BayoLink Excel アドイン使用方法 1. はじめに BayoLink Excel アドインは MS Office Excel のアドインツールです BayoLink Excel アドインは Excel から API を利用して BayoLink と通信し モデルのインポートや推論の実行を行います BayoLink 本体ではできない 複数のデータを一度に推論することができます なお現状ではソフトエビデンスを指定して推論を行うことはできません 2. 動作環境 BayoLink Excel アドインを使用するためには BayoLink( 旧 BAYONET) Ver.5.0 以上が必要です 3. インストール方法 BayoLink Excel アドインを使用するには BAYONET を PC にインストールした後 Excel への登録作業が必要 となります ここではその登録方法を説明します 登録 : Excel2003 の場合 1Excel ワークブックを開きます 2メニューの [ ツール ] [ アドイン ] を選択します 3[ 有効なアドイン ] リストの [BAYONET アドイン ] のチェックボックスをオンにし [OK] をクリックします
図 1 アドインに登録する メニューバーに [BAYONET] が追加されます 登録 : Excel 2007, 2010, 2013 の場合 1 Excel ブックを開きます Excel2007 の場合 左上の Office マークをクリックします 図 2 Office マーク (Excel 2007) Excel 2010 及び 2013 の場合は 左上の [ ファイル ] タグをクリックします 図 3 ファイルタグ (Excel 2010) 2 下のほうにある [Excel のオプション ] ボタンをクリックします 3[Excel のオプション ] ダイアログの 左側のリストから [ アドイン ] を選択します 表示されたアドインパネルの 下にある [ 管理 ] コンボボックスで [Excel アドイン ] を選択し [ 設定 ] ボタンをクリックします
図 4 Excel のオプションダイアログ 4[ 有効なアドイン ] リストの [BAYONET アドイン ] のチェックボックスをオンにし [OK] をクリックします [ 有効なアドイン ] リストに該当項目がない場合は P.11 の 12 有効なアドインがみつからない場合の対応 をご参照ください 5メニューの [ アドイン ] タグに [BAYONET] が追加されます 図 5 Excel 2007 メニューの [ アドイン ] タグ
4. アンインストール方法 通常 BayoLink 本体をアンインストールすると 同時にアドインもアンインストールされます ただし BayoLink 本体のアンインストールの前に必ず Excel アドインの登録を解除してください 登録したまま アンインストールを行いますと メニューに名前が残る場合があります 以下では Excel アドインの登録を解除する方法を示します Excel 2003 で登録を解除する 1Excel ブックを開き メニューの [ ツール ] [ アドイン ] を選択します 2[ 有効なアドイン ] リストで [BAYONET アドイン ] 項目のチェックをオフにします Excel 2007,2010,2013 で登録を解除する 1Excel ブックを開きます Excel 2007 の場合左上の [Office] マークをクリックします Excel 2010,2013 の場合左上の [ ファイル ] タグをクリックします 2 下のほうにある [Excel のオプションボタン ] をクリックします 3[Excel のオプション ] ダイアログの 左側のリストから [ アドイン ] を選択します 表示されたアドインパネルの下にある [ 管理 ] コンボボックスで [Excel アドイン ] を選択し [ 設定 ] ボタンをクリックします 4[ 有効なアドイン ] リストで [BAYONET アドイン ] 項目のチェックをオフにします アンインストール後にメニューにアドイン名が残る場合アドインの登録を解除する前に BayoLink 本体をアンインストールすると [ 有効なアドイン ] リストではアドインの名前がないのにメニューにアドイン名が表示されることがあります メニューからアドイン名を削除する方法を次に示します 1 BayoLink を再度インストールします 2 Excel を開きアドインの登録を解除します 3BayoLink をアンインストールします 5. 推論ツール 推論は メニューの [BAYONET] [ 推論ツール ] で実行できます
