アウトライン 1. SNA における 教育 の概要 1.1. SNA における 教育 の動向 1.2. 定義 範囲 1.3. 非市場生産者の産出額の推計方法 2. 方法論の整理 2.1. 非市場生産者による財 サービスの実質アウトプットの推計方法 2.2. 産出数量法における質の調整方法 3. 海外

Similar documents
平成 28 年 3 月 25 日公表平成 25 年度 農業 食料関連産業の経済計算 - 農業 食料関連産業の国内生産額は 97.6 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果の概要 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 25 年度における農業 食料関連産業の国内生産額は 97 兆 5,777 億円

1 概 況

平成 30 年 4 月 10 日公表平成 28 年 農業 食料関連産業の経済計算 ( 概算 ) - 農業 食料関連産業の国内生産額は 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 28 年における農業 食料関連産業の国内生産額は 115 兆 9,63

第4章 一般政府及び対家計民間非営利団体関連項目の推計

時系列表1

2018年4-6月期2次速報値 時系列表1

第1章 経済動態

結果の概要1

平成28年度国民経済計算 年次推計 (支出側系列等)

参考資料1 高等教育の将来構想に関する参考資料2/3

参考資料1_学術研究関連データ集

平成27年度国民経済計算年次推計(平成23年基準改定値)(フロー編)ポイント

Microsoft Word - 利用上の注意.doc

<4D F736F F F696E74202D2090E096BE8E9197BF288A F984A93AD90B68E5990AB82CC8D918DDB94E48A E B8CDD8AB B83685D>

利用上の注意

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

平成 23 年北海道産業連関表について 北海道開発局 1 北海道産業連関表作成の趣旨 北海道開発局では 北海道の経済 社会動向を的確に把握し 北海道総合開発計画を立案 推進するための基礎資料として 昭和 30 年表からおおむね 5 年ごとに 北海道産業連関表 を作成しています なお 北海道産業連関表

物価指数研究会(第2回) 2015年基準 モデル式の検討「授業料」・「保育料」

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

国民経済計算の平成23年基準改定に向けて

生産性 イノベーション関係指標の国際比較 平成 29 年 11 月 9 日 財務総合政策研究所酒巻哲朗 1

トをウェイトとして用い各種の資本サービスを集計化し 単一の数量指数を導出 第 3 章ストックとフローの範囲と分類 (1) 3 つの分類 - 資産別 制度部門別 経済活動別 (2) 純資本と固定資本減耗 制度部門別に分類され 資本は貸借対照表に 固定資本減耗は所得支出勘定と資本調達勘定に計上される (

資料 1 SUT タスクフォース 意見取りまとめ (1) ー SUT 産業連関表の基本構成の考え方ー 2017 年 8 月 8 日国民経済計算体系的整備部会 部会長 SUTタスクフォース座長宮川努 1

資料 2-2 SUT タスクフォース 意見取りまとめ (1) ー SUT 産業連関表の基本構成の考え方ー 2017 年 8 月 24 日国民経済計算体系的整備部会 部会長 SUTタスクフォース座長宮川努 1

第1章

国民 1 人当たり GDP (OECD 加盟国 ) ( 付表 2)OECD 加盟国の国民 1 人当たりGDP(2002~2009 年 ) 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 1 ルクセンブルク 58,709 ルクセンブルク 59,951 ルクセンブルク 64,016 ルクセンブル

スライド 1

本資料は 様々な世帯類型ごとに公的サービスによる受益と一定の負担の関係について その傾向を概括的に見るために 試行的に簡易に計算した結果である 例えば 下記の通り 負担 に含まれていない税等もある こうしたことから ここでの計算結果から得られる ネット受益 ( 受益 - 負担 ) の数値については

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

<81798DC58F4994C5817A AEE91628E9197BF8F B95D2816A5F >

経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短

GDP( 国内総生産 ( 支出側 )) については FISIMを除いた計数を参考表章する また FISIMの導入に伴い 国民経済計算における財産所得 ( 利子の受取 支払 ) の概念が変更となる 従前の受取 支払の利子総額には金融仲介サービスの対価が反映されていることから それぞれについてFISIM

