全体会合 ( 活動総括 ) - Open Session のため聴講は自由 ( 議論への参加も可 ) - いずれの委員会も委員募集中 ( 幅広い議論を熱望 )

2.ASME における V&V ガイドライン策定の動き < 各委員会の動向 :V&V-10 & 20> 9 V&V-10 Verification and Validation in Computational Solid Mechanics CHAIR Scott W. Doebling, VICE CHAIR David M. Moorcroft ASME V&V 10-2006: Guide for Verification and Validation in Computational Solid Mechanics ASMEV&V 10.1-2012: An Illustration of the Concept of Verification and Validation in Computational Solid Mechanics ASMEV&V 10.2( 不確かさ評価の必要性 )1~2 年後に発行予定 ASMEV&V 10.3( 妥当性評価手法 )1~2 年後に発行予定 ASMEV&V 10.4(Verification 方法 )2016 年作成着手 2016 年に ASMEV&V 10-2006 の改訂 V&V 20 Verification and Validation In Computational Fluid Dynamics and Heat Transfer Chair:Richard G. Hills, Vice Chair:Dr. Dawn Bardot ASME V&V 20-2009: Standard for Verification and validation in computational Fluid Dynamics and Heat Transfer V&V 20.1 (Supplement 1) & V&V 20.2 (Supplement 2): 作成中 Prediction( 予測 ) と不確かさ評価 についても検討

2.ASME における V&V ガイドライン策定の動き < 各委員会の動向 :V&V-30 & 40> 10 V&V 30 Verification and Validation in Computational Simulation of Nuclear System Thermal Fluids Behavior Chair:Richard R. Schultz Vice Chair:Hyung Lee 標準 策定の前に 以下のドキュメント ( 報告書 ) を発行 ( ドラフト作成中 ) Hierarchical Scaling in V&V-30( 階層分析 (H2TS 手法 ) によるスケール効果 ) Need for V&V-30( 検証試験のあり方 検証試験への要求等 ) ベンチマーク解析を検討中 標準 策定の議論は思うようには進んでいない 標準 では広範囲な課題に対して詳細な実施手順を含めたい 適用範囲が整理されていない 適用炉 ( 既存 / 新設炉 ) の区別 炉型の分類 対象分野 ( 設計 / 安全 / メンテナンス等 ) 解析目的 (1D or 3D-CFD) NQA-1( 品質 V&V) グループおよび USNRC とのコミュニケーションが必要と主張 V&V 40 Verification and Validation In Computational Modeling of Medical Devices Chair:Carl Popelar, Vice Chair:Tina M. Morrison / Andrew C. Rau 細かく SWG に分類されて活動中 昨年度からの進展は見られない

(3) 国内外のガイドライン策定に係る現状 目次 11 0. はじめに 1. シミュレーションの信頼性確保に関わるガイドラインの流れ ~ モデル と 品質 ~ 2. モデリング & シミュレーションにおける V&V モデル ~ASME における V&V ガイドライン策定の動き ~ 3. 品質マネジメントにおける V&V 品質 4. おわりに

JANSI GQA-01 (2014) DS456 Responsibility for Leadership USNRC 10 CFR Part 50 Appendix B 3. 品質マネジメントにおける V&V 品質 ~ISO9001 と国内外のガイドライン等 ~ 12 JEAC 4111-2013 原子力安全のためのマネジメントシステム規定 JEAC4121-2009 [2013 年追補版 ] 4111-2009 適用指針 USNRC SECY-03-117 ISO 9001-2000 Quality Management System (QMS)-Requirements ASME NQA-1-2012 (Rev. of 2008) Quality Assurance Requirements for Nuclear Facility Applications Part-I, Part-II, Part-III and Part-IV IAEA Safety Report Series No.70 (ASME NQA-1-2008 and NQA-1a-2009 Addenda) IAEA GS-R-3 (2006) The Management System for Facilities and Activities IAEA Safety Report Series No. 22 原子力規制委員会規則 (2013) 第 8 号 : 実用炉第 12 号 : 研究開発炉 技術基準 計算工学会標準 (JSCES) S-HQC001:2014 S-HQC002:2011 IAEA 50-C/SG-Q (1996) Quality Assurance for Safety in Nuclear Power Plants and other Nuclear Installations New GS-R-3 (2016) DS456 (GSR Part 2) Focusing to Responsibility for Leadership, Management and Safety Culture

