資料 10 HPV ワクチンの有効性及び安全性に関する疫学研究の概要 1. 研究事業名 厚生労働科学研究費補助金新興 再興感染症及び予防接種政策推進事業 2. 研究課題名 子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究 3. 研究予定期間 平成 27 年 7 月 7 日から 3 年計画 (

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2. 定期接種ンの 接種方法等について ( 表 2) ンの 種類 1 歳未満 生 BCG MR 麻疹風疹 接種回数接種方法接種回数 1 回上腕外側のほぼ中央部に菅針を用いて2か所に圧刺 ( 経皮接種 ) 1 期は1 歳以上 2 歳未満 2 期は5 歳以上 7 歳未満で小学校入学前の 1 年間 ( 年

現在にいたっております その結果 現在 HPVワクチンは定期接種でありながら 接種対象となる12 歳から16 歳の女子に対する接種がほとんど行われていないのが現状です このような状況は先進国では日本だけで見られていることであり 将来 子宮頸がんの発症が他国に比べて著しく高くなるというような事態が起き

データの取り扱いについて (原則)

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避するためには 子宮頸がん検診を定期的に受診することが必要不可欠であること 3 HPV ワクチンの長期成績は未だ確認されていないこと このため 将来的に追加接種が必要となる可能性もあること 4 10 歳未満の小児 妊娠中の女性及び高齢者に対する有効性と安全性は確立されていないこと 5 HPV は性行

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問 4. 接種後 いつもと違う体調の変化はありましたか (1,103 人に対する比 ) 1 はい 289 人 (26.2%) 2 いいえ 796 人 (72.2%) 3 未回答 18 人 ( 1.6%) * 接種後 何らかの症状があったと答えた方は 26.2% であった 未回答 の者の中には よくわ

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

ヒブ ( インフルエンザ菌 b 型 ) 対象者 : 生後 2ヶ月から5 歳未満までのお子さん標準的な接種開始期間は 生後 2ヶ月から7ヶ月未満です 生後 2ヶ月を過ぎたら 早目に接種しましょう 接種方法 : 接種開始時の年齢により接種方法が異なります 接種開始が生後 2ヶ月から7ヶ月未満の場合 (

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2009年8月17日

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資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

予防接種後に発生した症状に関する 報告書 ( 保護者報告用 ) の症例の概要 115 症例中 62 症例を抽出 医療機関報告と重複しているため 53 症例を除いた 疼痛 運動障害症例 62 症例中 以下の基準に当てはめると 疼痛 運動障害があった症例 ( 頭痛又は接種部位の痛みを除く ) は33 症

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

サーバリックス の効果について 1 サーバリックス の接種対象者は 10 歳以上の女性です 2 サーバリックス は 臨床試験により 15~25 歳の女性に対する HPV 16 型と 18 型の感染や 前がん病変の発症を予防する効果が確認されています 10~15 歳の女児および

IRB記録概要

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薬生安発 0302 第 1 号 平成 30 年 3 月 2 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) 医薬品リスク管理計画の実施に基づく再審査期間終了後の評価報告について の一部改正について 再審査期間中の新医薬品以外の医薬品の医薬品リ

<B 型肝炎 (HBV)> ~ 平成 28 年 10 月 1 日から定期の予防接種になりました ~ このワクチンは B 型肝炎ウイルス (HBV) の感染を予防するためのワクチンです 乳幼児感染すると一過性感染あるいは持続性感染 ( キャリア ) を起こします そのうち約 10~15 パーセントは

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別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

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ロタウイルスワクチンは初回接種を1 価で始めた場合は 1 価の2 回接種 5 価で始めた場合は 5 価の3 回接種 となります 母子感染予防の場合のスケジュール案を示す 母子感染予防以外の目的で受ける場合は 4 週間の間隔をあけて2 回接種し 1 回目 の接種から20~24 週あけて3 回目を接種生

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

レクタブル 2 mg 注腸フォーム 14 回に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 レクタブル 2 mg 注腸フ 有効成分 ブデソニド ォーム14 回 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 29 年 10 月 1.1. 安全性検討事項 重要な特

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9 予防接種

恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 東京都港区三田 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島

最終的に 大きな問題点はこの子どものCRPSが知られてないことと 専門医が少ないことになります 今後この点に関して小生は 先日の委員会に出席された成人の慢性疼痛の専門家に 是非子どものCRPSの専門家の先生を研究班などに加えて頂き 研究 治療体制の拡充をお願いしております これは当然厚労省にお願いし


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ただし 対象となることを希望されないご連絡が 2016 年 5 月 31 日以降にな った場合には 研究に使用される可能性があることをご了承ください 研究期間 研究を行う期間は医学部長承認日より 2019 年 3 月 31 日までです 研究に用いる試料 情報の項目群馬大学医学部附属病院産科婦人科で行