[000]目次.indd

データ集 採用マーケットの動向 学生の動向 企業の採用動向 大学の就職支援 付録 ( 添付資料 ) -45-

<4D F736F F F696E74202D C8E8693FC A F F95BD90AC E937889E482AA8D9182CC8DE090AD8E968FEE816990AD957B88C4816A2E >

社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

日本及び多くの OECD 加盟国において 教育がもたらす経済的効果は大きい 個人所得は 受けた教育段階が進むごとに上昇し とりわけ高等教育の修了によって大きく上昇する 日本において 高等学校を修了していない労働者の所得は 高等学校修了者の 80% しかない 逆に 大学修了者は 高等学校しか修了してい

年金給付 6 社会扶助給付 7 社会保障負担といった表現が使われ 脚注にあるようにそれぞれに定義が定められている したがって その定義を満たさなければ 社会保障費用統計では社会保障として扱われる項目であっても SNA では社会保障として扱われないことになる 一方 社会保障費用統計の財源として社会保障

参考:労働統計機関一覧|データブック国際労働比較2018|JILPT

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

. 物価の現状 消費者物価は 物価の基調を表すコアコア ( 生鮮食品及びエネルギーを除く総合 ) でみると 年後半に前年比でプラスに転じた後 年後半以降前年比 % 近傍となり横ばいが続いている なお エネルギーを含むコアでみると エネルギー価格の上昇により 7 年には前年比でプラスに転じた GDP

図 4-1 総額 と 純計 の違い ( 平成 30 年度当初予算 ) 総額ベース で見た場合 純計ベース で見た場合 国の財政 兆円兆 国の財政 兆円兆 A 特会 A 特会 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定

目次はじめに 1. 賃金上昇動向とその要因 賃金上昇の影響 最後に はじめに CLMV RIM 213 Vol.13 No.48 51

一般会計 特別会計を含めた国全体の財政規模 (1) 国全体の財政規模の様々な見方国の会計には 一般会計と特別会計がありますが これらの会計は相互に完全に独立しているわけではなく 一般会計から特別会計へ財源が繰り入れられているなど その歳出と歳入の多くが重複して計上されています また 各特別会計それぞ

結果の概要

税・社会保障等を通じた受益と負担について

平成29年科学技術研究調査結果 要約

平成26年版 特別会計ガイドブック

2 幼保連携型認定こども園 [ 表 3] 主要指標の推移 教育 保育職員数 1 学級当たり教育 保育職員 ( 本務者 ) 園数学級数在園者数 ( 本務者 ) の在園者数 1 当たりの在園者数対前対前対前対前 (3~5 対前 (0~5 対前増減数増減率増減率増減率歳児 ) 増減数歳児 ) 増減数 園

県民経済計算に係る主な用語の解説 あ 営業余剰 混合所得生産活動により産み出された付加価値のうち 市場生産者 ( 企業等 ) の生産活動の貢献分であり 市場生産者の所得となります このうち 営業余剰は企業会計上の営業利益に近い概念です 混合所得は家計のうちの個人企業の取り分であり 事業主や家族労働者

1999

結果の概要

資料1 世帯特性データのさらなる充実可能性の検討について

IT 人材需給に関する調査 ( 概要 ) 平成 31 年 4 月経済産業省情報技術利用促進課 1. 調査の目的 実施体制 未来投資戦略 2017 ( 平成 29 年 6 月 9 日閣議決定 ) に基づき 第四次産業革命下で求められる人材の必要性やミスマッチの状況を明確化するため 経済産業省 厚生労働

平成14年度社会保障給付費(概要)

企業向けサービス価格指数(2010年基準)の概要

(4) 教員数 [ 表 3] 教員数 は 1,295 人で 前より 43 人減少しました そのうち 女性教員の占める比率は 95.9% となっています (5) 小学校第 1 学年児童数に対する幼稚園修了者数の比率 [ 表 4] 当該の奈良県内の小学校第 1 学年の児童数に対する その年の 3 月の県

公表内容について 2 本機関は業務規程第 20 条に基づき 需要想定の前提となる経済指標として 以下の項目の見通しを策定し 公表しました ( 全国の経済見通しの策定 ) 第 20 条本機関は 需要想定の前提となる人口 国内総生産 (GDP) 鉱工業生産指数 (IIP) 等の経済指標について 当年度を

