今月の経済金融情勢2018年12月25日号

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今月の経済金融情勢2018年11月30日号

経済金融・情勢資料  15年7月 

今月の経済・金融情勢

今月の経済・金融情勢2010年2月号

Invesco Premia Plus Fund

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マネーマーケットマンスリー 2018年3月

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

金融市場2018年12月号

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

○ユーロ

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

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株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

マネーマーケットマンスリー 2018年12月

当ページは 各種の信頼できると考えられる情報源から取得した情報に基づき アクサ生命保険株式会社が作成し提供するものです 情報の内容に関しては万全を期しておりますが その正確性 完全性については これを保証するものではありません 日本株式市場 運用環境 [ 2015 年 4 月 ~2016 年 3 月

Outlook201812

為替相場展望2018年10月号

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

Outlook201806

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

株式市場 米国株 高値警戒感の高まりなどから上昇一服も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました トランプ政権で閣僚などの人事において一部で混乱が見られましたが トランプ大統領の発言などにより減税 金融規制緩和などへの期待が高まったことや 発表された米国企

低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

マネーマーケットマンスリー

米失業率と非農業部門雇用者数変化 ( 月次 25 年 1 月 ~214 年 11 月 ) 非農業部門雇用者数変化 ( 千人 前月比 左軸 ) 失業率 (% 右軸) /1 6/9 8/5 1/1 11/

経済・物価情勢の展望(2016年10月)

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

Microsoft Word ECB利下げ.doc

株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

Currency201207

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株式市場 米国株 年末商戦や金利動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米中首脳会談への期待から上昇米国株式市場は上昇しました 前半は中間選挙の結果が市場の事前想定通りとなったことなどから安心感が広がり株価は上昇しました 中旬では一部のハイテク企業が需要見通しを引き下げたこと

株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

Outlook201901

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国内短期金利

第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

月例経済報告

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Outlook201805

株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

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特別勘定の内容 目標値 110% または 120% の場合の特別勘定 種類 特別勘定の名称 投資対象となる投資信託 TMA 日本株式インデックスVA * 運用会社 資産運用関係費用 ( ( 年率 ) 注 ) 総合型 世界バランス 40TMA TMA 外国株式インデックスVA * TMA 日本債券イン

平成14年1月20日

為替相場展望2018年9月号

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

金融市場2018年12月号

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ファンダの鬼・柳澤 浩と小杉 篤諭の「ファンダメンタルズの学び方、活かし方セミナー!」

月例経済報告

為替相場展望2018年12月号

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平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

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1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

2017年上半期の為替相場展望

株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

経済・物価情勢の展望(2017年10月)

Outlook201601

平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

平成29年度における運用状況等

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

金融政策決定会合における主な意見

Outlook201501

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

Microsoft Word - 21年度資産運用概況.doc

2018・2019 年度 経済見通し(1 次改訂)

目 次 1. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) における運用環境について 2. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) のポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 被保険者ポート

Outlook201608

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

Invesco Australian Bond Fund (Monthly)

人民元週間レポート 2019 年 3 月 29 日発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部

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財政赤字や債務発行残高の大幅な増加が予想されている 財政赤字の累積額が 1 兆ドルを超える時期は前回発表 (217/6/29) と比較すれば 2 年前倒しされており また 228 年には債務残高がGDP 対比ほぼ 1% に達すると見込まれている ( 図表 2) FRBによるバランスシート縮小も 需給

Microsoft Word - 20年度資産運用状況.doc

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word doc

第1章

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

Microsoft Word

Fidelity Charts & Graphs PowerPoint Template

平成30年度第1四半期における運用状況等

わが国の経済・物価情勢と金融政策

PowerPoint プレゼンテーション

Economic Indicators_  定例経済指標レポート

Outlook201609

Microsoft PowerPoint - PictetMacroWatch_ pptx

Transcription:

今月の経済 金融情勢 ~ わが国をめぐる経済 金融の現状 ~ 2018 年 12 月 25 日 農林中金総合研究所 調査第二部 http://www.nochuri.co.jp/publication/situation/index.html 1