3-2 全国と札幌市の定点あたり患者報告数の年平均値流行状況の年次推移を 全国的な状況と比較するため 全国と札幌市の定点あたり患者報告数の年平均値について解析した ( 図 2) 全国的には 調査期間の定点あたり患者報告数の年平均値は その年次推移にやや増減があるものの大きな変動は認められなかった 札

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埼玉医科大学倫理委員会

CIN 推進拠点事業概要 事業名 補助事業課題 採択課題名 事業代表者 事業担当者 補助事業予定期間 クリニカル イノベーション ネットワーク推進支援事業 クリニカル イノベーション ネットワーク (CIN) の推進拠点 CIN 構想の加速 推進を目指したレジストリ情報統合拠点の構築 国立国際医療研

資料 2-4 イソプロピルアンチピリン製剤の安全対策について 平成 23 年 6 月 23 日平成 23 年度薬事 食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 ( 第 2 回 ) 1. イソプロピルアンチピリン製剤の安全性に係る調査結果報告書 ( 別紙 ) 1 ページ

審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

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2009年8月17日

2 抗インフルエンザウイルス薬と異常行動の議論と今後の予定 平成 21 年に取りまとめられた報告書以降の知見を改めて報告書にまとめ 以下の議論がなされた 平成 21 年以降の非臨床研究及び 10 年に及ぶ疫学研究の科学的な知見を総括し 以下の事実から タミフル服用のみに異常行動と明確な因果関係がある

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づけられますが 最大の特徴は 緒言の中の 基本姿勢 でも述べられていますように 欧米のガイドラインを踏襲したものでなく 日本の臨床現場に則して 活用しやすい実際的な勧告が行われていることにあります 特に予防抗菌薬の投与期間に関しては 細かい術式に分類し さらに宿主側の感染リスクも考慮した上で きめ細

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27 年度調査結果 ( 入院部門 ) 表 1 入院されている診療科についてお教えください 度数パーセント有効パーセント累積パーセント 有効 内科 循環器内科 神経内科 緩和ケア内科

副反応被害救済の上で それらをより実質的に示されているものは 右の 資料 4-3 である 急性散在性脳脊髄炎 (Acute Disseminated Encephalo-myelitis: ADEM) のみがワクチン接種後の中枢神経症状を包含する病名である しかし 接種 28 日以内に発症したものし

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

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シダキュアスギ舌下錠 2,000JAU 5,000JAU に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 シダキュアスギ舌下錠 2,000JAU,5,000JAU 有効成分 スギ花粉エキス原末 承認取得者名 鳥居薬品株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 8 月 1.1.

JFCI News Letter

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る反ワクチン団体は 痛みに苦しむ女子や家族をメデイアに登場させ 因果関係があるかのように不安を募らせました WHO は 2013 年 6 月 13 日 HPV ワクチンに関する安全性声明を発表しました 国内では その翌日の 6 月 14 日に厚労省副反応検討部会が開催され 安全性を説明できる十分なデ

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

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する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

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アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

から (3) までの具体的な予定については添付 2 の図のとおりですので申し添 えます

方法について教えてください A 妊娠中の接種に関する有効性および安全性が確立されていないため 3 回接種を完了する前に妊娠していることがわかった場合には一旦接種を中断し 出産後に残りの接種を行うようにしてください 接種が中断しても 最初から接種し直す必要はありません 具体的には 1 回目接種後に妊娠

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臨床試験の実施計画書作成の手引き

た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

平成 26 年度事業計画書 自平成 26 年 4 月 1 日 至平成 27 年 3 月 31 日 公益財団法人性の健康医学財団

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2012/02/22 ワクチン分科会 The Foundation of Medical and Veterinary Virology by utmb より 国内の天然痘発生状況 2012/02/22 ワクチン分科会引用 : 臨床とウイルス Vol 木村三生夫他 2

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10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

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インフルエンザ(成人)

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【押印あり】日本医学会宛

Transcription:

第 16 回厚生科学審議会予防接種 ワクチン分科会副反応検討部会 平成 27 年 度第 6 回薬事 食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 ( 合同開催 ) 資料一覧 資料 1 乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン (MR) の副反応報告状況資料 2 乾燥弱毒生麻しんワクチンの副反応報告状況資料 3 乾燥弱毒生風しんワクチンの副反応報告状況資料 4 乾燥弱毒生おたふくかぜワクチンの副反応報告状況資料 5 乾燥弱毒生水痘ワクチンの副反応報告状況資料 6 乾燥組織培養不活化 A 型肝炎ワクチンの副反応報告状況資料 7 23 価肺炎球菌ワクチンの副反応報告状況資料 8 23 価肺炎球菌ワクチン定期接種導入後の副反応報告の状況資料 9 インフルエンザワクチンの副反応報告状況資料 10 HPV ワクチンの有効性及び安全性に関する疫学研究の概要資料 11 青少年における 疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状 の受療状況に関する全国疫学調査 参考各ワクチンの添付文書 ( 委員のみ配布 )