第6章 海外勘定の推計

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

我が国中小企業の課題と対応策

なお 民間企業においても 地域の購買力調査の資料として また 事業所の立地計画 など経営施策の資料としても有効に活用されています (3) 市町村民所得推計上の問題点市町村民所得は 市町村ごとの経済活動を明らかにすることを目的としています 所得統計は 数多くの一次統計資料を利用し 所得概念に従ってその


ITI-stat91

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

平成19年度学校保健統計調査結果

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより


「諸外国の大学教授職の資格制度に関する実態調査」1

推計結果 - 1 -

17 石川県 事業計画書

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

イクル成分 のみから 需要側の動きの 仮置き値 の作成を行う これにより 次 QE から 2 次 QE への改定幅を縮小させることが期待される 本改善策は 22 年 4-6 月期 次 QE から導入する 本改善策の効果について 一定の仮定をおいて試算を行ったところ 民間企業設備の 2 年 7-9 月

季刊国民経済計算

平成19年度学校保健統計調査結果

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

別紙2

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

平成 30 年度 ( 平成 29 会計年度 ) 地方教育費調査 ( 教育費調査 ) の概要 1 調査の目的学校教育 社会教育 生涯学習関連及び教育行政のために地方公共団体から支出された経費並びに授業料等の収入の実態を明らかにして 国 地方を通じた教育諸施策を検討 立案するための基礎資料を得る 調査実

変更されているが これに関する数値の修正は行っていない 医療 ( 公益法人等 ) ( 定義 範囲 ) 日本標準産業分類の中分類 73 医療業 のうち 日本赤十字社 厚生 ( 医療 ) 農業協同組合連合会 公益法人 ( 社団法人 財団法人 ) 共済組合及びその連合会等

Microsoft PowerPoint - 09macro3.ppt

EPA に関する各種試算 試算 1 EPA のマクロ経済効果分析 (3 ページ ) 内閣官房を中心に関係省庁と調整したシナリオに基づき 川崎研一氏 ( 内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官 ) が分析 WTO はじめ広く関係機関が活用している一般均衡モデル (GTAP モデル ) を使用 EPA

学術研究助成の在り方について(研究費部会「審議のまとめ(その1)」) 3/5(参考資料5ー11~5ー23)

shiryou3-1.pdf

【No

1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一

主な用語の解説 (50 音順 ) い一般政府県民経済計算では 政府を財貨 サービスの非市場生産者としてとらえている 具体的には 国出先機関 県 市町村 社会保障基金で構成される ( 公的企業として他部門に含まれるものを除く ) なお 一般政府は 通常の経済活動では供給されないような無償あるいはコスト

<4D F736F F D2082B782BD82DC82E C E646F6378>

季刊国民経済計算(供給・使用表(SUT)の枠組みを活用した支出側GDPと生産側GDPの統合)

税制について

シラバス-マクロ経済学-

資料 2 経済成長 発展について 平成 26 年 2 月 24 日内閣府

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

季刊国民経済計算(国民経済計算の2008SNA対応等におけるデフレーターの推計)

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

タイトル

40号表1

審議事項 (2) 年 7 月 ASBJ/EFRAG のスタッフがのれんと減損に関する定量的調査の付属資料として作成した付録付録 1: 定量的調査の概要付録 2: 主要なデータ セット 参考訳 財務会計基準機構の Web サイトに掲載した情報は 著作権法及び国際著作権条約をはじめ

Transcription:

教育の質の変化を反映した価格の把握手法の研究について ~ 方法論の整理 海外調査の状況と今後の方向性 ~ 2018 年 1 月 22 日内閣府経済社会総合研究所デフレーターユニット教育測定ライン

アウトライン 1. SNA における 教育 の概要 1.1. SNA における 教育 の動向 1.2. 定義 範囲 1.3. 非市場生産者の産出額の推計方法 2. 方法論の整理 2.1. 非市場生産者による財 サービスの実質アウトプットの推計方法 2.2. 産出数量法における質の調整方法 3. 海外事例の調査 3.1 実施概要 3.2 調査結果の概要 3.3 各国の事例紹介 4. 日本の学校教育における簡易試算 4.1 学校教育の在学者数の推移 4.2 産出数量法による暫定試算結果 5. 今後の研究の方向性 1