経済 金融情勢資料 2018 年 12 月 米国 中国 日本 金融市場 米国の経済指標をみると 雇用統計 (11 月 ) の非農業部門雇用者数は前月比 15.5 万人増であった 失業率は 11 月から変わらずの 3.7% だった 全般的には堅調さを維持している 一方 物価は 11 月の個人消費デフレーター ( 総合 ) は前年比 1.8% 食品エネルギーを除くコア部分はともに同 1.9% で推移している 中国の経済指標をみると インフラ整備向け投資の大幅な鈍化や個人消費の弱さなどを受けて 18 年 7~9 月期の実質 GDP 成長率は前年比 6.5% と 4~6 月期 ( 同 6.7%) から減速した 日本の経済指標をみると 民間設備投資の先行指標である機械受注 ( 船舶 電力を除く民需 ) の 10 月分は前月比 7.6% と 2 ヶ月ぶりに増加した 10~12 月期見通し ( 内閣府集計 ) では 前期比 3.6% と 5 四半期連続の増加が見込まれている 10 月の鉱工業生産指数 ( 確報 ) は 前月比 2.9% 製造工業生産予測調査によると 11 月は前月比 0.6% 12 月は同 2.2% と いずれも上昇見込み 全般的には世界貿易の拡大ペースが鈍っていることもあり 国内景気は足踏みしている 長期金利 ( 新発 10 年国債利回り ) は 日銀が 7 月の金融政策決定会合で 強力な金融緩和継続のための枠組み強化 と称して長期金利の操作目標の柔軟運用を決定したため 10 月半ばにかけて長期金利は 0.1% 台半ばまで緩やかに上昇した しかし 最近は株価の調整が続くなど 内外景気の先行きに対する不透明感が強まったことから 再び 0% 近くまで低下している 日経平均株価は 10 月上旬には一時は 24,448 円と バブル崩壊後の最高値を再び更新した その直後 上昇を続ける米国長期金利への警戒 米中経済摩擦の悪影響などが意識され 世界的に株価が下落した 年末にかけても世界経済の先行き懸念が漂うなか 国内企業業績も下り坂との思惑も浮上 1 年 3 ヶ月ぶりに 2 万円を割れるなど軟調な地合いが続いている ドル円相場は 4 月以降はリスクオンの流れとなったほか 米国金利の上昇から円安に転じ 5 月中旬には再び 1 ドル =110 円台に乗せた その後も 時折円高に振れる場面もあるものの 趨勢的には緩やかな円安傾向となり 9 月中旬以降は概ね 113 円を挟んだ展開が続いた なお 足元では米国の利上げペースの鈍化を見込み やや円高圧力が高まっている 原油相場 (NY 市場 WTI 期近 ) は 米国発の株価下落によってリスクオフが強まったほか 世界経済の先行き懸念が広がったことで原油価格は反落 12 月下旬には 40 ドル台前半まで下落 2

米国経済 : 堅調さを維持している (%) 2.5 イールドスプレッドと FF レート誘導目標 ( 政策金利 ) の関係 FF レート 10 年国債 -3 ヶ月 TB 10 年国債 -FF レート (%) 3.5 米国雇用統計 非農業部門雇用者数変化 ( 右軸 ) 失業率 ( 左軸 逆目盛 ) ( 万人 ) 35 30 2.0 1.5 4.0 25 20 1.0 0.5 4.5 15 10 5 0.0 5.0 0 '16.11 '17.5 '17.11 '18.5 '18.11 ( 資料 )Bloombergより作成 米国金融政策 :12 月 18~19 日に開催された FOMC では 政策金利の誘導目標を 2.25~2.5% に引き上げた また 17 年 10 月から バランスシート縮小 ( 米国債については 再投資停止額を月額 300 億ドル 住宅担保証券 (MBS) については再投資停止額を月額 200 億ドルとする ) を続けている 米国経済 : 雇用統計 (11 月 ) の非農業部門雇用者数は前月比 15.5 万人増であった 失業率は 11 月から変わらずの 3.7% だった 全般的には堅調さを維持している 一方 物価は 11 月の個人消費デフレーター ( 総合 ) は前年比 1.8% 食品エネルギーを除くコア部分はともに同 1.9% で推移している 3

中国経済 : 下押し圧力は依然強いが 6.5% 前後 の成長は続く 53 52 51 主要経済指数の推移 製造業 PMI( 左目盛 ) 固定資産投資 ( 右目盛 ) ( 年初来累計前年比 %) 50 5 '16.11 '17.5 '17.11 '18.5 '18.11 ( 注 ) 固定資産投資は農村家計を除く値 9.5 9 8.5 8 7.5 7 6.5 6 5.5 中国株価 為替の推移 ( ポイント ) 人民元高上海総合指数 ( 左目盛 ) 中国 人民元 / 米ドル ( 右目盛 ) 3,750 6.2 6.4 3,250 6.6 2,750 6.8 2,250 7 ( 資料 )Bloombergより作成 中国経済 : インフラ整備向け投資の大幅な鈍化や個人消費の弱さなどを受けて 18 年 7~9 月期の実質 GDP 成長率は前年比 6.5% と 4~6 月期 ( 同 6.7%) から減速した 足元の経済指標を確認すると 下振れ圧力は続いているものの 固定資産投資の持ち直しの動きなどから 大幅な成長鈍化には至らないと見込まれる 金融市場 : 中国経済の減速懸念が高まっているほか 米中通商協議 (19 年 3 月 1 日まで ) をめぐる不確実性もあり 上海総合指数は下落基調で推移している 米中首脳会談 (12 月 1 日 ) を受けて人民元安 ドル高が一服したものの 米国の金融政策正常化が進められたほか 中国の緩和気味な金融政策などを受けて 再び人民元安 ドル高に転じた 4