3. 品質マネジメントにおける V&V 品質 ~ モデル と 品質 との関係 ~ 13 モデリング & シミュレーションの流れ及び品質管理との関係 ( 本文図 1) 原子力学会ガイドライン モデル V&V エレメント 2: 数学的モデル化 エレメント 1: 概念モデルの開発 エレメント 3: 物理的モデル化 品質 = 3.7 品質管理 ( 本文 ) いずれも優れた品質管理の下で実施し これに十分な文章及びその一部としての品質記録を作成することが重要である ( 付属書 A.6) エレメント 4: シミュレーションモデルの予測性能判断 不確かさを考慮した予測評価 評価プロセスの文章化 管理 A.6 M&S の効率的運用のための品質管理システム 引用ガイド NASA-STD-7009, NASA-HDBK-7009 JEAC4111 ISO9001

3. 品質マネジメントにおける V&V 品質 ~ モデル への 品質 の実装 ~ 14 < 組織のあり方 > モデル への 品質 の実装 < 今後の検討課題 > < 解析作業のあり方 > 例 )ISO9001 における品質マネジメントシステム (QMS) のモデル 例 )HQC002: 工学シミュレーションの標準手順 品質マネジメントシステムの継続的改善 顧客 経営者の責任 顧客 資源の運用管理 測定 分析及び改善 満足 要求事項 インプット 製品実現 製品 アウトプット

(3) 国内外のガイドライン策定に係る現状 目次 15 0. はじめに 1. シミュレーションの信頼性確保に関わるガイドラインの流れ ~ モデル と 品質 ~ 2. モデリング & シミュレーションにおける V&V モデル ~ASME における V&V ガイドライン策定の動き ~ 3. 品質マネジメントにおける V&V 品質 4. おわりに

4. おわりに 16 国内外のガイドライン策定に係る現状について 複数の機関から発行されているガイドライン等を紹介 モデル および 品質 に関する国内外の現状について概説 シミュレーションの信頼性確保に関わるガイドラインの流れ ASME における V&V ガイドライン策定の動きを中心に モデリング & シミュレーションにおける V&V モデル 品質マネジメントにおける V&V 品質 今後の課題 複数のガイドラインについて ギャップ分析による整理が必要 所期の目的に沿った V&V の具体的手順 ( 実施基準 ) の策定に向けた多くの適用研究と十分な議論が必要 モデル における 品質 の実装 / 取り扱い 多くの研究者 実務者による適用研究に基づく議論が必要

原子力学会での V&V に関連した企画セッション 17 (1)2008 年春の大会 計算結果の信頼性 1 統計的安全評価手法について ( 京大 ) 三島嘉一郎 2 計算精度評価の一般的方法 ( ナイス ) 内藤俶孝 3 安全解析の信頼性について (JNES) 笠原文雄 4Verification とValidation ( 東大 ) 越塚誠一 (2)2010 年春の年会 シミュレーションの信頼性確保のあり方とは? 1シミュレーションにおける Verification & Validation ( テプコシステムズ ) 堀田亮年ら 2 海外における熱流動解析の信頼性評価の取り組み ( 東芝 ) 中田耕太郎ら 3 大気拡散への数値モデルの適用について ( 電中研 ) 佐田幸一ら (3)2012 年秋の大会 数値解析技術と標準 1 V&V 標準の世界的現状 ( 東大 ) 越塚誠一 2 有効高さ評価モデルに関する標準 ( 電中研 ) 佐田幸一 3 数値解析の信頼性に関する標準 (JNES) 堀田亮年 (4)2013 年春の年会 モデリング シミュレーションの高度化 1 我が国における国産コード開発プロジェクトの紹介 ( 三菱総研 ) 松本昌昭 2 国産コード開発におけるV&V ( 東大 ) 岡本孝司 3V&V の適用と実施の国際動向について (JNES) 笠原文雄 (5)2014 年春の年会 シミュレーションのV&Vの現状と課題 1 過酷事故時格納容器内挙動のV&V データベース ( 規制庁 ) 笠原文雄 2 確率論的リスク評価分野におけるV&V ( 東京都市大学 ) 村松健 3V&V に関わる技術標準の動向 (CTC) 中村均 ご所属は当時のまま 敬称は省略