1.1. SNA における 教育 の動向 1. SNA における 教育 の概要 SNA における経済活動別 教育 の概要 1 < 経済活動 教育 の国内総生産および産出額の概要 > 経済活動別 教育 が全体に占める割合は国内総生産 :3.6% 産出額 :2.3% (10 億円 ) 25,000 20,000 日本における 教育 の国内総生産推移 (10 億ドル ) ( 参考 ) 米国における 教育 の国内総生産推移 400 (2011 年 =) (2009 年 =) 120 300 120 15,000 10,000 5,000 80 200 80 0 60 0 60 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016( 年 ) 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015( 年 ) 名目値 ( 左軸 ) 実質値 ( 左軸 ) デフレーター ( 右軸 ( 右軸 )) 名目値 ( 左軸 ) 実質値 ( 左軸 ) デフレーター ( 右軸 ( 右軸 ) ) 日本における 教育 の産出額推移 (10 億円 ) (10 億ドル ) (2011 年 =) 25,000 130 250 ( 参考 ) 米国における 教育 の産出額推移 (2009 年 =) 130 20,000 120 110 200 120 110 15,000 150 10,000 90 90 80 80 5,000 70 50 70 0 ( 60 年 ) ( 年 ) 0 60 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 名目値 ( 左軸 ) 実質値 ( 左軸 ) デフレーター ( 右軸 ( 右軸 ) ) 名目値 ( 左軸 ) 実質値 ( 左軸 ) デフレーター ( 右軸 ( 右軸 ) ) ( 参考 ) 内閣府 平成 28 年度国民経済計算年次推計 フロー編付表経済活動別の国内総生産 要素所得 米国商務省 BEA Industrial Economic Account 2

1.1. SNA における 教育 の動向 1. SNA における 教育 の概要 SNA における経済活動別 教育 の概要 2 < 経済活動 教育 の国内総生産および産出額が全体に占める割合の推移 > GDP に占める経済活動別 教育業 の国内総生産 ( 名目 ) の割合 経済活動別 教育 の産出額 ( 名目 ) の割合 * 5% 5% 4% 4% 3% 3% 2% 2% 1% 1% 0% 0% 1994 1997 2000 2003 2006 2009 2012 2015 ( 年 ) 1994 1997 2000 2003 2006 2009 2012 2015( 年 ) * 内閣府 平成 28 年度国民経済計算年次推計 フロー編付表 2 の産出額の小計に対する割合 ( 参考 ) 内閣府 平成 28 年度国民経済計算年次推計 フロー編主要系列表 3 付表 2 3

1.1. SNA における 教育 の動向 1. SNA における 教育 の概要 SNA における経済活動別 教育 の概要 3 < 経済活動別 教育 の労働生産性の推移 > 実質国内総生産労働生産性 = ( 雇用者数 労働時間 ) ( 指数 :2011 年 =) 120 110 90 80 70 60 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 ( 年 ) ( 参考 ) 内閣府 平成 28 年度国民経済計算年次推計 フロー編付表経済活動別の国内総生産 要素所得 経済活動別雇用者数 労働時間数 4

1.2. 定義 範囲 1. SNA における 教育 の概要 JSNA の 教育 の産出額の 90% 以上は非市場生産者 ( 政府 対家計民間非営利団体 ) が占め その大部分が 学校教育 * 本年度は 非市場生産者による教育サービスについて研究 JSNA 財貨 サービス別 / ( 参考 ) 平成 23 年産業連関表経済活動別分類公表分類内容品目国内生産額構成比 教育 ( 政府 ) 教育 ( 非営利 ) 教育 学校教育 ( 国公立 ) 14.0 兆円 63% 学校給食 ( 国公立 ) 0.7 兆円 3% その他の教育訓練機関 ( 国公立 ) 0.4 兆円 2% 学校教育 ( 私立 ) 6.0 兆円 27% 学校給食 ( 私立 ) 0 兆円 0% 教育その他の教育訓練機関 ( 産業 ) 1.1 兆円 5% * ここでの 学校教育 は 学校教育法に基づき設置されている教育機関により提供される教育を指しており 具体的には 幼稚園 小学校 中学校 高等学校 中等教育学校 特別支援学校 短期大学 大学 高等専門学校 専修学校 各種学校等が含まれる 5