資料 10 HPV ワクチンの有効性及び安全性に関する疫学研究の概要 1. 研究事業名 厚生労働科学研究費補助金新興 再興感染症及び予防接種政策推進事業 2. 研究課題名 子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究 3. 研究予定期間 平成 27 年 7 月 7 日から 3 年計画 ( 現在 1 年目 ) 4. 研究者 主任研究者祖父江友孝大阪大学大学院医学系研究科社会医学講座教授 分担研究者 12 名 ( 平成 27 年度 ) ( 疫学 公衆衛生 神経内科学 小児科学 疼痛医学 がん領域等 関連する診療科の専門家により構成 ) 5. 研究計画の概要 HPV ワクチンについては 国内における安全性及び有効性についての疫学評価が乏しいことから 複数の専門家によって構成される共同研究により以下の研究を行う 疼痛並びに運動障害を中心とした多様な症状 の発現頻度並びに関 連因子を明らかにすることを目的とした記述疫学研究 HPV ワクチン接種後の 疼痛並びに運動障害を中心とした多様な症状 に関する追跡研究 子宮頸がん検診受診者における HPV ワクチンの有効性に関する疫学 研究

子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究研究者一覧 ( 平成 27 年度実績 ) 主任研究者 祖父江友孝大阪大学大学院医学系研究科教授 ( がん疫学 公衆衛生 ) 分担研究者 垣添忠生 日本対がん協会会長 福島若葉 大阪市立大学大学院医学研究科教授 ( 疫学 公衆衛生 ) 原めぐみ 佐賀大学医学部講師 ( 疫学 公衆衛生 ) 柴田政彦 大阪大学大学院医学系研究科教授 ( 疼痛医学 ) 榎本隆之 新潟大学医学部教授 ( 産婦人科 ) 上田豊 大阪大学大学院医学系研究科助教 ( 産婦人科 ) 宇川義一 福島県立医科大学教授 ( 神経内科学 ) 平田幸一 獨協医科大学医学部教授 ( 神経内科 ) 岡明 東京大学医学部教授 ( 小児科 ) 宮本信也 筑波大学人間系教授 ( 発達行動小児科学 ) 喜多村祐里大阪大学大学院医学系研究科准教授 ( 疫学 精神保健 )

1 資料 11 青少年における 疼痛又は運動障害を中心とする 多様な症状 の受療状況に関する全国疫学調査 厚生労働科学研究費補助金 ( 新興 再興感染症及び予防接種政策推進研究事業 ) 子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究 班 祖父江友孝 大阪大学大学院医学系研究科社会医学講座環境医学

2 医薬品の安全性評価 ( 副反応の評価 ) の一般的な考え方について HPV ワクチン接種後の副反応の評価における課題について 全国疫学調査のデザインについて

3 医薬品の安全性評価 : 一般的な考え方 製造販売承認を得るまで : 第 I, II, III 相試験 (Phase I, II, III trial) 対象者数が少ないため 非常にまれな有害事象は発生しない? 発生したとしても 因果性までは評価できない 市販後 : 医薬品安全性監視 シグナルの検出 (detection) 検出されたシグナル 疫学手法による評価 (assessment) コホート研究 症例 対照研究 Self-controlled method など

4 疫学研究デザインと 結果の質 ( エビデンスレベル ) 1) 記述疫学 2) 生態学的研究 3) 横断 ( 断面 ) 研究 比較群あり 個人単位の調査 4) 分析疫学 症例 対照研究 コホート研究 介入研究 非無作為化比較試験 無作為化比較試験 (RCT) 観察研究 要因結果に時間軸あり市販後の 医薬品安全性監視で 検出された signal を評価 (signal assessment) 実験研究 低 エビデンスレベル ( ) 高 ( ) デザイン上の判断

5 症例 対照研究 (case-control study) コホート研究 (cohort study) ワクチン (+) ワクチン (-) ワクチン (+) ワクチン (-) 症状 (+) 症状 (-) Study base コホート ワクチン (+) ワクチン (-) 症状 (+) 症状 (-) 症状 (+) 症状 (-) HPV ワクチン接種と 多様な症状 の関連 : 分析疫学研究における難関 (1) 諸外国における signal assessment : 既存のデータベースを利用するのが一般的 ( 例 : 医療情報 と ワクチン接種歴 のデータベースを個人識別番号で連結 ) わが国には 相当するデータベースなしデータベースが利用可能でも 多様な症状 は特定困難 既知の疾患ではないため 医療情報 のデータベース上でコード化されていない