図 6 推論ツールのシナリオタグ 推論の実行方法 推論は 次の手順で実行します 1 BayoLink を起動するツールを使用する前に あらかじめ BayoLink を起動しておく必要があります 2 推論データシートを作成する推論データシートをフォーマットに従い作成します 詳細は 推論データについて を参照してください 3 推論シナリオを設定する推論に使用するモデルを選択し 目的変数を指定します 詳細は シナリオを設定する を参照してください 4 推論するデータ行を指定する推論したいデータ行を指定する場合は [ 選択行のみ推論 ] チェックボックスをオンにして データシートで 行をクリックして選択します データ行を指定しない場合は 全ての行で推論を実行します 5[ 実行ボタン ] を押す
シナリオを設定する 推論シナリオの設定方法を示します 2 [ 推論ツール ] の [ シナリオ ] タグを表示します 2 推論に使用するモデルを BayoLink で開きます また アドインからモデルをインポートすることもできます 3[ プロジェクトの選択 ] コンボボックスから 推論対象のモデルを選択します 4[ 目的変数 ] リストから 必要なノード名を選択します 目的変数はワークシートから選択することもできます アドインからモデルをインポートする BayoLink のモデルをアドインから BayoLink にインポートする方法を示します 1[ 推論ツール ] のシナリオタグの [ プロジェクトを開く ] ボタンをクリックします 2 インポートするモデルファイルを選択します 3[ プロジェクトの選択 ] コンボボックスにモデルが追加されます (*) モデルファイルは xml 形式と bif 形式がロードできます 目的変数をワークシートから選択する モデルのノード数が大きくなると 目的変数リストから一つ一つ選択することに大変な手間がかかっ てしまいます ここでは ワークシートから目的変数を読み込んで 指定する方法を示します 1 推論データシート以外の適当なワークシートをブックに追加します ( または開きます ) 2セルに目的変数として使用するノードの名前を 全て記入します 3 目的変数が記入されたセルを全て選択します 4[ 目的変数の設定 ] 欄の [ セルから読み込む ] ボタンをクリックします 5リストで目的変数が選択されます
6. オプション設定 推論実行のためのオプションについて説明します オプションは [ 推論ダイアログ ] の [ オプション ] タグで設定し ます 図 7 オプションタグ 推論結果を別シートに出力する [ オプション ] タグの [ 推論結果を別のシートに出力する ] をチェックすると [ シートの名前 ] で指定したシートに 推論結果を出力します このオプションは データシートと推論結果シートを別にする場合に使用します 推論時のエラーをスキップする [ 推論時のエラーをスキップする ] チェックボックスをオンにすると ある行の推論でエラーが発生しても プロ グラムを終了しないで 残りのデータの推論を行います 7. 推論データについて 推論データシートのフォーマット推論に使用するデータシートは以下のようなフォーマットで作成します データシートはヘッダーとエビデンスデータで構成されます ヘッダーには 説明変数として使用するノードの名前を記述します 次の例は説明変数として " アジア訪問経験 " " 喫煙者?" " 呼吸困難?" を使用することを示しています ヘッダーは必ず一行目に記入します エビデンスデータは説明変数でエビデンスとする状態名を記入します 例えばデータシート例の 3 行目は {" アジア訪問経験 "= 無," 喫煙者?"= はい," 呼吸困難?"= はい } というエビデンスが設定されていることを示しています エビデンスデータは二行目以降に記述します ヘッダーのノード名とエビデンスデータの値は モデルに存在する値を正確に記述します
図 8 データシートの例 推論の実行範囲 データシートに値が記入されている最後の行まで推論が実行されます また データ行を選択して推論を行 うこともできます 欠損値について 空欄のセルは欠損値として扱うため エビデンスが設定されません 例えば データシート例の 8 行目は " 喫 煙者?" についてエビデンスのない状態で推論を行います 離散化などの編集を行ったモデルで推論を行う場合の注意学習データの編集機能で モデルのノードや状態名を元のデータから変更した場合は 推論データも同じように編集しておく必要があります 例えば数値データを離散化した場合は 推論データも同じように離散化をしておく必要があります これは次の方法で可能です 推論データをモデルの学習データの変換方法でエクスポートする ( 操作マニュアル 6.4 学習データのエクスポート 参照 ) データシートにおける TRUE 及び FASLE の扱い推論データに "true" や "false" といった値があるときに Excel ワークシートで これらの値が 自動的に大文字の "TRUE" "FALSE" に変換されることがあります これは標準セルに入力した "true" や "false" が Excel の論理関数として認識されてしまうことが原因です このまま推論を行うと 推論結果に誤りが生じます 次の方法で変換を回避します 入力するセルの書式を [ 文字列 ] にする ( 値を入力する前に設定する ) 標準セルに入力する場合値の前にアポストロフィ (') をつける 例 ) 'true