1.3. 非市場生産者の産出額の推計方法 1. SNA における 教育 の概要 現行 JSNA における経済活動別 教育 の産出額の推計方法 1. 名目産出額 ( 名目アウトプット ) 非市場生産では 経済的に意味のある価格が観測できないことから 生産費用 ( 中間消費 生産 輸入品に課される税 固定資本減耗 雇用者報酬 ) の合計から算出 推計に使用する基礎統計は 国の決算書 地方財政統計年報 独立行政法人等の財務諸表 産業連関表 今日の私学財政等 2. 実質産出額 ( 実質アウトプット ) 生産費用の各項目 ( 中間消費 生産 輸入品に課される税 固定資本減耗 雇用者報酬 ) の名目値を 対応するデフレーターで実質化して求める ( 投入コスト法 ) 中間消費 + 生産 輸入品に課される税固定資本減耗実質産出額 = + 中間消費デフレーター総固定資本形成デフレーター + 雇用者報酬雇用者報酬デフレーター 3. デフレーター 次式から事後的に算出 名目アウトプットデフレーター = 実質アウトプット 平成 28 年度年次推計における 教育 の生産費用内訳 0.4, 中間投 現行法 ( 投入コスト法 ) に基づく生産性の算出 実質アウトプット = 実質インプットとしていることから 定義上 生産性 = 実質アウトプット実質インプット =1( 一定 ) 営業余 剰, 1% 固定資 本減耗, 4.3, 18% 入, 4.0, 17% 税 補 助金, 0.1, 1% 雇用者 報酬, 14.7, 63% 6

2.1. 非市場生産者による財 サービスの実質アウトプットの推計方法 2. 方法論の整理 2008SNA において示される 3 つの推計アプローチ 当面の主たる研究対象 手法 推計方法の概要 各国の対応状況 (SNA 本体系 ) 2008SNA における位置づけ 産出数量法 (output volume method) 1 実質アウトプットを 生産の量的指標欧州各国 ( 児童 生徒 学生数 ) をベースに把握 豪州 2デフレーターは 名目アウトプットをカナダ実質アウトプットで除して算出 ( 高等教育 ) 実務上困難な疑似アウトプット価格法の次善策として推奨 投入コスト法 (input method) 1 実質アウトプットは 実質インプット ( 投入物の数量測度の加重合計 ) をベースに把握 2 デフレーターは 名目アウトプットを実質アウトプットで除して算出 米国カナダ ( 初中等教育 ) 日本 産出数量法の実装が困難あるいは検討が不十分な場合に許容 疑似アウトプット価格法 (pseudo output price method) 1 類似する生産物の生産価格指数を把握 2 実質アウトプットは 名目アウトプットを生産価格指数で除して算出 - 概念上最も推奨されるが実務的に困難 7

2.2. 産出数量法における質の調整方法 2. 方法論の整理 2008SNA において示される 2 つの実質アウトプットの質調整アプローチ <1 細分化 ( 非明示的な質調整 ) のアプローチ > 教育段階等 * に着目して 教育サービスを層化 細分化し 分類内のサービスを均質にする 細分化した分類ごとに量的指標 ( 児童 生徒 学生数等 ) を把握し 生産費用のウェイトで加重平均値を求める <2 明示的な質調整のアプローチ > 学力テストのスコアなど定量的な指標から 明示的に質の変化を捉え 実質アウトプットに反映する ( 先行研究や参考系列として公表している国があるが SNA 本体系では未導入 ) * 教育段階等に関する補足 教育段階は 基礎統計の調査区分 ( 児童 生徒 学生数 生産費用 ) を踏まえて検討する 児童 生徒 学生数に関する区分 ( 学校基本調査 における区分 ): 幼稚園 幼保連携型認定こども園 小学校 中学校 高等学校 中等教育学校 特別支援学校 短期大学 大学 高等専門学校 専修学校 各種学校 欧州では 教育段階に加え 高等教育については学部別に細分化している