6 症例 対照研究 (case-control study) コホート研究 (cohort study) ワクチン (+) ワクチン (-) ワクチン (+) ワクチン (-) 症状 (+) 症状 (-) Study base コホート ワクチン (+) ワクチン (-) 症状 (+) 症状 (-) 症状 (+) 症状 (-) HPV ワクチン接種と 多様な症状 の関連 : 分析疫学研究における難関 (2) Signal assessment のための疫学研究を立ち上げ 多様な症状を 前向きに 把握 (prospective case-control study, prospective cohort study) 当該症状は既知の疾患概念ではない 症状を 偏りなく (= 接種 非接種にかかわらず ) 特定することができるのか??

記述疫学については 十分な知見が得られているか? 7 1) 記述疫学 2) 生態学的研究 3) 横断 ( 断面 ) 研究 4) 分析疫学症例 対照研究コホート研究 症状の自然発生率 ( あるいはそれに代わる指標 )??? 基礎的な知見が欠落分析疫学の前段階として確認すべきこと HPVワクチン 非接種 で同様の症状を呈する者は一定数存在するのか? 介入研究 非無作為化比較試験 無作為化比較試験 (RCT) 難病の全国疫学調査 の 手法を応用し 全国規模で検証

8 難病の全国疫学調査 マニュアル 厚生労働省 ( 旧厚生省 ) 難病の疫学研究班 が考案 全国の病院における診療科を 病床規模別に層化無作為抽出 難病患者が大規模病院を受療する傾向を踏まえた設計 99 床以下 5% 100-199 床 10% 200-299 床 20% 300-399 床 40% 400-499 床 80% 500 床以上 100% 大学病院 100% 特別階層 * 100% * 病床規模にかかわらず 特に患者が集中すると考えられる病院. 一次調査 : 患者 ( 受療者 ) 数の推計二次調査 : 臨床疫学像の把握 今回の調査重篤な 多様な症状 極めて稀 HPVワクチン接種歴はないが 多様な症状 を呈する症例中規模病院を受診? 下記の層の抽出率を変更 200~499 床 : 100% 199 床以下 : 50%

青少年における 疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状 の受療状況に関する全国疫学調査 2016 年 1 月開始 一次調査 : 患者数推計 ( 期間有病率, period prevalence) 調査対象 ( 約 19,000 科 ) 全国の病院における 11 診療科 小児科 神経内科 麻酔科 産婦人科 整形外科 消化器内科 総合診療科 リウマチ科 脳神経外科 心療内科 精神科 特別階層として下記病院 (73 施設 ) 厚労省指定 HPV 感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関 抽出率 200 床以上の病院 大学病院 特別階層病院 :100%( 全数 ) 200 床未満の病院 :50%( 抽出 ) 調査対象症例基準 を満たす患者が 過去 6 ヵ月間 (2015.7.1~12.31) に受診したか? はがきで回答依頼 ( 受診 あり の場合は 性 年齢別患者数も ) 9

青少年における 疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状 の受療状況に関する全国疫学調査 調査対象症例基準 1 年齢 :12~18 歳 2 以下の症状 * が少なくとも 1 つ以上ある 疼痛および感覚 ( 光 音 におい ) の障害 痛み : 関節痛 筋肉痛 腰痛 頭痛 腹痛 全身の痛みなど しびれ感 : 四肢 顔面 体幹など 運動障害 起立障害 歩行障害 振戦 握力の低下 けいれん 麻痺 脱力など 自律神経症状 めまい 倦怠感 失神 冷汗 微熱 立ち眩み 耳鳴り 吐気 嘔吐 下痢など 認知機能障害 記銘力低下 学習能力の低下 集中困難など 3 2 の症状が 3 ヵ月以上 * 持続している 4 2 及び 3 のため 通学 就労に影響がある * (* 具体例や目安など 補足事項については調査書式上で別途記載 ) 10

青少年における 疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状 の受療状況に関する全国疫学調査 11 二次調査 : 臨床疫学像の把握 一次調査で 患者あり と回答した診療科に 個人票送付 臨床疫学特性の情報収集 ( 含 :HPV ワクチン接種歴 )

12 本調査で得られる知見 一次調査 12~18 歳で 多様な症状 が 3 ヵ月以上続いており 通学 就労に影響がある全国の推計患者数 ( 性 年齢別の期間有病率 ) 二次調査 多様な症状 の臨床疫学特性( 含 :HPVワクチン接種歴) を全国規模で把握一次調査の結果とあわせて 症状あり HPVワクチン接種歴なし の全国患者数を推計 自然発生の代替指標 安全性の議論の基礎データ