国内経済 : 足踏み ( 千億円 ) 国内 : 機械受注 ( 船舶 電力を除く民需 ) (%) 国内 : 鉱工業生産 製造工業生産予測 (%) 10.0 機械受注受注額 ( 季調済 ) 3 ヶ月移動平均四半期見通し 5.0 前月比 ( 季調済 左軸 ) 前年比 ( 右軸 ) 9 9.5 2.5 6 9.0 8.5 0.0 2.5 3 0 3 8.0 7.5 10~12 月期見通し前期比 3.6% '17.1 '17.4 '17.7 '17.10 '18.1 '18.4 '18.7 '18.10 5.0 7.5 '16.10 '17.4 '17.10 '18.4 '18.10 6 9 ( 資料 )Bloomberg( 内閣府 機械受注統計 ) より作成 ( 資料 )Bloomberg( 経済産業省 鉱工業生産 ) より作成 機械受注 : 民間設備投資の先行指標である機械受注 ( 船舶 電力を除く民需 ) の 10 月分は前月比 7.6% と 2 ヶ月ぶりに増加した 10~12 月期見通し ( 内閣府集計 ) では 前期比 3.6% と 5 四半期連続の増加が見込まれている 鉱工業生産 :10 月の鉱工業生産指数 ( 確報 ) は 前月比 2.9% 製造工業生産予測調査によると 11 月は前月比 0.6% 12 月は同 2.2% と いずれも上昇見込み 全般的には世界貿易の拡大ペースが鈍っていることもあり 国内景気は足踏みしている 5

長期金利 : 再び 0% 近くまで低下 (%) 日米独の長期金利 (%) 0.4 0.2 0.0 0.2 日本新発 10 年国債利回り ( 左軸 ) 米国財務省証券 10 年物国債利回り ( 右軸 ) 独国 10 年国債利回り ( 右軸 ) 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.4 '16.12 '17.3 '17.6 '17.9 '17.12 '18.3 '18.6 '18.9 '18.12 0.0 日銀金融政策 :12 月 19~20 日に開催された開催された日本銀行 金融政策決定会合では 7 月会合で運営手段の柔軟化が施された 長短金利操作付き量的 質的金融緩和 の継続が決定された 長期金利 ( 新発 10 年国債利回り ): 日銀が 7 月の金融政策決定会合で 強力な金融緩和継続のための枠組み強化 と称して長期金利の操作目標の柔軟運用を決定したため 10 月半ばにかけて長期金利は 0.1% 台半ばまで緩やかに上昇した しかし 最近は株価の調整が続くなど 内外景気の先行きに対する不透明感が強まったことから 再び 0% 近くまで低下している 6

株価 : 軟調な地合いが続いている ( 円 ) 日経平均株価指数 26,000 ( ドル ) ニューヨークダウ工業株 30 種平均指数 27,000 24,000 25,000 22,000 23,000 20,000 21,000 18,000 19,000 日本株価 ( 日経平均 ):9 月には米国が中国への新たな追加関税措置を公表したが 市場ではこれを悪材料出尽くしと受け止め 買戻しニーズが強まった その流れで 10 月上旬には一時は 24,448 円と バブル崩壊後の最高値を再び更新した その直後 上昇を続ける米国長期金利への警戒 米中経済摩擦の悪影響などが意識され 世界的に株価が下落した 年末にかけても世界経済の先行き懸念が漂うなか 国内企業業績も下り坂との思惑も浮上 1 年 3 ヶ月ぶりに 2 万円を割れるなど軟調な地合いが続いている 米国株価 (NY ダウ平均 ):10 月に入り急速な金利上昇と貿易摩擦への懸念が再燃したことで 株価は急落した 中国経済への減速懸念や サウジアラビアに関する地政学的リスク 原油価格の急落などが意識され上値の重い展開が続いた 11 月 6 日の中間選挙前後に株価が戻る場面あったものの アップル製品への弱い需要見通しと貿易摩擦懸念を嫌気したハイテクセクターの下げが先導する形で 総じて軟調な展開が続いた 足元では 米中貿易摩擦への警戒感や世界経済の先行き懸念が台頭し 下落基調が続いている 7