( 参考 ) 明示的な質調整の指標の考え方 2. 方法論の整理 OECD ワーキングペーパーによる教育サービスのインプット / アウトプット / アウトカムの整理 scope 国民経済計算 ウェルフェア 政策分析 インプット ( 投入 ) 明示的な質調整なしのプロセス アウトプット ( 産出 ) 質調整のアウトカム ( 成果 ) 明示的な質調整ありのプロセス ツールとしての スコア情報 直接的アウトカム 間接的アウトカム インプット 教員数 資本投入 中間投入 教育レベル, その他の適切な性質の生徒数 / 生徒時間数 質調整された活動, プロセス = 教育レベル別スキルや知識の移転 スコアによって計測される知識やスキル 人々の知識ステータス 将来実所得 GDP 成長率 豊かな市民等 環境的要因 遺伝的スキル 社会経済的な背景等 ( 出典 )Paul Schreyer(2010), Towards Measuring the Volume Output of Education and Health Service A HANDBOOK, OECD Statistics Working Papers 9

3.1. 実施概要 3. 海外事例の調査 目的 諸外国の SNA における非市場の教育サービスの実質アウトプットの計測に関して 現在の推計方法や課題 今後の展望等について 最新の動向を把握する 調査方法 (1) 文献調査 実施時期 :2017 年 4 月 ~ 主な文献 :OECD ワーキングペーパー * 1 EU ハンドブック * 2 *1Paul インプット Schreyer (2010),OECD Statistics Working Papers *2Eurostat (2016) (2) メールヒアリング調査 実施時期 :2017 年 9 月 ~10 月 調査対象 :G7( 米国 カナダ 英国 フランス ドイツ イタリア ) 豪州国際機関 (Eurostat OECD) の計 9 機関 (3) 実地ヒアリング調査 実施時期 :2017 年 12 月 7 日 ~16 日 調査対象 : 欧州の統計局 ( 英国 フランス ドイツ )* 3 国際機関 (Eurostat OECD) の計 5 機関 *3 米国 カナダ 豪州は 2018 年度実地ヒアリング予定 10

3.2. 調査結果の概要 3. 海外事例の調査 主要国の検討状況 1 国 SNA 本体系における推計手法 産出数量法導入時期 2008SNA への対応時期 米国投入コスト法 * - 2013 備考 * 産出数量法に関しては 複数の手法について研究段階にある カナダ < 初等中等教育 > 投入コスト法 インプット < 高等教育 > 産出数量法 2015* 2012 * 導入時期は university については 1997 年 college については 2015 年 英国 産出数量法 1998 2014 フランス 産出数量法 2005 2014 ドイツ 産出数量法 2005 2014 イタリア産出数量法ヒアリング中 2014 豪州産出数量法 1997-98* 2009 *1997-98 年の年次推計において 供給使用表とあわせて導入 11

3.2. 調査結果の概要 3. 海外事例の調査 主要国の検討状況 2 国 就学前 ~ 初等中等教育段階 高等教育段階 数量指標層化基準数量指標層化基準 ウェイト指標 備考 カナダ - - 学生数 地域別コスト 英国 出席率を加味した児童 生徒数 教育段階別 (6 区分 ) 地域別 (4 区分 ) 学生数 教育段階別 (10 区分 ) 地域別 (4 区分 ) コスト フランス 児童 生徒数 教育段階別(6 区分 ) 学生数 教育段階別(5 区分 ) コスト インプット ドイツ 児童 生徒時間数 生徒数 * 教育段階別 (18 区分 ) 学生数 教育機関別 (3 区分 ) 科目別 (9 区分 ) コスト * 職業学校のみ イタリア 児童 生徒数 教育段階別 就学前教育はさらに設置者別 (2 段階 ) 後期中等教育はさらに教育類型別 (5 段階 ) 学生数 学部別 (18 区分 ) コスト 豪州 児童 生徒数 児童 生徒時間数 教育段階別学生数 教育段階別コスト 12