8. 推論の結果について 推論の結果は 各行の推論データに続けて空白を挟んで出力されます 次の例は目的変数として " 気管支炎?" を指定した場合の推論結果です G 列と H 列は 目的変数である " 気管支炎?" の確率分布を表しています F 列の " 気管支炎?" は 推論により選択された状態値です これは確率値の最も大きいものが選ばれます 図 9 推論の結果 9. DCNode を含むモデルの推論 ここでは DCNode( 連続値を離散化したノード ) について説明します 説明変数に DCNode を使用する DCNode を説明変数として使用する場合エビデンスデータとして カテゴリ化された状態名の他 数値を直接指定することが可能です 数値で指定すると その値が含まれるカテゴリをエビデンスとして指定することになります カテゴリの上限値は範囲に含まれますが 下限値は含まれません 例えばカテゴリが 251~931 であれば 251 はこのカテゴリより前のカテゴリに入り 一方 931 は 251^931 に含まれます 例 )DCNode "amount" が状態として {0~1000, 1000~2000, 2000~3000} をもつ 以下の入力データがそれぞれどのカテゴリに入るかを示す 入力データ カテゴリ 1623 1000~2000 1000 0~1000 1000~2000 1000~2000
目的変数に DCNode を使用する DCNode は DNode と同様に目的変数として使用することができます 推論結果はカテゴリ化された状態名 ( 例 えば "9000~12000") で表示されます 10. 使用できないモデル アドインではプログラムの都合上 アルファベットの大文字と小文字を区別することができません このため 以下に該当するノード名や状態名が含まれるモデルは使用できません ノード名で大文字と小文字が異なるもの ( 例えば "ALARM" と "alarm" "Temp" と "temp" などが混在するモデル ) 1 つのノードの状態変数で大文字と小文字が異なるもの ( 例えば "YES" と "yes" "No" と "no" などが混在するモデル ) 但し異なるノードに存在する場合は使用可能 ( 例 )A ノードの状態変数 {"YES","yes"} アドイン使用不可 A ノードの状態変数 {"YES"},B ノードの状態変数 {"yes"} アドイン使用可 11. 推論実行時に発生するエラーについて 推論の実行でエラーが発生すると その内容を各行の末尾に出力します 説明変数エラーエビデンスデータの値がモデルの該当ノードに存在しない場合に発生します 例 ) 説明変数エラー :" 喫煙者?" は証拠状態をセットできませんでした 説明変数エラーの発生しているノードについては証拠状態をセットしないで推論を行います 図 10 説明変数エラーの例推論エラー推論時に発生するエラーです エラーの内容により様々なメッセージを出力します 例 ) 推論エラー : "[LoopyBP] network has cycle. not DAG" 上記例の場合はネットワークに循環が存在しているため (not DAG) 推論が実行できないことを表しています
図 11 推論エラーの例 12. 有効なアドインがみつからない場合の対応 BayoLink をインストールするとインストールを行ったユーザーについては Excel の [ 有効なアドイン ] リストに "BAYONET アドイン " という項目が追加されます それ以外のユーザーに関しては手動でアドインファイルを所定の位置に配置して頂く必要があります その方法を以下に説明します 次の二つのファイル ( アドイン本体とヘルプ ) をユーザーローカルの Excel アドインフォルダにコピーします C:\Program Files (x86)\bayonet\excel\bayonetaddin.xla C:\Program Files (x86)\bayonet\excel\bayonet_addin.chm Excel のアドインフォルダは通常以下の場所です C:\Documents and Settings\< ユーザーアカウント >\Application Data\Microsoft\AddIns Windows Vista 7 8 の場合は アドインフォルダは以下の場所です
C:\Users\< ユーザーアカウント >\AppData\Roaming\Microsoft\AddIns フォルダにファイルをコピーしたらマニュアルに従いアドインを Excel に登録して下さい