為替 : やや円高圧力が高まっている ( 円 / ドル ) 122 118 114 110 106 102 円の対ドル及び対ユーロ相場 円 / ドル ( 左軸 ) 円 / ユーロ ( 右軸 ) 円安円高 ( 円 / ユーロ ) 98 ( 資料 )Bloombergより作成 140 135 130 125 120 115 110 ( ドル / ユーロ ) 1.27 1.25 1.23 1.21 1.19 1.17 1.15 1.13 1.11 1.09 1.07 1.05 1.03 ドル安 ユーロ高 ドルの対ユーロ相場 ドル高 ユーロ安 ドル円相場 :4 月以降はリスクオンの流れとなったほか 米国金利の上昇から円安に転じ 5 月中旬には再び 1 ドル =110 円台に乗せた その後も 時折円高に振れる場面もあるものの 趨勢的には緩やかな円安傾向となり 9 月中旬以降は概ね 113 円を挟んだ展開が続いた なお 足元では米国の利上げペースの鈍化を見込み やや円高圧力が高まっている ユーロ円相場 :9 月中旬にはドラギ ECB 総裁の楽観的な経済 物価展望等が好感されてユーロ高が進行 一時 1 ユーロ =133 円台までユーロ高が進んだ 一方 10 月以降は伊予算案や独バイエルン州議会選での与党大敗などを受けてユーロ安となり 直近に至るまで概ね 120 円台後半で推移している 8

原油 :1 バレル =40 ドル台前半まで下落 ( 百万バレル ) 石油需給 (3 ヶ月移動平均 ) 2 需給差 ( 需要 - 供給 ) 石油需要前年比 ( 右軸 ) (%) 3 ( ドル / バレル ) 国際原油市況 90 NY 原油先物 WTI 期近 OPEC 原油バスケット価格 1 2 80 70 0 1 60 50 供給超過 1 0 '16.11 '17.5 '17.11 '18.5 '18.11 40 原油先物 ( ニューヨーク市場 WTI 期近 ): 石油輸出国機構 (OPEC) など主産油国による原油協調減産の一部が 18 年 6 月に緩和されたが 中東情勢の緊張が続いていること さらに米国によるイラン制裁再開に伴う同国産原油の禁輸要請等を背景とした供給懸念から 10 月初めには WTI 先物 ( 期近物 ) は一時 1 バレル =76.9 ドルと 4 年ぶりの高値水準まで上昇した 協調減産 19 年 1~6 月にかけても継続が決まったが その後の米国発の株価下落によってリスクオフが強まったほか 世界経済の先行き懸念が広がったことで原油価格は反落 12 月下旬には 40 ドル台前半まで下落 米エネルギー情報局 (EIA):11 月のエネルギー見通しでは 18 年の原油先物 (WTI 期近 ) の平均価格は1バレル =65.18ドル 19 年は1バレル =54.19ドルとしている 9

政府 日銀の景気判断 : 据え置き 1 月景気は 緩やかに回復している わが国の景気は 緩やかに拡大している 2 月景気は 緩やかに回復している 3 月景気は 緩やかに回復している わが国の景気は 緩やかに拡大している 4 月景気は 緩やかに回復している わが国の景気は 緩やかに拡大している 5 月景気は 緩やかに回復している 2018 年 6 月景気は 緩やかに回復している わが国の景気は 緩やかに拡大している 7 月景気は 緩やかに回復している わが国の景気は 緩やかに拡大している 8 月景気は 緩やかに回復している 9 月景気は 緩やかに回復している わが国の景気は 緩やかに拡大している 10 月景気は 緩やかに回復している わが国の景気は 緩やかに拡大している 11 月景気は 緩やかに回復している 12 月景気は 緩やかに回復している わが国の景気は 緩やかに拡大している ( 資料 ) 内閣府 月例経済報告 日銀 金融経済月報 経済 物価情勢の展望 会合終了後の声明文より農中総研作成 ( 注 ) 矢印は景気判断の方向を示す 政府 :12 月の景気判断は 据え置かれた 日銀 :12 月の景気判断は 据え置かれた 10

農林中金総合研究所 無断転載を禁じます 本資料は情報提供のみを目的に作成されたものです 投資のご判断等はご自身の責任でお願いいたします 2018 Norinchukin Research Institute Co., Ltd 151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷 5-27-11 ( 株 ) 農林中金総合研究所調査第二部 03-6362-7764 sako.yoshifumi@nochuri.co.jp