( 参考 )SNA における 教育 の国際的な分類 3. 海外事例の調査 SNA に関係する共通の分類と定義 国際標準産業分類 ISIC Rev.4 P 教育 (2008SNA と呼応 ) 851 初等前教育 初等教育 欧州共同体生産物分類 CPA 2.1 P 教育 (Eurostat のベースで ISIC と整合的 ) 国際教育標準分類 ISCED 1997 (UNESCO による定義で OECD のベース ) 85.1 就業前教育レベル 0 就学前教育 85.2 初等教育レベル 1 初等教育 8521 一般中等教育 85.31 一般中等教育 レベル2 前期中等教育 8522 技術 職業中等教育 85.32 技術, 職業中等教育 レベル3 後期中等教育 853 高等教育 85.41 高等教育以外の中等後教育レベル 4 高等教育以外の中等後教育 85.42 高等教育 レベル 5 高等教育レベル 6 上級研究学位プログラム 854 その他の教育 85.5 その他の教育 - 855 教育支援サービス業 85.6 教育支援サービス - education = organized and sustained communication designed to bring about learning 学習をもたらすために行われる 体系化された持続的な伝達 教育システムは各国ごとに大きく異なるが SNA 上は UNESCO や OECD の定義に基づく共通のものさしを用いて基礎統計を整備し データを計測している 13

3.3. 各国の事例紹介 1 3. 海外事例の調査 投入コスト法 vs. 産出数量法の実質アウトプット比較 ( フランス 2005 年推計値 ) 教育サービスの実質アウトプットの推移 (1990~2004 年 ) < 結果 > 投入コスト法による実質アウトプットは増加傾向 産出数量法による実質アウトプットは横ばい ( 出典 )INSEE(2007), LE PARTAGE VOLUME-PRIX Base 2000, 14

3.3. 各国の事例紹介 2 3. 海外事例の調査 投入コスト法 vs. 産出数量法の実質アウトプット比較 ( ドイツ 2005 年推計値 ) 教育サービスの実質アウトプットの推移 (1991~2003 年 ) education service (output) volume development input method change over previous year output method change over previous year input method volume index output method volume index < 結果 > 投入コスト法 産出数量法のそれぞれによる実質アウトプットはいずれも同様の増加傾向 ( 出典 )Destatis (2005), Revision der Volkswirtschaftlichen Gesamtrechnungen 2005 für den Zeitraum 1991 bis 2004 15

3.3. 各国の事例紹介 3 3. 海外事例の調査 明示的質調整なし vs. 明示的質調整ありの生産性比較 ( 英国 2015) イギリスの現状について ( 国家統計局 ONS) 公的教育サービスの生産性指標および成長率の推移 (1996~2013 年 ;1996 年基準 ) < 結果 > 生産性の対前年成長率を単純平均すれば質調整なしでは 1.5% 質調整ありでは +0.2% < 課題 > 地域ごとの教育政策や収集データの違い 試験の変更 ( 例 : カバー範囲 ) 等 ( 出典 )ONS (2015), Public service productivity estimates: Education 2013 16

4.1. 学校教育の在学者数の推移 4. 日本の学校教育における簡易試算 ( 万人 ) 1,400 1,200 1,000 Kindergarten 幼稚園 Centers 幼保連携型認定こども園 for early childhood education and care Elementary 小学校 school Junior 中学校 high school High 高等学校 school University 大学 800 600 400 200 0 1948 1951 1954 1957 1960 1963 1966 1969 1972 1975 1978 1981 1984 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011 2014 2017 ( 年 ) 150 Secondary 中等教育学校 education school schools 特別支援学校 for special needs Specialized 専修学校 training college Miscellaneous 各種学校 school Graduate 大学院 school Junior 短期大学 college College 高等専門学校 of technology 50 0 1948 1951 1954 1957 1960 1963 1966 1969 1972 1975 1978 1981 1984 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011 2014 2017 ( 年 ) ( 出典 ) 文部科学省 学校基本統計, 在籍者数合計 17

4.2. 産出数量法による暫定試算方法 4. 日本の学校教育における簡易試算 < 推計対象年 > 1994 年 ~ 2017 暦年 < 対象品目 > JSNA の財貨 サービス別細分類 ( 政府 ) 教育 ( 非営利 ) 教育 のうち 学校教育 < 細分化 i > 学校設置者別 学校段階別による 20 区分 学校設置者 : 一般政府 ( 国公立学校 ) 対家計民間非営利団体( 私立学校 ) 学校段階 : 幼稚園 小学校 中学校 高等学校 特別支援学校 短期大学 大学 高等専門学校 専修学校 各種学校インプット < 量的指標 q i t > 学校基本調査 の年次統計 学校設置者別 学校段階別の在園者数 在籍者数 < サービス 1 単位当たりの生産費用 p i t > 産業連関表 の部門別品目別国内生産額表を基に算出 p i t = 学校教育部門の品目別国内生産額 生徒数 < 推計式 L Q > ラスパイレス数量指数 ( 固定基準年方式 ) L Q = i p 0 i q t i / p 0 0 i i q i ( 出典 ) 小林 (2018) SNA における非市場の教育サービスの実質産出量の計測について ~ 産出数量法による暫定的な試算 ~, 季刊国民経済計算 No.163( 近刊 ) 18

4.3. 産出数量法による暫定試算結果 1 4. 日本の学校教育における簡易試算 (2011 年 =) 125 120 細分化による質調整 115 児童 生徒 学生数 110 ( 参考 )JSNA_ 経済活動別教育 105 産出数量法 _ 試算値 95 90 85 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 ( 年 ) ( 出典 ) 生徒数 : 文部科学省 平成 29 年度学校基本調査, 年次統計, 総括表, 在学者数 JSNA_ 経済活動別教育 : 内閣府 平成 28 年度国民経済計算年次推計 フロー編付表 2( 実質 ), 14 教育 の産出額産出数量法 _ 試算値 : 小林 (2018) 19

4.3. 産出数量法による暫定試算結果 2 4. 日本の学校教育における簡易試算 実質アウトプット労働生産性 = 雇用者の総労働時間 実質アウトプットサービス1 単位当たりの質 = 生徒数 110 産出数量法 _ 試算値 学校教育の労働生産性 (2011 年 =) 110 学校教育のサービス 1 単位当たりの質 (2011 年 =) 産出数量法 _ 試算値 90 90 80 80 70 ( 参考 )JSNA_ 経済活動別教育 70 ( 参考 )JSNA_ 経済活動別教育 ( 参考 )JSNA_ 経済活動別教育 60 60 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016( 年 ) 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 ( 年 ) 7% 6% 5% 4% 学校教育の労働生産性 ( 対前年増加率 ) ( 参考 )JSNA_ 経済活動別教育 5% 4% 学校教育のサービス 1 単位当たりの質 ( 対前年増加率 ) ( 参考 )JSNA_ 経済活動別教育 3% 2% 1% 3% 2% 0% -1% 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 ( 年 ) 1% 産出数量法 _ 試算値 -2% -3% -4% 産出数量法 _ 試算値 0% -1% 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 ( 年 ) ( 出典 ) 文部科学省 平成 29 年度学校基本調査 内閣府 平成 28 年度国民経済計算年次推計 小林 (2018) を基に作成 20

4.3. 産出数量法による暫定試算結果 2 4. 日本の学校教育における簡易試算 実質アウトプット生産性 = 実質インプット < 生産性の推移 > 学校教育の生産性イメージ ( 簡易試算値 *) < 教育業の雇用者数 労働時間の推移 > 教育の雇用者数等 125 産出数量法 _ 試算値 120 115 ( 参考 )JSNA_ 経済活動別教育 110 105 ( 参考 )JSNA_ 経済活動別教育 95 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 * 簡便のため 現行 JSNA における経済活動別教育の実質アウトプット ( 指数 ) を実質インプットと用いている 90 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 就業者数雇用者数労働時間雇用者の総労働時間 ( 出典 ) 文部科学省 平成 29 年度学校基本調査 内閣府 平成 28 年度国民経済計算年次推計 小林 (2018) を基に作成 21

5. 今後の方向性 5. 今後の方向性 アウトプット計測の精緻化 < 細分化 ( 非明示的な質調整 ) のアプローチ > EUハンドブック (2016)* に基づき 欧州の本体系に導入している手法を基に 学校基本統計 ( 児童 生徒 学生数等 ) や 地方教育費調査 ( 学校種別のコスト ) 等を用いてさらなる試算を行う *Eurostat(2016), Handbook on prices and volume measures in national accounts < 明示的な質調整のアプローチ > 諸外国の先行研究や教育経済学の事例を参考に 教育サービスの質の変化の指標として 成果指標 ( 学力テストのスコア等 ) の利用可能性について研究する インプット計測の精緻化 より正確な生産性の計測のため 次期 公的統計の整備に関する基本的な計画 にも盛り込まれている 教育の中間投入構造の把握 ( 地方教育費調査の項目拡充等 ) を踏まえ 実質インプットの把握の精緻化の可能性について検討する 22